機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 強行偵察隊の最期です


第100話  Too late

 ルナツー近海暗礁宙域 ユニコーンガンダム

 マサキ・アンドー

 何故過激な奴等は、人の命を何とも思わないような事ばかりするのだろう?それで人が付いていくとでも思っているのだろうか?

 あの娘は、自分がクローンで有るとハッキリ言った。つまりは、本人にも伝えているのだろうか、その寿命が短いということを。あのマッドサイエンティスト共が、テロメアの長さを延長させるなどと、手の込んだ事をするとは思えん。どうにかして、彼女達をいち早く助けなけなれば!

 「マサキ、焦るなよ。お前がどのような生い立ちかは、聞いてはいる。だが、ここは確実に救出することを念頭に入れるんだ。」

 「了解。ありがとう、隊長。」

 「良いさ。各機、30秒後に照明弾一斉発射!照準、敵旗艦周辺。」

 この引き金を引けば、作戦開始だ。焦るな。

 「後5、4、3、2、1、撃てっ!」

 引き金を引く。照明弾用のロケットランチャーから、一斉に照明弾が射出された。次は、予め射出していたダミー衛星からの降伏勧告だな。

 暫く待って居ると、ワラワラとMSが出て来た。ん?薄緑色の大型MS、奴はニュータイプ専用機か?紫色のMS隊を先に進め、そいつは一番後ろに居る。いや、あれはアクシズの艦隊を警戒している?

 「おい、紫色のMS隊、聞こえるか?此方は地球連邦軍第13独立機動艦隊ロンドベルのマサキ・アンドーだ。君達を助けに来た。プルツーって娘が居るんだろ?メッセージを受け取ったんだ!」

 「ザザザッ、 みんな、聞いたね。あの白いMSの所に行くんだ!ザザッ、 協力に感謝する、連邦のパイロット。私達はあんたに従うよ。」

 オープン回線での会話だった為、奴等にも聞こえたのだろう。一斉に攻撃を開始しやがった。一番後の大型MSが、彼女等を守るように戦っている。しかし、多勢に無勢だ。

 「だがな、殺らせるかよ!シールドファンネルッ!」

 3枚のシールドファンネルが、大型MSを守るように展開されて行く。

 「此方も戦闘開始だ!」

 ユニコーンガンダムから緑色の光が溢れ、覚醒モードに変形していく。νガンダムのフィン・ファンネルも彼女等を守るように展開されている。

 お?流石はラー・カイラムのMS隊だ。白と黒の2機が、アクシズ艦隊に突っ込んで行く。アイツ等ばかりに良い格好はさせるかよ。此方も奴等にゃ頭に来てるんだ。

 「ユニコーンガンダム、攻撃を開始する!」

 「待て、マサキ!お前は彼女等を保護するのが優先だ!彼女等はお前を目標に逃げてくるんだぞ!」

 「あ・・・。そっか。了解、彼女等の護衛に努めます。」

 ユウ隊長に言われて、先程の通信を思い出した。これは最前線には行けないな。しかし、彼女等を攻撃してくる奴等は潰して構わないだろう。シールドファンネルを駆使し、全力を尽くすのみだ。

 

 

 同宙域 サダラーンブリッジ

 グレミー・トト

 なんと、卑怯な!こそこそ隠れて近づくなど、流石は連邦。武人の何たるかが分かっていない。

 「プルツーッ!聞こえるかっ?」

 「聞こえてるよ、グレミー。」

 「表の連邦のザコ共を蹴散らしてこいっ!プルシリーズを全員使っても構わん。お前はオリジナルすら倒せるほどのニュータイプだ。お前達の力を見せてやれっ!」

 「任せなグレミー。私達の敵には、容赦しやしないよっ!」

 狂暴な顔で此方に応えるプルツー。流石は下賎なクローン。良いぞ、これは勝てるな。やはり、連邦のクズ共には、下賎なクローン強化人間共に相手にさせるに限る。精々短い命を我々上級国民の為に燃やしてくれ。

 我々が開発した、クローン強化人間。プルツーは、その成功例と言っても過言では無いだろう。我々の技術力の高さを思い知るが良い!

 量産型キュベレイを先頭にし、クィン・マンサが連邦のMS隊に、向かって行く。フフフフ、目に物を見せてやれっ!

 「おい、紫色のMS隊、聞こえるか?」

 ん?オープン回線で、命乞いでもするのか?と思っていたら、あれよあれよとプルシリーズが、敵に投降していく。

 「くそっ!アイツ等を造るのに、どれだけの金と資源が使われたと思っている!殺せっ!プルシリーズは、連邦軍と一緒に皆殺しだっ!」

 一般のMS隊に指示を出したが、それが実行されることは無かった。シールドが宙域を飛び回り、プルシリーズを護り、イルカのヒレのようなファンネルが開いたら、ビームを弾きだした。

 「な、何だ、あの兵器は!?連邦には、あのようなサイコミュ兵器が有ったのか!」

 私達は自分達の技術力ばかりに目を向け、敵の内情を把握できていなかったのか?

 いや、あれは一部の精鋭部隊のみの装備と見た!ここを生き延びれば、まだチャンスは有る!

 「全MS隊を、サダラーンの防衛に集中させろっ!核による飽和攻撃を仕掛ける!ミサイル発射管に核ミサイルを装填させろっ!」

 「はっ!」

 ふん、MS開発競争など馬鹿馬鹿しい。戦術核による飽和攻撃で、生き残れるかな?プルシリーズ諸とも、核の炎で焼きつくしてくれるわっ!連邦の精鋭部隊もこれで最期だっ!

 

 νガンダム

 アムロ・レイ

 この戦場に来てから、真っ黒い悪意を感じる。何処かで感じた事の有る感覚だ。あぁ、オデッサで感じた感覚だこれ!

 「隊長っ!あの敵旗艦から、独特のプレッシャーを感じます!恐らく、核兵器です!」

 「成る程、核による飽和攻撃を仕掛けてくる可能性が有るか。良し、アムロ。俺達は一秒でも早く、あの旗艦を落とす。全機聞こえていたな。付いてこい!」

 隊長とツートップで敵の旗艦に突っ込む。集中しろ、このガンダムなら、敵の攻撃の意思を感知出来る筈だ。

 「そこっ!」

 此方に殺意を見せたMSを次々に落としていく。隊長は敵MSの内、進路の邪魔になりそうな奴を次々に落としていく。右翼側から、MS編隊が近付いてきた!?まだ隠してたのか?いや、隠れてたのか?

 「ここは俺に任せて!隊長達は、あの艦を!!行ってください!」

 ジョブさんが叫びながら、敵編隊に突っ込んで行った。

 「仕方ねーな、俺も行きます。」

 リュウさんが、ジョブさんのフォローに回った。この二人なら、大丈夫だろう。

 「アムロ、決めるぞ!」

 「了解!」

 隊長が敵旗艦に突っ込む。ビームサーベル二刀流で、ミサイル発射管周辺を徹底的に潰して行く。

 「一番熱量が多い場所だ。行けっ、フィン・ファンネルッ!」

 残ったフィン・ファンネルで残りの発射管も潰した。これで、もう戦えない筈だ。敵MS隊の抵抗が弱くなったように感じる。

 いや、まだだっ!なんて往生際の悪い。敵旗艦のエンジンに火が入った。ラー・カイラムに向けて特攻する気か。どれだけ距離が有ると思ってるんだか!無駄なことを。ビームライフルで、旗艦のエンジンを破壊した。

 「何故邪魔をするっ!」

 ん?オープン回線で何を言ってるんだ?

 「攻撃の意志が有る敵を無力化することに何の問題が有るんだ?」

 「敵だと?人類全体のために起った私グレミー・トトに対して、どんな考えで立ち塞がるのだ!」

 「人類全体のために??」

 「そうだ!なんの大志も抱かず、地球を食い潰す腐った政府に飼い慣らされたゴミ虫共を何故守る必要がある!私は大義に因って起っているのだ!道を開けろ!」

 何を言ってるんだろう?

 「人類の大量虐殺が人類のため?何を言ってるんだ、あなたは。」

 「よせ、アムロ。」

 「隊長?」

 「今まで戦って来た中で、コイツ等ほど品性下劣で、頭の可笑しい、選民思想に凝り固まった奴等は居なかった。まるでギレンの悪意のみを、育てたような奴等だ。話すだけ無駄だよ。折角相手が戦う意志を見せてるんだ。素直に止めを刺そうじゃないか。」

 「そうですね。」

 サダラーンのブリッジを中心にビームライフルで蜂の巣にしていく。グレミーなる人物が、「馬鹿な!」とか「この私がこんな処で!」とか言ってたけど、こちらの方が馬鹿な!だよ。人を人とは思わないような研究とか、マジで引くんですけど?連邦軍にバレれば、マジで殲滅対象に成るの、解らなかったのかな?

 「撃ち方止め!ミサイル発射管は潰したが、まだ核ミサイルは残っているだろう。奴等が核ミサイルで武装していた証拠に成る。この艦の生き残りを確保した後に、全ての核ミサイルを確保する。」

 サダラーン以外にも、1隻だけ生き残った艦が有ったが、取り調べは厳しいものに成るだろうな。組織としてクローン強化兵を導入しているんだ。

 もう、彼等に慈悲はない。宇宙残存の全艦隊が彼等を裁くだろうな。南無。

 




 グレミーさん、退場です。
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