機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 一般のパイロットとして、あの方が。


第105話  救いの手と、足掻く者

 一年戦争からこっち、デラーズの乱やら、何やら有ったが、俺達サイド7守備艦隊MSパイロットは平和を謳歌していた。

 そこに1年前から、お飾りのクセして、やけに威張り散らす司令が赴任してきた辺りから、おかしな連中が基地に出入りするように成ってきた。なんか、やけに威張り散らす自称エリートのパイロット部隊が2小隊と、15~16ぐらいの男女のガキを10人連れて来て、MSの訓練を始めやがった。

 どこで仕込んだのかは知らねえが、えらく腕が立ちやがる。しかも男のガキ5人は全てガンダムときた。女の方は最近出回っているキャノンガンか?

 しかし、男のガキが乗ってるあれって、確かNT-1だよな?武装が増えてるが、一年戦争で白い流星が乗ってた奴だ。ソロモンで助けられたから解る。

 今思い出しても、あれは凄かった。このジェガンでさえ、あの動きに着いて行ける自信がない。

 うちの若い連中は信じちゃいないが、あれはおそらくジェガンよりも高性能だ。一年戦争の時点であの性能だ。今ロンド・ベルのエース達が乗ってるMSは化け物だろうな。つくづく連邦軍に入って良かったぜ。

 アクシズが戦意を持って地球に接近してるって事で、俺達サイド7の守備艦隊にも出動指令が出た。

 それは良い。そりゃあ、地球圏の平和を乱そうとする阿呆は、俺達が潰さなきゃならんだろう。

 しかし、あのブタ司令がノコノコと着いてきて何をするつもりだ?そして陰気なガキ10人と、やたら威張り散らす自称エリートパイロット6人。自称エリート様は態度は一人前だが、腕はさっぱりだ。奴等にはジムで充分だと思うが、一丁前にジェガンが渡されている。

 

 現在俺達に、第13独立機動艦隊に攻撃するよう指示を受けている。

 「隊長、どうするんですか!?彼方は明らかに友軍ですよ!」

 「あぁ?お前ら何を言ってるんだ?あのブタと第13独立機動艦隊のどっちを信じるよ?圧倒的にあのブタが何か仕出かしてる可能性が高いじゃねえか!各MS小隊に通達。各MS隊は、母艦防衛のみに徹底しろ!絶対に攻撃を仕掛けるな!」

 「それは、聞けんな隊長殿。直ぐに、あの部隊の援護をするんだ。見殺しにする気か?彼等は年端もいかない少年達だぞ?」

 「それを戦場に連れて来たお前達が何を言う!?俺は聞いて無かったぞ!貴様等は何者だ!」

 「地球を愛する、誇り有る軍人だよ。君達スペースノイドに尻尾を振る敗北主義者と違ってな!」

 友軍である俺に向けて、ビームライフルの銃口を向けた。その瞬間、周りのジェガンがエリート(自称)に向けてビームライフルを向ける。奴の顔が青くなる。

 「ここでやる気か?やっても良いが、お前ら死ぬぜ?まぁどっち道、軍には居られなく成るだろうよ。」

 「なんだと!?」

 「お前等、あのブタの手下だろう?あのブタ何をトチ狂ったか、ティアンム大将が差し向けた部隊に喧嘩を売った。もう反逆罪だよ。それすらも分からないのか?お前等、悪いことは言わない。武器を捨てて投降しろ!お前等程度の腕じゃあ、俺達には勝てねえよ。もちろん、第13独立機動艦隊にもな。」

 「くっ!もういい!お前等はそこで指をくわえて見てろ!後で後悔しても知らんぞ!スレッガー、貴様は軍法会議ものだ!この戦いが終わったら俺達に着いてくる奴は着いてこい!逆賊を討つぞ!」

 奴等に着いていくMSは1機も無かった。

 「俺は親切心で言ったんだがな。馬鹿な奴等だ。」

 「スレッガー隊長、あいつ等大丈夫ですかね?」

 「さあな。だが、生きていたら、生きていたでもう会うことは無いかもな。背後関係の尋問と反逆罪のセットだ。どっち道、長くは生きられないかもな。これで良かったですかね、ガディ艦長?」

 「あぁ、上出来だ。やはりアースノイド至上主義者は現実が見えてない。」

 「艦隊を纏めることも出来ない人材を送り込んで、どうするつもりだったんでしょうね。」

 「おそらくは《核》だろうな。」

 「核!?」

 「あぁ。あのバーミンガムにはMS登載能力が無い。しかし、あれだけの船体だ。おそらく核ミサイルをしこたま詰め込んでいるのだろう。」

 「こりゃ、俺達も加勢しなきゃいかんのじゃ無いですかね?ねぇ隊長?」

 「落ち着けアジバ少尉。不要だろうから。」

 「ん?なぜです?」

 「あの小僧共が、あんな無能に操られる訳が無い。とっくに起動出来なくなってるだろうよ。ここからは、只の臨検と尋問タイムだろうぜ。あいつ等がよっぽどの阿呆でなきゃな。」

 この時、スレッガーは見落としていた。奴等はよっぽどの阿呆であることを。

 

 同宙域 零零ガンダムⅡ

 ユウ・カジマ

 「ザザッ・・此方地球連邦軍サイド7守備艦隊MSパイロット、ゼロワン。第13独立機動艦隊、応答願います。」

 「ん?マサキの声?まさか!?」

 「はい。ザザッ・・・自分達は、個体名マサキ・アンドー少佐のクローンとして産み出された兵士ザザッ・・・す。後、個体名レイラ・レイモンドのザザッ・・・も居ます。」

 「そうか。で、君達は投降してくれるのかな?」

 「ザザッ・・はい。お願いしザザッ・・・。」

 閃光が走った。火球が2つ生まれた。誰が殺られた?誰に?同時に突然突進するユニコーンガンダム。

 「どうした、ゼロワン!」

 「突然白いキュベレイが!ゼロファイブとワンゼロが殺られました!」

 「分かった。そちらは、此方に急げ!!全機あの白いキュベレイを抑えるぞ!」

 白いキュベレイ、何者だ?

 「ユウ隊長、白いキュベレイは俺が抑える!隊長達は彼等を!」

 「了解した!」

 頼むぞ、マサキ!零零ガンダムⅡをウェイブライダーに変形させ、前線に急いだ。いったい何を考えているんだ、サイド7艦隊は!

 




 すいません、少し短くなりました。

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