…最悪だ。
そして今も、
何が強くなるだよ…結局僕は弱いままじゃないか。
勝手に思い上がって、自分から目を背けて、その結果がこれかよ。
…本当、
シグレ「最悪だ…」
~~~~
きらら「…あれ?」
目が覚めた。
この天井は…
「っ…!!きららさん!!」
きらら「えっ…」
声のした方向を振り向くと、何かが抱きついてきて…!?
きらら「いっ!?痛た…!!」
ランプ「うあっ!?ご、ごめんなさい…」
抱きついてきたのはランプだった。ただ、何故だか身体が物凄く痛い。これは…
スターク「…オイ、起きたか」
きらら「あ…はい、あの、私…」
スターク「お前、あの村で倒れてたんだぞ。何があった?」
きらら「何が…?…」
『あなた達を絶望に…』
『あんまり、ガッカリさせないでくださいよ』
『きらら、逃げ…』
『…化け物…』
きらら「…ぁ…!!」
思い出した…私は…
私は、人を…ころ…
『落ち着け。アレは事故みたいなもんだ』
きらら「え…」
突然、ランプの持っていた羽ペンから声が聞こえた。
ランプ「アレ…?」
きらら「で、でも!!私は、私は覚えてるんだよ…上手く思い出せないけど、あのとき私は確かに、じ、自分の意思で人を…!」
『その時お前は意識もなにもない状況だっただろうが。変に気に病むな』
きらら「…」
ランプ「ちょ、ちょっとさっきから何の話を…」
スターク「…いや、いい。言いたくねぇなら無理に話すな」
きらら「え?」
スターク「誰だって秘密にしておきたいことの一つや二つぐらいあんだろ。そんなに辛いことなら、無理に聞きはしねぇよ。…おい、行くぞ」
ランプ「えっ!?ちょ…」
パタン
きらら「っ…」
~~~~
…何だこれ。
皆が、倒れている。
シュガーや、セサミ達…いや、それだけじゃない。
『里』の人々や、クリエメイトの皆も…
助けなきゃ。そう思うのに、身体は動いてくれない。
シグレ『なんだ、どうして、どうして、こんな…』
『お前が弱いからだろう』
シグレ『…!?』
人の声が聞こえた。男の声だ。その方向に振り向くと、そこには…僕に瓜二つな銀髪の男がいた。
シグレ『…お前、誰だ』
『俺はお前だよ。シグレ。…正確には、お前がこうなるという可能性とでも言っておくか』
シグレ『…?』
『分からないか?なら分かりやすく話してやる。
…例え、どんな強い心を持った人間でも、一度心が砕ければ間違った道に進むということをな』
そう言うとその男は、青黒いドロドロとした…どこかで見たような、そんな液体に手を突っ込み、中から青黒い光を放つ刀?を取り出した。
そして…誰かがもたれ掛かっている壁に向かって歩いていく。
…あれは
シグレ『きら、ら…!!』
まさか。やめろ。何をするつもりだ!!やめてくれ!!!
『お前がこのまま進み続ければ…いずれこうなる可能性も、あるということだ』
きらら『…シグレ…どう…して…』
『…』
そして、その男はきららに向かって、刀を…
シグレ『やめろオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』
~~~~
「うわあああああああああああああああ!!!!ああああああああ、ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
ヤナギ「兄さん!!?」
コノハ「お兄ちゃん!?どうしたの!?」
シグレ「ああああああああ、ああああああああああああああああ!ごめん、ごめんなさい!!僕が、僕が…うわあああああああああああああああああああああああ!!!!」
それから暫くして、また目が覚めると、天井が見えた。
その後近くにいた衛兵さんに話を聞くと、夜中に突然目覚めたと思ったら突然発狂して叫んでいたという。
シグレ「…」
『例え、どんな強い心を持った人間でも、一度心が砕ければ間違った道に進む』
シグレ「間違った道…僕が、きららを…殺す…」
コノハ「…お兄ちゃん」
シグレ「…コノハ」
部屋に入ってきたのはコノハだけだった。ヤナギの姿が見えないのでどこに行ったのか訪ねると、「次の『オーダー』に向けてソルトの支援命令が出たから準備してる」と言った。
シグレ「…そっか」
コノハ「…お兄ちゃん、大丈夫?何か悪い夢でも…」
シグレ「やめろよ…」
コノハ「…」
それから、数分か数秒間か…部屋がしん、と静まり返った。そして…
シグレ「なぁ、僕さ…」
コノハ「…ん?」
シグレ「三銃士、辞めようかなって思ってんだ」
コノハ「…え?…ち、ちょっと。何言ってんのさお兄ちゃん。冗談やめなよ~」
シグレ「冗談じゃない。本気だよ…そういや、このままだと家の仕事継ぐ奴いなかったもんな。ちょうど良いだろ…」
コノハ「…理由は?せめて、理由を聞かせてよ」
シグレ「…あんなズタボロに敗け帰って、守るって誓った人を傷つけて、おまけにその人に守られて。…こんな情けないことあるかよ…僕みたいな役立たず、さっさと抜けた方が良いだろ」
コノハ「何言ってるの…?敗けたって、そんなのたった一度じゃん!!それに、また次が…」
シグレ「うるせえ!!!」
コノハ「!?」
シグレ「次…?次って何だよ、またあんな奴等と戦えってか?二対一で殺されかけたような相手にか?簡単なことみたく言うなよ!!!
それに!!お前やヤナギが会った奴等だっている!!少なくともあと二人はあんな奴がいるってことだろ!!!それでどうやって希望を持てって言うんだよ!!」
コノハ「…」
シグレ「…それになぁ、このまま戦ったら、皆…死ぬかもしれないんだぞ?…俺は、出来れば戦ってほしくなんか無いよ、皆にも、きららにだって…
もう、嫌なんだよ…目の前から、自分の大切な人が居なくなるなんて…自分じゃあどうしようもないことに、立ち向かうなんて…もう、嫌なんだよ…楽にさせてくれよ…」
コノハ「…っ!!」
突然。頭を掴まれ、鏡に向かって顔を向けさせられる。
コノハ「自分の顔見てみろよ!!情けない顔しやがって!!」
シグレ「…」
コノハ「大切な人が居なくなるなんて嫌?皆に死んで欲しくない?…だったら!!アンタがもっと強くなれば良い!!皆を守れるぐらいに強く!!そして私たちも強くなれば良いだけだろ!!」
シグレ「…簡単なことみたいに言うなって言っただろ!!アイツらの強さはお前だって分かってるだろ!?」
コノハ「分かってる!!一度敗けて、それで情けなく逃げ帰ったことだって、全部承知の上だ!!…それでも、私は、戦って今度は勝つために強くなる!!だから逃げない!!
…アンタは死なない、きららだって死なない、他の皆だって死なせない!!!
なぜならアンタがまた立ち直って強くなって、奴等をブッ倒して皆を守るから!!!
私たちがもっと強くなってアンタを守るからだ!!!」
シグレ「…」
セサミ「…随分と強気な啖呵ですね、コノハ」
コノハ「!」
いつの間にやらセサミとカルダモンが部屋にいた。そしてシグレに向かって話しかける。
セサミ「…シグレ。一度敗けて、そして悔しい思いをしたのは、私も同じです。だからこそ私たちも強くなります…あなたが、『死んで欲しくない』とまで言ってくれましたから」
カルダモン「だからさ…シグレも一緒に戦おうよ。シグレがあたしたちを信じてたみたいに、あたしたちもシグレを信じるからさ」
シグレ「…うん…ありがとう。…もうちょっとだけ、頑張ってみようかな」
こうして、シグレは改めて戦う決心を固めた。
セサミ「…ところでコノハ、シグレ。先ほど例の召喚士の名前を言っていましたが、あれはどういう事なのでしょう?」
シグレ「ゑ?」
カルダモン「そういえば随分親しげに思わせるような言い方してたよね。もしかして…」
シグレ「ちょ、ちょ待てよお前!!そんな内通とかそんなのはごさいません!!(^U^ ;)」
カルダモン「ほんとぉ?(疑心暗鬼)」
しまんねーなーもー(棒読み)
~~~~
きらら「…」
私…このまま、旅を続けて良いのかな?
人を一人…あんな…
それなのに、ランプや皆のそばに居ても良いのかな?
もしかしたら、他の皆…ヤナギや、コノハ…それに…
きらら「…会いたいよ…シグレ…」
コンコン
きらら「ふぇ?」
窓から音が…?
シグレ『きらら!』
きらら「…え?」
~~~~
きらら「もう、ビックリしたよ…突然現れるんだもん」
シグレ「あはは、まあね。…それできらら」
きらら「?」
シグレ「ケガの調子とか…どう?」
きらら「…う、うん。身体は大丈夫だよ。クリエメイトの皆にもちょっと治してもらったし、もう大分…その…動ける、かな?」
シグレ「…旅を続けられるとは言わないんだね」
きらら「…!」
あからさまにきららが言葉につまり、表情が暗くなる。言葉も途切れた。
シグレ「…気にしてるの?あの事」
きらら「…うん。気にしてるよ…するに決まってるよ。あんな…人を…自分の、意思で…!私、私、取り返しがつかないことして…!もう、皆のそばに居るのだって」
シグレ「きらら。…落ち着いて。深呼吸」
きらら「え…?う、うん。すぅ…はっ…」
知らず知らずの内に過呼吸になっていたきららをシグレは落ち着かせる。…そして、また少し話始めた。
シグレ「…きらら。確かに、やってしまったことに取り返しはつかないよ。過去を変えることなんて、エトワリアの魔法でだって出来ないんだからさ」
きらら「…」
シグレ「でもさ。ああしなかったら、僕たちは今頃こうやって話すことも出来なかったんだよ。それに、相手は犯罪者だ。どんな経緯があっても、許されなかっただろうし…どのみちアイツの運命は一緒だったよ」
きらら「…確かに、そうかもしれないけど、でも、でも私は…私なんて…!」
シグレ「きらら」
シグレはまた自分を責め立てるきららの言葉を遮る。そして、真っ直ぐに彼女を見つめ…
きらら「…/////」
シグレ「…きらら。僕の大好きな人を、そんなに虐めないでよ」
きらら「…えっ?」
シグレ「言ったでしょ?きららは笑った顔の方がずっと可愛いって。元気で、誰かを想うことができるきららが一番可愛いし好きだよ。…まあ、そうやって自分の過ちと向き合えるような所も、勿論好きなんだけどさ」
きらら「え、え…?」
シグレ「…うーん。あ、ねぇきらら。
…きららはさ、生まれ変わりって、あると思う?」
きらら「え?」
シグレ「僕は信じてるんだ~…何たって、自分がそうなんだもん」
きらら「…」
そして、シグレはきららに少しずつ話始めた。自分には、別の人間の記憶があること。そしてその前世で、大切な人を守れなかったこと。…実の父親を、実質殺したことも。
シグレ「でも、僕はこうして生きてるよ。…まあ、コノハとか皆に励まされて立ち直れたからだけど…でもさ。罪を犯してたって、まだ先に進む事は出来るよ。まだ、やり直せるチャンスがあるもん」
きらら「やり直せる…」
シグレ「そ。…僕はさ、諦めるつもり無いよ。たとえ、どんなにこの手がグチャグチャになっても、それで守れる人がいるならね。…だから、きららも諦めないで」
きらら「…ねぇ、シグレ」
シグレ「ん?」
きらら「…ありがとう。私…また、頑張るよ」
シグレ「…へへへ!そっか!!よかった!」
きらら「…あ、後、その…一つ、聞いても良いかな?」
シグレ「ん?」
きらら「そ、その…あの…
ま、前好きだった人と、私と、どっちの方が好き…?」
シグレ「………え?き、きららってそういうの気にするんだ」
きらら「き、気にするよ!!だ、だって、だ、だ、大好きな人の、も、も、元…えっと、あれ、なんだっけ」
シグレ(分からなくて困ってるきらら可愛い。抱き締めたい)「元カノ?」
きらら「そ、そうそれ!だもん」
シグレ「えっと…あのね。勿論きららは好きだしもう踏ん切りつけてるけどさ、どっちがとかそういうのは、その…」
きらら「…答えられないの」
シグレ「!?」
きららの目付きが明らかに恐ろしいものに変わった。目のハイライトも消えているように見える。
シグレ「あ、あのね!きらら、そう言うのはまた今度」
「あーーーーーーーっ!!やっぱりシグレ!!!!」
シグレ・きらら「!?」
突然二人に向かって大声が放たれた。その主は…
ランプ「シグレ!何でここに…!というか、きららさんと二人きりで、何するつもりですか!!」
きらら「ち、ちょっと待ってランプ…」
スターク「何するつもりって…そりゃ、ナニするんだろ」
きらら「スタークさん!?//////」
シグレ(な、なんかヤバイ…!でも、今が逃げるチャンス!!)「じゃあねきらら!!また今度!!」
きらら「あっ…!」
こうして、シグレときららは新たな決心を胸に歩き出すのであった…
後半からおかしくなったとか言うなよ!!!絶対言うなよ!!!(テンプレ)
本当に申し訳ない。
ギドラ「…ジョーカーが死んだ。となれば…恐らくアイツも動き出すんだろう。…俺達も、腹を括るか」
次回『全ては
「…次回をお楽しみに」