愛する人と家族を守るために生き
命を繋ぐために他の命を奪う
それはどんな存在にも同じことなのに
─────???
謎のベルトによって強化された狼と戦う召喚士きららと三銃士ヤナギ。
が、狼の能力と人間の細やかな動きを身につけたその狼に二人は苦戦を強いられていた。
きらら「...」
「ハッ!」
きらら「!!」
狼の動きは早く、コールを発動する暇も与えない。かといって自分が攻撃を試みても、まるで命中しない。
この狼はある意味きららにとって相性が最悪と言える敵だった。
ヤナギ「...(マズイ...きららはコールでしかまともに戦うことはできないのに、あの状況では...)」
(...俺が力を使うしかないか)
ヤナギ「...
「?」
きらら「ヤナギ?」
ヤナギ「...
ヤナギがそう言うと、持っていた小刀が風に包まれる。その風が収まると...
小刀が脇差ほどの大きさまで変化し、柄からは刃が3本ついた状態になってその刃はくの字に曲がっていた。
きらら「え...え?」
ランプ「な、なんですか、あれ...」
「...人間はずいぶん面白い技を使うな。形が変わったところで何になる?」
ヤナギ「...自分で確かめてみたらどうだ?」
「それもそうだな」
そう言うと狼はタンッ、と地面を蹴りヤナギに接近する。ヤナギは変化した刀を振り下ろし...
「
刃が地面に触れる。狼には回避されたものの、地面には3本爪のような跡が残った。
「...なるほど。だが、当たらなければ意味はない!」
と、再び狼は襲いかかり爪で攻撃するが、ヤナギはそれを刃の一本で受け止める。すると...
ビッ
「!?」
突然狼の頬に切り傷ができた。
(何だ...何をした...)
ヤナギ「...どうした?俺が怖いのか?」
「...」
ヤナギ「自分が見下していた人間に、自分の顔を傷つけられたことがそんなに信じられないか?」
「...ッ!思い上がるなよ人間風情が!!」
怒りで体毛が逆立つほどの気迫を見せる狼。
再び飛んでヤナギに攻撃を仕掛けるが、ヤナギは再び刃で受け止める。そしてまたしても狼に切り傷ができた。
「...(何だ...何がどうなっている?奴の武器に攻撃するたび俺にキズが...そういえば、奴は常に3本の刃の一本で攻撃を受け止めている...まさか)」
ヤナギ「...」
「ハッ!」
狼は爪で斬撃の波動を作り出しヤナギに放つ。ヤナギは再びそれを刃の一本で受け止める。
...すると、真ん中の刃から衝撃波が放たれた。
「...なるほど。両端の刃で受け止めた攻撃のエネルギーをそのまま真ん中の刃で発射する寸法か」
ヤナギ「だったらなんだ?」
「こうするんだ!!」
狼は先程の斬撃の波動をいくつも作り出しそのまますべてヤナギに向かって放つ。ヤナギは受け止めることなく回避した。
「フッ...やはり受け止めきれない攻撃には回避するしかないわけか。底が知れたな!!」
ヤナギ「何を勘違いしてるんだ...俺はまだお前にすべてを見せた訳じゃあないぞ」
「?」
ヤナギ「巻け
するとヤナギの刃の回りを再び風が包む。そして風が収まると、刃が消えていた。
きらら「!?」
ランプ「ぶ、武器が、消え...」
「フン、馬鹿が...戦いを放棄したか!!」
狼は爪でヤナギを切り裂こうとするが...
突然、
「!?」
ヤナギ「槍」
驚く狼に対してヤナギが呟くと、突然狼の後ろに緑色の槍が現れる。
「な......」
ザシュッ
「ハァ、ハァ、ハァ...」
ランプ「い、一体何がどうなってるんですか...!?」
と、クリエメイトと共に少し離れた場所に避難したランプが言う。
マッチ「...あの槍、風属性の緑色をしていた...それに、ヤナギが呟いたとたんに現れた...昼顔って、魔法による風の操作能力か?」
「...おのれ、おのれ...」
ヤナギ「まだやるのか?もう腹に槍が刺さったんだぞ、無理をせず帰れ」
「黙れ...!人間が、人間ごときが、この俺に...よくも、俺の...」
「俺の名誉を汚してくれたなッ!!!」
ヤナギ「...」
「許さん、許さん、許さんぞ...貴様らにとって、最も屈辱的な姿で殺してやる!!」
ヤナギ「ッ...!」
きらら「な、何が...」
「狩り尽くせ!!!
狼は叫ぶ。ベルトのバックルからまたしても藍色のドロドロとした溶液が溢れだし、狼の身体を包む。
溶液が蒸発していき、その煙の中から巨大な爪と獣の足を携えた
ヤナギ「何...!?」
人狼「...」
フォンッ
ヤナギ「消え...!?」
人狼がヤナギの目の前に現れる。ヤナギは咄嗟に小刀を戻し人狼の爪を防いでいた。
ヤナギ「ッ...!」
人狼「...どうだ。今俺に、恐怖を覚えたか?」
ヤナギ「グッ......穿て」
人狼「?」
ヤナギ「『夕顔』」
突然ヤナギの小刀の刃が延び、人狼に向かって行く。
人狼「チッ!」
ヤナギ「逃がすか」
人狼は逃げる。が、ヤナギの手元から延びたその刃は人狼に向かって延び続ける。
ヤナギ「...」
人狼「...クッ!」
人狼は刃を爪で無理矢理受け止めた。手からは当然血が流れているが、その顔には笑みが浮かんでいた。
ヤナギ「...何がおかしい?」
人狼「周りを見てみろ...」
...辺りはいつのまにか夜になっていた。だがそれは明らかにおかしい。つい数分前は太陽が真上に上っていたにも関わらず月が出ている。
人狼「...フフフハハハハ!!驚いたか?これが俺の能力...俺の望む狩り場を生み出す力!!夜になれば視角能力の冴える俺が勝つのは明白だ!!さぁ、死ね!!」
...人狼の爪はヤナギを捉える。ヤナギの腕からは血が流れる。が
ヤナギ「...ありがとう」
人狼「?」
ヤナギ「この力は人には見せたくないし、
人狼「何...」
ヤナギ「呑み込め ...夜顔」
人狼「クッ!!」
その直後。ヤナギの小刀は真っ黒な幾つもの腕に変化し、人狼に襲いかかった。
人狼は咄嗟に距離をとろうとするも、腕に体の至るところをつかまれ動けなくなってしまう。
人狼「グッ、ウウウ...だが、これがなんだと...」
ヤナギ「一つ教えてやる。夜顔の能力は...」
『相手の生命力を奪う能力』だ
人狼「...ッ!?」
人狼はそれを聞くとすぐさまもがく。が、まるで抜け出すことができない。口を無理矢理開き腕に噛みつくがまるで効果がない
人狼「ッ!─────ッ!」
ヤナギ「...残念だったな。」
「お前が誇り高い狼の姿を捨てなければ、腕を噛みちぎれたかもしれないのにな」
「...ッ!」
『あなた』
『お父さん』『お父さん』
───これは誰だ
『...狼どもが!よくも俺の家族を食いやがったな!殺してやる!!』
『お前らの住み家なんざ、燃えちまえ...!!』
───これは何だ
おかしいな
こんなはずでは
なかったのに
...おう、無理矢理書ききったんだよ。後悔なんかしてねぇんだよ上等だろ(は?
次の話は真面目に書きます。
ヤナギ君の能力と小刀について解説しときますね
ヤナギの魔力は風属性による身体強化や気候操作による魔法。小刀はそれを更に強力に発動するためのトリガーのようなもの。
朝顔
能力発動のための解号は『咲け』。
小刀の大きさと刃が変化し反撃や攻撃力が上がる。
昼顔
解号は『巻け』。小刀が自らに纏う風となり、風による武具を作り出す、気流を操作し相手を撹乱することが可能。
夕顔
解号は『穿て』。刀身が延びる。敵を追跡できる。以上。
夜顔
解号は『呑み込め』。敵の生命力を奪う。
強力すぎるためヤナギ自身が『夜にしか発動できない』と制約をかけた。
次回『共闘戦線』
お楽しみに