推しを養うから起業するしVにもなる   作:模芋

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ハーメルン的には短編に分類されると気付いたのであらすじも修正しつつ勢いで書いた


【身内凸】何万人か知らんが記念だ祝え!【西月ノゾミ】

 映されたのは赤みがかった黒い髪と濃い赤のゴスロリ系のドレスを着た女性。

 髪はロブ程度の長さでそこそこ大人びて見える姿。

 

「皆様こんばんは、西月ノゾミです」

 

コメント:配信タイトル雑ぅ!

コメント:記念なら登録者数ぐらい確認しろ

コメント:何段階飛ばしたんですかねぇ

 

「うるせぇ!数が変動し過ぎて下手なこと書けねぇんだよ!」

 

 前世バレによって一時的に話題となった西月ノゾミのチャンネル。

 その登録者数はよくわからない乱高下を繰り返していた。

 


 

 真面目な話をするよ。

 企業の二期生以降がデビューした直後以外でこんな変動みたことないんだが。

 何で一万人単位の増減がうっかりで起きてるんだよ。

 百歩譲って増えるのは分かるとして減るのは何だよ本当。

 

コメント:不定期の狂気配信が悪い説

コメント:SNSでの推し語りが原因では

コメント:とりあえず別名義とキャラが違いすぎる

 

 くっそまた理由が特定できん。

 いや待て何で記念配信でこんな話をしてんだ祝うのが先だ。

 切り替えたいのでさっさと本題始めます。

 

 ということでね、いつもの通話用の諸々をパソコン側で立ち上げ、まし、た。

 何かさっそく来ましたね。

 これ待機してたやつじゃん。

 

 もしもし配信中でーす。

 自己紹介お願いしまーす。

 

「もしもーし、七色ことねでーす」

 

 いよっしゃああああぁぁぁぁ!

 

コメント:声太くて草

コメント:配信中さんうるさい

コメント:テンション獏上がりやん

 

 誤字ニキ生きとったんかぁワレェ!

 いやそれはどうでもいいわ!

 トップバッターことねさんは絶対当ててくれる系SSRじゃんやったー!

 

「えっ、今私、無茶振りされました?」

 

 余裕でハードル飛び越せるから平気平気!

 

コメント:謎テンション助かる

コメント:これには推しも敬語対応

コメント:そういえば配信だと久しぶりか

 

 そうそう、今気付けてる人いましたね。

 配信だと久しぶりなの。

 だってほら、一時的とはいえ登録者数追い越してたじゃん。

 あれで何かめっちゃ気まずくなってたからさぁ……

 

「そんな勝手に気まずくなられても」

 

 何かの拍子に推しを超えるのは百歩譲ってまあまだ許せるよ。

 あんな事故で超えるやつがあるかぁ!

 

コメント:オタク渾身の叫び

コメント:超えるのは有りなんかい

コメント:お祝い枠で増えたことを呪うのおかしくない?

 

「んー、お祝いで週末ぐらいに食事したいんだけどそれどうする?皆で集まる?」

 

 できれば二人でお願い。

 何かこう、いろいろ疲れてるのが容易に想像できるし。

 どうせなら癒し極振りな空間を希望したい。

 

「今考えた候補は、前言ってたハンバークのお店と、お(うち)で手巻き寿司と――」

 

 手巻き寿司!手巻き寿司しよう!

 お店とかどうせ行く機会なんて幾らでもあるわ!

 

コメント:普通手巻きの方が機会多いと思うが

コメント:警戒心無い魚並みに食いつくやん

コメント:金ならあるの精神強い

コメント:手巻き寿司は具材の余りまで考えるとそうそうできん

 

「ところで社長、配信で使ってって言われた話あるんですけど今振って良いですか」

 

 多分良いと思う。

 言われたってことは他の人関係するやつだよね。

 

「まず今、出張の影響で会社の寮で女性側の労働力が不足しているんですよ」

 

コメント:ナチュラルに社長が労働力扱いで草

コメント:何それ詳しく

 

 あーうん、一応私社内でフィジカル面強い方だからね。

 話題の女性側はともかく雑用担当の野郎共はもう少し頑張れと思うが。

 

「趣味とはいえ身体鍛えている人と一般人比べるのは間違いかと」

 

 筋肉は裏切らないし暴力は全てを解決する。

 

コメント:安定の野蛮

コメント:リアルにまで暴力解決持ち込むな

 

「それでたまに私が料理とか手伝いに駆り出されるんですよ」

 

 えっ何で……いやそうか、候補限られるしそうなるよね。

 それはそれとして今ならワンチャンことねさんの手料理食べられるの?

 何で私出張中なの?

 

「そこはほら、帰ってきたら二人で手巻き寿司作るから」

 

 やったー!大好きー!

 

コメント:候補ってどういうことなの

コメント:社長が完全に小学生並みの反応

コメント:落ち着け手巻き寿司はさっき約束した話だ

 

「えっと、話を戻して良い?」

 

 良いよ!

 

「そこで女装して行くとうっかりした人に『男ですけど』って言うことに――」

 

 あー、お風呂上がりとか着替えとか下着の部屋干しとかに遭遇するやつね。

 まあ確かにことねさんの女装違和感ないしあの人達ならやらかしそうだけど。

 

「本当に女性として生まれたんですよね?」

 

コメント:まず何故女装して行く

コメント:濁したところを暴露するな

コメント:部屋干しって臭い残らね?

コメント:また社長でことねさんの罵倒語彙増えてる

 

 というか待って。

 聞いてて思ったんだけど労働力そんなに足りない?

 今何人いる?

 

「今は女性用の共有だけで六人泊まってます」

 

 へぇ、六人なら十分足り……六人!?

 待って、まず泊まりそうな人そんなにいた!?

 

「端的に言うと、蝸牛(かたつむり)が来てます」

 

コメント:あーあいつね

コメント:企業の壁緩くなった影響か?

コメント:グラちゃんの心労がマッハ

 

 あーうん、そういう……。

 ごめんちょっと予定ができたから通話切るね来てくれてありがとう。

 

「本題抜けたけどまあいいや。じゃあまたねー」

 

 ばいばーい。

 

 ……私はね、常識があるのでね、きちんと手順を踏むんですよ。

 まず相手が配信中かを確認する。した。

 こっち配信中ですけど今通話大丈夫ですかって先にチャットで聞く。

 事故らない為にもこういう手順はとても大切。

 

 ……大丈夫そうですね。

 じゃあちょっと逆(とつ)します。

 もしもし、聞こえますか

 

「あーうむ、聞こえるぞ」

 

コメント:誰?

コメント:前世繋がりじゃん

コメント:また伝手つよ社長発揮してる

 

 では先生、自己紹介をどうぞ。

 

「吾輩の名はプラビア・スペードである。何故(なにゆえ)通話が始まったのかまるでわからん」

 

 えー、改めまして。

 オイコラ炎上チャラ()ォ!

 てめぇんところの蝸牛(かたつむり)の管理きちんとしやがれぇ!

 

「突然意味不明な上に多分それプライベートに踏み込む話なんだが!?」

 

コメント:お父さん生きて;;

コメント:本当にただの言いがかりで草

コメント:エフィプラ芸てぇてぇ

 

 脳死てぇてぇ言うのやめろ!




グラーラ・グトン
 バーチャルファンタジーに所属するVtuberの一期生。
 外見を雑に言うとツインテ女騎士。
 食事関係の食いつきがよく、飲食のあるゲームでは満腹度を最優先で気にする。
 金策で傭兵として働いている設定と合わせ経費を圧迫する大食い扱いされている。
 本人はアクション要素の強いゲームがうまい。
 特に弾きなどの敵の攻撃に合わせるタイプの操作が得意。
 その一方、音ゲーのように一度に扱う情報と操作がある程度増えると苦手。

プラビア・スペード
 バーチャルファンタジーに所属するVtuberの一期生。
 一期生唯一の男性で箱全体のまとめ役をしている自称おじさん(声は若い)
 キャラ付けで偉そうな喋り方をしているが根は常識人寄り。
 問題行動を起こす人の多さからツッコミに回らざるを得なくなっている。

 発足当時は男女比の極端さで叩かれまくり一部では炎上チャラ男とか呼ばれた。
 しばらくして女性陣の持つ問題要素が発覚してくると苦労人扱いに変化。
 現在は幼稚園児に振り回されるお父さんのような感覚で見られている。
 その面倒見の良さから箱では二期生以降との縁も多い。
 縁があり過ぎて大規模コラボにいないだけで驚かれたりする。


プラビアとエフィセテス(西月ノゾミ)
 プラビア氏のコラボを二期生内で比較するとエフィセテス氏とはかなり少なめ。
 少ない割に撮れ高が多く期間に対する切り抜きが他の組み合わせと大差なく多い。
 お互いツッコミできる相手なことに安心しボケて収拾がつかなくなったりもする。

 後輩の理不尽な言いがかりに先輩がツッコむ形式のプロレス芸がテンプレ。
 元々は素の勘違いから始まったやりとりだがなんだかんだで定着した。
 その流れで炎上チャラ男という呼び方が公式関係者から初めて出た。
 キレてる時以外では先輩に敬意()を払って先生呼び。

 プライベートでも縁がありコラボ回数の割に配信上で相手の話が多い。
 一緒に食事に行った際、離席中に害の少ないいたずらをする程度の関係。
 以下いたずらの例
 ・相手のレモンのかかった唐揚げをかかっていないものと入れ替える
 ・特に意味もなく席を入れ替える(当然食べ物の皿やコップも入れ替える)
 ・相手の離席時間を焼肉の焼き加減で計る(その時焼いた肉は自分で食べる)

 なお当時はあまりの距離の近さから一部では関係を疑う者もいた。
 西月ノゾミ氏のやらかし以降は彼女が二つの箱の中心人物になっていたことから
 「本当に先生と生徒のような関係で学んでいたのでは」
 という見方が増えた。
 あと西月ノゾミ氏の普段があれ過ぎて関係を疑う声はほぼ消えた。
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