スリザリンの継承者―魔眼の担い手―   作:寺町朱穂

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85話 結婚式

 翌日。

 つまり、ビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの結婚式当日。

 セレネは眉間に皺をよせ、目の前の青年を睨み付けた。

 

「……なんですか、その荷物」

 

 セレネの視線は、青年が片手に持った大きなトランクに向けられていた。

 セレネは結婚式に招待されたので、同伴者の彼、セオドール・ノットと待ち合わせをしたはずである。

 待ち合わせ場所が分かりやすいように、ホグズミード村の入り口と指定した。そして、時間の10分前に来てみれば、もう彼がいた。それは別に構わない。

 セレネが真新しい深緑色のイブニングドレスを着ているように、彼も黒いローブを纏っていた。それも気にならない。

 

 だが、問題はトランクである。

 まるで、これからホグワーツ特急に乗るような大きなトランクを持参していた。世間一般的に考えても、大荷物過ぎる。パーティーにふさわしい荷物ではない。

 

「あー、その、なんだ」

 

 セオドールも頭を掻きながら、気まずそうに笑っていた。

 

「『漏れ鍋』に泊まっているんだが、最近、ダイアゴン横丁の治安が悪くてな。荷物を置きっぱなしにしたくなかったというか……」

「そもそも、どうして『漏れ鍋』に泊まっているんですか?」

「……簡単に言うと、親父と大喧嘩した」

「え?」

 

 セレネは少し眉を上げた。

 セオドール・ノットの父親は、魔法省の戦いの後、アズカバンに収監されたはずである。しかし、グリンデルバルドの話を思い返せば、同時に収監されたはずのルシウス・マルフォイが普通に登場していた。ニュースにこそなっていないが、ルシウスと一緒にアズカバンを脱獄していても不思議ではない。

 

「脱獄……いえ、家に帰っていたのですね」

「まあ、早い話、新聞沙汰にはなってないが、脱獄だな。家に帰ったら親父がいてな、その、なんだ。いろいろと喧嘩して、飛び出してきたってわけだ」

 

 セオドールは少し視線を右上に逸らした。 

 それだけで、喧嘩の内容が想像できた気がした。誇大妄想かもしれないが、十中八九、自分に関係している気がする。魔法省の戦いでも、彼の父親は息子がセレネと行動を共にしていることに物凄く批判的だった。具体的に言えば、セレネに磔呪いを問答無用で放ってくるくらい嫌われている。

 

「そう、ですか……」

「まあ、気にするな。ゴーントは何も悪くないし、親父の頭が固いことが悪い」

 

 セオドールは笑って言っていたが、セレネの罪悪感は消えない。

 つまるところ、責任の一端は自分にもあるわけだ。

 もし、自分がいない世界線があったならば、彼が父親と喧嘩する理由がない。そうでなくても、自分と仲が良くなければ喧嘩せずにすんだわけだ。

 セレネはため息をつくと、人差し指で頬を掻きながら、左手に持ったパーティバッグを差し出した。

 

「とりあえず、ここに入れたらどうです?」

「いや、入るわけないだろ?」

「検知不可能魔法をかけているので、問題ありません」

 

 実際、横幅30センチほどの鞄の中には、セレネのトランクも入っている。

 マクゴナガル先生の家に置きっぱなしでもいいが、自分の荷物は自分で持っていたかった。

 なにより、セレネのトランクは「第二の秘密の部屋」と呼んでも良いくらい完成されている。トランクの中には、項目別に本が積んであり、ありとあらゆる魔法薬が種類別に並んでいるのだ。

 マクゴナガル先生のことだから中を確認しないと思うが、あまり見られて嬉しい物ではない。

 積み上げられた本の大半は、閲覧禁止や禁書と呼ばれる類であるのだ。正直、詮索されたくない。

 

「さてと」

 

 セレネは鞄の口からトランクを押し込み始めた。どう見てもそんな小さな鞄に納まるはずがないのに、他の色々なものと同様、トランクはあっという間に鞄の広大な懐に消えていった。 

 

「これで行けますね」

 

 セレネは一瞬、セオドールを見上げる。

 彼の青い瞳の中に自分が映っているのが分かった。セレネは数秒彼を見上げていたが、不思議そうに見返してくるだけで何も言ってこない。言いたいことが喉まで上ってきたが、結局、心の中にしまっておくことにした。自分より大きな掌を握り、ぱちんっと「姿くらまし」をする。

 

 

 結婚式が行われる場所は「隠れ穴」だ。

 先日、訪れたばかりの裏庭は、すっかり様変わりしていた。巨大な白いテントが張られており、白いローブを着たウェイターや金色の上着を着たバンドマンたちが見えた。雑草は一本残らず抜き取られ、同じ高さに揃えられた芝生が広がっている。

 

 二人の式はつつがなく進行し、あっという間にパーティーの時間になっていた。

 ビルとフラーを中心に参列者が踊ったり、テーブルの周りで歓談したりしている。ダンスをしている人の中には、ハーマイオニーとロンのペアの姿も見えた。赤いドレスのハーマイオニーは薔薇のように美しく、近くにいたジニーは身に纏っている金色のドレスと同じくらい輝いていた。彼女と踊っているルーナ・ラグブッドは髪に向日葵を飾り、まるで御伽噺から飛び出した妖精のように可愛らしい。

 どの子も、それぞれの気質を現すようなドレスを纏っている。

 

「おーい、どこ見てるんだ?」

 

 セオドールの不機嫌そうな声で、セレネは現実に引き戻された。

 

「いえ、特に何も」

 

 セレネはそう言うと、ウェイターからバタービールを貰った。

  

「ダンスでもするか?」

「……ええ、それもいいけど……ここで少し休憩しましょう」

 

 セレネはグラスを回しながら答える。特に何も言わず、ベージュ色の液体から炭酸の泡が浮かんでは消えていく様子を見つめていた。自分らしくない、と思いながら、バタービールを飲むこともせず、泡だけを見下ろしている。

 

「セレネ!」

 

 ふと、後ろから声をかけられる。振り返ってみると、そこには見覚えのない赤毛の少年がいた。

 

「僕だよ、ハリー・ポッター」

「……なるほど、安全のため変身しているということですか」

 

 確かに、ここには騎士団以外のメンバーも多く出席している。

 念のため、姿を変えるのは賢い選択かもしれない。

 

「そういうわけなんだ。セレネのドレス、似合ってるよ。すごく綺麗だね」

「ありがとうございます」

 

 セレネはハリーに微笑み返した。

 自分の着ている深緑色のドレスはオフショルダーで、丈も床に着くほど長くはない。肩と足元のあたりが少し涼しく、どことなく恥ずかしさが込み上げてくる。けれど、全体的にふわっとした薄布を花弁のように重ね合わせたイブニングドレスは気に入っていた。淵も銀色で彩られているので、スリザリンらしくて好きだ。

 

 だがしかし、好きなドレスと似合っているかどうかは別だ。

 初めて自分で選び、購入したドレスだったので、正直、他人目線で似合っているかどうか不安だったのである。

 

「それで、少し話があるんだけど……君、セレネを借りてもいいかな?」

「駄目だ、オレも行く」

 

 セオドールはむすっとした表情で言いかえすと、セレネの左手を握ってきた。絶対に逃がさないとでも言うように、少し強めに握ってくる。セレネは少し気恥ずかしくなり、バタービールを飲むふりをした。

 ハリーはセレネが何も言わないことを見ると、悩むように腕を組んでいた。

 

「うーん……まあ、仕方ないか」

 

 しかし、結局は折れてくれた。

 三人でテントの端の方に歩きながら、ハリーが小声で話し始める。

 

「昨日、魔法省大臣が来て、ダンブルドアの遺言の品を僕とロンとハーマイオニーに渡したんだ」

 

 ハリー曰く、ダンブルドアの遺言で、ロンにダンブルドア自作の「灯消しライター」、ハーマイオニーに「吟遊詩人ビートル」という御伽噺集、そして、ハリーに「一番最初に手に入れたスニッチ」を渡したらしい。

 

「ダンブルドアのことだから、なにか考えがあっての品だと思うんだ。セレネ、分かる?」

 

 どうやら、ハリーはセレネに謎解きを期待しているらしい。セレネは唸ってしまった。推理したくても情報が少なすぎる。灯消しライターは実物を見ないと判断しかねるし、御伽噺も当たり障りのない程度に知っている程度だ。スニッチに至っては、クィディッチは専門外なので想像ができない。

 ただ――……

 

「スニッチは、物を隠すのに最適だと聞いたことがあります。真ん中がエッグチョコみたいに、ぱかりと開くとか」

「そうなんだ。僕も開けようとしたんだよ。ハーマイオニーが教えてくれたけど、スニッチには肉の記憶があるんだ。ゲームで誰が最初に触ったのか分かるようにね。だから、僕が最初にこれを触った時……つまり、口に当ててみたんだよ。そしたら、『わたしは終わるときに開く』って言葉が浮かび上がってきたんだ」

「終わるとき?」

 

 セレネは首を傾げた。

 

「私が、ではないんだな?」

 

 セオドールが一緒に考えてくれる。

 

「スニッチが壊れるときじゃなくて、他の何かが終わるときや死ぬときに開くんじゃないか?」

「そもそも無理やり開けるのは駄目なのでしょうか? 爆破呪文や切断呪文で?」

「いや、セレネ。無理やりは不味いんじゃないかな? でも、なにかが終わるときか……」

 

 三人で額を合わせて考え込むが、これ以上の案は浮かんでこなかった。

 

「ダンブルドアも意地悪いですね。これは、こういう理由だからと説明してくれれば良かったのに」

「そこがダンブルドアらしいけど……あっ、大臣はセレネにも何か残してくれたって話してたよ。何を貰ったの?」

「そうなのか、ゴーント?」

 

 二人の視線が自分に向けられる。

 セレネは小さく息を吐くと、鞄から節の多い杖を取り出した。

 

「ダンブルドアの杖を貰いました」

「はあ!?」

「ダンブルドアの!?」

 

 二人とも目を丸くしている。鏡かと思うくらい、そっくりな反応に噴き出してしまいそうになる。セレネは自分には長い杖を指で回しながら話し始めた。

 

「ですが、杖は間に合っています。威力も低いです。正直、いりません」

「でも、どうして、セレネにダンブルドアは杖を渡したんだろう?」

「私が聞きたいくらいですよ。まあ『保管しておいてくれ』というのですから、ホグワーツに置いておくのは不安だったのかもしれませんね。それか、自分の墓に入れたくない理由でもあったのか」

 

 セレネはそれだけ言うと、杖を鞄の中に入れ込んだ。

 本当に、ダンブルドアが何故自分に杖を託したのか理解しかねる。明日辺り、グリンデルバルドに意見を聞こうと考えていた。

 

「あれ? でも、ダンブルドアが埋葬されたとき、杖も一緒に埋葬されなかったっけ?」

「さあ、掘り起こしたのでは?」

 

 セレネが答えると、ハリーは不愉快そうな顔をした。

 ハリーからしてみれば、ダンブルドアは恩師だ。掘り起こすなんて真似は想像したくないのだろう。

 

「セレネ。そういえば、杖で思い出したけど、グレゴロビッチって知っている?」

 

 ハリーが話題を変えてきたので、セレネは空いたグラスをウェイターに渡しながら答えた。

 

「知ってますよ。杖職人で、確か……ビクトール・クラムの杖を作った人ですよね?」

 

 そのまま同じ代表選手仲間として招待されている青年がいた方に視線をスライドさせる。クラムは有名クィディッチ選手だが、威張り散らすこともなく、とても無口で静かな男だ。ところが、結婚式に似つかわしくない剣幕で、黄金色のローブを着た男に詰め寄っている。

 

「……どうしたのでしょうか、クラム?」

「あー……グリンデルバルドの印だよ」

 

 ハリーは苦笑いをしながら答えてくれた。

 

「印? グリンデルバルドの?」

「クラムの祖父がグリンデルバルドに殺されたらしくて、そのグリンデルバルドの印をゼノフィリウス……ルーナのお父さんが提げてたから気に食わないらしいんだ。まあ、ルーナの父親のことだから、その印をスノーカックの頭の断面図か何かだと思っていると――……セレネ?」

 

 ハリーが不安そうに顔を覗き込んでくる。そこで初めて、セレネは自分が不機嫌極まる顔をしていたことに気付いた。

 

「そうですか。グリンデルバルドの印ですか」

 

 すぐにセレネは表情を戻し、ハリーに微笑みかけた。

 

「グリンデルバルドが印を持っていたとは、聞いていませんでした」

 

 グリンデルバルドは他国において、ヴォルデモート並みに恨まれていることを再確認した。彼の復活を知られてはならないと、改めて心に刻み込む。

 それにしても、彼が印を持っていると聞いたことがなかった。セレネは目を細め、ゼノフィリウスの首から下げられている形――正三角形の中に縦線と円が組み合わさった印を頭に刻み込む。今夜、結婚式が終わったら、絶対にすぐ聞いてみよう。

 きっと、その印とやらは、ヴォルデモートが「トム・リドル」のアナグラムを称号にしたという恥ずかしい設定に匹敵する黒歴史に違いない。絶対に、グリンデルバルドの封印されし青春の思い出だ。このことがセレネにバレたと知った暁には、きっとヴォルデモートのことを笑えなくなるに違いない。

 

「……ゴーント、なに笑っているんだ?」

「いえ、あの男が蛇男みたいに痛々しい一面を隠していたとは思いもしなかったので」

「まるで、本人を知っているような言い方だな」

 

 セオドールが疑わしい視線を向けてきたので、セレネは話題を切り替えようとした。しかし、そんなことはすぐにどうでもよくなった。瞬間、なにか大きくて銀色の動物がダンスフロアの天蓋を突き破って落ちてきたのだ。

 

「守護霊?」

 

 セレネが呟いたとき、守護霊の大きな口が開き、深い声がテント中に聞こえ渡るほど大きな声で話し出した。

 

「魔法省は陥落した。スクリムジョールは死んだ。連中がそっちに向かって来ている」

 

 守護霊はそれだけ伝えると霧散する。

 あれだけ騒がしかったのに、瞬間的に静まり返る。セレネは考えるより先にセオドールの手を握り返し、「姿くらまし」をしていた。結婚式会場に、死喰い人が迫っていることは明白だった。自分一人なら死喰い人との戦いを選んだかもしれないが、戦うことで特別なメリットがないし、誰かに恩を売れるわけでもない。なによりも、いま自分の隣にはセオドールがいる。

 いくら覚悟の半分を背負ってくれる人とはいえ、可能な限り命の危険にさらしたくなかった。

 

 ぱちんっという音と共に、地面に足が着く。

 

「ここは、どこだ?」

 

 セオドールが尋ねてくる。

 夜になっても人通りが多く、いきなり現れた二人組に気付いていない。せいぜい、すれ違いざま、セレネたちの場違いな服装を見てくすくす笑う程度だった。セレネは状況が呑み込めていない彼の手を握りしめたまま、人波に乗るように歩き始めた。

 

「ロンドンのオックスフォードストリートです」

「どうしてここに?」

「最初に思いついたマグルの街です」

 

 つい数年前のことなのに、グリンデルバルドの助言を受け、ハリーと一緒に話したことが遠い昔のように思えた。

 

「とにかく、まずはマグルの世界にいた方が安全だと思いました」

 

 セレネはヒールを鳴らしながら通りを歩くと、目についた適当な小路に入り込んだ。

 

「それに、魔法省が陥落したなら、ハリーのいそうな場所を狙って襲ってくるのは当然。結婚式会場も襲われたことでしょう」

「お前のことだから戦うかと思ってた」

「まさか!」

 

 セレネは鞄に手を突っ込みながら、セオドールを軽く睨み付ける。

 

「メリットもないのに、危険な橋を渡るわけにはいきませんよ。とくに、貴方がいるならなおさらです。ああ、これです」

 

 セレネは鏡を取り出した。

 本当はこんなことしたくないが、今はこれに頼るしかあるまい。結果として、セオドールを危険に巻き込むことになるかもしれないが、結婚式会場にとどまっているよりも生存率は高いはずである。

 

「私の家は敵に知られています。マクゴナガル先生のところに戻るのも考えましたが、ホグズミードは魔法族だけの村です。魔法省が陥落した今、戻るのは危険でしょう。あなたの家も入れませんし、漏れ鍋で部屋の予約は以ての外です」

「それなら、どこへ行くんだ?」

「……私の助言者のところです。……あとで、事情はすべて話しますので黙っていてくださいね」

 

 セレネは彼を見上げた。セオドールは非常に何か言いたそうな顔をしていたが、ゆっくり頷いた。

 

「どうせ、オレが断ったところで試すんだろ?」

「これが、いま考えられる中で一番安全です。だけど……私に幻滅しないでくださいね」

 

 セレネはそう言ってみたが、これが原因で嫌われてしまうかもしれない。そう思うと、少し怖い気持ちが沸々と浮かび上がってくる。その一方で、自分の中の何かが囁きかけてきている。この程度で嫌われるなら、自分のことを好いてくれるはずがない、と。

 セレネは「良い方向に運びますように。どんなに悪くても現状維持が続きますように」と祈りながら、両面鏡の通信を入れた。

 

「緊急事態です。住所を教えてください」

『……どうした、フロイライン? 今日はウィーズリーの結婚式ではなかったのかね?』

 

 鏡の向こうに、グリンデルバルドが現れる。セオドールが息をのむ音が聞こえてきたが、セレネは気にせず口早に話しかけ続けた。

 

「端的に言いますと、魔法省が陥落しました」

『なるほど、匿ってもらいたいということか。よろしい、来たまえ』

 

 グリンデルバルドが住所を伝える。

 ロンドンの郊外の住所だった。聞き覚えのない街の名前だが、かえって安全かもしれない。セレネは彼の方を見ずに、手を握りしめたまま「姿くらまし」をした。

 

「なあ、ゴーント……さっきの男って、魔法史の教科書で見た気が……」

「隠していてごめんなさい。ただ、魔法契約で縛ってあるので、私の意に反することはできないはずです。ですが――……」

 

 セレネはヒールを鳴らしながら、言われた住所まで歩いた。

 

「絶対的に悪人ですので、会話には十分注意してください」

 

 グリンデルバルドはヴォルデモートに比べると、知名度も恐怖度も弱い。

 しかしながら、彼はヴォルデモートよりも言葉に長けている。その技を使い、ありとあらゆる魔法使いを欺き、配下に加えていったのだ。

 

 古ぼけているが石造りの家の前で、セレネは足を止めた。

 白くて小さな花が咲き誇った前庭に、チャリティ・バーベッジ教授が立っていたのだ。

 

「久しぶりね、ミス・ゴーント」

「先生、体調は大丈夫なのですか?」

「安心して、彼のおかげで元気よ。さあ、中にどうぞ。貴方もどうぞ、入りなさい」

 

 バーベッジ先生は少し頬がこけていたが、それ以外は健康そうだった。

 先頭に立ち、セレネたちを家の中に案内する。屋内も綺麗に掃除されつくしてあった。玄関にはドライフラワーが置かれていたり、小洒落た鏡が鎮座していたりしている。

 

「お連れしましたわ」

「ああ、ご苦労」

 

 リビングに入ると居心地のよさそうなソファーに腰を掛けた壮年の男性がいた。 

 ゆったりと長い足を組み、にこやかに微笑んでいる様子を見れば、好感の持てる成功した教授に見えた。だが、その姿に油断してはいけない。セレネはセオドールを背中に隠すように立つと、男に話しかけた。

 

「こうして直接会うのは久しぶりですね、グリンデルバルド」

「この姿で会うのは1年半ぶりだな、フロイライン。実に随分と素敵な服装をしている。似合っているぞ」

「ありがとうございます」

 

 セレネが固い口調で返事をすると、グリンデルバルドは白い髭を生やした口元を緩めた。

 

「君が後ろに隠している青年は、ボーイフレンドかな?」

「あなたには関係ありません。ひとまず、今日はここに滞在したいのですが、部屋は空いていますか?」

「ちょうど2つ部屋が空いている。もっとも――……」

「2部屋空いていれば十分です。バーベッジ先生、案内してもらえると嬉しいのですが」

 

 セレネはきっぱり言うと、バーベッジ先生に視線を向けた。先生は快諾すると、セレネたちを2階に案内するため先導してくれる。

 しかし、セレネが2階に上がる直前だった。

 

「なるほど、そういうことか」

 

 グリンデルバルドの声が追いかけてくる。セレネは一瞬、足を止め、横目で彼を見た。グリンデルバルドのオッドアイは静かにセレネたちを見据えていた。

 

「君は悩んでいるな。このままでいいのか、と」

 

 否、セレネではない。セオドールを見据えている。

 嫌な予感しかしない。セレネは彼の背を押すように、グリンデルバルドの視線から逸らさせた。

 

「聞いてはいけません。あの男の言葉は」

「……分かってる」

 

 セオドールは硬い口調で答えた。

 2階に上がると、意外と扉が多くあることが分かった。この家の持ち主は、ちょっと小金持ちなのだろう。

 

「手前の部屋がゲラートの部屋。その隣が私。貴方たちは空いている方を自由に使って」

「ありがとうございます」

 

 セレネたちが頭を下げると、バーベッジは己の部屋に姿を消した。

 

「さてと、貴方の荷物を返しますね」

 

 セレネはセオドールのトランクを取り出した。こうなっては、2人分のトランクを鞄に入れておいて良かったと心底感じた。

 

「その、もちろん漏れ鍋に戻っても構いませんよ?」

「……ここまで来て移動する気になれるか。それよりもだな」

 

 セオドールはトランクを受け取ることなく、セレネに迫ってきた。そこまで広い廊下ではないので、セレネはそのまま壁に押し付けられてしまう。横に避けようとしたが、彼の両手がセレネの頭を挟むように壁についたため、逃げられなくなってしまった。

 セレネは少し不機嫌そうに眉間の皺を寄せると、セオドールを睨み付けた。彼の顔とセレネの顔は拳二つ分ほどしか離れていない。

 

「何の真似です?」

「お前なあ、自分のしたことが分かってるのか?」

 

 セオドールの口調には、咎めるような色が混ざっていた。

 

「グリンデルバルドを仲間に加えるなんて正気の沙汰じゃない。まさか、お前、脱獄に手を貸したんじゃないだろうな?」

「……貸したといえば、どうするんですか? 魔法執行部に通報します?」

 

 セレネは少し挑戦的に見上げた。彼の青い瞳は非難的な眼差しをセレネに向けている。

 

「ポッターの話も聞いただろ? クラムの祖父があいつに殺されたって。他にも何百人と殺してるんだ。あいつは『あの人』に負けず劣らず極悪人だ」

「そうですね」

「そうですね、じゃない! お前、なにかに利用されているかもしれないんだぞ? 気が付かないうちに、あいつの悪事の片棒を担がされているかもしれないんだ」

「では、手を切れと?」

 

 冗談ではない。

 自分でもグリンデルバルドを助言者として扱っていることは、やや無謀で向こう見ずかもしれないと思うときはある。だが、毒を以て毒を制すという言葉があるように、ヴォルデモートと同等に渡り合うためには、同等かそれ以上の知識と腕前を持つ者を助言者として迎え入れる必要があった。

 ここ数年で、自分ではかなりの魔女になったと思う。だが、それでも、ヴォルデモートには届かない。本気のベラトリックス・レストレンジをバジリスクのアルケミーなしでは倒せなかったように、たとえ分霊箱をすべて壊せたとしても、本気のヴォルデモートにどれだけ自分の技が通じるか分からない。

 

「私は、蛇男が嫌いです。大っ嫌いです」

 

 自分を馬鹿にしたから。義父を植物人間に追い込んだから。義父や目の前の彼と安らかに過ごしたいのに、それをさせてくれないから。

 ヴォルデモートを破滅させたい理由は、両手の指では足りないほどだ。

 

「蛇男は、70年先を走っています。私は、その70年を一跨ぎしなければなりません」

 

 さながら、ギリシャ神話に登場する俊足のアキレウスのように。

 

「だから私は、あいつを手放すわけにはいかない。たとえ、私自身がグリンデルバルドの企む計画に利用されていたとしても、サイコパスを破滅させるためなら、こちらも最大限利用し返してやります」

「……お前、やっぱり最低だな」

 

 セオドールは言葉を零すと、両手を離した。距離感は変わらず、いまだに鼻がつきそうな距離間だったが、少し周囲の空間が自由になった気がする。

 

「でもまあ、ゴーントらしいや」

 

 彼は髪を掻きながら、片方の手でトランクを受け取った。口調には諦めの色が強く滲んでいたが、これ以上、とやかく言うつもりではないらしい。

 

「じゃあ、オレはもう寝る。また明日な」

 

 彼はそう言いながら、扉を開けようとする。

 セレネは半ば見送りかけ、ふと、あることを思い出した。廊下の端まで視線を走らせ、誰も見ていないことを確認すると、そっと彼の袖をつまむ。

 

「『マフリアート‐耳塞ぎ』」

 

 セレネは小声で防音の呪文を唱える。セオドールは不思議そうに振り返った。

 

「なんだよ? 何か言いたいことがあるのか?」

「……」

 

 セレネは彼の袖を指の先でつかんだまま、ずっと悩んでいた言葉を口にしようとする。だが、その言葉を口にするのは何より自分らしくない。だからといって、このまま悩んでいるのも、同じくらい自分らしくない。

 セレネは小さく息を吐くと、思い切って彼を見上げた。

 

「似合ってます」

「は?」

「ドレスローブが豪華過ぎず質素過ぎず良い感じに似合っています。マルフォイやハリーよりも少しカッコいいです」

 

 セレネは呼吸を置かずに、一気に言い切った。あまりに覚悟と勢い込めて睨み付けるように言ったものだから、眼鏡をかけているにもかかわらず、視界に死の線がちらほら映り込んでいた。

 

「……」

 

 沈黙。

 セレネは沈黙の間、ずっと青年を睨み付けていた。

 さあ、自分は言った。いつまで待っても相手が言いださないから、自分から言ってやった。今度はお前の番だ、と目で訴えてやる。ハリーとグリンデルバルドから言われたが、まだ肝心な人からの感想を貰えていなかった。最愛の義父ならば、きっと最初に言ってくれただろうに、と不満そうに相手を見上げる。

 

「……その、あれだな」

 

 セオドールの顔が赤く火照り、上気している。セレネの視線から逃げるように顔を逸らし、頬の照りを紛らわすように髪を掻いている。

 

「あれ、とは?」

 

 セレネは彼を見上げたまま、少し強い口調で問いただす。やはり、視線が合わない。けれど、この問いの答えを逃すわけにはいかない。辛抱強く、彼の言葉の続きを待ち続ける。

 

「あー……あれだ。うん、その……馬子にも衣裳」

「もういい!」

 

 セレネは短く言うと、近くの部屋の扉を開けた。

 

「い、いや。ちょっと待て!」

 

 彼が耳まで赤らめながら止めてきたが、鼻先で扉を閉めてやる。そのまま「アロホモーラ」でも開けられないように、魔法で厳重に鍵をかけると、どこか不貞腐れた気持ちを抱えたまま、着替えもせずにベッドに沈んだ。

 

 

 次の日。

 セレネは着替えると、階段を降りて行った。

 居候の身なので、朝食の手伝い位しようと思ったのだ。案の定、キッチンではチャリティ・バーベッジ先生が朝食の支度をしていた。セオドールの姿はなく、グリンデルバルドがリビングで新聞を広げている。

 

「おはよう、フロイライン。こちらに来たまえ」

 

 グリンデルバルドがやけに愉快そうに笑っていた。この男が面白そうな笑みを浮かべている時は、ろくな試しがない。 

 

「まあ、読むといい」

 

 日刊預言者新聞を渡してくる。

 セレネは訝し気に一面を見下した。『アルバス・ダンブルドアの死にまつわる疑惑。尋問のため指名手配中』という文字が大きく記されている。そして、その記事のすぐ下、一面のほとんどを占めていた写真を見下した瞬間、街中に響き渡りそうなくらい叫んでしまった。

 

「な、なんですか、これ!?」

 

 ハリー・ポッターの写真と、あろうことか、セレネ・ゴーント自身の写真が載っていたのである。

 

「『ダンブルドアの死の疑惑を調べるため、当時、不審な動きをしていたホグワーツ生二名を指名手配することにした』……なんて……」

 

 セレネは唸るように、記事の一分を読んだ。

 ご丁寧に、写真の下には「ALIVE ONLY」と書かれている。

 ヴォルデモートが魔法省を乗っ取ったのだから、新聞社を手中に収めるのは時間の問題だと思っていた。グリンデルバルドがヴォルデモートの会合で手に入れた情報からして、ヴォルデモート自身が自分を狙っていることも知っていた。

 だからって、ここまであからさまな手段に出るとは思っていなかった。

 

「嘘でしょ、これ」

 

 セレネは、へなへなとその場に崩れ落ちた。

 これで、今学期はホグワーツに戻ることが不可能だと断定。それどころか、外も変装なしで歩き回れない。分霊箱探しにも支障が出てくる。

 

「フロイライン、同情する」

 

 グリンデルバルドが背中を軽く叩いた。

 セレネは、乾いた笑いを浮かべることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻。

 ハリー・ポッターも同じ思いを抱いていた。

 

 結婚式会場が死喰い人に襲撃されて以降、ハリーはロンとハーマイオニーと一緒に、元騎士団の基地にして、シリウス・ブラックの家――グリモールド・プレイス十二番地に隠れていた。

 もっとも、その途中で、トテナム・コート通りに逃げ込んだわけだが、どういうわけか死喰い人に嗅ぎつけられてしまった。そのため、自分たちが考えられる中で最も安全な場所に逃げ込んだわけであった。

 

「ハリー、同情する」

 

 新聞を読んだシリウスが、ハリーの背中を叩いた。

 ハリーは唖然とし、ハーマイオニーはかんかんになって新聞の文句を言い、ロンはその後の記事に書かれていた「マグル生まれ登録制度実施」に気をとられていた。マグル生まれ登録制度が実施されると、マグル生まれの魔法使いは杖を取り上げられ、アズカバンに投獄されるらしい。

 

「……とりあえず、食事の準備をしよう。クリーチャー!!」

 

 シリウスは車椅子に乗ったまま、屋敷しもべ妖精を呼んだ。年老いたしもべ妖精は文句を言いながら台所に立った。そのとき、ハリーは気づいた。クリーチャーの胸に大きなロケットが提げられていることを。

 

「シリウス、クリーチャーにロケットをあげたの?」

「ん? いいや。だが、別に構わないさ。衣服ではない。どうせ、あの開けられなかったロケットを提げてるだけだろ」

 

 シリウスは素っ気なく言った。

 高貴なるブラック家には、マンダンガス曰く『宝の山』が眠っていた――……が、シリウスからしてみれば、ゴミの山でしかない。クリーチャーがそこから何を拾い、何を身に着けているかなんて、気も留めていないのだろう。

 ハリーはロケットをじっと見た。

 

「開けられなかったロケット……」

 

 2年前、ハリーもブラック家の大掃除に駆り出された。

 その時、戸棚に誰にも開けられなかったロケットがあった。それは事実だ。だが、あのロケットより一回り小さい。誰も開けられなかったロケットは大きくて、Sの字が書かれており、それはまるで――……

 

「スリザリンのロケット!!」

 

 ハリーは大声を上げた。

 シリウスはもちろん、クリーチャーまでもが驚いて跳ね上がる。

 

「ハリー?」

「スリザリンのロケットだ! ああ、思い出した! あの開けられなかったロケットが、スリザリンのロケットだったんだ!!」

 

 ロケットを見た途端、記憶が鮮明に戻ってきた。

 数年前、屋敷の戸棚に眠っていたロケットは、間違いなく分霊箱で、スリザリンのロケットだったのだ。それと共に、一瞬、煉瓦が胸から胃に滑り落ちたような喪失感を感じる。あのロケットは結局、ごみ箱に捨てられた。

 けれど、もしかしたら、クリーチャーが掠め取っていたかもしれない。

 ハーマイオニーとロンが顔を見合わせ、シリウスが事態について行けず口を開けている中、ハリーは立ち上がるとクリーチャーに詰め寄った。

 

「クリーチャー! ここに誰にも開けられなかったロケットがあったはずだ。それを掠め取ったか?」

「……」

 

 クリーチャーは何も答えない。

 ただ、まじまじとハリーを見上げている。

 

「クリーチャーは、ポッター小僧のしもべではありません」

「クリーチャー、命令だ」

 

 クリーチャーがそっぽを向いた途端、シリウスが鋭く言った。

 

「ハリーの質問にすべてに、嘘偽りなく正確に答えろ」

 

 ハリーは驚いたように、シリウスを見返した。シリウスはハリーに向かって片眼を閉じてみせる。

 

「どういう理由か分からないが、それは大事なことなのだろう?」

「ありがとう、シリウス!」

 

 ハリーはシリウスに礼を言うと、もう一度、クリーチャーに同じ質問をした。クリーチャーは不満そうにもごもごしていたが、やがて口を開いた。

 

「はい、取り戻しました」

 

 それを聞いた瞬間、ハリーは小躍りしたい気持ちになった。

 

「それは、いまどこにある?」

「……なくなりました」

「なくなったって、どういう意味?」

 

 しもべ妖精は黙ったまま身震いをしている。それを見て、シリウスが厳しい声で言った。

 

「命令だ、クリーチャー。答えろ」

「……マンダンガス・フレッチャー。マンダンガス・フレッチャーが盗みました。旦那様が、入院されている間に忍び込まれ、盗まれました」

 

 クリーチャーは目を閉じた。それ以上、何も言わないと硬く決めているようだった。

 

「つまり、ロケットはマンダンガスが持っているのね」

 

 ハリーの後ろで、ハーマイオニーが呟いた。

 

「でも、マンダンガスは今、どこにいるのかしら?」

「マンダンガスの居場所を調べるには、簡単な手がある」

 

 シリウスが頷くと、クリーチャーに向き直った。

 

「クリーチャー、マンダンガスを連れてこい。2日以内に、だ」

「……かしこまりました、旦那様」

 

 クリーチャーは悔しそうに呟くと、弾かれたような音と共に姿を消した。ハリーは車椅子のシリウスに向き直った。

 

「ありがとう、シリウス」

「今の私にはこれくらいしか出来ない。マンダンガスは多くの隠れ家を持っている。クリーチャーを使っても、そう簡単に居場所を割り出せない」

 

 シリウスは無念そうに言った。魔法省の戦いで首の骨を痛めてから、彼の動きは随分と制限されていた。

 

「戦場に出たくても、最大で30分程度しか持たないからね」

「素朴な疑問だけど、どうして30分も戦えるんだい?」

 

 ロンがふと思い出したように尋ねてくる。すると、ハーマイオニーが素早く答えた。

 

「魔法糸よ」

「魔法糸?」

「ふむ、ロン。君はマリオネットを知っているかい?」

 

 シリウスが例えを出してくれた。ロンが頷くと、シリウスはゆっくり語り出す。

 

「魔力で糸を作り、マリオネットみたいに身体を動かす魔法だ。自分の魔力が尽きない限り、たとえ、四肢が満足に動かなくても自分の体を自由自在に操ることができる。本来ならリハビリを含め3年はかかるが、私はこう見えて、それなりに魔法が得意なものでね。半年でものにしたということだ」

 

 シリウスは少し得意げな顔をしていた。

 

「おっどろき! そんな魔法があるんだ!」

「魔力が尽きればおしまいだ。だからこうして、普段は車椅子で最小限の力で生活している」

「ロン、そういうことよ」

 

 ハーマイオニーはそう言うと、台所に入り、クリーチャーの代わりに料理を始めた。 

 

「ところで、ハリー」 

 

 シリウスはハリーに話しを振ってきた。

 

「君がロケットを探し求めるのは、ダンブルドアに託された使命と関係あるのかな? 打ち明けてもらえれば、もう少し力になれると思うのだが」

 

 ハリーはじっとシリウスを見返した。

 アズカバンから脱獄して来たよりも、随分と健康そうな肌色をしている。ダンブルドアを除けば最大限信頼でき、物凄く頼りになる名付け親にすべてを明かしたい気持ちになった。

 だから、ハリーは別な答えができたらいいのに、と心底思う。

 

「シリウス、ごめんなさい。ダンブルドアがあなたに話していないなら、僕からは話せない」

「そう言うと思った」

 

 シリウスは少し失望したようだった。

 

「まあ仕方あるまい。ダンブルドアが駄目だというなら、駄目なのだろう。

 だが、ハリー。手伝えることがあるなら遠慮せずに言ってくれ。もっとも、今の私は己の知識と隠れ家、それから、老いぼれクリーチャーを貸すくらいしかできないけどな」

 

 シリウスは寂しそうに笑った。

 ハーマイオニーが「食事の支度ができたわよ」と呼ぶ声が聞こえる。シリウスは車椅子を魔法で動かしながら、テーブルの方へと移動し始めた。その後姿を見ながら、ハリーはシリウスに対して、深い自責の念が湧き起こるのを感じた。

 

 

 

 そのちょうど2日後だった。

 クリーチャーがマンダンガス・フレッチャーを捕まえて、グリモールド・プレイスに現れたのは。

 

 

 

 




 次回投稿予定はクリーチャーが戻って来る2日後。
 つまり、5月1日0時予定です。
 平成最後の話はいかがだったでしょうか。
 令和になっても、本作をよろしくお願いします!


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