きららファンタジア 三つ子三銃士の冒険物語   作:山崎五郎

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Q.これ別個に小説として出す方が良くね?

A.細けぇことはいいんだよ!!

エイプリルフールということで初投稿です。








※今回の話にはいじめ、犯罪などの要素が含まれます。
嫌いな方は今回の話は注意して読むか、拝読をご遠慮いただけると幸いです。


パロディシリーズ
英霊召喚


『―――――素に銀と鉄。礎に石と契約の大公』

 

言峰光流(ことみねみつる)×アサシン

 

 

『――――告げる

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に』

 

尾形龍ノ介×キャスター

 

 

『聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ!』

 

リリネット・ベルメール×ライダー

 

『我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者』

 

衛宮切嗣×セイバー

 

 

『されど汝は、その眼を混沌に曇らせ侍るべし―――!!』

 

間桐真霧×バーサーカー

 

 

『抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!』

 

遠坂榊×アーチャー

 

 

 

新番組、『夢幻聖杯戦争黙示録』

 

その願いは、希望か、災いか。

 

 

『…問おう。

 

あなたが私のマスターか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シクレ「エクスカリバー!!(予定調和)」

 

ヤナギ「セイバアアアアアアアアアアアアアアア!!!(本編レベルシャウト)」

 

コノハ「慢心せずして何が王か!!!!」

 

その他大勢『…………………………』

 

きらら「…ええと、シグレ?これは一体…」

 

シグレ「ん。アニメ。

 

最近はエトワリアにも男性クリエメイトが増えてきたし(独自設定)、そっち方面にも需要がありそうなものを作った」

 

ランプ「…それ人気出るんですか?クリエメイトの皆さんからも話には聞いたことがありますけど、そういうのを好む人って…」

 

コノハ「細けぇことは良いんだよ!!というかこのアニメ作るのにどんだけ苦労したと思ってんでぃ!!成功してくれなきゃ困るの死ぬの!!!」

 

ソラ「…ねぇ3人とも、ちょっといいかしら?

その…気の所為じゃなかったら、クリエメイトの声が聴こえたような気がしたんだけど」

 

コノハ「ああ。気の所為じゃないですよ?一部のクリエメイトの皆にも出てもらってるし。

というか今の予告の主要キャスト大体クリエメイトじゃないかなぁ」

 

ランプ「それについてはまぁ、聞くも涙、語るも涙な苦労の数々がありましたよ…特にマキリさん役のひとり様にはそれはそれはもう…」

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

虹夏「えーっ!?やっぱりこのアニメぼっちちゃんが声やってるんだ!?」

 

ひとり「あっはい…この役をできるのはあなたしかいない!ってコノハさんに」

 

リョウ「だいぶイメージ変わってたね。なんかいつもよりハスキーな声だったし」

 

ひとり「あっそれは…結構叫んだりする役だったので」

 

喜多「あ…ひとりちゃんそれで最近よくのど飴とか飲み物とか気をつけてたんだ!」

 

ひとり「あっはい…あ、そ。そろそろ始まりますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

番組が始まった。

 

 

物語の始まりより数年前…

 

どこかの国の協会に一人の女性…言峰光流(CV:九条カレン)が佇んでいる。

 

茶色の髪を方まで伸ばした女性は、光を宿していないその目で天の光に照らされたステンドグラスを眺めている。

 

「…光流、ここに居たのか」

 

「…父上。はい、少し日に当たりに…何か御用でしょうか?」

 

「榊殿がお呼びだ。お前も来なさい」

 

「榊殿が…いえ、分かりました」

 

そして彼女は父…言峰瑠黎(りれい)に連れられ師匠である遠坂榊(CV:若狭悠里)の元へとやって来た。

 

「…待っていたよ光流」

 

「ええ。それで…師よ、果たして此度は何用で私をお呼びに?」

 

「ああ。そうだね…

 

 

 

 

 

 

 

光流、質問返しのようになってすまないが…君は聖杯のことを知っているかな?」

 

「…ええ。存在は知っています。

 

180年前、遠坂、マキリ、アインツベルンの魔導三家が願いを託す為作られた願望機…」

 

「その通りだ。そして…近々、その聖杯が日本のとある場所に出現することが分かった」

「な―――!?」

 

光流が驚きを顕にすると同時、彼女の父瑠黎もまた、語り始める。

 

「何のことはない。以前行われた第三次聖杯戦争…それより60年がたった。聖杯の出現する周期もそれ以前と同じであったからな。特定は容易い」

 

「そういうことだ。そして、今回の第四次聖杯戦争に私もまた遠坂家の代表者のマスターとして参戦することが決まっている」

 

「…成る程…して師よ、重ねて申し上げますがそれを伝えて私に何よせよと?」

 

「…光流、君もまたマスターとして共に聖杯戦争に参加してほしい」

 

「なっ――――」

 

「まあ、驚くのも無理はない。聖杯戦争とはそもそも七人のマスターとその者達が呼び出した7基のサーヴァント(英霊)の果たし合い…表向きには敵対することとなるからな」

 

「…表向きには、ですか」

 

「そう。君には私の協力者として聖杯戦争に参加し、共に戦ってもらいたいんだ。その為に、少しばかり魔術師としての訓練を受けてもらうことにはなるがね」

 

「なに心配はいらぬよわが娘。この私もまた聖堂協会の監視者として共に冬木に向かう故」

 

「…承知しました我が師よ。この言峰光流、我が全霊を持ってあなたの勝利に尽力いたしましょう」

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

…ロンドン。

 

魔術協会の始まりの場所、時計塔。

 

魔術師の卵達が日々一流の魔術師を目指し励む場所。

 

その廊下で、生徒の一人であるリリネット・ベルメール(CV:直樹美紀)は憤慨しドカドカとわざとらしく音を立てながら歩いていた。

彼女は誰の目から見ても不機嫌であった。

 

「くそっ!!バカにしやがってバカにしやがってバカにしやがって!!!」

 

事の発端は彼女が講師であるフォルネウス・エルメロイ・アーチボルド(CV:八神コウ)に提出したレポートである。

 

『例え優れた血統ではなくとも、たとえ積み重なった刻印や魔術回路がなくとも、努力と研鑽を積み重ねれば誰であろうと一流の魔術師となれる――――』

 

自身もまた未熟な魔術師であるからこそ、リリネットはそう考え、それを詳しくまとめ提出した。

それを見れば天才的な血統を持つ名家出身のフォルネウスであろうと自分を認めざるを得ないであろうと。

もう未熟者などと呼ばれることはないだろうと。

 

だが。

『魔術師の優劣は才能によって決まる。哀しいことではあるが、これは覆しようのない事実である。

優れた血統を持たぬものが努力すれば一流になれるというのは、例えるならそんじょそこらの野生馬でも競走馬の頂点に立てると言っているようなものだ』

 

と、何とも絶妙な加減で自らの意見をあっさりと叩き伏せられた挙げ句、そのレポートを目の前で破いてみせたのだ。

リリネットからすればこれほどの屈辱はないだろう。

 

…勿論、どちらの言い分が正しいかは火を見るよりも明らかなわけではあるが。

 

「畜生、畜生…どうやったらあっと言わせることができるんだ?僕があいつより優れているって証明するには…」

それからしばらく、リリネットはフォルネウスに借りを返すこと(半ば逆恨みではある)のみを考えていた。

 

 

 

そしてそんな折、彼女のもとに一つの情報が入った。

 

ここより離れた東国の島国日本。そこで行われる聖杯戦争に、フォルネウスが参加するという話だった。

 

早速彼女は聖杯戦争についてあらゆることを調べ上げた。

幸い時計塔には魔術に関する書物は腐る程あったため、直ぐ様調べ上げることもかなった。

 

 

『―――――聖杯戦争とは、マキリ、遠坂、アインツベルンの三家により作り出された、万能の願望機と呼ばれる聖杯を巡った魔術師達の争いである。

 

参加する七人の魔術師はマスターと呼ばれ、セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーの7基の英霊を元にしたサーヴァントを使役し争う。

 

第一次の時点では最初のうちは争うことは想定されておらず、

霊地の管理者であった遠坂が『土地』

 

呪術に優れたマキリが『サーヴァントの技術』

 

錬金術と第3魔法にすぐれたアインツベルンが受け皿となる『聖杯』をそれぞれ提供し行われた。

その為この三家は御三家の扱いとなっており、令呪は三家に優先にして配布される。

 

とある魔術儀式を元にしいざ聖杯を完成させたものの、一部の者達は万能の願望機に目がくらみ、それを独占しようと試みた。

 

更に第一次時点ではサーヴァントを使役するための令呪が存在しておらず、サーヴァントが暴走するなど多大な騒動となり、そもそもまともな形とならず幕を閉じることとなった。

 

第二次にて制御のための令呪や詳しいルール、魔術協会や聖堂協会との取り決めが成立したもののまたしても失敗、更に第三次時点では第二次世界大戦の最中であった為に聖杯戦争は中断となっている…』

 

 

「うーん。取り敢えずマスターとして認められるには私もサーヴァントを呼び出さなきゃってことかな。ええと…」

 

『サーヴァントを呼び出すにはそれに準じた聖遺物があることが望ましい。無くとも召喚自体は可能であるが、その場合期待はできないものと考えられる…』

 

 

「で、倉庫に来てみたは良いものの…あーっもう!!なんでこんな馬鹿みたいに広いんだよ!!

ハア…やっぱ思い上がりなのかなぁ…大体サーヴァント呼び出せたとこで勝ち抜けるかも分からないし、認めてもらえるかどうかも………

 

 

 

 

――――――っ!いや、諦めてたまるか!!絶対絶対ぜっっったい!!認めさせてやるんだああああ!!」

 

…その声に応えるかのように、棚の一つがガタリと揺れ。

 

「痛っっったあ!?なんだ、何が落ちてきたん、だ…」

 

―――――それは聖遺物だった。

 

かのアーサー王伝説に語られる円卓の欠片。

それがリリネットの頭上より落ちてきたのだ。

 

そして数日後、リリネットはそれらと幾つかの魔導書を伴って日本は冬木市へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本、冬木市。

 

とある高校の教室の一角。

 

授業が終わり、教室から出ていこうとする。

 

それを、派手派手しい女性とが呼び止めた。

 

「せんせー!私らなんかちょっと気分悪いんで〜次の授業休んでもいいですか〜?」

 

「…ああ。でも、あんまり休みすぎるなよ」

 

「はーい。…ほら間桐(まとう)、アンタも来なよ」

 

「…うん」

 

ああ、またか。

そう少女…間桐真霧(まきり)(CV:後藤ひとり)は思った。

 

何のことはない、それは彼女にとっての日常であるからだ。

 

そうして出ていった少女たちを、一人の男子生徒が見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ばしゃり。

また水を掛けられた。

 

壁際に追い込まれ、叩かれ、蹴られ、罵詈雑言を浴びせられる。

 

もう何が原因でこうなったのか、なんでこんな目にあっているのか、そんなことを考えるのもやめた。

 

そんなことを考えたって、どうせ現実は変わってくれない。

 

ただ、私にできることは一つだけ。

 

我慢すればいい。そうすればそのうち皆も飽きてくれる。

そのうち私以外の誰かを見つける。

 

そのうち。そのうち、そのうち…

 

だから今は我慢するんだ。

 

我慢して、我慢して、我慢して、我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して―――――

 

「お前ら何やってんだ!!」

 

「えっ!?ちょ、碧、クン…!?」

 

「―――――――ぁ」

 

「大丈夫、真霧さん?

 

―――――――お前ら、一体何やってるんだ!?」

 

「え、いや何って…その」

 

「なんだ、言えないようなことしてたのか!?まさか、遊んでたとか言うんじゃないだろうな!?」

 

「え、えっとぉ…ちょっとどうなってんの!?誰か来ても止めろって言ったよね!?

 

いや、止めようとしたんだけどさ…!

 

「何話してるんだ?…誤魔化そうとしてるなら無駄だぞ。全部先生に報告しておくからな!

二度と真霧さんに近寄るな!!」

 

「…チッ、うざ。行こーぜ」

「ちょ、ちょっと…」

 

「良いって。先生にチクるのも好きにすれば?どーせ信じてもらえない(・・・・・・・・・・・)だろうけどさ」

 

「――――――あっ」

 

「真霧さん、大丈夫?」

 

「碧、くん…はい、大丈夫、です…?」

 

「そ、そう…いや、大丈夫じゃないよ!?とりあえず保健室だ、それから」

 

「…!い、っ、嫌…!」

 

「えっ」

 

「―――――――ぅあ、えと、だ、大丈夫、ですから。

 

―――――――――一人で、何とか、出来ますから…それじゃ」

 

 

 

 

 

 

間桐真霧。

彼女が保健室に連れて行かれるのを嫌がった理由は2つ。

 

1つは彼女自身が惚れている相手に素肌を見せるのが恥ずかしいという少女らしい意志。

 

もう1つは、彼女の祖母が原因となっている。

 

彼女の身体には痣がある。

それも普通の人間にはないような不思議なものだ。

 

祖母は『それはお前にしかない特別なものだ、大事にしろ』と普段から言っているが、それが原因で今まで散々な目に会ってきたのだから溜まったものではない。

 

 

 

「ねえ」

 

 

 

 

…いつもならなんとも思わない声が、今日は酷く恐ろしく身体に響く。

 

あからさまに不機嫌な声だ。

 

「随分目ぇかけられてるんだね、碧くんにさ?何であんたみたいなブスに…」

 

「えと…私に、言われても」

「あ゛?」

 

「ひっ…」

 

「放課後、いつもの場所な?

 

――――来なかったら、分かってるよね?」

 

「―――――――っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬木市郊外。

 

日本国には似つかわしくない見た目の古ぼけた城の教会堂で、銀髪の青年が膝を付いて祈っている。

 

その青年はとても麗しい見た目であり、街を歩いていたならば思わず目を奪われ振り向いてしまうことだろう。

…最も、彼、ユースティ・フォン・アインツベルンは人間ではない(・・・・・・)のだが。

 

「ユース、ここに居たんだね」

 

「――――!キリツグ!!」

 

青年は教会の入り口から聞こえてきた女性―――衛宮切嗣(CV:常盤真智)の声に振り向き、そして喜びの表情を浮かべて彼女のもとに駆け出す。

そして二人はそのまま包容を交わす。

 

「お帰りキリツグ、お祖父様と話はついたの?」

 

「うん。聖遺物も確保してきたよ。ホラ」

 

青年の問いに答えた女性は、その手に抱えていた箱から聖遺物を取り出した。

 

――――――それは鞘だった。

 

とても大振りな剣を収めるための、向こう千年は経っているはずの、

とても美しい、綺羅びやかな鞘だった。

 

「これは…」

 

「セイバーのクラスのサーヴァントを呼ぶための物らしい。名前は確か…

 

―――――――全て遠き理想郷(アヴァロン)だったかな」

 

「―――――!それって」

 

「話は後だよ、ユース。さあ、始めよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴッ!!

 

「ゔっ―――げほっ」

 

「おい…何寝てんだよ!?誰が気絶していいっつたよ!?あ!?」

 

「ゔっ、あ…」

 

口の中で鉄みたいな味がする。視界がグワングワンと揺れて酔う。

なんでこんな目にあっているんだろう。

なんでこんな時に限って、あの人は来てくれないんだろう。

 

「―――あー。言っとくけどさ、碧クンの助け待ってんだったら無駄だよ?

今頃あたしらのトモダチと遊んでるとこだからさ」

 

「…?」

 

「まあ、どうせ何言われても納得しねーんだろうけどさ。

ホント…何であたしらじゃなくて、あんたなんかに積極的なんだろう、ねッ!!」

 

「がッ―――――――」

 

とうとう顔を蹴り飛ばされた。痛い。痛い。

痛いよ。

なんでこんな目に合うんだろう。

私が何をしたんだろう。碧くんが何をしたんだろう。

 

――――――――選ばれなかったのは、お前らのくせに。

 

「…ンだよその目。生意気なんだよ…オイカッター出せ」

 

「えっ…?いや、ちょっと、それはマズ」

「あたしは出せっつったんだよ!!早くしな!!」

 

「ヒッ!わ、分かったって…!!」

 

カチカチカチ、と音がなる。

髪を無理やり引っ張られ、起こされた。

 

「あーわかったわ。あんた顔だけは良いもんね。

―――――なら、その顔も無くなれば、碧クンも私達にしか興味なくなるよね?」

 

「――――――――ッ!!」

 

「っ!テメェ…暴れんなや!!オイ、こいつ抑えときな!!」

 

「えっ…う、うん」

 

「―――――っ!!っ―――――――!!!」

 

「ハハッ、何こいつ。こんな時に悲鳴の一つも挙げられないの?あー、それとも怖くて声出ないとか?アハハッ!なら好都合だわ

ダイジョーブだって死なねーから。それに目は切らないであげる」

 

カッターが顔に近づく。尖った何かが肌に触れる感覚がして、視界には怒りと憎悪に歪んだ女の顔とカッターを握っているであろう手だけが見えた。

 

「――――――ぁあっ!!」

 

写っていた手が視界から消えて、女が自分から離れていく。

尖っていた何がが下の方に降りていき、そこが冷えるような感覚がして…

 

「が、あ゛あ゛あ゛―――――――――――――!!!」

 

「―――は、ははっ。いい気味だよ、ザマーミロ。

あんたが、アンタなんかが、碧くんに近づいたから」

 

「う、ぐう…ゔっ!?」

 

痛みが走った。

顔ではなく(・・・・・)手に(・・)

 

右の手の甲に焼け付くような痛みが走る。

 

そして…そこに赤い紋様のようなものが浮かんだ。

 

 

そこで何故か、幼少の頃に祖母に言われたことを思い出した。

 

『良いかい真霧。

もしお前の手の甲に赤い模様が浮かんだら、自分の血でこの模様を描くんだ』

 

「うう――――ふぅッ!!」

 

夢中で血が流れている頬に手を当て、地面に祖母に教えられたそれを描く。

そして。

『描いたら、これを突き刺して…そして、こう唱えるんだよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の冬木市、遠坂家の地下にて…

 

当主である榊とその従者としてやっできた光流は、今後の聖杯戦争に向けての話し合いの待っただ中であった。

 

そして

 

「―――――時間だ」

 

榊が腰掛けていた椅子から立ち上がる。

英霊の召喚を行うためだ。

 

が、少しばかり今回は彼女の想定どおりとはなっていなかった。

 

本来届くはずの聖遺物が、手違いにより間に合っていなかったのである。

本来ならば万全を期すため、最強のサーヴァントたるかの英雄王を召喚するための最古の蛇の抜け殻を用意するつもりだったのだが、それがない。

 

弟子である光流は問いかけた。

『聖遺物を使わずの召喚など大丈夫なのでしょうか?やはり今からでも何か…アサシンのこともあります』

と。

 

しかし弟子に対し彼女はこう返答した。

『いかなる状況においても、常に余裕を持って優雅たれ。

これはある種の天からの『試練』である、と考えよう。

他の聖遺物を探している時間はない。ならば、私自身の力と運で最高のカードを引き当ててみせるよ

 

――――――それに、あのアサシンにはあれで使い所がある。

君が気に病む必要はない』

 

そう優しく告げ、召喚の場へと向かおうとする。

そこでふと、遠坂家の当主の証である赤い宝石が目に入った。

 

―――――ふむ。何かの願掛けにはなるだろう。折角だ。

そう考え、その宝石を手に取り召喚へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「素に銀と鉄。礎には我が大師シュバインオーグ」

 

榊が詠唱を開始する。

魔法陣が光り輝き始め、風が吹き始める。

 

 

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)!!」

「降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

繰り返すつどに五度、ただ満たされる刻を破却する!」

 

「――――――告げる、汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に!

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に!従うならば応えよ!!」

 

リリネットが必死に、しかし確かな決意を込め高らかに詠唱を続ける。

 

 

「誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」

 

切嗣の黒いコートが風に翻り舞う。

その傍らには、彼女を心配そうに見つめるユースティの姿があった。

 

 

「されど汝は、その眼を混沌に曇らせ侍るべし――――汝、狂乱の檻に囚われし者、我は、その鎖を手繰る者―――――――!!!」

 

頬の傷から血がとめどなく流れる、しかし、真霧は詠唱を止めようとはしない。

 

「汝三大の言霊を纏う七天――――

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――――――!!!」

 

―――――――光が満ちる。

 

 

 

 

 

 

「――――――ぁ」

 

召喚を終えた各々の前に、それぞれの英霊が姿を表す。

 

息を切らし、膝をついたリリネットの前に愛馬を傍らに立った騎士が姿を表す。

仰々しい鎧と、頭部を完全に隠した二本角の甲が特徴的な騎士だった。

 

「はぁ、はぁ――――――――?」

 

頬の傷を抑えながら息を切らし、目の前に現れた男を見つめる真霧。

黒い髪、恐ろしげな顔、ギョロリとした目、そして身の丈すら超える大刀。

その背中には、丸に十字が刻まれていた。

 

「――――――これは」

 

聖遺物なしという、半ば掛けに近い召喚。

それにより呼び出されたのは…赤い外套を纏った浅黒い肌の男性だった。

 

「こいつは――――――!?」

 

聖遺物は、かつて彼の者が目指した理想郷の名を刻んだ鞘。

 

しかし、呼び出されたのは彼ではなく…

 

 

彼女、と呼ぶべき見た目であった。

 

 

 

 

「――――――問おう

 

 

 

 

 

 

 

貴方が、私のマスターか」

 

 

 

 

 

 

 

第一話

 

 

 

英霊召喚

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

おおー、と、里のあちこちで声が響いた。

 

「すごいすごい!!りーさんもみーくんも演技上手だったね!!」

 

「ああ、だよな…にしてもビックリだよ、二人がこういうのに出るなんてさ」

 

「ふふ、たまたまオーディション会場の近く通ったらコノハさんに声をかけられたのよ。それでオーディション受けたら受かって…まあ、やるからには真剣にやるわ。ね、美紀さん?」

 

「は、はい!(でも確か先輩の役って…まあ良いか)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ…マチさん、カッコいい声だったなぁ」

 

「カッコいい大人の女、って感じよね!凄いじゃない!!」

 

「そうデス!みんなで毎週見ましょう!!」

 

「……………」

 

「マチちゃん?どうしたの?何だか顔色が…」

 

「…………………何でもないわ」

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「………………」

 

「………………………」

 

「あっあの、皆さんせめて何か反応を…」

 

「…ひとりちゃん。辛いことあったら、すぐにでも言ってね」

「えっ」

 

「ぼっちちゃん!!今度一緒にご飯食べに行こうね!!」

 

「ぼっち、今度何か奢る」

 

「うぇ、えと…」

 

 

 

 

その後、夢幻聖杯戦争黙示録は最終回まで放送され、非常に高い人気を博したものの、そのあまりの内容のダークさから賛否両論が飛び交ったとかなんとか。

 

しかしコノハを中心とした制作陣は、計画通りと言わんばかりの愉悦な表情を浮かべていた。




キャスト


衛宮切嗣:常盤真智(沼倉愛美)


ユース:(柿原徹也)


セイバー:(川澄綾子)


言峰光流:九条カレン(東山奈央)


遠坂榊:若狭悠里(M・A・O)


リリネット・ベルメール:直樹美紀(高橋李依)


間桐真霧:後藤ひとり(青山吉能)


フォルネウス・エルメロイ・アーチボルド:八神コウ(日笠陽子)



主題歌

OP 『oath sign』

原曲:LiSA
歌:メリー・ナイトメア(佐倉綾音)


ED 『MEMORIA』

原曲:藍井エイル
歌:一之瀬花名(近藤玲奈)
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