機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 ジャブロー到着後です。ついに二人の転生者が出会います。


第11話  レビル将軍との邂逅

 連邦軍本部ジャブロー会議室 キイチ・カシマ

 現在俺達は、ホワイトベースに関わった民間人とともに、大きめの会議室に集められた。民間人とは、MSチームではアムロ、カイ及びハヤト。ブリッジクルーでは、ミライ、セイラ。後、看護や給事のほかに、保育まで手伝ってくれたフラウだ。何気にフラウさん働き者だな~。お目当てのアムロ君とは無理かもしれないけど、ハヤト君とは幸せになれるから頑張れ。超頑張れ。

 そんなことをぼんやり考えていたら、ガッシリした体型の士官が入って来た。ブライトが指揮を執り、号令をかけた後、全員椅子に座った。

 「貴官らは、民間人にも関わらず、軍事機密のMS及び最新鋭戦艦に関わってしまった。本来なら終身刑と成るところだが、サイド7からの功績を考慮し、臨時任官したものとする。今後、君達は軍人と成るため、制服及び給与が支給されることとなる。なお、この判断に異議の有る者は、この戦争が終結するまで地下牢に拘束されることになる。異議の有る者はいるか?」

 そりゃ無いよな?全員おとなしくしている。

 「異議は無いようなので、引き続き辞令を交付する。」

 全員に階級が言い渡される。

 軍曹・・・アムロ

 伍長・・・カイ、ハヤト、ミライ

 一等兵・・・セイラ

 二等兵・・・フラウ

 戦果を考慮して階級をつけたようだな。次は俺達元からの職業軍人の昇任のようだ。

 少佐・・・テム・レイ

 中尉・・・キイチ、ブライト

 准尉・・・リュウ

 軍曹・・・ジョブ

 軍曹・・・オスカー、マーカー

 他にも色々いるのだが、主要人物ではこんな感じだ。

 「諸君らはこれから一週間ほど、ジャブローにおいて各種検査、講習並びに試験を受けてもらう。明朝0830時に、この部屋に全員集合すること。カシマ中尉及びノア中尉は、このあとここで待機するように。何はともあれ、君達のおかげで新兵器がジャブローに降りることができた。連邦軍を代表して礼を言わせてもらう。ありがとう。今日はこの後は、各自ゆっくりしてくれ。指揮者の指示により解散だ。ノア中尉、あとは頼む。」

 「はっ。起立!敬礼!なおれ!」

 士官が退室後にブライトが全員を解散させた。

 その後、士官が二人来て、俺達は別々の部屋に案内される。ブライトはペガサス級のMS隊との連携について実際に行った戦闘の詳細説明を求められたようだ。

 俺はエレカーに乗せられ、別の建物へ移動する。MS実験部隊の方かなと思っていたが違うようだ。事務所棟の前で降ろされ、奥の部屋に案内される。

 「キイチ・カシマ中尉をお連れしました。」

 「入ってくれ。」

 入るよう指示が有ったため、室内に入る。敬礼後

 「V作戦テストパイロット、キイチ・カシマ中尉です。」

 と名乗ったところで固まった。アルプスの少女ハイジに出てくる、アルムのおんじ似のこの人物はまさか!

 「あぁ、楽にしてくれ。君達は下がって良い。念のため部屋の前に警護を付けてくれ。」

 「はっ。」

 と言って案内してきた士官が退室する。

 「そこのソファーで話そう。まずは掛けてくれ。」

 気さくに語りかける最高司令官。

 「コーヒーでも飲むかね?」

 「い、いいえ。結構です。」

 「なに、遠慮はいらん。ここにジョージアやボス、UCCは無いがね。」

 と言ってニヤリと微笑んだ!ま、まさか!顔に出ていたのだろう。レビル将軍は突然笑い出した。

 「良かった。心配してたんだよ。転生者はワシ独りなのかとな。」

 やはり、俺と同じ境遇か。

 「改めて、初めまして。キイチ・カシマ中尉です。転生前は鹿島輝一といいました。○○県警で駐在所に勤務しており、ガノタでした。」

 「そうか、前世の名前まで思い出したのか。ワシは、地方銀行のアラフィフのサラリーマンだったよ。ルウム戦役で頭を打った時に、前世の記憶がよみがえったんだ。君は?」

 「自分はサイド7襲撃時に頭というか、全身を打った時です。爆発で飛ばされて、そのままガンダムのコックピットに入ってました。」

 「そりゃ災難だったね。よく生きてたもんだ。」

 「ええ、空気が薄くなってましたね。ノーマルスーツを着用してなければ危なかったです。」

 すると、レビル将軍はびっくりした顔をした。

 「言ってみるもんだ。パイロットのMSデッキでのノーマルスーツ着用義務ね。あれワシが指示したんだ。おかげで転生者と会えることになろうとは。」

 「そうでしたか。おかげで助かりました。他に転生者は居ないのですか?」

 「今のところ分からん。ある程度の宇宙世紀、特に1年戦争の流れは解ってるんだがね。はっきりと歴史を変えて、聞いたことがない人物は君だけだよ。今、歴史以上の戦果を上げる人物がいないか探してるところだけどね。結果はサッパリだ。」

 「そう言えば君の所のジョブ・ジョンはどうかね?彼も原作に無い活躍をしてるみたいだが?」

 「いや、彼は微妙です。ただのパイロット候補生ですね。転生者だった場合、シミュレーターとか激熱とばかりに食い付くと思うんですが、そんなことはありませんでした。しかし、鍛えれば鍛えるだけ伸びるし、筋は良いですよ。」

 「原作で活躍の場が無かっただけか・・・まあ良い。その件はこちらで引き続き探すとしよう。後で正式に辞令を出すが、君達ホワイトベース隊は、今後解散はしない。補充人員は乗せるがメインメンバーは現状維持だ。君達は一週間後、私直下の第13独立戦隊として北米に行ってもらう。おちびちゃん3人組は、彼らが希望したら艦に乗せようと思う。あぁ、テム・レイ少佐は北極基地に異動だ。新型ガンダムの開発に携わってもらう。ワシからは以上だ。明日からの訓練頑張ってくれ。」

 「了解しました。」

 「原作以上の結果を示してくれた君だ。彼らの事をよろしく頼む。彼等こそ我々の希望だ。」

 「分かりました。微力ながら全力を尽くします。」

 こうして、俺はレビル将軍と志を同じくするようになった。

 自分の原作知識が、どこまで通用するか分からないが、戦乱の未来を回避するため全力を尽くそうと思った。

 

 

 




 次回はジャブローの一週間です。

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