機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 サダラーン確保です。
 すいません、予約ミスで本日二話投稿に成ってます。
 今後は気を付けます。


第101話  学術の狗

 ルナツー近海宙域 ガンダム・スプリガンⅡ

 キイチ・カシマ

 「貴艦は、ブリッジを破壊され、推進機も破壊された。抵抗をやめ、クルーは武装を解いた状態で全員食堂に集合しろ!今から、30分後に陸戦隊がそちらに向かう。抵抗が有った場合、直ちに貴艦を沈める!」

 サダラーンの船体にスピーカーを着けて、降伏勧告を行った。最期まで抵抗する者も居るかなと思ったが、結構アッサリ降伏勧告に応じるようだ。抵抗する意志が感じられない。

 ただ、暗い不愉快な感覚が有る。おそらく、ここにプルツー達を調整していた奴等が居るな。

 「隊長、奴等はブリッジに居なかったようですね。」

 「あぁ、憎まれっ子世に憚るって奴かな。本当に悪い奴はしぶとく生き残るらしい。だが、奴等を栄えさせたりはしない。決してな!」

 「ですね。」

 アムロが呟くように同意する。彼がひねくれる事無く成長してくれた事は、確実に俺達の戦力増強に繋がっている。一年戦争の頃から目覚めたニュータイプ能力に、翳りが見えない。ミノフスキー粒子散布が当たり前に成った昨今、有る意味高性能レーダーよりも、アムロの感覚が正確に敵の位置を把握している。

 「でも、ジュドーに実戦を体験させたかったですね。」

 「無茶言うな。ラー・カイラムに乗せるだけで精一杯だよ。パイロット養成学校に編入する手続きもしてるんだ。数年後には、俺達と一緒に働く事に成るだろう。今は、戦場の空気を感じることが出来ればそれで良い。」

 「そうですね。それに、プルと一緒に彼女達の支えに成ってくれれば。」

 「あぁ。彼は、パイロットの原石だよ。飛びっきり上等なな。ここで無茶をさせる事は無い。」

 ジュドーはしっかりし過ぎていて気付かなかったが、まだジュニアハイの生徒だった。マジかよ。あんなしっかりした子供が居るのかね?一年戦争の時のアムロと比べ物にならないよ。そりゃあ、親御さん達も、安心して出稼ぎするわ。あの兄妹は、おかしい。

 「オヤブン、陸戦隊が来たみたいですよ?」

 ラー・カイラムから、スペースランチに乗った部隊が近付いて来た。

 「よし、回線を繋ぐ。ユニコーン隊の各機は、周囲の警戒だ。陸戦隊が引き揚げるまで、確実に安全を確保だ。」

 「「「了解!」」」

 さて、どこの機関の生き残りかねぇ?やっぱりフラナガン機関かな?ムラサメ研の行方不明者の線も捨てがたい。どっちにしてもロクデナシは確定か。

 答えは両方だった。

 

 

 ラー・カイラム尋問室

 ブライト・ノア

 吐き気が治まらない。エルピー・プル、11歳。彼女をパイロットとして戦争に参加させようとしたことにも怒りを覚えるが、プルツー達はもっと酷い。

 プルツー、肉体年齢11歳。実年齢6歳。成長促進剤とスリープ学習で無理矢理成長させ、戦士として育てられただとっ!!ハサウェイよりも幼い。チェイミーと変わらない年頃か!?狂っている。目の前の科学者気取りの糞野郎は、自分達研究者の成果を誇らしげにほざいていやがるが、その顔面を殴り飛ばしたてやりたい。

 何故こんな事を平気でやれるのか?ヘンケン、オットー両艦長も立ち会って居るが、顔面が蒼白だ。

 「分かった、少し休憩しよう。博士はこちらで休んでいて下さい。私達は、一旦ここを離れます。ヘンケン艦長、オットー艦長。少し外に出ましょう。」

 「あ、あぁ。そうするか。」

 私達は重い足を引き摺り、尋問室を出た。休憩所に着いた途端、オットー艦長の目から涙が零れる。

 「人は何故ああも残酷になれるのかな。」

 「分かりません。何故あのような研究で自慢できるのかも。人の痛みを理解できない年では無いだろうに。」

 「私が彼女くらいの年は、科学の発展と言う言葉に夢を抱いたよ。空を見上げれば、宇宙にはスペースコロニーが有って、そこには人が住んでいる。私が大人になる頃には、一番近い地球型の惑星が有る、シリウスにも人類は行けるんじゃないかとか本気で考えていたものだ。それがどうだ。大人が寄って集って少女のクローンを造り、その幼子を薬で強制的に成長させ、人殺しの道具にしようとしていただと。外道め!まるで、科学の闇の部分を見た感じだ。」

 オットー艦長も、昔は夢見る少年だったんだな。

 「嘆いているばかりではいられませんよ、オットー艦長。奴等が言っていた、事が本当なら、とんでもない事態になる。数多のクローンを成功させた上、我々は遂に、真のジオンを継ぐ者を造り出すことに成功したって言葉。奴等、他にもクローンを造り出した事になる。それも複数人の。いったい・・・。」

 ヘンケン艦長は、悪い顔色のまま、差し迫った脅威に目を向けている。

 「キャスバル・レム・ダイクン、若しくはギレン・ザビか。戦力も必要で有るから、おそらくは前者か。」

 「それだけで済みますかね?」

 「後、元フラナガン機関に居た人物及びムラサメ研に居た人物でしょうね。」

 「マサキ少佐かっ!」

 「ええ、可能性は有ります。あれだけの戦果を挙げている人物ですし。ダイクン議長の奥様は、フラナガン機関出身だと聞いたことも有ります。これは、共和国側に問い合わせしなければ。」

 「命の冒涜がアクシズでは、ここまで進んでいるとはな。彼等も助けてやりたいのだがな。今回は彼女達が、自ら助けを求めたから上手く行ったが、次はどうなるか。」

 「少なくとも、アクシズは確保したい。彼女等を救う術が有るかもしれんしな。」

 「どれだけの資料が確保できるかな。」

 「そのためにも、多くの情報をあの科学者から取らなければ。後一つ疑惑が有ります。」

 「なんだ?」

 「この科学者達に、連邦側から資金や技術提供の有無です。何かおかしく感じませんか?何故奴等にムラサメ研の生き残りが合流出来たのか?どこからその研究で使う資材が確保出来たのか。」

 「まさか!」

 「えぇ、連邦側に彼等を支援した者達が居ると思います。」

 「馬鹿なっ!!」

 「そうでないと、考えられないのですよ。人のクローン迄ならなんとか成るかも知れませんが、成長促進剤は、どこでその材料を?スリープ学習なんて、軍内でもマトモに導入されてませんよ?そんな最先端技術が、アクシズの中だけで発展する筈がない。」

 「まさか!」

 「アースノイドとスペースノイドの対立を望んでいるのは、何もジオン軍残党のみでは無いと言うことです。アースノイドの中にも、スペースノイドを押さえ付けようと思っている勢力が有ります。」

 「馬鹿な・・・。」

 「狂ってるな。」

 「取り合えず、調べなければなりません。尚一層気を引き締めましょう。ルナツーの艦隊が合流出来次第、サダラーンとエンドラの処遇は任せましょう。合流迄に少しでも多くの情報を引き出さなくては。」

 「「了解。」」

 こういう事なら専門の尋問官や、捜査官を同乗させるべきであったな。

 アクシズの被害者がどれ程に成るのか、予想するだけで、暗澹とした気持ちになるブライト達であった。

 




 原作でプルはプルツー達の存在に気付いて無いようでした。やっぱり勝手に細胞を培養されたんでしょうかね?しかも、殆ど同じ年齢って事は本当の年齢は・・・。本作のプルツー達の年齢は捏造です。誰か本当の年齢知ってますかね?
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