みこーん!と転生…しましたが尻尾が9本ありました   作:一般FGOプレイヤー

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気が向きました。
真面目な話なんてなかった。いいね?

……正直に言うと、作者自身もこれじゃない感があったので書き直しました。すみません。


魔王軍の幹部

「緊急! 緊急! 全冒険者の皆さんは、直ちに武装し戦闘態勢で街の正門に集まってください!」

 

 クエストが無くなり約1週間。

 普段の癖で朝早くに目を覚ましてしまったので、2度寝という贅沢な時間を過ごしていたが、突然の緊急アナウンスにより邪魔されてしまう。

 

 ……突然なんなのですか……まだ眠いんですけど……。

 

 ふかふかのベッドが3度寝を誘ってくるがなんとか打ち倒し、そこから離脱する。

 それでもやってくる眠気と戦いながら、状況を整理しようと頭を働かせるがうまく纏める事ができない。

 

 ……とりあえず、指示通りに正門に向かいますか……。

 

 ぐっと大きく伸びをして、着ていたパジャマからいつもの服に着替え、顔を洗う。

 

 ……眠い。

 

 それでも眠気が取れないが、外から聞こえてくる冒険者達の声につられて、私も宿の外へと出る。

 

 ……冒険者の姿は見えませんね。もう向かったのでしょうか?

 

 正門へと続く道に冒険者らしき人の姿が見えないので、歩きから小走りに切り替える。

 幸いにも、私が住む宿は正門からそれほど離れているわけではないのですぐに着きそうだ。

 

 ……それにしても、今度は一体どんな用件での呼び出しなのでしょうか? ……戦闘態勢をとって、という事はキャベツの時のような巫山戯たクエストでは無いと思うのですが……。というか思いたい。

 

 願いながら暫く走ると、街の正門が見えてきた。門の前には、冒険者達がずらりと並んでいる。

 

 ……一体なにをやっているんでしょうか? 見たところ、ギルドの職員達はいないようですが……? 男の声? それに……これはダクネス? の声でしょうか? ……流石にこの距離ではうまく聞き取れませんか。

 

 とりあえず、あの先で何が起こっているのか確かめるべく冒険者達の列に加わる。

 

 ……はてさて、一体どんな状況に……

 

「なっ、なんて事だ! つまり貴様は、この私に呪いを掛け、呪いを解いて欲しくば俺の言う事を聞けと! つまりはそういう事なのか!」

 

「……え?」

 

 ……は?

 

 思わず声の聞こえた方向を見ると、そこには顔を赤らめてプルプルと震えるダクネスと、顔を真っ青にしてシリアスな雰囲気を纏っているめぐみん。そして正門の外には大きな馬に乗り、とれた頭を手で持っている騎士……デュラハンが、ダクネスの言葉に困惑している姿が……

 

 ……どういう状況ですかこれ?!

 

 ツッコミたくなる気持ちをぐっと抑えて、近くの冒険者達に何が起こったのかを聞く。

 

「すみません。今来たところなんですけど……一体何が有ったんでしょうか?」

 

「あぁっ、タマモさん! 実はですね……」

 

 冒険者の話によると、めぐみんがこの1週間の間、爆裂魔法をこの街の近くにある魔王の幹部の城に向かって毎日ぶっ放していたのだが、とうとう魔王の幹部がブチギレて、街にやってきたらしい。

 

「最初は頭のおかしい爆裂娘……めぐみんに向かって警告していただけだったのですが……何を思ったか爆裂魔法を城に向かって撃つのをやめないと、めぐみんが宣言してしまい……。それに、魔王の幹部……デュラハンが、報復として死の宣告を爆裂娘に向かって使ったのですが。……それをあの金髪の騎士様が庇って……」

 

 ……なるほど。なんとなく状況はつかめました。……完璧に魔王軍の幹部が被害者じゃないですか!

 

 思わず心の中でツッコミを入れてしまう。

 

 ……そりゃ怒りますよ。むしろこれで怒らなかったら、なんで魔王軍なんかになっているのか聞きたくなるところですよ。

 

 そんな事を考えていると、死の宣告を受けた筈のダクネスが、嬉々として自らの欲望を語っていた。……デュラハンも巻き込んで。

 

 ……うわぁあ。こんな大勢の目の前で、変質者呼ばわりされるなんて。南無三。

 

 あまりにも酷すぎる展開に、デュラハンの被害者感が加速していく。

 しかし、そんなことはお構いなしという風にとんでもない事を口走り、挙句の果てには付いてこようとするダクネスに、とうとうデュラハンが本気で困り始めてしまった。

 なんとかデュラハンに到達する直前で、カズマが止めたからいいものの、あのまま行っていたらどんな展開になっていたことか……。

 その後も自身に付いてこようとするダクネスに困惑しながら、デュラハンは早口で死の宣告の解除方法を言うと、高笑いをしながら帰って行った。

 

 ……なんとも言えないこの空気、どうしましょう。

 

 巫山戯た事を口走るダクネスと、ダクネスにかけられてしまった呪いに、責任感からか顔を青ざめるめぐみんという、真逆な雰囲気に言葉を失ってしまう。

 

 ……これは……あのデュラハンをぶっ飛ばしに行く、という流れでいいのでしょうか?

 

 めぐみんの様子を見ていると、街の外へ出て行こうとするのをカズマに止められていた。 

 

 ……1人で行こうとするとは、責任感があるのか、それとも喧嘩っ早いのか……。まあ、今回は責任感からなんでしょうね。

 

 とりあえず、カズマ達がどう動くのかが気になったので、聞き耳を立ててみる。

 

 ……ふむふむ。……これは熱い展開! 乗るしかない、このビッグウェーブに!

 

 私は気配を消してカズマ達に近づいていき……

 

「……1週間の期限があるなら、そんな作戦でいっても……」

 

 

「その話、ちょお〜〜〜っと待った! 暫く、暫くぅ!」

 

 

「……っ! その声は!」

 

 ……いい反応ですねぇ。それじゃあセリフ、いってみよう!

 

 

「2人の作戦とかぜーんぜん存じませんが、その気持ち、その熱意。そこの女神が聞き逃しても、私の耳にはピンときました! 女神エリスもご覧あれ! その騎士をあの世に送るにはまだ早すぎ。だってこの人達、とっても面白いんですもの! ちょっと私も混ぜてくださいな♪」

 

 

 そして言い放つ、決めゼリフ。

 

 

「謂れはなくとも即参上、アクセルの街から、社畜狐のデリバリーにやって参りました!」

 

 

 ……決まった。

 

「「…………」」

 

「あっ、あれ? お2人共どうされましたか? もしかして私、引かれちゃってます?」

 

 「「いや……タマモさんって、ことごとく空気をぶち壊していくな、と」」

 

「今回は狙ってそうしていますので」

 

 キリッとしながら答えると、2人は何処か諦めたような顔をした。

 

「まあ、心強い仲間が出来た……という事でいいんでしょうね」

 

「そうだな。というか心強すぎて、俺たちがいらない気が……」

 

「カズマ、それ以上はやめましょう」

 

 そんな事を言い合う2人には、いつもの調子が戻っているように見えた。

 

 ……やっぱり、こっちの方がカズマ達に合っていますね。

 

 この時の私は完璧に忘れていた。

 私なんかよりも空気を読まない問題児が、この場にいる事を。

 

「ダクネス! 呪いは俺たちがなんとかするから、安心して街で待って……」

 

「『セイクリッド・ブレイクスペル』!」

 

「「「えっ?」」」

 

 突然アクアがカズマの声を遮り、ダクネスに向かって魔法を唱えた。

 すると、ダクネスの体が淡く光り、何故かダクネスが残念そうな表情を浮かべ……。

 

 ……え?

 

「私にかかれば、あんなクソ雑魚アンデッドの呪いの解除なんかチョチョイのチョイよ! どうどう? 私だって女神っぽいところあるでしょう?」

 

「「「…………えっ?」」」

 

 ……私のセリフを返してください。 

 

 アクアのせいでぶち壊された空気の中。私達はゲンナリと街の中へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「そうですか……そんな事があったのですね」

 

 朝の騒動の後。

 私はカズマ達と別れて、いつものようにウィズ魔道具店に来ていた。

 

「そういえは、ウィズはあのデュラハン……確かベルディアでしたっけ? とはどんな関係だったのですか? ほら、一応貴方も魔王軍の幹部じゃないですか」

 

「ええっと……。ベルディアさんとはそこまで仲の良い関係ではありませんでしたね。私自身、苦手意識がありましたし。あったとしてもベルディアさんが『手が滑った』と言って、私の下に首を転がしてスカートの中を覗こうとした事ぐらいで……」

 

 ……やってる事が、思春期の中学生なんですけど……。騎士って一体……。魔王軍の幹部って一体……。

 

 話を聞いて軽く困惑していると、ウィズが苦笑いをしながらこう付け足した。

 

「それでも、ベルディアさんは幹部の中でも結構真面目な方なんですよ? 元が騎士なだけあって、部下や誇りは大切にしていましたし。なにより、人望? が厚かったんですよ?」

 

 ……アットホームな魔王軍……なんか想像と違いますね。

 

 ますます困惑してしまう私は、話を変える事にした。

 

「ところで、先ほどから気になっていたのですが、そこに置いてある指輪はなんなのですか? 見たところ、なにかの魔道具のようですが……」

 

「よくぞ聞いてくれました! この指輪、実は浮気防止アイテムといって、カップルの方に大人気……になる予定のアイテムなんです!」

 

 ウィズは指輪を手に載せてドヤ顔を決めている。

 

 ……嫌な予感しかしないのですが……。

 

「ど、どんな効果があるんです?」

 

「この指輪をカップルである男性と女性がお互いにはめてあげると、自分以外の異性に浮気をしようとした時に、その指輪が呪いをかけて、浮気をできなくするというすごいアイテムなんです!」

 

「そうですか……。それで……欠点は?」

 

「欠点といえば、浮気の判定が厳しいことと、呪いが強力すぎる事ですかね」

 

「……浮気の判定」

 

「異性とのボディタッチですね」

 

「……呪いの効果」

 

「一生去勢です」

 

「誰も買いませんよこの指輪!」

 

 確かに、ハーレム野郎に装着させるとハーレムをぶっ壊す事ができる素晴らしいアイテムだが、普通のカップルには絶対に需要がないと思う。

 

 ……そんな物ヤンデレすら買いませんよ。

 

 小声で「売れると思うのですが……」と呟きながら、元あった場所に指輪を置くウィズ。

 その後も、新しく仕入れた魔道具(ガラクタ)を、「これは素晴らしい物です!」と言って、勧めてくるウィズを見て

 

 ……魔王軍の幹部って、やっぱり変人の集まりなのでしょうか?

 

 と感じるのだった。

 

「これは売れます! 革命的な商品なんです!」

 

「わかりました。わかりましたから。ちょっと落ち着いてください。……健気すぎて、悲しくなってきますから……」

 

 ウィズは、なんの事かわからなかったようで、キョトンと首を傾げると、再び魔道具の解説に戻るのだった。

 

 ……この貧乏店主が報われる日は、果たして来るのでしょうか?




次回も気が向けば書きます。

今回の話、作者が物凄く迷走していますので、アンケートを取る事にしました。
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