Red gem of galar   作:Mira

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2つ目のジム戦。
必ず、勝ってみせる。


Wanna be

「あぁぁぁあ!?何でこんなに力の差があるんだよ!」

「でもホップ君また強くなってるよ?」

 

次の町へ続く橋の上で、ルビィは再びホップと力試しをした。くさジムを突破した両名の結果はルビィの白星。穏やかな気性に反して物理に長けたリーフィアと安定したアオガラスのコンビネーションは鮮やかだった。

 

「やどりぎのタネと絡ませるなんて思わなかったぞ。」

「もしリーフィアが倒れても、アオガラスが繋いでくれるからね。」

 

ホップの手持ちはウールーにアオガラス、そしてラビフット。内2体はリーフィアに有効打が打てるが、ルビィはそれを見越してやどりぎのタネを植え付け持ちこたえ、倒れたところでアオガラスが待っている。ヤローは「くさタイプは粘り強さが持ち味」と常日頃から口にしているが、それを実践してみせたのだった。

ホップは再び草むらで鍛錬を積むと言って別れて、ルビィは立てかけていた自転車を起こして跨った。

 

元々ルビィは自転車を持ち歩いていない。ロトムの技術者に譲られたのだ。ポケモンセンターで治療中だったイーブイを引き取りバウタウンに向かおうとしたところ、エール団に絡まれている技術者に遭遇した。スボミーインでのトラブルと同様に、人々は遠巻きに見るのみで誰も助けようとしない。

 

「その人困ってます!やめてください。」

「また貴女ですか!?いい加減しつこいですね!」

 

エール団の挑発も2度目ともなれば目を細めるだけに終わり、ルビィはドッコラーを呼び出した。木材をぐるぐると振り回すドッコラーにエール団は動揺する。まさかルビィがドッコラーを出すなんて思わなんだろうか。頬を少しだけ膨らませたルビィはドッコラーに冷静な指示を出し、あっさりと倒してしまった。

 

「助けていただきありがとうございます。」

「いえ、放っておけなかっただけです。」

 

感謝の念を込めてルビィの手を両手で包む男にルビィは仰け反る。只でさえ人見知りで、特に男性に対してはあまり関わるのが得意ではないのだ。彼はそれを物ともせず、ロトムを搭載した電気自転車を感謝の印として贈呈した、というのが顛末である。上市されていないとはいえ大きな贈り物にルビィは一旦断ったが、男が強引に説明をし始めたこと、そして道中の移動が少しでも楽になれば御の字と考えて受け入れるのだった。

 

 

市場と港に恵まれた町バウタウン。浦の星女学院はここに構えられており、Aqoursのメンバーの内3人の居住地である。当然練習場所もバウタウンの海岸であり、スクールアイドルファンの聖地と化した。お蔭で定期的に黄色い声が上がる。

そんな中ルビィは駐輪場に自転車を停めた。まさか曜あたりが囲われているのだろうと思いきや、中央にいたのは中肉中背の中年男性だった。どこぞの有名人なのかと思いきや、険しい顔で立っているオリーヴのお蔭でルビィは口をぽかんと開けた。

 

「恐れ入りますが、委員長はご多忙です。お引き取りください。」

「あっ......みんな、まだサインするよ?ポケモンリーグカードも如何ですか...?」

 

恐らくプライベートなのに人が寄ってきてしまい、長身の女性が人払いをしているようだ。ファンあっての彼らとは言え、プライベートへの踏み込みには限度がある。アマチュアであるスクールアイドルでさえその境界線が曖昧になりつつあるのだ。ルビィは気付かれないように丁寧に自転車を折りたたんだ。

 

「オリーヴ君、鞠莉君より厳しすぎやしない?」

「彼女はあまりにも楽観的なだけです。」

 

嗚呼、そう言えば鞠莉はポケモンリーグのアルバイトスタッフとして小遣いを稼いでいることをミーティングで報告されたこともある。マクロコスモスグループのレジャー部門に鞠莉の父親が所属していることを利用して、休みの日はポケモンリーグの発展に尽力したいと。尤も激務であることには変わりなく、月曜日には隈を作って登校しているが。

 

「僕も全力で頑張ります!ローズ委員長のためですから。」

 

声変わりの最中にある高めの少年の声に、ルビィはぎょっと肩を震わせた。視線を寄越すと銀色の癖毛と明紫色のロングコートが目に入る。彼もまたバッジを1つ手に入れたのか。ルビィは静かに溜息を吐く。ローズは彼の名前を失念していたようで可哀想だったが、オリーヴから「ビート」という名前を聞き出せた。思えばルビィの母も碌に名前を呼ばなかったような。

 

「決勝戦を制するのは、君か...それともチャンピオンに推薦されたトレーナーかな。」

「いいえ!優勝するのは委員長に推薦された僕です!!」

 

ビートは気を悪くしたのか声を張り上げてスタジアムとは逆方向に走り去ってしまった。途端にルビィに冷たいものが走る。ローズは「チャンピオンに推薦されたトレーナー」という玉虫色の表現をした。つまりルビィが自転車を片付けながら聞き耳を立てていることを知られていたのでは、と。

 

「あぁ、ルビィ君!」

 

ルビィはぎこちなくローズの方を向いた。錆びついたレアコイルがギャップを回す音がするほどに。ま人だかりがなくなって漸くわかったのだが、私服なのだろうか、ランニングウェアがちんちくりんだ。オリーヴは指摘しないのだろうか。何なら見立てたいと思ってしまった。御免被るが。ルビィは祈った。頼むからそれ以上近づかないでほしいと。

 

「あの、到着したら人だかりができていて気になってしまって......。」

「気にしないで。それにしてもダンデ君が君を推薦するなんてね。てっきりお姉さんの方かと思ったんだけど。」

 

悪かったな、という反論をぐっと飲みこんだ。バトルビギナーなのは兎も角、確かにダイヤの方が箔がつくだろう。何度指摘という悪意をぶつけられたか数えきれないが、苛立ちがぐるぐると腹の底で渦巻く。それこそターフタウンの地上絵のブラックナイトの如く。一方ローズはルビィの心情など気にも留めずぽん、と手を叩いた。

 

「そうだ!!ルリナくんに勝ったら私がお祝いしよう!」

「え?でも......。」

「ガラルの未来のため、そして浦の星のために頑張ってくださいね。」

 

聞けばルビィやAqoursのことを知りたいらしいが、何故こんな大きな立ち位置の人に話さねばならないのだろうか。確かに母がルビィのことを詳しく話してくれるとは思えない。どういう思惑かわからず、ルビィはふらついた。オリーヴは大きく溜息を吐いた後、夕方に防波亭で待っているからそれまでにバウタウンのジムチャレンジを制覇しろと厳しさと呆れの混じった声で命を下したのであった。その表情は、週明け登校する鞠莉の顔に似ていた。

 

 

ジムリーダーは全員ガラルの有名人と言って差し支えないが、とりわけルリナは浦の星のスターである。浦の星OGがジムリーダーであり、ガラル地方を代表するモデルなのだから。だからこそオフの日やジムチャレンジ前の休憩時間にルリナがどこにいるか生徒たちは把握していたし、もし見かけてもそっとしておくことは暗黙の了解であった。ルリナから声をかけられない限りは。

 

「ルビィちゃん?」

「ピギッ......はい、そうです......。」

「貴女有名人ね。地元のスターの一人だし、しかもダンデの推薦も受けたんだから。」

 

スターの格が違うだろうという反論を抑え込み、ルビィは曖昧に笑う。一瞬だけ、ルリナの眉間に皺が寄ったのをルビィは見てしまった。ルリナに妹のように可愛がられてきた果南曰く、ルリナは自信のない人間を好まないと聞く。姉と比較され続け、公然と母に馬鹿にされ続けたルビィにはルリナの態度と言葉の裏が読めてしまった。「どうしてお前が。」と。

 

「早速スタジアムにおいで。貴女とのバトル、楽しみにしてる。」

 

好戦的な笑みを浮かべて、ルリナはスタジアムへと戻っていった。どうしよう、こんなに話が大きくなっていたなんて。道行く人たちの囁きが増幅する。

 

―スクールアイドルならイベントずっとやっていればいいのに。

―精々獲得できるバッジは1つでしょ、どうしてチャンピオンはあんな子を推薦したの?

―お姉さんの方がよかったのに。

―いっそ千歌ちゃん推薦すればよかったのに。

―バトルもしたことなくて、あんな弱そうな子すぐ敗退するよ。

 

五月蠅い、五月蠅い、五月蠅い!!好きなことばかり言うな!!ルビィは両手で耳を塞ぎ、蹲る。耳を塞いでも尚聞こえてくる声は過去の幻聴か、現在進行形の善意か。腹の底の渦が大きくなる。瞬間、ルビィの体勢が崩れる。臀部への重い痛みと下品な笑い声が響き、蹴り上げられたことがわかった。コンクリートに爪を立て、奥歯を噛み締める。

 

「絶対、負けない。」

 

こんな惨めな思いをずっとするくらいなら、己とポケモンたちの力で身を立ててやる。ルビィの指先から赤い血が滲む。その血はコンクリートを赤く染めただけでなく、少しずつ崩れ落ちた。

 

 

バウタウンスタジアム内は巨大なプールであり、太いパイプから大量の水が排出されている。排水個所は通れなくなっているため、ハンドルを開閉して排水を停めねばならない。

 

水の臭いにくらくらしながら、ルビィは赤いハンドルを閉じた。ハンドルの色が水柱の位置に該当するらしく、手前の赤いハンドルは、ハンドルから最も近い赤い格子に流れる位置の水流を止めた。だが闇雲に閉じていてはどん詰まりに陥ってしまう。扉手前の水流の位置には青い格子がある。それを踏まえながら閉じなければ。要所要所にいるジムトレーナ―と水の臭いと脳の回転と指先の痛みでルビィは息が詰まりかけた。尤もそれは足元で元気に戦うパートナーのお陰で息を吹き返したのだが。―最後の青いハンドルを回した後、扉の前の3つの水柱が止まった。ルビィは一目散に階段を駆け上がった。青いハンドルに付着した血液は、ハンドルを腐食させた。

 

 

「ようこそ、ルビィちゃん。そして難しいミッションをクリアできたこと、褒めてあげるわ。」

 

意外と冴えてるのね、とルリナは挑発的な笑みを浮かべた。ヤローのジムミッションが体力と閃きを使うものなら、ルリナのミッションは主に頭を使うものだ。ハンドルと水流の位置を把握しながら迷路を脱出しなければならない。意外に思われていることは言外からも察することができるが、評価は評価、素直に感謝の言葉を述べてカーティシーをした。周囲から嘲笑が漏れる。

 

「でもね、どんな作戦を練っても私と自慢のパートナーが全部流し去ってあげるわ。」

「......なら、どんな攻撃にも耐えてみせましょう。」

 

冷たい声にルリナは目を見張った。開会式で発狂していた彼女ではない。今日まで抱いていた、年の割に遥かに幼いイメージさえも崩れそうになった。ルビィの構えるボールに、今度こそ血液は付着していなかった。[newpage]

 

鞠莉が用意した8つの席は、一般席の中でも特にスタジアムを見渡せる掘り出し物だった。アルバイトの給料で8人分の座席を手配しているのだから一般席で勘弁してほしいと鞠莉は常々思うが、今回ばかりは神の加護があったようだ。

ほぼ全員が緊張した面持ちで見つめる中、ダイヤと善子は険しい表情を保ったままだった。

 

「ルビィちゃん、今回はどうなるかな。」

「リタイア、ですわ。」

 

曜の弾んだ声をダイヤが萎ませる。そこまで言うことはないと梨子が窘めると、ダイヤは静かに首を振った。

 

「ヤローさんの場合はジムミッションさえ突破できれば挑戦者の勝利です。ルリナさんから先はそこまで甘くありませんわ。」

 

花丸が鋭く睨みつけるが、ダイヤは怖気づくことなくふんぞり返る。善子も静かに頷いた。みずジムは2番目のジムなので挑戦者に合わせてポケモンたちは調整されているとは言え、互角以上の戦いを繰り広げるつもりだ。そう易々と通すつもりもないだろう。

 

「トサキント、つつく!」

 

現にリーフィアの弱点であるひこうタイプの技を出そうとしている。観客の大勢が鼻で嗤った。Aqoursの表情は絶望的なものになる。ドローンロトムが偶然ルリナを映してしまったが故に誰も気づかなかった。ルビィの口元が弧を描いたことに。

 

「リーフィア、はっぱカッターで攪乱して!!」

 

リーフィアの周囲に無数の葉―刃が舞う。トサキントが自慢の角を向けて特攻するのを防いだ。はっぱカッターによるダメージは着実に蓄積していき、トサキントはリーフィアに触れる前に戦闘不能になってしまった。

 

「こんな使い方するなんて!」

 

善子の絶叫がきっかけになったのか、観客がどよめき始める。次鋒のサシカマスのアクアブレイクははっぱカッターにより水流が押し退けられノックアウト。数多の挑戦者を見てきたルリナでさえ目を見開いたが、頭を振って再び仁王立ちをした。

 

「中々の戦闘センスね。そんな貴女にプレゼントよ!」

「リーフィア気張るよ!ダイマックス!」

 

ルリナの3つ目のボールにエネルギーが注入され、巨大化する。放り出されたのはダイマックスしたカジリガメ。気性が荒く、立派な顎で噛まれたらひとたまりもないとされる。対するルビィはリーフィアをボールに収めエネルギーを注入、巨大化したボールを放り投げた。ダイマックスしたリーフィアは相も変わらず穏やかに微笑んでいた。

 

「特大の贈り物よ!ダイストリーム!!」

「ダイソウゲンでお返しして!!」

 

カジリガメの水流と、リーフィアの種子が同時に放たれる。種子は早々に水流を割りカジリガメに直撃した。―レフェリーの声が挑戦者の勝利を宣言すると、リーフィアは高らかに鳴いた。悔しさを隠しもせず、ルリナは髪を掻き毟った。ああまたやってるよ、と呆れ声を漏らしたのは果南だ。花丸はほっと胸を撫でおろし、千歌はガッツポーズを決めた。4人は茫然としたままバトルフィールドを見つめ、ダイヤは唇を噛み締めた。

 

 

「......正直甘く見てたわ。全部押し流されちゃった。」

「ありがとうございました。ルビィの相手してくれて。」

「ううん、相手してよくわかった。貴女はチャンピオンに挑むだけポテンシャルがあるって。」

 

懐から取り出した水の文様のバッジをフレームに嵌め込んだ後、ルビィに向かって右手を差し出した。ルビィも右手を差し出して応じる

 

「頑張ってね。ジムチャレンジも、スクールアイドルも。」

 

ルビィの手に、無意識に力が込められた。ルリナの顔がほんの少し歪んだ。

 

 

奮闘したルビィを迎えに来たのはAqoursと、オリーヴだった。さあっと背中に冷たいものが走る。ルリナに勝ったら防波亭に来ること。ジムチャレンジに夢中で約束を今の今までルビィは忘れていた。

 

「ジムチャレンジ突破おめでとうございます。委員長が防波亭でお待ちです。」

 

言外にさっさと来い、と込められているような気がしてルビィは身を竦ませた。当然Aqoursの面々も驚きを隠せない。が、おもちゃを見つけたぞと言わんばかりの表情の鞠莉がルビィに近づいた。

 

「ルビィ、会長と食事に行くの? 」

「うん、ジムチャレンジの前に約束してたの。」

「何故そのような方と貴女が食事の約束をしていたのですか!?」

 

ダイヤの咎める声にルビィは俯いてしまうが、それを打破したのは鞠莉だった。鞠莉はニヤニヤしながらオリーヴにさっと近づいた。

 

「ねぇオリーヴ、私たちも行っていいかしら?」

「委員長は彼女との対話を所望しているのです。貴女方ではありません。それにいくら鞠莉の頼みとは言え......。」

「あら?会長なら快くOKを出すと思うわ。」

 

ぐいぐいとオリーヴの背中を鞠莉は押す。完全にオリーヴは鞠莉に呑まれてしまった。ぽかん、と全員顔を見合わせる。皆おいでー!と先を行ってしまったオリーヴと鞠莉に追いつくよう、慌てて走っていくのだった。

 

結局全員分をローズが奢るということで承諾された。寧ろローズ本人もガラルで知らない人はいないスクールアイドルと食事ができるなんて! と喜んでいた。おまけにソニアまで同席していたのだからルビィは余計に驚愕した。どういうこと?と小声で尋ねると、よくわからないと肩を竦められた。

水産の町であるバウタウンの魚介料理に全員舌鼓を打った。実はガラル地方でも有数の高級店故というのはご愛敬である。

 

「ところで、マグノリア博士はお元気にしていらっしゃいますか?」

 

ダイマックス研究の第一人者はマグノリア博士だが、ダイマックスバンドの開発権利はマクロコスモスが握っている。逆に言えばダイマックスの研究はマグノリア博士に一任されていると言える。

 

「祖母は長年ダイマックスの研究を行っていますが、依然として解明できていない点も多いようです。私もフィールドワークの際は、パワースポットセンサーを携帯しています。」

 

仮にダイマックスが疑似的なブラックナイトだとしたら。ダイマックスのエネルギー源はねがいぼし、即ちガラル粒子だ。つまりブラックナイトとガラル粒子に因果関係があるということだが、そもそもガラル粒子は「莫大なエネルギーを持つ石」程度にしか考えられていない。

料理の手が進まないルビィにダイヤが小突く。

 

「ソニア君、ナックルシティにある宝物庫の見学の手配をしよう!もちろんルビィ君も。」

 

科学的な解明が難しいなら、まずは歴史を紐解いてみてはどうだろうと。確かに研究結果を考察するには先人の考えやその背景を知る必要があるため理にはかなっている。しかしあのローズからの提案にソニアはぽかんと口を開けた。

 

「私から見学の手配をします。宝物庫到着の際は管理人にお声がけください。......委員長、お時間です。」

「えー?ルビィ君の話を聞けてないのに。」

「そうよそうよ。」

「鞠莉、貴女は静かにして。」

 

口を尖らせるこの人はポケモンリーグ委員長で、ガラルを代表する企業の代表取締役である。ローズは大きく溜息を吐いた後やるべきことはやらないとね、と呟き立ち上がる。お会計は私が済ませるから、また話を聞かせてねとローズは微笑んだ。ローズとオリーヴを見送った後、ソニアは大きなため息を吐いた。

 

「......親切のつもりなのかなぁ。」

「わざわざ宝物庫の手配までして?」

「うん、別に私でもやるってのに。......っとルビィちゃん、ルリナに勝ったんだって?おめでとう!」

 

宝物庫の見学予約はウェブサイトから可能だ。余程身元が怪しくない限り見学可能らしい。ソニアは口を尖らせた後、破顔してルビィの頭をわしわしと撫でた。ルビィは目を細めて心地よさそうに礼を述べた。

 

「知ってるかもしれないけど、ルリナ負けず嫌いだからさ......。ちょっと様子見に行ってくるね。序にルビィちゃんのことも自慢してやるんだから!」

 

またね!とソニアは手を振る。そんなことしてもらう必要ないのに、とルビィははにかんだ。その一方で千歌は小首を傾げた。

 

「結局あたしたちって、なんのためにいたの?」




2022.12.18.大幅に修正
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