なんとか燐子命からがら逃げのびた俺と少女。
燐子相手にするのにこんなに心臓バクバクさせたのは初めてだ。あ、俺心臓ないや☆
あと少女には俺に敬語を使わないように言っておいた。敬語キャラはノトブルガで十分。
『とりあえず自己紹介しておいた方がいいな、うん。
俺の名は“郡剄の長蟒”ヤマタノオロチだ。よろしく』
「え、ヤマタノオロチって素戔嗚尊に殺されたんじゃないの?」
『いやいや伊吹山に逃げのびて酒呑童子を産ませたっていう話もあるじゃないか。あと俺は素戔嗚なんぞと会ったこともないからな?俺の姿見たやつが勝手に作り上げたストーリーなんじゃないか?』
そもそもそのころは日本にいなかったから仮に素戔嗚と言う存在がいたとしても、首を切られるなんてありえないから。
『それよりお前さんの名前聞かせてくれ。俺だけ名乗るなんて不公平だぞ』
「あ、それもそうだよね」
話を素直に聞いてくれる子は好きだぞー。
「私は平井ゆかり、よろしくね?」
…what!?
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顔を良く見てなかったし、最近記憶が薄くなってたけどこの子ゆかりちゃんだわ。まじか。マジか。
『致し方ない。俺たちの拠点に来い。詳しい説明はそこでする』
「拠点?秘密のアジトみたいな?」
『まあ、そんなところだな。秘密基地とかあこがれるだろ?』
「うん、わかる!かっこいいよね、秘密基地って!」
『だな…』
あるぇえ?ゆかりちゃんってこんな性格だったっけ?俺の中じゃもっとおとなしめなイメージだったんだけどなー…。
「それよりその秘密基地ってどこにあるの?」
『そこまで遠くはないぞ。ほら、あそこに見えるのがそうだ』
「え…結構おっきい家が見えるんだけど、まさかあそこ?」
『そのまさかだ』
目の前には御崎市に拠点を移すために以前買った豪邸。
「…紅世の王ってお金持ちなの?」
『個人差がある』
俺たちみたいに一定以上の規模の組織に貢献していた徒は、だいたい金持ちだ。
当時最大級の組織だった『
さらに探索、探知系に特化した徒ならば鉱脈や油田を見つけられる。実はこの世界の実業家の何割かが紅世の関係者だという噂が出回るほどだ。
要はそのぐらい徒の中には金の回し方がうまい奴や高給取りな奴がいるということだ。
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『ただいま』
「おかえりーってあれー?」
出迎えたのはメリー。珍しいな、いつもはティアかノトブルガなのに。
「え、メリーちゃん?なんでここに?」
そういえば同級生だっけ?俺のアジトだと紹介された家に同級生が居たら、そりゃびっくりだろう。
「ここが私の家だからよー。それよりゆかりちゃん?」
「な、なに?」
ゆったりとした動作で近づき、耳元でこう言い放った。
「もしかしてゆかりちゃんも契約しちゃったのー?」
「ッ!?」
おうおう、耳元で言ってやるなよ、ドキッとするだろ?まあゆかりちゃんは別の意味でドキッとしただろうが。
「“も”ってことは、まさかメリーちゃんもなの!?」
「そうよ~」
『私と契約したのよ』
髪飾り型の神器から響くのは、紅世の王“麗鱗の蛟”デイビーの声。
「じゃあ改めて自己紹介ね。私は“麗鱗の蛟”デイビーのフレイムヘイズ『水理の開き手』メルセデス・クリスト。よろしくねー?」
朝区洋邦様、おらら様、高評価ありがとうございます!