高評価ありがとうございます。
なので、ちょっと多めに書かせてもらいました。
いつも、ありがとうございます
それでは、どうぞ
激しい轟音が戦場に鳴り響く。
バルバトスの武器である大型のメイスをエクシアが躱す。
振り下ろされたメイスは地面にヒビを入れ激しい土煙を巻き上げる。
「…戦闘は終わったはずだ!それなのになぜ殺そうとするガンダム!!」
「???何言ってんの?オルガが潰せって言ったんだ、なら、まだ命令は終わってない」
だから、オルガの命令の邪魔をするならあんただろうと潰すよ
とバルバトスのパイロットは言う。
「相手に戦意はない、話し合うことくらいはできるはずだ」
「ふーん、そうなんだ」
こちらの話を流し再びメイスを振るう三日月だが、武器が巨大なせいで大振りになってしまう。
いくら、阿頼耶識に繋がっていて、モビルスーツを体の一部のように使えると言っても、今日が初陣で乗るのも始めての機体だ。
そんな機体の攻撃など、当たるはずもなくエクシアは最小限の動きだけでこれを躱す。
刹那には機体と自分を繋ぐ阿頼耶識システムは無いが、初陣のバルバトスと違い、過去に何度もこの機体で窮地を乗り越えている。
そして、それは阿頼耶識に匹敵すると言ってもいいほどに刹那は自分のガンダム、天使の名を冠するエクシアの事を知り尽くしていた。
過去に自分はこの機体と共に戦争の根絶という理想を掲げて戦った。
その果てには、幾人もの大切な仲間を失い、何度も失敗を重ねながら成長し、最後には異星人との対話までできるようになった刹那はこう思う。
命令だから殺す、たしかに軍人ならそうするだろう。
かつての自分がそうであったように。
だが、それを間違いだと俺はもう知っている。
誰かの命令に従っているだけではだめだ。
自分で考えて行動をしなければその先の未来を見ることはできないのだから。
だからこそ
「ちょこまかちょこまか、すばしっこいなぁ!!」
信じられないほどの高さまで跳び上がるバルバトスその手に握られてるのは大型のメイス。
跳躍からのメイスの大振り。
先ほどよりも激しい音が鳴り響き、地面にも幾重にも亀裂が走る。
「…お前は何のためにガンダムに乗る?三日月・オーガス」
ガンダムに乗るものとして、ガンダムに乗る理由。
俺には彼が何を思ってガンダムに乗っているのか気になっていた。
「何のためって、オルガの命令だからに決まってるだろ」
命令か、確かに言われれば乗る。それが軍属ならなおさらのことだ。
だが、それはガンダムではない。
ガンダムとは人の夢、理想、誰かのためを思って乗るものなのだから。
だからこそ、お前のそのガンダムは…
「そうか…ならば、お前はガンダムではない!!」
エクシアの実体剣もといGNソードでバルバトスのメイスを弾く。
ガキンと音がなるが、バルバトスの背丈と同じくらいあるメイスの一撃を弾いても、エクシアのGNソードには傷一つつかない。
流石は対ガンダム用の武装につけられた装備である。
敵がよろけた瞬間に、すかさずエクシアはバルバトスとの距離を縮める。
驚異の反応速度とはいえ、弾かれた一瞬で次の行動に移るのは容易ではない。
目前に迫ったエクシアはGNソードをコックピットに突きつけていた。
「これで、終わりだ」
GNソードでコックピットを潰す寸前、声が響く
「待ってくれ!!」
とそこで、オープンチャンネルで通信が入る。
通信源を見てみるとそこにはボロボロのモビルワーカーに乗る銀髪の髪をした少年が乗っていた。
見た目は色黒の青年で着ている服も土煙などで泥だらけになっている。
よほど急いでいたのか息遣いが荒くなっていた。
とりあえず、目の前の男よりは話ができるかと思い交信を行う。
「…誰だ」
「ミカ、いやその白いモビルスーツの仲間だ。どうかパイロットを殺さねえでくれないか、命令を出したのは俺だ。用があるなら俺が聞こう」
どうやらこいつがこの戦場の指揮官らしいな。
それに、命令を出したと言っていたことから、こいつがバルバトスのパイロットが言っていたオルガとやらで間違いないだろう。
バルバトスのパイロットはオルガの命令だから殺すと言っていた。、
それならば、このオルガという男が話ができるやつならバルバトスを止めることもできるはず…話してみる価値はある…か
「わかった、いいだろう」
GNソードをコックピットから遠ざけ攻撃の意思がない事を示す。
バルバトスが狙っていた機体もボロボロで動けない状態なので戦う意思はない。
もう一人の方は上官を助け出すのに必死なのでこちらも戦う意思はない。
それで、後は…
「…オルガ、ごめん仕留めきれなかった、オルガに頼まれたのに」
「いや、いいんだお前が生きててくれれば、だから、気にすんなミカ。」
最後の懸念であったバルバトスのパイロットも先の男が説得すると早々にメイスを手放した。
なんともあっさりしたものだとも思ったが、それとは裏腹に彼の命令には絶対に従うという絶対的な忠誠心が見てとれる。
危ない思考だ。
けれどまあ、よくわからない状況下の中だがとりあえずは戦闘の無力化に成功した。
ということはとりあえず
「未知の星にて、ファーストミッションクリア」
ってことに違いはないだろう。
それにもしかすると彼らが俺の今起きている現状について何か手がかりなんかを知っている可能性もある。
クアンタとELS、それに一緒に乗っていたティエリアもなんの反応も示さない。
体は子供に戻っており、機体はなぜかエクシアに乗っていた。
TRANSAM機能は確かめていないため使えるかわからないが、少なくとも今の現状が普通ではないことは間違いない。
せめてもの救いは、機体の操縦技術や知識、記憶は問題無い。
みんなとの思い出や俺の失態その全てを覚えている。
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「すまねぇ、待たせたな身内のゴタゴタがようやくかたづいたことろでよ。長い間待たせちまった。」
所長室のドアを開けオルガが中に入ってくる。
後ろには三日月とビスケットの両名を連れている。
彼らは自分たちを囮にして、逃げた上官どもの始末をするのに思いの外時間がかかってしまい、全てが終わる頃には夜になっていた。
「いや、大丈夫だ。こちらも自分の陥っている状況について確認したいことがあった」
「そうか、そう言ってくれるとありがたい。そんじゃあまぁ、長らく待たせちまったみたいだし、早速話し合いといこうじゃねぇか」
彼らはあの後、一応の休戦の形を取り。
刹那を所長室に待機させていた。
「ああ、だがその前に、緑色のモビルスーツのパイロット達は無事か?」
そう休戦する時の条件として、戦う意思のない彼らを保護することがこちらの条件だった。
彼らにとって緑色のモビルスーツ達は憎むべき存在であることに間違いないはずなので、あの場限りでの約束なのではないかと刹那は疑っていた。
「ギャラルホルンの連中には監視をつけて、見張ってもらってる。手荒いことはしちゃいねぇよ、それがあんたからの休戦するための条件だったからな。
そっちが守ってくれたいじょう、こちらが破るのは筋が通らねぇからな」
そう言って、片目をつむりこちらに手をさしのばすオルガ。
手を差し伸ばす、つまりは友好の証。
どうやらあのガンダムに乗っていた少年とは違い、このオルガという男は義理や人情に厚いタイプの人間のようだ。
まるで、頑なにフラッグにこだわっていた彼を彷彿とさせる。
それを見て手を伸ばす刹那。
そうして、二人の握手の元友好的な話し合いは始まった。
「それじゃあ、改めて俺はオルガ・イツカだ。このCGSのトップになった男だ。今この会社で一番偉い奴だと思ってくれていい。」
「こちらは刹那・F・セイエイ。ソレスタルビーイングのガンダムマイスターだ。今はELSと呼ばれる生物と色々な惑星を見て回っていたのだが、いきなりこの星に飛ばされていて、こちらは状況の確認が取れていない。何か知っていることはないか?」
お互いの自己紹介を行い、自分たちの近況を話す。
そして、お互いがお互いに疑問を思っていたことを互いに話をしていくに連れて、大まかにだがわかったことがある。
まず、ここは火星で、ソレスタルビーイングなんてものは聞いたこともなく、軌道エレベーターなんてものはない。
そして、ELSという生物の存在も認知していない。
これらの結論から考えると、自分は別世界に来てしまったのではないのだろうか。
いくら、星と星との間で距離が離れていようと、地球を巻き込んだ生命体の襲来や戦争撲滅を志したソレスタルビーイングのことを欠片も知らないなんてことは無いだろうし。
極め付けには彼らの機体はどの政府組織の機体とも違っていた。
「…別世界か、そんな嘘みてぇな話をはいそうですかと、信じるわけにやいかないんだろうけどよ、おやっ…整備士の人に勝手で悪いがあんたの機体を少し見てもらったんだけどよ、見たことないパーツがいくつもあって理解できねぇって言ってたんだ。特に背中についている奴なんか特にな。」
エクシアを調べたのか、見たことないパーツか、恐らくはGNドライヴのことだろう。
俺たちの世界でも今でこそ擬似GNドライヴは量産されたが、オリジナルのGNドライヴを持つのはイオリアが作ったオリジナルのみ。
だから、オリジナルを見たことないのは分からなくもないが
整備士が、量産型のGNドライヴも見たことがないということは更に信憑性が高まってきたな。
「だから、とりあえずあんたが別世界から来たことは信じようと思う、その上で聞きたいんだが、何をしに来たんだここへ」
「それは…わからないんだ。本当に気づいたら、体は子供に戻っているし、機体は乗っていたものではなくなっていた。ELSもいないし、ティエリア、俺の仲間もいなくなってしまった。」
そうかと考えるそぶりを見せるオルガ。
後ろの奴らに関しても半信半疑といったところでオルガの考えを待っているようだ。
だが、本当にわからない。
なぜ俺はここに来たのか、ELSとの対話の途中でいきなり別世界に飛ばされるなんて訳がわからない。
イノベイターとして覚醒した俺は人以外とでも繋がれるようになった。
それもダブルオークアンタを通してそれは更に増幅されていた。
ELSは繋がることで相互理解をできると思っていた。
そう考えると誰かがこの世界に俺を呼んだのだろうか。
この世界の何物かが助けを求めた。
そして、その周波数を俺が拾ったからそいつは俺をこっちの世界に連れてきた。
だが、何故、あの戦場に。
それにそれらしい生命体はいなかったし、そんな異星人と呼ばれるような生き物も話を聞いている限りこの世界にはいないそうだ。
「けど、まぁわかんないことだらけだが、1つわかってることがある、あんた自分の世界へ帰れんのか?」
元の世界への帰還。
それは、どうやって来たかがわからない以上どうやっても帰れないというのが今の結論だ。
機体も年齢も逆行しているこの状況どう考えても理解ができない。
そもそも俺は無事に帰れるのかさえ怪しいものだ。
だからといって諦めるわけにはいかないのだが
「いや、今は帰還の目処は立ってはいない。」
その返事を待ってましたとばかりにオルガは笑う。
「そうか、そうだよな、そしたら住む場所や働くところが帰るまで必要になるよな」
「それは…そうだな」
それは…たしかにそうだ。帰るにしてもいつ帰れるかわからない現状で住む家は必要だし、エクシアのメンテも必要だ。
生きていくためにも仕事は必要だが、あいにく俺はこの世界のことについて全くわからない。
「だが、あんたのいうことが本当ならあんたはこの世界のことを何もしらねぇし、頼れる奴もいないってことだ。そこでだ、俺から提案がある。
あんたのモビルスーツの腕を見込んで俺たちの会社に入らねえか」
「お前たちの会社にか?だが、それは…」
それは帰る選択肢を無くしてこの世界で暮らす道を選べということか
だが、それはできない。
俺には果たすべき約束があり、なによりも待っている人がいる。
そんな俺の考えを読んでかオルガが言う。
「いや、違う、そうじゃねぇ。あんたは元の世界に帰れるまで俺たちの仕事を手伝う。そして、俺らはあんたを元の世界に返す手伝いをする。その間だけの関係だ。」
「なにっ!!それでは…」
「それではあまりにもあんたに有利すぎやしないかって?ああまぁ実際そうなんだろうけどよ、俺たちはあんたに借りがある。だから、元の世界に返す手伝いをする。それがあんたへの恩返しって奴だ。」
借りだと?そんなもの作った覚えはない。
なによりもこうして会うのは初対面のはずだ。
いったいいつ借りを作ったと言うのだこの男は
「いつ借りを作ったんだって言いたい顔だな」
「っ!!いやだが、実際俺とお前たちは初対面のはずだ、そんな奴に借りなど作った覚えはない。」
オルガは深呼吸をし、真っ直ぐな瞳でこちらを見据える。
その目からは真剣な空気が読み取れた。
「あんたは、俺たちの仲間を救ってくれた。ギャラルホルンの連中にいいように殺されていくおれの仲間たちを救ってくれた。モビルワーカーの方もあんたのおかげで死傷者も少なく済んだと聴いてる。そして、なによりあんたのおかげで俺も救われた。あんたがあの時現れたお陰で俺たちは死なずに済んだ。
だから、その分の借りはきっちりあんたに返させてもらう。それが、ここのトップである俺の考えだ。」
あの時現れたのも偶然で別に目の前の男を助ける為ではない。
だから、こいつらが恩を感じる必要はないのだ。
だから、断ろうと思った。
だが
「それだけじゃなくてな、本当はあんたの言葉が嬉しかったんだ。あんた言ってたろギャラルホルンの奴に向かって俺たちの仲間の死を嘆いてくれた。怒ってくれた。
それだけで俺は充分にあんたを信用している。だから、俺たちに協力させてくれないか、あんたを元の世界に戻す手伝いを」
彼の真っ直ぐな瞳に俺は断ることはできなかった。
言葉の1つ1つに重みが宿っている。
こいつらにとってはあの状況が当たり前のようになっていて、それを見た俺が嘆くのを好ましく思っていた。
つまり、この世界では命の価値などゴミのように捨てられていることになる。
まるで、あのクルジスの頃の戦争のように。
だが、俺の世界とは違い。
この世界は俺の世界よりももっとひどい状況になっているのではないかと感じて来ている。
ならばこそ、ソレスタルビーイングの目的は戦争の根絶。
つまり世界の歪みを取り除くこと。
あるべき世界へと取り戻すこと。
誰もが分かり合えると知っているから、彼らのような人物を見捨てるようでは俺の戦って来た意味がなくなってしまう。
だから、帰るまでのちょっとした寄り道だ。
「…わかった、刹那・F・セイエイ。元の世界に戻るまでの間、貴方たちの力を貸してもらう。」
そう言って再び手を差し伸ばす。
先ほどと同じ友好な証として。
これから共に歩む戦友として
そして、それをオルガは嬉しそうな顔で、握り返す。
「そうか!!こちらこそよろしく頼む!!あんたは絶対に俺たちが元の世界に戻してやるからな」
ここに、白い悪魔と白い天使は協力することになったのであった。
続きは気が向けば書きます