オリ主と阿良々木くんが喋るだけ   作:霜降り 

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今日バレンタインか!ってことで一時間かけずに書きました

バレンタインにチョコを貰ったことはないです。


ハッピーバレンタイン!

「あ、阿良々木先輩……ちょっといいですか?」

「ヒッ!?」

「なんですか、その反応。まるで肉食獣にあったみたいな反応」

「お前が、弱気な後輩係女子みたいな言い方で僕を呼んでくるからだ!なんだ!?何を企んでる!」

「失礼ですね。チョコ渡そうってだけですよ」

「なんで急にチョコなんだよ」

「今日バレンタインですよ?忘れてました?非モテな阿良々木先輩らしいですね」

「…………僕には程遠いイベントだと思って忘れてた」

「はぁ、可哀相ですね。そんな残念な阿良々木先輩に私から本命チョコかっこ税込百十円かっことじのプレゼントです」

「カッコの中言う必要ないだろ。たとえ本当に本命チョコでも安く見えるわ」

「大切なのは気持ちですから」

「お前が言うことじゃねぇよ!」

「ご安心を、しっかりと気持ちは込めましたから!これを作った週三でパートでお菓子工場で働いてるおばちゃんが」

「遠距離恋愛にも程があるわ」

「くふふふ……ただの冗談ですよ。しっかりと気持ち込めましたよ。ああ、なんで私は阿良々木先輩のために百十円もお金を使わねばならないのだろう、と」

「ただのケチじゃねぇか」

「まあ、これ一個で数千円のチョコが返ってくると考えたら問題なしですよ」

「あれ?僕ホワイトデーにお返ししなきゃいけない感じ?これの数十倍の値段のチョコ買わなきゃいけない感じ?」

「期待してますよ。私は甘味と値段にはきびしいですからね」

「値段は優しくしてくれ」

「ケチ」

「お前が言うな!」

「私からすれば百十円は十分すぎるくらい大金なんですよ」

「お前んちの家計大丈夫か?」

「阿良々木先輩にとってはて話ですよ?」

「お前の中で僕の家計は大丈夫なのか。あとこの板チョコなんも入ってないよな?」

「真心しか入ってないですよ?」

「工場のおばちゃんの真心な。あむっ……辛いんだが?」

「おばちゃんの真心ですね。またの名をデスソース」

「おばちゃん毒舌すぎるだろ。辛すぎて舌が痛いんだが?」

「水飲みます?トドメに用意しておいたんですよ」

「一応僕も辛さに対して水が逆効果って知ってるからな」

「豆乳飲みます?」

「なぜ豆乳、そこは牛乳だろ。なんで微妙にズレてんだよ」

「阿良々木がヴィーガンである可能性も考えまして」

「全くそんなことないから安心しろ。あと豆乳よこせ」

「どうぞ、炭酸豆乳です」

「おう……ちょっと待て炭酸豆乳ってなに?」

「炭酸豆乳は炭酸豆乳です。それ以上でもそれ以下でもない。炭酸豆乳です。税込二百円です」

「なんでズレてるのをさらに外すんだよ!しかも税込二百円ってこのチョコより高えじゃねぇか!」

「ホワイトデーのお返し期待してますね」

「……何炭酸が欲しいんだ」

「ホワイトデーなので白濁液の炭酸をお願いします」

「普通にカル〇スサイダーって言えや。意味もなく深読みさせるな」

「あ、阿良々木先輩」

「なんだ?」

「さっきも言いましたけど、私甘味と値段には厳しいので!」

「カ〇ピスサイダーに高級もくそもあるか!全部一律だよ!」

「最低ラインは五千円です」

「純粋に高い。転売ヤーでもそこまで強気な価格設定はしないだろうな」

「では、弱気に設定して阿良々木先輩の全財産でどうでしょうか」

「いくら僕でも全財産五千円以上はあるわ!」

「チェッ、じゃあ四千九百九十九円でどうでしょうか」

「スーパーのチラシじゃねぇんだぞ」

「じゃあ、ここは妥協してカル〇スにします」

「そこは妥協する場所じゃないな」

「じゃあ、ここ阿良々木先輩の真心入りカ〇ピスサイダーでうわきっつ、阿良々木先輩流石にきついですよそれ」

「男の真心がきついのは同意するが、勝手に脳内で想像して勝手に引かないでくれないか?」

「いえ、デスソース入りカ〇ピスサイダーのことなんですけど」

「それは確かにきつい。そしてデスソースは真心じゃない」

「じゃあ、真心とは何なのでしょうか!?」

「最低でもデスソースではないのは確かだな」

「じゃあ、デスソースとは何なのでしょうか?」

「落ち着け、デスソースはデスソースだ」

「デスソースはデスソースだった……!?」

「当たり前だ。どんだけ取り乱してんだ。なんでそんなデスソースが真心であると自信持ってんだ」

「だってお母さんが『真心ってのはね。真剣に作れば勝手に入るのよ。覚えときなさい』って」

「どこにもデスソース要素がない」

「デスソースをお父さんの弁当にぶち込みながら言ってたので」

「複雑な家庭環境なんだな」

「ええ、羽川先輩と同じくらい」

「全国のネグレクトを受けた子供に謝れ」

「さて、茶番はここまでにしましょうか」

「随分長い茶番だな。多分本編三百文字もないぞ」

「まあ、私も鬼じゃないです。哀れな阿良々木先輩に送る真心入りのもあるんですよ」

「ほう、今度何か入ってたりしないんだな」

「ええ、ご安心を……これです」

「おお!ハート型のプレゼントボックス!バレンタインっぽい!」

「こちら、真心入り真心です!阿良々木先輩ハッピーバレンタイン!」

「ただのデスソースじゃねぇか!!!!」




「これどうぞ。本当の本命のチョコです」
「用意してたのな」
「あ、ここ本編です」
「五十文字もねぇ!」

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