きららファンタジア 三つ子三銃士の冒険物語   作:山崎五郎

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皆様どうもお久しぶりです。クソ投稿者です。

おまたせしてしまい大変申し訳ございません。

言い訳をさせていただきますと、正月の諸々の用事や、水星の魔女の影響でガンダム熱が再燃してSEEDやSEED DESTINY、00といったガンダムをもう一度見始めたり、
エウレカセブンを見始めたりと色々ありました。

2023年内には完結させたいので初投稿です。


孤高ナル拳王/共に在った者達

それは、シグレやきらら達の時代から少し遡る。

 

『それで?そのガキ一人にオメーら大の男どもが揃いも揃ってタコ殴りにされて帰ってきたって?しかもこんな貧民街の女に?

 

笑い話ならもっと上手く作ってこい。酒の肴にもなりゃしねえよ』

 

『ほ…本当なんですよツヅリの旦那!!』

 

『そのガキ、野犬みてぇに酷く暴れんだけど、それでも的確にこっちのことぶん殴ってきやがるもんだから…』

 

『おまけにそいつ、本当に貧民かってぐらいすばしっこく動きまわって…』

 

『…』

 

ツヅリ 当時52歳

 

『…なあお前ら、アレ(・・)の景気は最近どうだ?』

 

『え゛っ!?な、なしで急にそげな話…』

 

『てめぇはどこ出身だ。…単純に聞きてぇだけだ。さっさと言え。良いのか、悪いのか』

 

『…どちらかで言えば。今は、その…正直…悪、い、です…』

 

『………そうか』

 

『無理もないですよ。最近じゃ神殿の目も昔よりずっと強くなってるし、入ってきてくれる連中もどれだけ誤魔化せるか…

 

そのお陰で若い衆は少なくなっちまって、使える連中も最近かなりヨボヨボに…』

 

『…おい、さっきのガキだが…どこに居るんだ?』

 

『え?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『 ガ ア ァ ァ ア !!』

 

『ぐっ…!』

 

『ツ、ツヅリさん…』

 

『てんめェ、このガキゃア!!』

 

『五月蝿ぇ!!てめぇら手を出すんじゃねぇぞ』

 

『で、ですが…』

 

 

 

 

 

『ウゥーっ、フゥー』

 

ミツネ 当時13歳

 

『…本当に狂犬(いぬ)みてぇだな、お前。

 

…おいガキ、お前名前は?』

 

『名前なんか名乗ったってしょうがねぇだろ!!さっさとテメェらの持ってるカネと食いもんと身包み全部寄越せ!!』

 

『…成る程。そうやって大人相手にも追い剥ぎやってるうちにそんなに強くなったわけか…ほぉ』

 

『何ブツブツくっちゃべってやがんだテメェ!!いいからさっさと…』

 

『おいお前。俺と取引しないか?』

 

『“トリヒキ”…何かここを通る連中が言ってた気がするが、何だそりゃあ』

 

『…お前、よっぽどキツイ生活してたんだな』

 

『何だそりゃってきいてんだよ!!!』

 

『まーまー慌てんじゃねぇよ。…お前、その腕っぷしで仕事しねぇか?』

 

『…?』

 

『ちょ!ちょっと待ってくださいよ旦那!!いくらなんでもこんなガキ一人…』

 

『なら聞くがよ、このガキよりもいい腕っぷしのやつをテメェら見つけてくることできんのか?』

 

『そ、それは、その…』

 

『…何そっちだけで話進めようとしてんだ。こっちはお前らの言うことなんて信用しねぇぞ…』

 

『取引に応じてくれりゃあ、飯と寝床と…後はまぁ、その仕事の出来次第で色々出してやってもいいぞ?』

 

『………』

 

『ただし。その仕事の間はお前は自由を奪われる。文字通り命を賭けて闘ってもらう。それが“仕事”だ』

 

『……………命を。』

 

『どうした?流石に怖いか?まぁそれならそれでお前を売渡『良いぜ、乗ってやる』…ほぉ』

 

『舐めてんじゃねぇぞジジイ。怖い?命を賭ける?自由を奪われる。

…それの何が今と違う。こちとら毎日どうやったら生きられるか、それだけ考え続けて生きてんだ。

殺しだってやった、盗みだって人攫いだってな。

今更命のひとつや二つ何だってんだ』

 

『…良いぜ。取引成立だ。着いてこい。

 

…念の為言っとくが、背中を刺したりすんなよ?』

 

『…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからというもの、ミツネは地下闘技場の住人兼闘技者となった。

 

彼女の実力は目を見張るものがあり、瞬く間に傷も負わされる事なく三十戦三十勝という輝かしい戦績を収めた。

 

しかし…圧倒的な強者とは、時に人を退屈にさせる、とはよく言ったもので。

 

『ふざけんなーーー!!何が無敗の三十連勝だ!!』

 

『いっつもあのガキの圧勝じゃねぇか!!賭けにならねぇんだよ!!!』

 

『攻撃の一つでも受け止めて悲鳴でも上げろよ腰抜けがよぉ!!』

 

『…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…なぁオッサン』

 

『ツヅリな。…まぁあんまり気にしすぎるな…って言っても、無理だよなぁ…』

 

『あいつらは闘いを見に来てるんじゃあないのか?なんであんなことを平然と言ってられるんだ』

 

『…人間ってのは難しい生き物でよ、自分さえ傷つかなきゃ相手をどんだけ苦しめてもいいと思ってる事もある。特にここに来る連中はそういう奴らがほとんどだ』

 

『…解んねぇなぁ。こっちは生きるために闘ってんだ、アイツらのために闘ってるんじゃねぇのに』

 

『…だったらよ、もっともっと勝ち続けてみりゃあ良いんじゃねぇのか?』

 

『?』

 

『勝って、勝って、とにかく勝って勝ちまくる。

 

自分が誰よりも強いって証明してやればいい。そうすりゃ自ずと…自然とそういうやつもいなくなるだろうさ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『強いッッ 強すぎる少女ミツネッッッ

 

またしても無敗で 五十勝目だアアァ〜〜〜〜〜〜〜ッッッ』

 

『誰かあのガキを倒せ〜!!!』

 

『ガキに負けて悔しくねーのかへっぴり腰ィ〜!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

『八十勝目〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ

 

止まらない!!止まらないぞミツネェェっ!!!』

 

『…おいおい、マジでか…結局一度も傷負ってねぇぞ』

 

『ま、マグレだろ!!次こそは…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ついに来たこの境地ィッ!!!百勝目ェェェッッッ!!!』

 

『…………』

 

『……………………』

 

 

 

そして彼女はいつしか何も文句を言われることはなくなった。

 

…それと同時に…彼女に面と向かおうとするものは、闘いを望むもの以外居なくなり、

 

そこにはただの”孤独“が残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………』

 

『おい、メシの時間だぞ』

 

『なぁ、オッサン。最近私の周りは静かになったな』

 

『…そうだな』

 

『…………“寂しい”ってのは、今の私みたいなやつのことを言うのかもな』

 

『ほぉ、そんなことが言えるようになるとは…成長したじゃねぇか』

 

『んなことで褒められたって嬉しかねぇよ。

 

…何なんだかな。前は周りが喧しくてしょうがなくて、今はむしろその喧しさが恋しくなってきてる。

 

ままならねぇもんだ』

 

『…そうか。お前、ようやく人間らしくなってきたな』

 

『ああ?何だ突然冗談なんか。そんなに耄碌したのか?』

 

『お前こそンな皮肉言えるとはな。前のお前はそれこそ“獣”みたいなやつだったからよ。それだけでも随分な成長だ』

 

『…成長、ね。人殺して自分は真っ当な人間に近づいてるってか?笑えねぇな』

 

『…その自覚があるだけでも立派ってもんだ。まあ、お前はどのみちもうすぐ自由になる。今ならもう一人でも生きられるだろうよ』

 

『…は?』

 

『もうじきこの闘技場は…いや、上にある娯楽もほとんど無くなる。この街は変わるんだ

 

お前もようやくマトモな道を』

 

 

 

ガシャンッッ!!!

 

『…ざけんじゃねぇぞジジイ。テメェらの都合で連れて来といて、テメェらの都合で放り出すってのか』

 

『…お前、いつか言ってたじゃねぇか。『自分は生きるために戦ってる』って。

もうお前の強さは誰も疑わねぇし、そんだけ強くなってりゃエトワリアのどこに行っても引く手数多だろうよ。だったらこんないわくつきな街に残る必要『ンなこと言ってるんじゃねェ!!!』………』

 

『またそうやって…アンタも俺を捨てるのか!!テメェらで勝手に拾って、勝手に捨てて…!!』

 

『…お前…そうか。

 

何も今回が初めてじゃねぇ(・・・・・・・・・・)ってことか』

 

『…………ッ!!』ギリッ

 

『…一つだけ言わせちゃあくれねぇか、ミツネ。俺は何もお前が疎ましくてほっぽり出したいわけじゃねぇんだ

 

ハッキリ言って、俺は、今までこの街のことを包み隠して生きてきた連中は…クズだ』

 

『!?』

 

『そんな連中に関わってるなんて知れれば、お前のこれから先の生涯にケチを付けるような連中も現れるだろう。

そんなことだけは御免なんだ』

 

『………』

 

『こんな碌でもないもん背負って生き続けるのは、俺達ぐらいで十分だ。だからよ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後…

 

「………」

 

「なぁ、あの女って…」

 

 

「ああ、たしかこないだまで地下の闘技場で…」

 

 

「確か出ていったんじゃ…」

 

「お前…なんで戻ってきやがった。仕事見つかるまでの分の金も荷物も渡しただろうが」

 

「無くした。そもそも仕事とかどうやって見つければいいのか分からん。だから行く宛もここしかない。以上。」

 

「ハァ…もう好きにしろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ああ。夢か」

 

そう。これは夢。

たしかにあった、だけどもうどこかに消えてしまった夢。

 

かつての私はもう今の私のどこにもない。

 

あの日から、もう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バカな女だ…『腕っぷしを頼りに雇いたい』なんて真っ赤なウソだ。

お前は売られたんだよ。あの街の連中にな

 

 

バァンッ!!!

 

「五月蝿いんだよ。死人が囀るな」

 

あんなものは世迷い言だ。私を動揺させ絶望させ、いいように使おうと適当に吹いたホラ話だ。

 

『テメェ、今何つった!!もういっぺん言ってみやがれ!!!』

 

『ああ何度でも言ってやるさ、お前もあの女も、もうこれから先この街にも世界にもいらねぇんだよ!!!』

 

『巫山戯るなよ…要するにテメェは責任のなんもかんも俺達に押し付けて逃げようってだけの話だろうが!!!』

 

『ああそうさ!それの何が悪い!!元はと言えばお前らが始めた誤ちだろうが!!その責任をお前に取らせようとすることの何が悪いんだよ!!

たかだか血が繋がってるだけでお前のしでかしたことをなんで俺が背負わなきゃならないんだよ!!!!

 

「…ああ。これは私が負う責務だ。お前は正しいよ。だから」

 

 

 

 

 

 

『お前はもう黙っていろ。永遠にな』

 

 

 

 

 

そうだ。私はもう戻れない。あの男を殺し、私を、ツヅリ殿()を売ろうとしたあのどうしようもない男を殺し、そしてあの道に足を踏み入れたあの日から。

 

私は進むしかない。孤独な王となろうとも。

 

「だから…」

 

 




次回

『FIGHT SONG』

お楽しみに
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