前半は、ジェムが攻め入る前の回想のようなもので、後半にて前話からの続きとなります。
「あ、コレ絶対勝てんわ」
地球に存在する映像記録を閲覧し、星を守る戦士達の戦いを目にした俺は開口一番にそう言葉にした。
はるばる太陽系にまで宇宙船でやってきて、映像を見ることが最初にするのはどうかと思うが、最初にこの映像を確認しておいて本当によかったと思える。
「弱音ですか? 自信家の貴方様にしては珍しい」
「俺は自信家じゃない。できることを当然のようにしているだけだよ」
宇宙船の中枢で情報を閲覧している俺の元に、MEIがやってくる。
この俺の最高傑作にして、戦闘以外もなんでもそつなくこなしてくれる可憐で万能すぎる機械生命体な彼女に、俺は、腕を組み悩まし気に唸る。
「で、俺が忠誠を誓う組織の頂点様が次に侵略を指示した星についてだが……」
星将序列二桁に言い渡された突然の指令は、地球の戦士をターゲットにした闘争。
倒せば序列の繰り上げと、可能な限りの褒賞を得られるという破格なもの。
『地球という舞台の上で、星将序列として恥じることのない戦いを楽しむがいい』
ただ、それだけ伝えられたが、それではいそうですか侵略します、と行動に移せるほど俺は簡単な頭をしていなかった。
なにか確実に裏がある。
地球という小さな星に我々が干渉するだけの価値があるのか?
それだけの敵がいるのか?
なぜ、あの方が命令してまで序列二桁の者を向かわせる?
「調べた結果、この星には特筆して希少な資源はなにもない。文明レベルも低く、我々のような他の生命体を認識していない」
「では、侵略は容易いのでは? それこそ序列下位でも十分に可能かと」
「お前も記録を見てみろ」
「了解」
MEIの目の光が連続して点滅する。
ほんの数秒で情報を閲覧し終えた彼女は、珍しく困惑した様子で首を傾げた。
「文明レベルが低いはずなのに、ゴールディ氏の強化スーツを纏っている? これはいったい……」
「悪魔の科学者ゴールディの潜伏先は地球ということだ。賢い男だよ。脅威レベルの低い星ならば、他の序列からの目も向けられないからな。……個人的に会えないものか……」
強化スーツという驚異的な発明を成した科学者は、ある時を境にその姿を消した。
彼が姿を消したその後は、劣化コピー品……いや、良く言えば誰でも扱える程度に劣化させたスーツが、現在の序列44位から出回り始めた。
当時の俺は、序列にも入っていないミニマムアンドロイドだったが、それでも技術力のみで序列二桁に上がりつめた彼を尊敬していたのだ。
「同じ科学者としては、敵味方云々を抜きにして語り合いたいところだ」
「きっと喧嘩になられます」
「意見の食い違いを起こしてこそ、実りのある議論を生み出せるのだ。世辞も肯定もいらない、俺は批評してもらいたいんだよ」
……話が逸れたな。
「こいつ、こいつがやばい。やばすぎる」
「黒騎士、と呼ばれる戦士ですか」
映し出された黒騎士。
戦闘方法は単純で、ただ殴るだけ。
だが、そんな単純な戦闘方法が最適解になってしまうほどのパワー。
困難を押し通す身勝手さを秘めたその姿に、俺は恐怖と畏敬の念を抱いた。
「ゴールディの強化スーツに適合した生命体は恐ろしく少ない。そもそも強化スーツとは、意志を持つエナジーコアをスーツという枠組みに組み込み、その力を最大限に稼働をさせることを目的として造られたものだ。今出回っているスーツに内蔵されている人造コアとは比べ物にならないほどに、自分勝手だ」
「私のようにですか?」
「そうだな。意思を持っているという点では、君と同じだ」
意思があるということは、当然好き嫌いもあるということだ。
人を選び、装着するに値しない者の命を削り取り、最悪の場合その命すらも奪ってしまう恐ろしい兵器。
「アルファはコアに、オメガは獣に、ですか」
「悪辣だ。自身を律しきれなかったオメガは力に溺れ獣に成り下がり、オメガを失ったアルファは、物言わぬコアとなって使い潰される」
序列100番台の
自我を失い、星を食いつくす獣と化した彼らは拘束具により自由を奪われ、兵器として扱われる。
その姿は憐れ以外の何物でもない。
「……まあ、組織に属する者としては俺に憐れむ資格などないのだがな。……とにかく、問題はスーツだ」
序列内でも、ゴールディの手により作り出された強化スーツを纏える者は限られている。
真っ先に思い浮かぶのは、一位のヴァース様であるが。
「地球で確認された意思を持つコアは三つ。ジャスティスクルセイダーと呼ばれる三人の戦士のリーダー、レッドのスーツ、黒騎士のプロトスーツ、彼と同一人物である白騎士のスーツだ」
「そのようですね。二つのコアに適合していることは珍しいのでは?」
「相変わらず目の付け所がいいな。さすがは俺の最高傑作」
とりあえず、レッドと呼ばれる戦士は戦い方が怖かったので少ししか見ていないが、黒騎士と白騎士については非常に興味深いどころの話ではない。
「ゴールディが盗み出したコアナンバー00—1と、地球を担当していたベガが彼を手駒にするべく取り付けたコアナンバー00—2は偶然にも、出どころは同じコアだった。それも、太古から存在するいわくつきのものだ」
映像を宙に映し出す。
そこには戦闘を行っている黒騎士と白騎士の姿が映し出される。
「黒騎士は現状警戒に値しない。なにせ記憶を失っているらしいからな。……いや、俺個人としては本当に安堵したのはマジでここなんだよ」
地球で生まれ落ちた怪人。
地球のオメガにより作り出されたソレらは俺から見ても怖気が立つような能力を持つ者ばかりだ。
「地球やばいぜマジで。もうヤバすぎて、なんで地球担当のアホ共は気付かなかったのかってレベルでヤバすぎだ」
「データによれば、『セイヴァーズ』は半ば放置していたと」
「どうせ、地球のオメガが弱いせいで地球人に負けたと思い込んで、甘く見ていたんだろう。……地球のオメガは、確実に我々の存在に勘付いていた。その上で我々と戦うための準備を行っていたわけだ」
アルファの能力か? 既にその個体が死んだ今となっては分からないが、記録に残っている“概念”そのものに干渉しうる怪人たちに攻められたとなれば、痛手は免れなかっただろう。
「地球の戦士達は、星将序列二桁クラスの怪人との戦闘経験を幾度も重ねてきた者達。いわば戦闘に特化させたやべー奴らだ。侮りを抱いてかかれば、次の瞬間には死だ」
「修羅の星か何かですか?」
「蟲毒により完成させられた地球の希望。俺達からすれば最大最強の脅威だ」
感謝する点があるとすれば、地球のオメガの野望を止めたことか。
映像で残っているような面倒な能力持ちの怪人の相手をしたくねーわ。
なんだよ、電撃ナメクジ怪人って。
機械系の俺の天敵じゃねーかよ、あー怖っ。
「とにかく、現状気をつけなくてはならないのは、白騎士だ」
黒騎士がいたとすれば、俺は地球に降りた体で適当に観光して時間を潰して帰っていたことだろう。
だって相対して勝てそうな存在に見えないし、そもそも脅威度で言えばジャスティスクルセイダーも同じか、それ以上にやばいので会いたくない。
「彼は成長している。それも急激な速さで。いや、違うな、元の姿を取り戻すように。自分の足りない部分を補っていくように、異常な成長を遂げているのだ」
「確かに驚異的な力ではありますが、勝つ方法ならばいくらでもあるはずでしょう?」
「そうだ。ただ勝とうと思えば、地球という星の地表を遠距離から戦略兵器で燃やし尽くせばそれでいい。だが、それで倒せなかったら? 彼らの怒りは、こちらへ向けられると思うと俺は震えが止まらなくなるよ」
手を翻し、三つのタイプの白騎士の姿を映し出す。
白と黒が混ぜ合わさった姿“アナザーフォーム”
アナザーフォームから派生する“タイムハザード”
白を基調として三色の色を持つ姿“トゥルースフォーム”
「断言しよう。トゥルースフォームは、星将序列10位以内に食い込むほどの力がある。とにかくやばい」
「貴方様の姉君ほどに?」
「やめろ。俺に言わせるな、アレはどこで聞き耳を立てているか分からないんだぞ」
顔から血の気が引く、機械なのに。
これが脂汗か……! とアホなことを考えながら、次に映像を移し替える。
「ベガが初めて白騎士に“ダストドライバー”を取り付けたその日、彼はその溢れんばかりの力を以てして、戦略級の宇宙戦艦の内部を蹂躙しながら、我らが本拠地に単独で攻撃を仕掛けた」
「死すらも恐れないとは、このことを言うのですね」
「その後、奴は“あの方”と交戦した……と、推測している」
「……」
黙り込むMEIに気持ちは分かるとばかりに頷く。
あくまで証拠はない。
だが、それに値する状況証拠は揃っている。
「順序立てて説明しよう。第一の根拠は、彼が地球に戻っているということだ」
「宇宙船のワープ機能で戻っただけでは?」
「その可能性も勿論ある。第二の根拠、彼の記憶がなくなっていることだ。……ああ、分かっているよ。これも彼が無理な進撃の影響で記憶喪失になっているだけということもある」
あくまでその可能性も考えている。
そのために、この後の根拠も説明していかねばならない。
「ここからは俺の予想も入ってくるが、次に変身した彼は能力のほぼ全てを失っていた。それはなぜか? 単純に力を喪失しただけならばそれでいい。……しかし、それが意図したものならばどうする?」
「……あの方が、そう仕組んだと?」
「少なくとも俺はそう考えている」
俺の考えが正しければ、今行われている地球侵略は茶番に成り下がるだろう。
なにせ、あの方は星将序列を当て馬にさせて、白騎士を成長させようとしているのだからな。
「段階的に上げて送り込まれる序列の者達。彼の実力に合わせて、時には少々上回る程度の敵と戦い、都合よく、成長し進化していく。極めつけには、アナザーフォームのワームホールを作り出す能力だ」
まさしく、これはあの方の用いる“技”
あらゆる世界を繋ぎ、破壊する超常の御業。
それを白騎士は、特に疑問もなく扱ってしまっている。
「……なぜそのようなことを?」
「期待されているからだろう。……わざわざ、黒騎士とは異なる戦い方をさせているんだ」
純粋に気に入ってしまったという線も考えられる。
もしくは惚れてしまった……とか? いや、それはないか、うん。
我々が見ていない空間で、彼があの方に何を見せたのかは理解できない、が、この推論が正しいと仮定すれば俺達の立場は非常に危ういものとなる。
「ここで重要なのは、我々星将序列は白騎士のための当て馬でしかないことだ」
「倒してしまえば問題ないのでは?」
「いいや、それでは駄目だ。ジャスティスクルセイダーが単純に強すぎて無理ということもあるが、それでは“あの方”の怒りがこちらに向かう可能性がある」
プロトスーツ時代の黒騎士の時点でとてつもない強さを秘めていたのだ。
だが、あの方が記憶を消してまで彼を育てる理由は、自分好みの戦士に作り変えることか、それと合わせて拳以外の戦闘方法を経験させようという腹積もりだろう。
「その1、あの方は白騎士の様子を逐次見守っている。その2、白騎士を倒すことに成功してしまった場合のリスクが高すぎる。その3、かといってこちらが負ければ、白騎士に温情を掛けられたとしてもジャスティスクルセイダーには確実に止めをさされる。……ああ、笑ってしまいそうなほど捨て駒扱いだな」
これから取るべき行動は俺の運命を左右するといってもいいだろう。
大人しく戦って死ぬか、一か八か勝利のために本気で戦い、あの方の怒りを買うか。
「なら、うまく立ち回るだけだ」
「と、いいますと?」
「俺が白騎士を強くさせる。んで、成長させた後は良い感じに負けてリタイヤ。それで“あの方”も満足だし、俺達も生き残れるってわけさ」
そのためにもまずはMEIの戦闘形態の量産と、他ならぬ俺が戦ったという事実を見せるために作戦を練らなければな。
白騎士を成長させるトリガーはなんとなーくわかっている。
「さあ、黒騎士の動きを再現できる我が肉体を作るとするか」
なるべく早く行動に移らないとな。
組織も一枚岩じゃない。
これを機に頂点様に牙をむこうとしている奴もいるし、地球側に寝返るやつもいるかもしれない。
なにより最悪なのが、それすらも“あの方”は楽しんでいるということだ。
「成長させる、といったが本当にとんでもないなぁ! 白騎士!!」
金色の装飾が施された姿、ブレイクフォームへと変身を遂げた白騎士の一撃は、再現した黒騎士の拳と互角以上の力を発揮させ、この俺を地上へと弾き飛ばした。
あちらも同じく吹き飛ばされたが、問題なのはこの短時間の劣勢の中で急激な進化を遂げたということだ。
「ブレイクフォーム! まさしく殻を破ったな!」
もしくは、セーブモードとしての上限を壊してみせた姿。
俺を追うように地上に飛び出した白騎士。
溢れんばかりの敵意を目にし、俺は今一度機械の肉体をさらに酷使させる。
「ハァ!!」
「ッ」
真っすぐに突き出された拳が奴の腕で防がれる。
先ほどまで圧倒することができた黒騎士の突破力に、今の白騎士は抗ってみせる。
【
「具体的な数字は!?」
脳内で聞こえてくる声にサーチをかけてもらうように願い出る。
デキルダケハヤクネ!
【
【
「くっそ使えねぇAIだなぁ!!」
【
「いつも変な部品混ぜてごめんなぁ!!」
そういえば、メンテナンスAIに任せているんだったわ!
肝心のMEIは全システムをジャスティスクルセイダーとの戦闘に割いているせいで、こちらに最低限のサポートしかできていない。
だが、このパワーの上がり方からして新たな形態の特性は純粋な基礎性能の向上か!
恐らく、今のままでは序列二桁星将序列との戦闘についていけないがために、自ら進化を遂げてみせた!
「だが、お前が戦う相手も、またお前だぞ!!」
再現率を引き上げる。
機械の肉体が悲鳴を上げる。
一歩踏み出す度に、全身から電撃が迸り宙に金色の残滓を放ちながら、俺の肉体は確実に破壊へと向かっていく。
「ハァァ!!」
「オラァ!!」
白騎士も俺と同じく、しかし別の原理で金の粒子を放つ奴と拳と蹴りを交わす。
本来、俺の戦闘方法は、戦闘特化型ボディにインストールさせたMEI軍団によるものだ。
自分で戦うことなどもっての外だ。
だが……!!
「だが、こうでもしないとな!!」
“見ている”。
白騎士を通して、この戦いをあの方が見ている。
ならば、俺の目論見は成功だ。
「だが、そう簡単に勝ちは譲らん!」
「……お前は、強い!!」
「強いのはお前の方だろう!!」
嫌味かぁ?
何度目かの拳を全力で叩きつけようとすると、奴が全力で前に踏み込み――ー俺の右腕が半ばから斬り飛ばされる。
腕を振り切った白騎士の手には、三日月状の武器が握られていた。
ソレの持ち手の両端の部分に、金色の刃が存在するおかしなものだ。
「だけど、負けるわけにはいかない!!」
『
———弓か!
即座に検索を終え、その武器の正体を見極めた俺は腕を取り換えるため、後方に跳び下がる。
しかし、奴はおもむろに左手に持ち替えたそれの中央に存在する取っ手を、つがえた矢を引くように構え、指を離すと同時に、白いエネルギー状の矢を放った。
「ッ」
猛スピードで放たれた一矢をギリギリで避けるが、続けて連続で放たれた矢の一つが脇腹へと突き刺さる。
小規模の爆発とともに吹き飛びながら、それでも立ち上がり、残った左の腕で奴へと殴りかかる。
「ォ、オオオ!!」
柄にもなく熱くなっている。
もうここで負けていいはずなんだ。
だが、そうしない理由も、俺には理解できていた。
「もう戦うのはよせ! お前は……!」
「ここにきて、ふざけたことを言うんじゃねぇ!!」
「ッ、ああ、そうかよ!!」
不完全な駆動を繰り返した機械の肉体は崩壊しかけていた。
それを相手も理解していたのだろう一瞬躊躇した素振りを見せながら、奴はそのまま弓の刃を巧みに振るい、俺の身体に斬撃を叩きつける。
「グ、オ、オォォ……」
「命乞いをするんじゃないのかよ……!」
こいつは甘い。
黒騎士と同一人物ではあるのだろうが……いいや、無慈悲なのは怪人にだけで本来はこの性格なのかもしれない。
甘っちょろいやつだ。
どうしようもなく、哀れでもあるが――気に入った。
「ジ……ギ……躊躇、するなよ……!!」
「……ああ」
『
ショートして動かない肉体。
まるで痛々しいものを見るように、悲痛な声を零した奴が自らのバックルを叩き必殺技を発動させる。
バックルから金色の光が溢れだし、奴の腕を伝って弓へとエネルギーが流れ込んでいく。
『
静かに放たれた光速の一矢。
それは、俺の胸部へと一直線に叩き込まれ、身体の内側を粉砕し、今にも爆発することを予感させた。
だが心配はない。
いや、割とピンチなのだが、ここまでボコボコにされること以外は計画通りなのだ。
「お待たせしました。マスター」
その軽やかな声と共に、俺の頭は横から飛んできたMEIに鷲掴みにされ、爆発する肉体から無理やり切り離される。
一体だけ隠していた隠密特化型ボディのMEIにより一命をとりとめた俺は、頭だけになりながら唖然とした様子の白騎士に揚々と声を投げかける。
「頭だけ取れたー!?」
「フハハハ! 残念だったな白騎士! 実のところ俺は頭さえ残っていれば割と無事なのだァ!! では、やりたいことも終わったのでさっさと帰るぞ!!」
「了解」
「あと、ちょっと俺の持ち方が雑じゃないか? なぁ?」
頭を鷲掴みにするのはどうなんだ?
さりげない不満を口にしていると、MEIは何も口にせずに宇宙船への転移の準備を進める。
「戦闘を行っていた二体は既に破壊されました」
「……速くねぇか? 想定していたより5分速いんだけど」
「このままここにいれば、確実に始末されます」
怖すぎないかジャスティスクルセイダー。
心底震えながら俺とMEIは転移を行い、宇宙船へと帰還する。
「ふぅ、死ぬかと思った」
「生首だけだと、愉快な見た目ですね」
「誉め言葉として受け取っておく」
あんな存在が地球にいるとは恐れ入る。
だが、目的は果たした。
これで序列50位としての戦闘は終わったので、後は自由だ。
今の時点であの方に殺されていないのがその証拠だろう。
「……マスター」
「おう、なんだ」
「ただいま、転移反応を確認いたしました。この宇宙船に、星将序列七位——マスターの姉君がいらっしゃっております」
……。
……、……。
「嘘だろ……?」
ここにきて、厄介ごとに巻き込まれるの?
俺? 首だけなんだけど!?
ブレイクフォームの専用武器は弓。
うまく立ち回った先に、理不尽でトラブルメーカーの姉に急襲されるジェム君でした。