インフィニット・ストラトス 転生者はSTRIKE   作:バルバトスルプスレクス

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はい、題名の通り今回で夏休み編は終了です

そして同じ題名の通りカナードの従姉妹が登場します


九話 従姉妹登場で終わる夏休み

 

 花火大会。夏の風物詩の一つであり、その昔は『玉屋』と『加木屋』と言う二つの花火屋が競い合ってその花火の美しさを競い合っていたと言う。今や世界中に『HANABI』と知れ渡っている。そんな花火大会を明日に控えた織斑宅では、この家の住人とその友人が昔懐かしレトロゲームを興じていた。

 住人…一夏の操るインディアン風の男と、友人…カナードの操る白い柔道着の男が銭湯を戦場にして、格闘しているのがテレビ画面に映し出されている。

 

「で、明日の花火大会…確か何処でやるんだっけ?」

 

「篠ノ之神社だ。 毎年そこでやってるぞ……って、おいカナード壁ハメ!?」

 

「図体でけーの選ぶからだ。 あ、それっはどーけん!」

 

 カナードの操る白い柔道着の男から出された必殺技を受けた一夏の操る大男は、体力ゲージが消えて地に伏せた。一夏の負けだ。ゲーム終了後、ゲーム機の電源を切って会話に出た花火大会のチラシを一夏はカナードに渡す。篠ノ之神社からよく見える場所から打ち上げるそうで、神社では神楽舞や花火を見る人のために出店が数軒並ぶようだ。

 前世で読んだ原作と照らし合わせると、夏休み編にて一夏と箒の二人が浴衣で花火を見る話があった。その話にはあの五反田兄妹の二人も出る。

 日にちを確認するカナードの表情が、次第に苦い表情に変わっていく。一夏が気になって質問する。

 

「……この日は家の研究所でお偉方がいらっしゃるんでな」

 

「ほぇー…。 誰が来るんだ?」

 

「更識家現当主及び簪、明日刃(あすは)機業代表取締役社長…今後の日本におけるISの行く末だそうだ。 当日会議もあって俺も参加せにゃあならねぇ」

 

「……あー、開発担当者も交え……て?」

 

「仮にもストライクを作ったのは俺だ。 むしろ参加しない方がおかしい」

 

 左腕の愛機に手をやる彼は、何も映していない織斑宅のテレビ画面を見ていた。

 

「んじゃ次何やる?」

 

「64のマリオカートは?」

 

「じゃあミラーのキノコハイウェイで」

 

「マジでやめてくれカナード。 俺が死ぬ」

 

「ならポケモンスタジアム金銀クリスタルのミニゲームは?」

 

「難易度は普通か簡単でいこうぜ。 難しいでラッキーは無理」

 

 二人の小さなゲーム大会は昼過ぎにまで続いた。

 

 

 

 

 花火大会当日。カナードの実家である大和生物機械技術研究所の一角。そこで、今回の会議出席者が一同に会していた。

 研究所側からはユーレンとカナード、更識家からは楯無と簪、そして明日刃機業からは代表取締役社長の(かがり)と言うカナードと同い年の少女。篝は若くして代表取締役社長の座を手に入れたのは、彼女自身並々ならない人物だということが解る。その他には明日刃機業の役員に更識家の人間が数名出席しており、会議の重要性を見せていた。

 

「本日は各々忙しい中集まっていただき、感謝する」

 

 始めにユーレンが参加者達に挨拶をかけた。篝、楯無、簪の三人は各々会釈で返し、手元の資料に視線を落とした。

 

「今後の日本におけるISの……」

 

 ユーレンが資料にある事を読み進め、カナードが投影ディスプレイの端末を操作し様々な事項を映し出す。それから会議は数時間に渡り、様々な意見や反対、賛成などの声が飛び交った。機業への売り込みは勿論、そこから先の事を彼ら彼女らは話し合っていた。

 会議終了は九時を過ぎてやっとであった。会議室を出て、篝は通路の椅子にだらしなく座り込み、大きく息を漏らす。『ぷはー』と口にするならばまだ可愛げがあったのだが、篝は違っていた。

 

「…ぶはーっ! やっぱ無駄に堅くなるのは性にあわないな」

 

「……あんたの本性会社や他の機業の人間が知ったらどう見るんだかな」

 

 隣にカナードが、そのカナードの隣に簪と楯無の二人が並んで座り、二人を見る。その視線に気づいたカナードは、篝との関係を述べた。

 

「従姉妹。 母さん同士が双子の姉妹なんだ」

 

 そういえば心なしか似てはいる。顔の大まかな輪郭に目の大きさ、従姉妹でなければ兄弟姉妹にさえ見える。その関係性にほっとする簪はカナードの方に体重を預ける。

 今度は篝にカナードが更識姉妹の紹介をする。簪が日本の、楯無がロシアの代表候補だということも。それを聞いた篝は、肩書など気にしない様にとにこやかに握手を申し出た。簪、楯無の順に篝の手を握り返す。

 

「篝だ、よろしく頼む」

 

「コイツに堅苦しさは無縁だから、フランクな態度を取ればいいさ。 しかし会長、篝は仕事以外では年上だろうとタメ口なのでその点はご注意ください」

 

「コイツは年上や各上の相手にだけ敬語だから、無駄に堅苦しいけど気にするな楯無」

 

 こういうところは正反対なのかと、更識姉妹は納得する。

 そこへユーレンが合流。手にはタブレット端末があり、彼はそれを操作中だった。カナード達に気付き、ついでにタブレットの時刻にも気が付いた。

 

「遅くなったけど、食事にしようじゃないか。 篝も更識のお二方も一緒にいかがかな?」

 

「ま、篝の場合答えはもう決まってるか」

 

「お前それどういうつもりだ? 答えは当然ご馳走になるに決まってる!」

 

「やっぱり……(今頃一夏と箒奴イチャこらやってんだろうなぁ…)」

 

 来る度に飯をたかる癖がある従姉妹を持ったカナードは、今頃の一夏と箒の様子が気になっていた。

 因みに、本日のディナーは静子とシャルロット・デュノア改め窓木シャルロットの二人の見事に和洋折衷しているお手製メニューだったそうだ。当然の様に篝がカナードの分を手に掛けようとするが、何度もやられたカナードは何度も阻止するのだった。

 

 

 

 

 それから数日経った夏休み終盤の暑さが厳しいこの日、一夏の自宅に一年専用機持ち+αが集結していた。現在彼らは最近発売されたゲームソフトをプレイしていた。その名は『第二次モンド・グロッソW』。前作は色々とメーカーと国とで揉め事があったが、今作は登場ゲームキャラは各国が納得したステータスで登場。固有のスキルや必殺技を有しており、最大四人までの乱闘やチーム戦が出来る。一人プレイでは隠しボスとして千冬が本名で登場している。

 因みに、本人も嫌々了承は出してはいたが、ちゃっかり愛する弟の為にメーカーから本品を受け取っており、今一夏達がやっているのがそうだ。その中で異色な雰囲気を出していた篝は、3(鈴音、セシリア、ラウラ)対1(篝)という状況で上手く立ち回っていた。

 

「…篝って、ゲーマー?」

 

「格闘限定」

 

「お前の従姉妹すげーな……」

 

「んー、まぁ中身はほぼ男と取っても大丈夫じゃないか? 本人そんなの気にしてないし」

 

「そう言って……その、良いのか?」

 

「実際言ったら笑ってた」

 

 簪、一夏、箒の質問にカナードは来る途中で買った最新のデジモン漫画を読みながら答える。

 

「でも篝にも良いところはあるよ。 オシャレに気ぃ使う事もあるし、俺が小学生の時落ち込んでたら母親みたいにあやすし、その気になれば作る飯は美味いしな。 一応女ってところだね、一言で表すと」

 

「聞こえてるぞコラ!」

 

 楽しい夏休みは、(ひぐらし)の音と共にあっという間に去っていく。

 

 

 

続く




次回は文化祭です。
そう、亡国機業が本格的に絡んできたアレです。

カナードの従姉妹のモトネタは名の通りカガリです、カガリ・ユラ・アスハです。
双子の姉という立場よりこちらの方が出しやすかったので……あとただでさえ姉貴キャラ四人は出てるんだからこれ以上増やさなくても良くねと思った末の事です
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