きららファンタジア 三つ子三銃士の冒険物語   作:山崎五郎

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恐怖の目覚め

翌日。

 

僕はきららを賭けてミューゼル伯爵の息子と決闘することになった。

 

きらら「ね、ねぇシグレ...どうやって勝つつもりなの?」

 

シグレ「...」

 

きらら「し、シグレ?」

 

シグレ「う~ん...どれを使うかな...」

 

きらら「だ、大丈夫?本当に勝てるの...?」

 

シグレ「わかんないよ」

 

きらら「わ、わかんない!?」

 

シグレ「だって相手がどんなやつなのかも知らないわけだし...」

 

~~~~

 

ラインハルト「...」

 

大丈夫だ。負けるわけがない。

 

今回も勝てる。

 

勝たなければいけないんだ。

 

家のために。

 

ラインハルト「...よし」

 

~~~~

 

「えー...それではこれより、ラインハルト様とシグレ様の決闘を執り行います」

 

シグレ(...あれがあの貴族の息子か。父親と違って綺麗な顔じゃんか)

 

ま、関係ないんですけどね。あんな父親に育てられてちゃどんな奴になってるか分かったもんじゃないし、負けるつもりもない。ここはひとつ鍛え上げた魔法と計算能力で攻略させていただきましょう。

 

ミューゼル「ラインハルト...分かっているな?」

 

ラインハルト「...はい、父上」

 

シグレ「...」

 

「始め!」

 

その声を聴くや否や、ラインハルトは手に持ったレイピアをまっすぐシグレに向けて突き出した。

そしてシグレは手に持った片刃剣をそのレイピアに向けて突き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言うと

 

勝ったのはシグレの方だった。

 

ラインハルトは自身でも何が起こったか分からないまま床に倒れ、首の後ろにシグレに剣を突きつけられていた。

 

ラインハルト「...???」

 

ミューゼル「!?な、何が起こったんだえ...?」

 

シグレ「...審判さん、結果は?」

 

「あっ!し、勝者シグレ様!」

 

シグレ「よっしゃ」グッ

 

思わず小さくガッツポーズをとり、そのままきららに近づく。

 

きらら「し、シグレ、一体なにしたの?」

 

シグレ「あ、分からなかった?じゃちょっと解説しようかな」

 

~~~~

 

まず、ラインハルト君が剣をまっすぐ突き出します。この時、剣の刃が横に向いていたのがありがたかった。

 

片刃剣は若干反れ曲がっているので、それを利用して剣の軌道を上に向けて反らせます。

 

でも、それだと顔に当たってしまうかも知れなくて危ないんで、ここで特訓に特訓を重ねた魔法の出番でございます。

 

突き出された剣に下からチョイチョイっと風魔法で風を吹かせてやればあら不思議。剣が上に向けて突き出されましてございます。

 

ラインハルト君は何が起こったかわからずそのまま前へ。ここで足をかけてラインハルト君をつまづかせます。

 

そして、うつ伏せに倒れこんだラインハルト君にシグレは首もとに剣を突きつけ、見事勝利したのでございます。

 

解説のご清聴、誠に恐悦至極にござ~い(CV:大塚芳忠)

 

~~~~

 

シグレ「というわけ」

 

きらら「?????」

 

どうやらきららは理解できていないようで頭の上に『?』を出して首をかしげている。カワイイ。

 

シグレ「えーミューゼル伯爵。僕勝ちましたんで、これできららを連れ帰らせて頂くと言うことに」

 

ミューゼル「ふざけるな!何をやっているんだえラインハルト!!」

 

シグレ「?」

 

ラインハルト「ち、父上...」

 

ミューゼル「お前は...お前は自分が何をしたのか分かっているのかえ!?我が誇り高きアレクサンドロ家の人間が平々凡々な一平民風情に負けるなど...あってはならん話だえ!!何をやっているんだえ!!」

 

ラインハルト「も、申し訳ありません...」

 

シグレ「...」

 

きらら「し、シグレ...もう帰ろうよ...」

 

シグレ「...」

 

何故だろう、あのミューゼルとかいう男に、無償に腹が立ってくる。

 

ミューゼル「このバカ息子が!!お前は一族の誇りをなんだと思っているんだえ!!」

 

『お前はこの家の息子であることをなんだと思っているんだ!!』

 

シグレ「..」

 

ラインハルト「し、しかし父上」

 

ミューゼル「しかしも何もあるか!!」

 

ミューゼル「お前は黙って私の言うことを聞いていればいいんだえ!!」

 

『お前は黙って私の言うことを聞いていればいいんだ!!』

 

...そういうことか。

 

なんであのミューゼルという男に腹が立つのか分かった。

 

アイツは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

似ている(・・・・)んだ。

僕の大嫌いな本当の父親(・・・・・)

 

...ベチャッ

 

ミューゼル「?」

 

シグレ「おい」

 

ミューゼル「!?」

 

シグレ「お前は...自分の子供をなんだと思っているんだ(・・・・・・・・・・・)?」

 

ミューゼル「ひっ...!?が、ガキが、この私に向かって説教を垂れるつもりかえ!?平民風情が偉そうに」

 

ドロオッ...

 

ミューゼル「!?な、何なんだえこのドロドロとした液体は...!?」

 

シグレ俺は(・・)な...お前みたいな自分以外の全てを自分の都合のために使うような奴が一番嫌いだ」

 

そう言いながらその銀髪の子供(・・・・・)はこちらに近づいてくる。まるでこちらをバカにしきったような見下した表情で。

 

...何かがおかしい。いつもならばさっさと執事や他のものに命令しこんな子供一人さっさとしまつさせるのに、声が出ない。それどころか、むしろ自身の感情に違和感を感じるようになっている。

 

私は...本来ならば『怒り』が真っ先に出るハズなのに、

 

今は この子供に対する『恐怖』が自分の心を支配している?なぜ?なんでこんな子供に?

 

?恐い?こわい?コワイ?

 

こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シグレ「さよなら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きらら「ダメっ!!!」

 

シグレ「!?」

 

ミューゼル「!?」

 

ラインハルト「...?」

 

きらら「ダメ...ダメだよ、シグレ、そっちに...そっちに行っちゃダメ(・・・・・・・・・・)...!」

 

シグレ「...え?」

 

何だ?僕は、今、何をしようとしてた(・・・・・・・・・)

 

僕は...

 

今...

 

あの、男を...

 

シグレ「ひっ、は、はぁ...あ... 」

 

きらら「し、シグレ!?」

 

ラインハルト「...」

 

シグレ「はぁ、はぁ...!?ぼ、僕は、僕は...!?」

 

きらら「シグレ!?どうしたの!?」

 

松風「ビヒヒヒィーーーーンッ!」

 

きらら「キャッ!?」

 

シグレ「あ、ま...松風...」

 

松風「ブルル...(どうしたってんだそんなにビクビク怯えやがって。俺はそんな弱い男を主人と認めた(・・・・・・・・・・)覚えはないぞ)」

 

シグレ「あ、ああ...ごめんな。早く、帰ろう」

 

きらら「あ、う、うん...」

 

ラインハルト「ま、待って...待って下さい!」

 

シグレ「?」

 

ラインハルト「何で、何であなたはそんなにも強いのですか!?どうしたら僕は...私は強くなれるのですか!?」

 

シグレ「...」

 

こういうのは、多分よくないことなのかもしれない。この人は、多分本来の物語に関わらない人だ。でも

 

シグレ「...強くなりたいなら、神殿に行ってみたらいいと思うよ。君の求めてる強さも、多分そこにあるから」

 

僕は、種を巻いてみることにした。新しい木が育つように。

 

ラインハルト「神殿...」

 

シグレ「...行こう、松風」

 

松風「ブルル」

 

ラインハルト「...」

 

「...ぼっちゃま」

 

ラインハルト「...そろそろ私も、独り立ちの時か」

 

ミューゼル「...」

 

ラインハルト「...父上」

 

ミューゼル「ヒィイッ!?な何だえ!私に何かするつもりなのかえ!?い、いやそんなことはどうでもいいえ!!アイツは、あの子供はどこだえ!さっさと追い払って二度とこの家に近づかせるんじゃないえ!!」

 

ラインハルト「ち、父上?」

 

ミューゼル「ヒィイイイイイ!!恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐いイイイッ!!あの子供が、恐ろしくてたまらんえ...!!何者なんだえ...あの銀髪の子供は...?」

 

ラインハルト「?父上、何をおっしゃっているんです?」

 

ラインハルト(あの人の髪は水色(・・)なのに...)

 

~~~~

 

 

あの屋敷から大分離れた森。僕は松風を止めてきららと休んでいた。

 

シグレ「...ごめんきらら、ちょっとあっちの方に行ってくるね」

 

きらら「あ、うん」

 

~~~~

 

シグレ「...ハァ、ハァ...何だ?あの力は...!?」

 

シグレ「分からない...けど、もう、もう...」

 

シグレ「あの力は、もう二度と使わない...!もし、またあの力を使ったら...

 

 

 

僕が、僕でなくなる(・・・・・・・・・)...!

 

~~~~

 

シグレ「ごめん、待たせちゃって...」

 

きらら「...シグレ」

 

きららが僕に近づき、そっと抱き締めてくれた。

 

シグレ「...え?」

 

きらら「...大丈夫だよ。またあんな風になりそうになったら、私がまた止めてあげるから。私が一緒に居るから、ね?...シグレ?顔が熱いけど...大丈夫?」

 

シグレ「だ、大丈夫.../////」(うおおおおおおおおおおおおおおおおきららにハグされてるううううううううううううう!!!)

 

松風「...」フン

 

何だか悩んでいるのがバカらしくなってきて、再び松風に乗り僕たちの村まで帰った。ひとまずきららを家に送り届けることにした。

 

~~~~

 

シグレ「...ここでいい?」

 

きらら「うん。ありがとう」

 

シグレ「ん。それじゃあ、あの...また明日」

 

きらら「うん!」

 

シグレ「じゃ」(よっしゃあああああああああまた明日もきららと会えるぅううううううううう!!)

 

きらら「...あ、ま、待って」

 

シグレ「えっ?」

 

きらら「そ、その...」

 

松風「...」

 

きらら(あっち向いてて)ジェスチャー

 

松風「...」プイッ

 

シグレ「ねぇきらら、一体どうし」

 

 

 

 

 

 

チュッ

 

 

 

 

 

 

 

きらら「ん...」

 

シグレ「」

 

きらら「...シグレ、えと、あの...お、おまじない。その、ずっと一緒っていう、お、おまじない.../////」

 

シグレ「...??????????????」

 

きらら「...おやすみ。また明日.../////」

 

シグレ「...」

 

...

 

..

 

.

 

え?

 

~~~~

 

父「...あっ!シグレ!」

 

ヤナギ「兄さん!」

 

コノハ「お兄ちゃん!」

 

母「全くもう!夜中に家を抜け出すなんて...一体何処に行ってたの!?心配したんだから!!」

 

シグレ「...」

 

父「シグレ?」

 

シグレ「...ねぇ、皆」

 

四人『?』

 

シグレ「僕...

 

生まれてはじめて...チューした

 

父母『え?』

 

ヤナギ・コノハ「はぁ!!?」

 

つ づ く




という訳で、シグレ君のはじめてをきららちゃんが奪っちゃいました。一体どうなっちゃうんですかねぇ(適当)。
あと、次回からは結構本家『きららファンタジア』のストーリーに絡み始めるらしいっすよ←

次回もお楽しみに

次回『神殿へ行こう!?』

シグレ「きららとチューした...チューした...チューした...チューした...」

ヤナギ「兄さん!おい兄さん!?」

コノハ「やべぇな完全に脳ミソオーバーフローだよ」
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