仮面ライダーオルタナティブジオウ 嘗てアナザーだった仮面ライダー   作:G・himagin

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EP:1

「はぁ……はぁ……」

 

1人の青年が駐車場付近を歩く

全身に傷が出来ており、ガードレールを支えにして何とか何処かへと歩いてゆく

 

「常磐……ソウゴォ…!」

 

憎しみの籠った声でとある男の名前を呼ぶ青年、彼の名は()()()()()、2009年にとあるバス事故で両親を失い、先程まで()()()()()()()と呼ばれる怪人に変貌し、事故の元凶(と、思われる)常磐ソウゴを抹殺せんと動いていた

しかしソウゴとソウゴの仲間に敗北し、アナザージオウの力を失い、ソウゴの慰めにより【憎しみ】が【殺意】に変化してしまっていた

今の彼を動かしているのは常磐ソウゴへの殺意のみ、飛流は彼をアナザージオウへと変貌させたスウォルツという男に会おうとする

 

「あの男に、力を……!」

 

今度こそ殺す、確固たる意思で力を求める飛流

……しかし、彼の前に現れたのはスウォルツでは無かった

 

「やれやれ……呆れてものも言えないよ」

 

灰色のパーカーを着た歳が近い女性が目の前に現れる

 

「なに……?」

「こんなのが未来の王になり得る可能性がある……なんて、信じたくもないね」

「なんだと!?」

 

飛流は女性の言葉に怒りを覚え、掴みかかるが簡単に振りほどかれ投げられる

 

「ぐふっ!?」

「そもそもなぜつまらない復讐などに囚われているのか……」

「つまらない…だと?ふざけるな!お前に何がわかる!父さんと母さんを失ったあの絶望を!常磐ソウゴに奪われた幸せを!」

 

怒りは爆発し、涙ながらに叫ぶ飛流、しかし女性は溜息をついた

 

「……常磐ソウゴに奪われたのかい?」

「ああそうだ、白い服の女が来たのも常磐ソウゴが居たからで──」

「違うよ」

「──なんだと」

本来の魔王(常磐ソウゴ)が居ずともあの事故は起きた……ついてきたまえ、面白いものを見せてあげよう」

 

──パチンッ

 

女性が指を鳴らすと空間に六角形の穴が現れ、そこから大きなビークルが出てくる

 

タイム・マジーン!

 

「さあ、タイムマジーンに乗りたまえ……真実を見せてあげよう」

 

タイムマジーンと呼ばれたビークルに乗り込む飛流と女性

 

「時空転移システム、起動」

 

行く先は人生が変化した2009年の人生を変えたあの事件の日……真実は飛流の考えていた真実とは180度違っていた

 

「なんだ……コレ」

「これが真実だよ。どうだい、()()()()()()()()()()()()()()()

 

2019年に戻ると飛流は真実─スウォルツが【王の選別】という理由でソウゴ達を拉致しバスを爆破させる様子、白い服の女ことツクヨミがソウゴを守る為に放った弾丸により気絶した飛流、2019年の【オーマの日】に連れて行かれた自分達……そして、気絶した自分を守ってくれたソウゴ─を見せられ呆然のへたり込む

 

「これが、真実、なのか?」

「そうだとも……オーマの日、我が魔王により助けられたんだよ。君は……まあ我が魔王もその事には気付いては無かったがね」

「俺は……俺は、なんて事を……!」

 

助けてくれた恩人に恨みを、ましてや殺意を抱き、殺そうとした

知らなかったとはいえ恩人を殺しかけた、その真実は飛流にとって、心の支えにトドメを刺すには十分過ぎた

生きる意味を失い、贖罪をするにもした事は大きすぎる。彼を動かす物は最早何も無い

 

「俺は、なにをすれば……」

「……」

 

女性は彼に近付くと時計のようなアイテムを取り出す

 

「……ブランクウォッチ、だったか」

「そうだとも……私が来たのはこれを君に渡す為だ」

「……なんだと?」

 

困惑する飛流、しかし女性は続ける

 

「スウォルツの野望により、我が魔王が死ぬ可能性がある。今はその未来に繋がる可能性はないが……これからはわからない。底知れぬ野望により我が魔王が死んでしまう可能性すらある」

「……だからなんだ」

「……もし、我が魔王が死んだ時、()()()()()()()()()()()()()()

「…………無理だ。俺は、常磐ソウゴの意志を継げる様な男じゃない」

 

ぶつかり合い、飛流はわかった。常磐ソウゴは【時の王者】になるべき存在だと、王の素質を持つ男だと

 

「いや、君にも我が魔王と同じように時の王者になり得る人間なのさ……だが、我が魔王の代替の様な扱いになってしまうが……」

「……未来が書き変わっても知らんぞ」

 

ふっ…と女性は笑う

 

「やはり君で正解だ。君もまた、道を正せば王になれるのだから」

「どうだかな……」

「魔王、これを」

 

女性はブランクウォッチを献上し、飛流は無言で受け取る

 

「……これで、いいのか?」

「良いとも。君が覚悟を決めた時、その力は目覚める。……よろしく頼むよ?もう1人の魔王」

「……飛流でいい。あと、名前を教えろ」

「失礼……()()()、それが私の名前だ。よろしく頼むよ。飛流殿」

「………あぁ」

 

本来の道筋とは違う物語、後に見えるのはなにか、それは今は、誰にもわからない

 

 

 


 

 

警察署の近くの地下駐車場、そこに1人の男が柱を殴っていた

 

「くそぉ!」

 

男はG5の強化機であるG5-Xを開発していたが今日いきなり外され、代わりに優秀な別の人間が配属されると言われたのである

なぜ自分ではないのか、何故そんな事をされなければならないのか、そんな怒りがふつふつと沸き上がり、その怒りの矛先はG3やG5へと向かう

 

「あんなものが無ければ……!」

「ほう、面白い」

 

男は突然背後から聞こえた声に驚いて振り向くと、そこには紫と黒の奇妙な服を着た男……スウォルツがいた

 

「お前のその怒り、この力で利用してやろう。意見は求めん」

「が、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

スウォルツがアナザーウォッチを起動すると男にアナザーウォッチを植え付ける

 

「精々足止めをしろ」

 

装甲が装着されるようにして変身したアナザーライダーに向け、スウォルツがそう言い放つと、意思が消滅したかのようなアナザーライダーは警察署へと向かった

 

 

 

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