機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 共和国軍いよいよアクシズへ、


第102話  ジオン共和国軍、波乱まみれの出港

 ジオン共和国軍旗艦レウルーラ 会議室

 ジョニー・ライデン

 5分前に、奴に会った。

 「議長の推薦で作戦に参加することに成ったフル・フロンタル少佐です。よろしくお願いします。」

 時間ギリギリに来た上に、いけしゃあしゃあと言いやがった。

 「よし、お前ちょっと来い。」

 有無を言わさず、会議室に連れ込む。会議室に入るなり、腰の入った腹パンを食らわせてやった。

 うずくまって、暫く悶えていたが、復活早々こう言いやがった。

 「酷いじゃないか。パワハラかね?」

 もうこいつ、顔面の形が変わるぐらいぶん殴ってやろうか?頭に血が上るのを堪えながら、ゆっくりと訊ねる。

 「なんの真似だ、キャスバル・レム・ダイクン議長?てめえ、まさかばれてないとでも思ってんのか?あぁぁん?」

 俺も丸く成ったもんだ。

 「く、苦しい。は、話すから、襟から手を離してくれ。」

 おっと、ついつい絞め落とそうとしていたか。

 「すまんな。悪ふざけが過ぎる奴を見ると、ついつい教育してやりたくなってな。で、議長さんよ、なんのつもりだ?」

 目の前で咳き込んでいるこの馬鹿に聞いてみる。

 「いや、先ずこれを見てくれ。データ名はマッドの供述だ。」

 先日再度レビル大統領から送られたデータだと言って差し出して来た。俺に機械を使わせる気らしい。この野郎、自分でやりやがれ。横着しやがって。仕方なく、動画データを再生してやった。ん?取調室か?

 「これは、先日アクシズの強行偵察隊を壊滅させた、連邦軍のロンド・ベル隊から送られたデータだ。生き残りの中に、クローン製造チームの科学者が居たらしい。そいつの尋問の様子だ。」

 なに!?このヒョロガリが科学者の一人!?

 「フフフフ、そうです。私達クローン開発チームは、プルシリーズごときで満足などしてませんよ。私達の目標は、人類の革新!真のジオンを導く者。いや、人類を導く究極のクローンを造る事です。そして、それはもう完成しています。数多の実験を繰り返し、既にニュータイプのクローンは出来ているのです。それを超えるクローン。もう一度言いますよ?究極のクローンを造ることに成功したのですっ!ヒフ、ヒヒヒッ。MS技術では正直、連邦軍には及ばないでしょう。ですが、生命の創造と言う分野ならば、我々が勝っているのですっ!ヒヒヒヒヒ~。」

 「確かにそのようですね。では、具体的に誰のクローンが作れたのですか?まさか、名前も知られていない一般兵じゃないですよね?」

 「ヒヒヒヒヒ、煽るのが上手いね君。でも驚くよ?ヒヒッ。先ずは君達もよく知っている人物だよ。今は確か名前が変わってるかな~?なんて言ったっけ彼?ゼロとしか言って無かったから・・・。蒼鬼の相方の。」

 「マサキ・アンドー少佐か?」

 「そうそう、彼!彼は元々強化人間だったけど、ゼロワンからゼロファイブまで作ったよ。いやぁ、あのタイプはパイロット適正が高いね~。オリジナルが活躍するだけは有るよ。でも、ジオンの強化人間はいまいちだったよ。彼女等はゼロシックスからワンゼロまで作ったけどね。でも何が幸いするか分からないね。彼と彼女等でチームを組ませてみると、意外と相性が良いんだよ。想像以上の成果を出すんだ。いや、ビックリだね。これだから研究は止められないよ、ヒヒヒヒヒ。」

 胸糞悪い。その後も、色々な名前が出てきた。

 シャア・アズナブル、ララァ・スン、クスコ・アル、マリオン・ウェルチ、ハマーン・カーン。正直、マリオンとクスコの二人は、あまり知らないな。だが、女が多いな。

 「何故プルシリーズだけ、11人もクローンを作ったのかね?クローン技術の安定性の検証かね?」

 「ご名答だよ。科学的実証試験と検証だね。でも、エイト以降は、どうやら質が落ちるらしい。僅かだがね。」

 「ほう、やはりか。流石は一流の科学者だな。余念がない。ところで究極のクローンとは、いったい誰かな?ギレン・ザビかね?」

 「ヒヒヒヒヒ、違うよ。今言ったクローン同士を掛け合わせたのさ。ヒヒヒヒヒ。シャアクローンとララァクローンを掛け合わせて作った子供。彼は最高だよっ!ヒャハハハハハハハハハ。

 薬で無理矢理成長させたんで、妊娠が出来るか心配だったんだけどな。精子と卵子を取り出して、成功したよっ!お陰でシャアクローンとララァクローンが一体ずつ、使い物に成らなく成ったがな。だが、それ以上の成果だったよ。ヒヒヒヒヒヒ。

 そうだ。私達は研究が出来れば、場所はどこでも良いんだ。我々を雇わんかね?いや、雇うべきだよ。ヒャハハハハハ。」

 耳につく笑い声だ。俺は再生を止めた。吐き気がする。これ以上聞いていられない。耳が腐るようだ。

 これは、もう止められないな。いや、止まらんだろう。

 「これか?これが理由か?」 

 「あぁ、それもある。やはりこやつ等を野放しには出来んし、生かしておく訳にもいかん。それに、彼等を出来ることなら救いたい。こんな悲しい形で人は生まれるべきではない。そう思わないか?あんな歪んだ形で生まれた彼等に、戦争を強要するのは間違っている。静かに、そして温かい環境で育ててあげるべきだ。

 頼む、どうか俺に力を貸してくれっ!」

 「お前、これ最後まで見たのか?」

 「あぁ。」

 「良く見れたな。と言うか他人事じゃ無いのか。すまん、失言だった。ところで使い物に成らなくなったクローンの話は有ったのか?」

 「あぁ。聞かない方が良い。怒りで平常心を保てなく成る。」

 「そうか。糞に集るウジ虫だな、コイツ等。」

 「そうだ。だから頼むっ!今回だけは、俺にも戦わせてくれ!」 

 そう言って、この野郎は、俺に頭を下げやがった。ちくしょう、これじゃ反対出来ねえじゃねえか。大きなため息を一つ溢す。

 「仕方ねえな、付いてこい。コンスコン大将に会わせてやる。だがくれぐれも単独行動は禁止だっ!俺とコンビを組め、それが条件だっ!」

 「了解。MS部隊長殿。」

 

 こうしてジオン共和国軍アクシズ攻撃艦隊は、一部の大将や将官の胃痛を犠牲にしながら出港して行った。

 

 

 シナンジュ・スタイン

 ジョニー・ライデン大佐

 今回の突っ込み役。振り向きざまに、腰の入った腹パンかましても、本人的には突っ込みを入れただけ。本人は丸く成ったもよう。もちろん機体は赤く塗装させている。

 

 サザビー(魔改造)

 フル・フロンタル少佐

 今回どつかれ、絞めおとされようとした人。もちろん正体は議長さん。変態科学者に怒髪天状態だが、ジョニーに怒られるのは覚悟していたらしい。素直に叩かれている。

 もちろんサザビーはフルサイコフレーム化。

 

 メッサー先行試作機

 シン・マツナガ中佐

 白く塗装されたメッサー先行試作機。もちろん設計段階から、アナハイムレディースが関与。高速機動と大型化を両立された傑作機。

 今回の作戦参加に伴い昇進。

 フル・フロンタルが着任の挨拶をした直後に、ジョニーに連れられて行く姿を最初から目撃しており、頭を抱え特大のため息を吐き出すことに成った苦労人。

 ジョニーに付いて行かない辺り、早々に色々と諦めたもよう。胃薬が彼のラッキーアイテム。

 

 防衛隊所属レッドチーム

 隊長のケン・ビーダーシュタット少佐のみギラ・ドーガ指揮官機を拝領。隊員達はギラ・ドーガに搭乗。

 もちろんギラ・ドーガは正史以上の性能を持つ傑作機。

 

 マルコシアス隊

 ダグ・シュナイド大尉がギラ・ドーガ指揮官機を拝領。隊員達はギラ・ドーガに搭乗しているが、アンネローゼ・ローゼンハイン少尉だけはヤクト・ドーガ(赤)を拝領している。

 

 アグレッサー隊

 零零ガンダムⅡ

 トラヴィス・カークランド少佐

 連邦軍から、直接アグレッサー隊に譲渡された機体。部隊の性質上アグレッサーを勤めることが多いためでも有るが、一年戦争時の献身に感謝する意味でもある。決してレビル大統領がガノタだからではない。

 息子達の隊とよく絡むことが有り、最近は蟠りも無くなって一安心。最近の悩みは、ダグが嫁を取らない事のみ。

 

 キャノンガン

 ハインツ・ハイウェイ大尉

 同じ理由で連邦軍から譲渡された機体。マトモな機体を渡されて一安心。後の2機は頭がおかしいと言って寄り付きもしない。

 基本、アグレッサー隊は最新の情報をガルマ首相から教えられているため、今回のアクシズの暴挙には腹を据えかねている。

 

 Ex-Sガンダム

 チェイス・スカルガード中尉

 テムおじさんに対抗した、アナハイムレディース渾身の傑作。アリスシステムは登載されていないが、そこは自分の腕で勝負。

 持ち前の根性で機体を乗りこなすまでに。

 

 アルト・サイクロプス隊

 3機ともギラ・ドーガを高速機動機にカスタマイズ。何故かギラ・ドーガをたいへんお気に召したもよう。

 

 セント・アクシズ隊

 ヤクト・ドーガ(赤)

 ハマーン・カーン中尉

 改変された激動の宇宙世紀で、シャアに毒されること無く素直に成長出来ると思いきや、エンツォのせいで、酷い目にあった悲劇のヒロイン。

 復讐のため軍門を叩くことに成った。今はただのパイロットとして作戦に集中している。

 

 ヤクト・ドーガ(ギュネイ仕様)

 マシュマー・セロ少尉

 恋する少年は、惚れた少女の為には命も賭ける。ハマーンとタメを張れるぐらいに成長した努力の人。

 

 ヤクト・ドーガ(ギュネイ仕様)

 イリア・パゾム少尉

 ハマーン様の側近として軍門に。ハマーン様にいたらぬ気持ちを隠さないマシュマーを、苦々しく思っているが、作戦に私情は挟まないタイプ。

 




 前回は申し訳有りませんでした。

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