最近、鼻毛をごっそり纏めて抜いた。この鼻毛はプラカードなんぞを掲げて強制退去に異を唱えていたのだが、我らがアタマカラッポ王国の誇るトリモチ型新兵器でもって一網打尽にしてやった。
景観の保全が成ったと歓喜するのも束の間、今度は不埒な侵略者どもがミギハナノアナ検問所にやってくる。
奴らは数々の国々を滅ぼし滅ぼしこのアタマカラッポ王国まで辿り着いた由で、王国に到達するまでの万里の長城もかくやの長い道程をすっぽり覆い隠してしまうほどの多勢であった。
アタマカラッポ王国軍代表のチャマツ大佐に曰く、
「やあやあここをアタマカラッポ王国と知っての狼藉か。これより先は神聖なる領域なれば、貴様らのような異邦人を招き入れること罷りならぬ」
リューカン大佐、応えて曰く、
「さてもさても。貴様こそ我らをなんと心得る。数多の国々を滅亡せしめ、餓鬼共はその名を耳にするだけで震え上がり夜も眠れぬ。バイキン帝国軍特殊作戦部隊ヴィルスキンとは我らのことぞ」
チャマツ氏、
「その風聞、アタマカラッポにも届いておるぞよ。悪逆非道の限りを尽くし、国という国を焼け野原に変える蛮族共め。疾く去ね!」
リューカン氏、
「貴様らに許されし態度は以下の二つである。即ち、五体投地で国を明け渡すか、さもなくば鏖殺か。今ここで決めるがよい」
チャマツ、
「何をふざけたことを。アタマカラッポ王国軍のいかに豪傑なるかを知らんのか。今ならまだ大目に見てやらんこともない。はよう立ち去れ!」
リューカン、
「服属か滅亡か。さあ、疾く決めよ。アタマカラッポ王国及びその地下に眠るヒョロガリ大鉱脈を明け渡せば貴様の命だけは助けてやろう」
するとチャマツは怒り散らし、
「ええい、もう我慢ならん。神聖なるアタマカラッポ王国を汚さんとする狼藉者め、我らがナゲハ軍の恐ろしさをその身に刻むがよい!」
そうして戦いの火蓋が切って落とされるのだが、肝心のナゲハ軍は既にトリモチ型新兵器によって強制退去の憂き目にあっているから、アタマカラッポ王国は為す術もなくリューカンどもの手に落ちてしまう。
アタマカラッポ王国とヒョロガリ大鉱脈を手にしたバイキン帝国は今後千年の栄華を誇るかに思われたが、実はこれは大きな間違いで、アタマカラッポ王国に自生するメンエキダケによってヴィルスキンはメタメタにやられてしまうのである。
ついでにミギハナノアナ検問所にはナゲハ軍がいつの間にやら沸いて出るからして、アタマカラッポ王国はチャマツ大佐というイタくもカユくもない犠牲を払うだけでヴィルスキンを壊滅させてしまった。
かくのごとき血みどろの戦いを繰り広げずに済むよう、諸君らは鼻毛を見つけても抜かないことを頑としてオススメする。