追加戦士になりたくない黒騎士くん   作:クロカタ

108 / 184
お待たせしてしまい申し訳ありません。
今回は掲示板回となります。

加えて、要望もありましたので後半はジェム視点のお話となります。


閑話 配信後(掲示板回)

601:ヒーローと名無しさん

 

蒼花が恐れを知らな過ぎてやばすぎるwww

 

602:ヒーローと名無しさん

 

アンチもリスナーも一般人も姉と姉なるものも全てドン引きさせた女よ

 

603:ヒーローと名無しさん

 

炎上回避するためにリスナーが必死に止めたのにむしろもっと突っ込んでいくのやべーわ

 

604:ヒーローと名無しさん

 

炎上を爆発で消し去る荒業はやめてほしいぜ……

 

605:ヒーローと名無しさん

 

爆風消火かよ

周りに跡形も残らないやん……

 

606:ヒーローと名無しさん

 

黒騎士くんは頭はいいけど無知なのが笑う

経緯見ると全く笑えないけれども()

 

607:ヒーローと名無しさん

 

テレビもパソもスマホもなにもかもがなかったのが明かされちゃったな

 

608:ヒーローと名無しさん

 

あの子学生時代なにして生活してたの……?

スマホもPCもないとかどうやって生きていけばいいの?

 

609:ヒーローと名無しさん

 

『≪切り抜き≫黒騎士君、スパチャ往復ビンタされる』

XXXX://XXXXXXXXXXXX/XXXX

 

610:ヒーローと名無しさん

 

もう切り抜かれてて草

怪人の攻撃された時でさえ出さなかったうめき声出してて草

 

611:ヒーローと名無しさん

 

スパチャえぐすぎて引いたけど、まあ、納得はしたな。

それだけの功績はしてるわ。

 

612:ヒーローと名無しさん

 

怪人と戦ってた頃はマジで金ももらわずに怪人倒しまわってたらしいからな

しかも親戚から最低限の生活費しかもらってなかったから下手すればもっとやばい極貧生活してた疑惑もある

 

613:ヒーローと名無しさん

 

この配信を親戚方はどんな顔して見ていたんですかねぇ(ゲス顔)

 

614:ヒーローと名無しさん

 

単純に所業が鬼畜すぎだからなぁ

 

615:ヒーローと名無しさん

 

蒼「親戚の方々についてはどう思っていますか?」

黒「別に……なんとも思ってないな。今思うと俺も不気味な子供だったからな。むしろ住む場所くれただけでも感謝してる」

蒼「一人暮らしをする前はどんな生活を?」

黒「え……なんていうんだろ。家の離れみたいなところ? 子供ながらに丁度いい広さで便利だったぞ」

蒼「……(#^ω^)」

 

ねえ、これ一人暮らしする前も隔離されていたんじゃ……?

 

616:ヒーローと名無しさん

 

一人暮らし以前も母屋から切り離された場所で一人きりで住まわされていた疑惑が出てたな。

 

617:ヒーローと名無しさん

 

10歳前後の子供を離れで暮らさせるとか異常だろ

しかも時系列的に両親なくした後って考えると、心ボロボロのまま放置したってことだろ?

 

618:ヒーローと名無しさん

 

子供にちょうどいい広さの離れ……?

かつみん、そこって小屋とか物置なんじゃ……?

 

619:ヒーローと名無しさん

 

うまく表現できないけどさ

黒騎士くんの言うそれは不気味な子じゃないだろ

大人の助けが必要な子供だと思うんだ

 

620:ヒーローと名無しさん

 

定期的に闇を供給させるの本当やめてくらさい……

 

621:ヒーローと名無しさん

 

親戚関係は黒騎士くんから別になんとも思ってない発言があったから下手に煽るのはNG

あと親戚迫害しても黒騎士くんは絶対に喜ばない。

 

622:ヒーローと名無しさん

 

あれ下手に恨まれるよりきっついぞ

だってなんとも思われてないし謝罪する機会も絶対に与えられないから生き地獄みたいなもん。

 

623:ヒーローと名無しさん

 

ちな遺産関係は社長が既に解決している

 

624:ヒーローと名無しさん

 

いつもの有能ムーブかましてんねぇ!

 

625:ヒーローと名無しさん

 

世界的大企業が抱える弁護士軍団に勝てるはずがないんだよなぁ

 

626:ヒーローと名無しさん

 

黒騎士君にとって重要なのは今だからな

過去のことは本当になんにも思ってないと思う

 

627:ヒーローと名無しさん

 

なおなおが正真正銘の黒騎士くんガチ勢なのは本当びっくりした

スマイリー事件の被害者とかえぐいだろあれ

 

628:ヒーローと名無しさん

 

スマイリーなぁ

色々見返したけどあの怪人、フィクションのゾンビ映画より性質悪い感染能力持ちらしいもんな

 

629:ヒーローと名無しさん

 

ナメクジ怪人と同じで人類滅亡レベルの怪人の一体って言われてるから伊達じゃない。

 

感染されると多幸感に支配されて、その上それを他人と共有したい感情を強制させられる。

これのなにが性質悪いって下手すりゃ際限なく、その上お手軽に感染が広がり続けるってこと。

 

630:ヒーローと名無しさん

 

なんで地球産怪人ってクソゲー押し付けてくるんですかね……

 

631:ヒーローと名無しさん

 

そのクソゲーを悉く打ち破ったのが黒騎士くんとジャスクルなんだよなぁ

 

632:ヒーローと名無しさん

 

アース、ナメクジ、スマイリー、グリッター、オメガとか他にもたくさんいるけど地球が無事なのが不思議なくらい危機に晒されまくっている

もう蟲毒呼ばわりされてもいいくらいだ。

 

633:ヒーローと名無しさん

 

蒼花のスマイリー関連のエピソードが全方位で初耳すぎる

今日この日のために家族にさえ教えなかったのがマジでダークホース

 

634:ヒーローと名無しさん

 

ブルーが怒りの赤スパチャしてて爆笑したわ

なお黒騎士くんにダメージがいった模様

 

635:ヒーローと名無しさん

 

レッドとイエローが背中から刺されたみたいな反応してるのもなwww

あの二人からの好感度が高いのも意外だった

 

636:ヒーローと名無しさん

 

レッドとイエローは定期的にスパチャいれるくらいにはファンだぞ

ちなみに社長は配信の度に送ってる。

 

637:ヒーローと名無しさん

 

あの社長いつ休んでいるんだ……?

 

638:ヒーローと名無しさん

 

逆に謎が増したのは黒騎士くんに姉と吹き込んだ白髪少女と、家に転がり込んだアルファってやつだよな

 

639:ヒーローと名無しさん

 

エピソードが語られていくにつれて怖くなってくるの初めてだわ

 

640:ヒーローと名無しさん

 

ワシはそれよりどんどん威圧感を増してくるなおなおの方が怖かった

 

641:ヒーローと名無しさん

 

姉か妹になりたいやべー奴らも怖いぞ

幼馴染派閥は幼少期黒騎士くん幼馴染SSという特大の闇を構築し始めてる

 

642:ヒーローと名無しさん

 

ヒェッ

 

643:ヒーローと名無しさん

 

幼少期黒騎士くんとか幼馴染程度でなんとかできるような境遇じゃないんだよなぁ

 

644:ヒーローと名無しさん

 

まんま地球滅亡ルートで草

 

645:ヒーローと名無しさん

 

いきなり出てきたと思えばずっと前からいる……

 

意味が分かってくるとどんどん怖さが分かっていくんだよね

まあ、黒騎士くんが心を許しているから大丈夫なんだろうけど

 

646:ヒーローと名無しさん

 

黒騎士くんが普通に話せる状態ってだけでなんだか安心してる

生い立ちとか色々きつすぎるけど、ちゃんと前を向いて生きているってだけですげーと思う

 

地球は絶賛ピンチだけれど

 

647:ヒーローと名無しさん

 

アルファってオメガとなにか関係あるんかね

対になる存在だったり?

 

648:ヒーローと名無しさん

 

ガチ恋勢かどうかは判断つかんがファンとしては明確にえぐいわ

てか視聴者が聞きたいことと精神状態が明確にリンクしてて正直笑った

 

649:ヒーローと名無しさん

 

黒騎士くんがアルファと姉のエピソード話してくれる度の

 

『でもなにもなかったんですよね???』

 

っていうクソつよ口調よ……w

 

650:ヒーローと名無しさん

 

あの配信初めて見た人は蒼花がクール系の配信者だって聞いてびっくりしそう

 

651:ヒーローと名無しさん

 

クール系大声シャウト芸Vだぞ

 

652:ヒーローと名無しさん

 

『今日は姉とゲームします』

『たまには喧嘩せずに楽しく配信したいですね』

『あああああああ!!?』

『姉ェ!! よくもこの蒼花ナオを罠に嵌めたなァ!!』

『笑うなぁ!!』

『ハッ↑ハァン↓!! どうだ苦しいか! それが私の痛みだよォ!!』

『ぐあああああああ!!?』

 

653:ヒーローと名無しさん

 

ブルーの悪戯シリーズ本当おもろい

たまにやりすぎたブルーが蒼花ママに怒られるのもおもろい

 

 


 

 地球に来てからの拠点選びは俺にとっても中々に難しい作業であった。

 まずは広さ。

 これに関してはそこそこ高い家賃を払えばいい物件を見つけることができるだろう。

 現状はサニー様に黒騎士様に姉のレアム、そして俺の最高傑作であり優秀なアンドロイドであるMEIの5人のみ。

 加えて簡易的な研究室を用意するために中々の資金が必要となったが、それについてはさほど問題はなかった。

 

 あるとすれば、部屋に住む面々にある。

 

 まず最初に挙げられるのが星将序列第七位であり、我が姉レアム。

 

 バイオスーツを着た姉の自由奔放さは常人の域を超える。

 電気状態ではひたすらに周りに被害をまき散らす害悪生命体であった姉の厄介さはバイオスーツを着た後でも変わらない。

 ……いや、むしろ悪化してすらいるかもしれない。

 

『ジェムー。ちょっと甘いもん買ってきてー』

『ジェムー。お金貸してー』

『ジェムー。暇ー』

『ジェムー。お腹すいたー』

『ジェムー。黒騎士んところに戦いにいっていい?』

 

 環境汚染外来種の姉は地球にやってきたことで見事、暴虐の王と化したのだ。

 おおよそ、地球人の認識で駄目人間の条件を全て満たした最強最悪の悪魔。

 その生態は姉と言う立場を利用してひたすらに弟の俺をこき使うこと。

 当然、俺も抗おうとするのだが悲しいかな、この電気生命体はバイオスーツのままでも普通に強い……本当の本当に理不尽なくらいに強い。

 

「ぐ、が、あァァ……! そ、存在しないはずの胃が痛い……!」

 

 バイオスーツで地球人の姿に擬態はしているが中身はメカメカのロボットな俺だが今は存在するはずのない胃痛に苦しんでいた。

 先日、拠点とし始めた高層マンションの一室。

 今や専用の研究室となった場所で苦しんでいる俺に、我が助手であり最高傑作のAIを搭載した万能型アンドロイド“MEI”が茶を差し出してくれる。

 

「粗茶です」

「ああ、ありがとう……!」

 

 本人の希望もあり、今のMEIの姿は地球人と同じ姿にデザインされている。

 クリーム色のウェーブがかった髪に、緑の瞳が特徴の見た目を選んだ彼女は、どういうわけか“メイド服”と呼ばれるへんてこな衣装に身を包み家事などを行ってくれている。

 

「……どうでしょうか」

「ん、ああ、なんというべきか味覚機能に心地よい刺激を与えてくれる味だ」

「……」

「どうして不機嫌になるんだ……?」

 

 以前の機械然としたスーツの頃とは異なり、眉をへの字にさせ感情を表すMEIに困惑する。

 お、俺はなにか彼女の気に障るようなことをしてしまったのだろうか。

 

「私の姿になにか感想はありますか?」

 

 ……どう答えるのが正解なんだ……!!

 笑顔……MEIの笑顔の圧がすごい……!

 普段は俺だけに優しい理想のAIのはずなのに、だがしかし主である俺に反逆する意思を見せることはいいことだ。

 いわば0から作り上げたAIが“命”と同じ意思を持っていることに他ならないのだ。

 

「お答えくださ——」

「おっはよー」

 

 MEIの反応に困り切っていると不意に俺の研究室の扉が開けられ、目をこすりながらレアムが入ってくる。

 だぼだぼのシャツにぼさぼさの髪という見慣れた格好をした奴の手には菓子の袋が握られており、それを昼食替わりバリボリと食しているようだ。

 

「地球時間の13時だぞ。いつまで惰眠を貪っているのだお前は……!! それと歩きながら菓子を食べるなカスが床に落ちるだろうが!!」

「遅くまでゲームしてたのよ。にひひ、この私に暴言を吐いたおバカさんの住所を能力で割り出して脅してやったわ。いやー、楽しかったー」

「つまらんことで能力を使うなぁ!!」

 

 こいつ本当に地球に毒されているな!

 電気生命体になって俺を弄ぶことと破壊と闘争でしか娯楽というものを実感できなかっただけに当然とも言えるが、駄目になるスピードが速すぎる。

 

「あ、今日課金するからお金ちょうだい。あと30連で天井行くから」

「駄目だ。資金は有限だから無駄に使うな」

「えー、どっかしらから盗んでくればいいじゃん」

「無理に決まっているだろうが」

 

 なんで、と不思議そうに首を傾げるレアムにため息を吐きだす。

 

「いいか。地球のネット環境で不正な手段で金銭の類を手に入れようとすれば高確率でジャスティスクルセイダー……いや、ゴールディに察知される」

「えー、考えすぎじゃない?」

「やつは紛れもなく天才だ。いくら道化を演じていたとしてもその手腕は侮っていいものじゃないんだよ」

 

 忘れてはいけない。

 ゴールディは強化スーツを作り出した第一人者なのだ。

 技術者としては悔しいが発想力は俺を上回っている。

 そんなやつが地球で起こる不可思議な現象を見逃すはずがない。

 

「なので、俺が株やら色々と計算してあくせくと綺麗な資金を集めているのにお前と来たら……!!」

「私が悪いんじゃない。ガチャが悪いの」

 

 ……。

 

「俺の名義でスマホ解約させるぞバカ姉ェ!!」

「お、落ち着いてください! レアム様が大人しくしていらっしゃるのもそれあってのことですから!」

 

 ええい離してくれMEI!

 このわがまますぎる駄目姉は矯正してやらねば俺に未来はない!!

 しかし、MEIも姉に及ばないもののパワーは俺よりも遥かに上なので拘束を解くことができない。

 

「……はぁ。栄養を補給するか。MEI、なにか作ってくれ」

「了解しました」

「私のもお願いねー」

 

 バイオスーツは食した有機物を燃料へと変換することができるので、地球人と同じような感覚で食事もできる。

 猛烈な疲れを感じながら広いリビングに出ると、そこには既にもう一人の同居人がソファーに寝転がるように腰かけていた。

 

 序列八位“黒騎士”

 

 姉と同等の実力を持つ序列一桁。

 イレーネという名前はあるものの姉とは異なり明確な目上の人物なので、こちらも強く出れないのが本当に性質が悪い。

 先日は俺のアカウントを強引に使い別の黒騎士……穂村克己へ『スーパーチャット』5万円という荒業を行った。

 5万円。

 金銭感覚がまともな俺にとっては普通に大金である。

 

「むぅー」

 

 なにやら呻いた彼女の視線は外へと向けられている。

 青い空とビルしかない景色を、虚ろに見ていた彼女は———、

 

「歌、また聞いて欲しいなぁ」

 

 そう独り言を呟いた。

 サニー様に彼女が一人で外に出ないように注意しなければならない。

 

「カツミ。カツミ……君の名前を呼んでみたい。いっそのこと……」

「我慢してください。歌ならいくらでも聞きますから……」

 

 何かをする前に一応釘をさしておく。

 すると、気だるげにじろりと黒騎士殿の視線が俺へと向けられる。

 紫の髪の隙間から覗く星のような僅かな光を帯びた瞳に、息を呑む。

 

A()

 

 たった一言。

 それだけで空気が震える。

 その圧を目の前で受けて頬を引きつらせる俺に、黒騎士殿が間延びした声を発する。

 

「……死んじゃうけどいいの?」

「ッスー……遠慮しておきますぅ……」

 

 俺は黒騎士殿の能力の全容を知らない。

 いや、知ってはいるもののどれほどまでできるのかを理解していないのだ。

 “言葉を現実にする”

 その強力な能力は、あまりにも簡単に多くの破壊をもたらすことができるという。

 サニー様が言うには短時間の時間停止も可能という出鱈目っぷりだ。

 

「はぁ……」

 

 俺から興味を失い、ため息と共にまた青い空を眺めだした黒騎士殿に緊張を解く。

 ……黒騎士よ。

 お前はこの八位の地獄のジャイアンリサイタルをクリアしたというのか。

 敵ながらに畏敬の念を抱かずにはいられない。

 

「サニー様は……サニー様はまともなのに……」

 

 今やあの方も留守。

 その間俺が姉と黒騎士殿を見張っていなければならない。

 どんな地獄だ。

 地球から脱出して、どっかの惑星で静かな研究生活を送りたい……。




着々と地球の文化に毒されて行っているレアムでした。

そして地味にAIであるMEIに固有の意思を持たせているジェム。
彼も社長とは別ベクトルですごい頭脳の持ち主です……苦労人ではありますが。


今回の話と同じタイミングで本作の外伝『となりの黒騎士くん』の方も更新させていただきました。

第8話『戦士への第一歩』

アカネ達が初めて変身する回となります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。