コードギアス 反逆のルルーシュ Request C.C.   作:グリムゼン

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頭の中には完成図が浮かんでいるのに書けない今日この頃です。
お付き合いいただけますと幸いです。


第六十一話  絶対遵守 零れ落ちるは命の花

虐殺宣言をした後、大騒動が勃発

いつのまにかユーフェミアも消えた。

ガウェインに乗っていたルルーシュもすぐさまコクピットに入った。

大方、僕たちに通信をしてくるってところだよね・・・

 

 

「エイス!」

「・・・聞こえてるよ」

「これは・・・」

「C.C.聞こえてる?」

「ああ」

「ルルーシュに問題は?」

「いや、私もつながっているが問題はない」

「どういうことだ!」

「もしかしたらギアスの暴走かとも思ったんだけどね」

「俺の、ギアスが・・・ユフィを」

「そうじゃないと分かったから、気に病まないの」

 

リートが言ってくれているが、白々しいにもほどがあるな。

・・・いかん、気分は沈むなやはり・・・

どれだけ言い繕ってもこれは私たちの罪なんだからな。

『私』に聞いていてこれで確信が持てたのは良かったと思うべきなのか。

ルルーシュの罪悪感を持たせないようにすることができるかとも考えた。

だが、おそらくこれは・・・

 

「しかし、エイス!」

「第三者っていう可能性だよ。僕たち以外にギアスを使う可能性がある人物はないわけじゃない」

「だが、これはあまりにも黒の騎士団に都合がよすぎる。そして俺の意図を汲んでこれを引き起こしたわけじゃない」

 

そこまでわかっちゃうのはしかたない。ルルーシュは頭がいいから。

目をそらさせてあげたいけど今は無理。

そしてここで死ぬ人間は、とても酷いことを言うようだけど、この先生きられない。

僕たちの手の届く範囲にいるけど、僕たちは手を差し出さない。

さてと、現実を見ないと。僕たちにとって今死ぬ人間は記号でしかない。

数でしかないんだよ。ルルーシュは、そう思ってくれるとは思ってないけど。

あの事を言ってしまえば、二人とも幸せに終われるかって言ってもそうはならない。

何故なら、もう死んでしまっているし、当の本人達が納得しない。

でも・・・もし、踏ん切りがつくなら・・・

 

 

「ルルーシュ」

「・・・」

「アレを殺そう」

「なにっ!?」

「今アレを殺さないと、被害が増える」

「エイス、お前、ユフィをアレと!」

「今そんなことを言っている場合じゃない、敵かどうかだ!」

「だが、ナナリーのためにはユフィもいないといけない!」

「今目の前で虐殺を行ったあれが、ユーフェミアか!?それは一体何の冗談だ!」

「ユーフェミアに罪はない!お前だって言ったじゃないか!第三者からの介入!そしてギアスの可能性があると!止めるすべは・・・」

「あってたまるか!」

「お前!もう手段が一つしかないと言っているようなものだぞ!どれだけ、どれだけ・・・」

「じゃあ、目を覚まさせてやる!僕たちは本当の事を知ってる」

「り、エイス!?」

「・・・なに?」

「だけど、今話せない。話すことができないんだ」

「・・・それは、つまり・・・だから」

「さぁ決めろルルーシュ、ゼロ!僕たちを切って捨てて未来を捨てるか、アレを撃って殺して未来を得るか」

 

リート・・・お前・・・

ここまでリートが感情を剝き出しにしたのは・・・初めてだ。

 

「・・・エイス、たった一つ。この一つだけでいい。答えを聞かせろ」

「物による、だけど可能なら答えるよ」

「お前が言うアレは、ユーフェミアなのか」

「そうであってそうじゃない」

「・・・答えになってないぞ」

「でも、それが答えなんだよ、ルルーシュ」

「・・・ああ。分かった」

 

 

 

「黒の騎士団総員に告げる。直ちに行政特区日本へ突入せよ。ブリタニアは改めて敵となった。行政特区日本は我々を始めとした日本人をおびき出す卑劣極まる罠だったのだ。自在戦闘装甲機部隊は各機散開し日本人を救い出せ!」

 

 

 

ギアスをオンにしていた僕は、少なくともどう言葉にしていいか分からない感情をルルーシュからもらっている。

あらゆることがないまぜになって、今、自分が取るべき選択が果たして合っているのかどうか探っている。

事情を知っている僕たちはそのことについて触れることはできない、時期がくるまでは。

だからこそルルーシュ、僕は全力でもって君に協力するよ。

きっとC.C.とリートもそれを望んでいるはずだから。

 

 

 

「ゼロ。ユーフェミアを確認しました。ナイトメアに・・・捕縛しますか?」

「カレン。そのままそこで抑え込んでくれ。今すぐそちらにいく」

「了解しました」

 

「こちらは残敵の掃討に当たる。ゼロ、なすべき事をなせ。終わり次第また話そう」

「・・・事細かに話せないのならそれでもいい。お前たちはよくやってくれているヴィエル」

「ふっ・・・C.C.!ルルーシュの事は任せたぞ」

「任された。絶対に死なせはしない」

 

「マオ、ブリタニア軍の掃滅をお願い。シャーリー、ルルーシュの援護を」

「了解、リート」

「・・・うん」

 

僕たちはこの先を見て何をする。

知っている未来と知った未来では天と地ほどの差がある。

後は、もう、任せるしかないんだ。

 

 

ガウェインによってグロースターが細切れにされる。

グロースターから引き釣り出されたユーフェミアを待っていたのは諦観と切望だった。

その眼前にいた存在は自分が好きな人で、かつて自分を殺した人で、そして・・・

 

一発の慈悲の凶弾が自分の胸を貫いたとき、安堵した。

もう私は殺さなくていいのだと。

裏切りの騎士が、自らを抱えて飛び立っても安堵が止まらずすべてを理解する。

私は私であって私でなく、私である私は私であってくれているのだと。

 

 

今すぐにでもルルに本当の事を話してあげたい。

スザク君に本当の事を話してあげたい。

でもそうすることができたとして、きっと二人とも信じない。

それが私の言葉であっても、ナナちゃんからの言葉であっても。

ねぇ、ルル。私、もしこの事を知ってたらどうしてたかな。

ねぇ、スザク君。何も知らないで私はあなたにどう言葉をかければよかったかな。

今となっては、私も浸食されてきてるのかもしれない。

こっちの、黒の騎士団の方に。後悔する気はないけど、それでもきっと。

 

 

 

 

「日本人よ、ブリタニアの虐げられてきたすべての弱き民よ。

私は待っていた。ブリタニアの悪政を陰から正しつつ、自らがその過ちを顧みる時が来る日を」

 

 

 

 

 

「エイスさん!中華連邦以来ですわね。ご無沙汰しておりました!」

「神楽耶さん」

「全く、お前はこの状況下でよくそんな能天気でいられるな」

「あらヴィエルさん。能天気ではありませんことよ。心身共に疲弊しておりますわ」

「そうであってほしかったよ。だがそれ以上に気分が高揚しているといったところか」

 

 

 

 

 

「しかし、私たちのはかなき期待は無残にも踏みにじられた。虐殺という蛮行を通り越した愚行によって」

 

 

 

 

 

 

「これから私もお供いたしますわ」

「あ、それなんだけど、神楽耶さんにいくつか聞きたいことがあって」

「なんでございましょう?」

「実はね?」

 

 

 

 

 

「そう、この行政特区日本こそブリタニアの悪意の塊、我々を亡き者にしようとした強大な悪だ」

 

 

 

 

 

 

「えっ、でも」

「そうしておかないといけないところがある」

「可能か不可能かで言われれば可能ですわ。ですが」

「保険だよ。あとでそれに関わる人には会わせるから」

「その方なら幼き日に会っております。あとで一緒に参りましょう」

 

 

 

 

 

 

「私は今ここに、ブリタニアからの独立を宣言する。だがそれは日本国というかつての敗戦した日本の復活でない。我らがこれから作る新しい日本はすべての文化、すべての人種、すべての主義を受け入れる広さと、強者が弱者を虐げることのない矜持を持つ国家となる」

 

 

 

 

 

 

「あれは本当にユーフェミア第三皇女だったのか・・・だが、それを確かめるすべを私は持たない。広げなければ、すべて・・・あのお方の為に」

 

 

 

 

 

 

 

 

              「その名は合衆国日本!!」

 

 

 

 

――――――――――初めまして枢木スザク、僕の名前はV.V.

 

 

――――――――――ああ、終わり次第それをこちらに

 

 

――――――――――おはようございました




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