機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 メッチャーさん、退場の巻


第107話  サイド7艦隊の制圧

 ガンダムスプリガンⅡ

 キイチ・カシマ

 

 マサキがキュベレイを押さえている内に、此方はバーミンガムを無力化させてもらうっ!

 

 しかし、あの小者で有名なメッチャー・ムチャが、こうまで反抗してくるとは思わなかった。

 

 「アムロ、奴等核ミサイルを撃ってくる可能性が有る。最大限の警戒をしてくれ。核ミサイルの処置は任せても良いな?」

 

 「大丈夫です。それにしても、敵の抵抗が少なすぎませんか?」

 

 「あぁ、他のMS隊は母艦周辺でバーミンガムを警戒している。」

 

 「奴等、艦隊すらも掌握出来て無いんですかね?」

 

 「おそらく、必要最低限の人員のみで、宇宙艦隊を敵に回せると思ったんだろうな。この様子だと、バーミンガムのミサイル発射要員は奴等の息がかかってるんだろうな。」

 

 「ザザザッ・・こちらバーミンガム予備通信機室、オスカ・ダブリン。連邦軍、第13独立機動艦ザザザッ・・聞こえますか。」

 

 オスカ?ホワイトベースでオペレーターをしていた彼か!?

 

 「こちらMS隊のキイチ・カシマだ。どうしたんだ?」

 

 「ザザザッ・・・良かった。通信が通じた。ザザザッ・・先ずは報告を。現在、バーミンガムの戦闘ブリッジは、メッチャー司令を筆頭とした数名のアースノイド至上主義者に占拠されてます。マーカーは、僕達を逃がすために、銃で撃たれてそのまま戦闘ブリッジに捕まってます。」

 

 「生きては居るんだな?」

 

 「ザザザッ・・はい。お陰で、奴等に同調してない者は全員こちらに立て籠れました。」

 

 「分かった。君達はそこで待っていてくれ。安全は確保されているんだな?」

 

 「はい。保安要員もこの辺りには彷徨いていません。もしかしたら、奴等の同調者は思ったより少ないのかも知れません。」

 

 「ありがとう。なるべく船体を傷付けずに確保する。念のため、ノーマルスーツを着用していてくれ。」

 

 「了解。全員着用済みです。通信は以上です。御武運を。」

 

 「了解。」

 

 これで奴等の内情は分かったな。予備の通信機室って、アーガマでビーチャ達が使って酷い目に会ったあれかな?艦の事はあまり分からん。

 

 「どうします?・・・・・っ!!」

 

 アムロが問いかけてきた所、ミサイルが4本射出された。全部核だこれっ!

 

 「アムロッ!」

 

 アムロは無言でフィン・ファンネルを放ち、ミサイルを迎撃する。瞬く間に4つのドデカイ花火が宇宙を照らす。奴等っ!やりやがったな!?もう言い逃れは出来んぞ!

 

 「各機、バーミンガムを無力化するっ!全員ミサイルに注意しつつ、バーミンガムに攻撃開始っ!」

 

 MS隊から火線が一斉にバーミンガムに襲いかかった。各砲塔が最初に叩き潰される。

 

 「ミサイル発射菅は、トリモチで潰すぞっ!ジョブ、付いてこい!」

 

 「了解!」

 

 ユウ達や、ユーグさん達も、一斉にバーミンガムに取り付いた。バーミンガムのミサイル発射菅は、あっという間にトリモチで使用不能状態に。俺のスプリガンⅡは、ブリッジに取り付き、接触回線で降伏勧告をした。

 

 「こちら第13独立機動艦隊所属、MS隊隊長キイチ・カシマ大佐だ。無駄な抵抗は止めろ。今から陸戦隊による臨検を行う。」

 

 「馬鹿がっ!そんなもの受け入れる分けなかろう!こちらには人質がいるんだ。お前の仲間なんだろう?」

 

 銃で肩を打たれたマーカーをゴツイメガネゴリラが引き摺って来た。あ、コイツがバスクか。Zを見ていた頃から思っていたが、本当に下衆だなコイツ。

 

 「キイチさん、、、俺に構わず、、ブリッジを潰して下さい。ここに居るのは、、、司令の、、息の、かかった、、だけ、、ですっ!」

 

 「五月蝿いっ!」

 

 バスクがマーカーを張り倒した。コイツッ!!一か八かブリッジのガラス面をバルカンで撃ち抜くか?直ぐにトリモチ使えば或いは??

 

 「リュウッ!ラー・カイラムの陸戦隊に直ちに出動要請!ブリッジのガラス面をバルカンで撃ち抜く!」

 

 リュウが直ぐに反応して、聞いてくる。

 

 「隊長!そんな事すれば、全員死んじまいますよ!?」

 

 「バルカンで単発撃った後、トリモチで塞ぐ。上手く行けば、トリモチに奴等を取り込めるかもしれん。上手く行かなければ、陸戦隊で攻略だ!」

 

 「了解です。」

 

 さてと。これで準備は整ったな。ここで一番恐いのは、正史でも素で頭のおかしかったバスクだ。奴を確保するだけで、大分攻略は楽に成るだろう。

 

 マーカーを足蹴にしようと、片足を上げた瞬間、バルカンを単射っ!ヒビが入っただけっ!もう一発!

 

《バリンッ!シューーッ》

 

 「おわっ!?」

 

 突然の陰圧状態となったブリッジからの排気圧のため、バスクが正面のガラスに引っ張られたっ!今だっ!

 

 《バシュッ!バシュッ!》

 

 MSのマニュピレーターからトリモチを射出する。バスクの右肩から先が、トリモチに取り込まれた。惜しい、あのブタも取り込めれば良かったが!

 

 「ブリッジ要員、全員動くなっ!今のは威嚇だ。次に巫山戯た事をすれば、全員強制的に真空の宇宙に漂う事になるっ!取り合えず全員武装を解除して、ブリッジのドアから離れろ。正常な保安部要員は、直ちに艦内を制圧し、臨検を受け入れる体制を作れっ!」

 

 「くそう!全員俺を助けろっ!この私がこんなところでぇぇっ!アースノイドの裏切者の言うことなど聞く必要は無いっ!!」

 

 バスクが尚も、声高に自分の正当性を叫んでいる。見苦しい奴だ。何処までも個人の恨みを撒き散らして、何がしたいのやら。こんな奴等が宇宙世紀を狂わせたんだろうな。

 

 「隊長!先程落とされたMSのパイロットと思われる2名を、ファントム・スウィープ隊のヤザン大尉が保護したそうです!」

 

 「よく知らせてくれた、ジョブ!クーロ大佐、聞こえるか?」

 

 「あぁ、聞こえている。報告が遅れて申し訳ない。ヤザン大尉は、アーガマの直掩MS隊を護衛につけて、2名の確保後、俺の判断で直ぐに帰投させた。」

 

 「流石大佐だ、ありがたい。余計な人死には、出来るだけ避けたいですからね。バーミンガム傍の3隻のコロンブス級も、今のうちに無力化させましょう。どうやら、コイツ等も過激派の一味である可能性が有る。」

 

 「バーミンガム自体にMS搭載能力は無いから、その予想は当たってそうだな。了解した。こちらに1機MSを寄越してくれ。こちらはキョウスケと俺の2機だけだ。」

 

 「了解。リュウ、聞こえるか?」

 

 「感度良好です。ファントムスウィープ隊の支援ですね?了解しました。」

 

 「任せた。カジマ大佐、ブルードラグーン隊は左翼のコロンブス級を。クーロ大佐は右翼のコロンブス級を確保してくれ。ジャックとアダムは、アムロと一緒にバーミンガム後方のコロンブス級を確保だ。」

 

 「「「了解!」」」

 

 これで後もう一息かな?さって、オスカ君にも連絡を入れよう。

 

 

 

 バーミンガム予備通信機室

 オスカ・ダブリン

 

 オヤブンさん達がやってくれたっ。あのメガネゴリラをトリモチで無力化してくれたのかっ。じゃあ、後は保安要員がどれだけ奴等に取り込まれているかだな。

 

 「どうにかして、マーカーを治療しないと。止血もしてくれて無いだろうし。」

 

 そう呟き、全員で頭を悩ませていた所、突然ドアがノックされた。

 

 「保安部所属、ホシノ少尉です。探しましたよ。」

 

 「何のようですか?」

 

 ドア越しに話をする。正直怖いんですけど?

 

 「保安部に入り込んでいた過激派は、全員確保出来ました。マーカーさんも無事です。現在医務室で治療を受けています。」

 

 えぇぇっ!?周りのブリッジ要員を見回す。全員驚いている。

 

 「すいません。何か仕掛けて来るとは思ってたんですが、突然の事で対応が遅れました。取り合えずマーカーさんの所までご案内します。」

 

 「し、司令と、他のブリッジ要員はどうなりました?」

 

 「ブリッジ要員は全員確保済みです。バスク艦長だけは、トリモチのせいでブリッジに居ますけどね?後、ミサイル装填要員も全員確保できました。艦内は安全を確保出来ました。」

 

 「「「やったぁぁあっ!!」」」

 

 皆喜んでいる。誰かが、ロックを外したのだろう。にこやかな顔のホシノ少尉を先頭に、保安部の方々が入ってきた。でも結局マーカーを助けられなかったな。ホワイトベースの頃から彼には助けられてばかりだ。

 

 「オスカさん、あなた方の機転のお陰で、この艦は落とされずに済みました。ありがとうございます。」

 

 「え?」

 

 「あなた方の通信が無ければ、無理して無力化なんかしなかったかも知れません。」

 

 え?オヤブンさん達の評価って、連邦軍内でもそんな評価なの?確かに見敵必殺(サーチ&デストロイ)な方々だったが・・・。今更ながらに怖くなってきた。

 

 「本当に助かりましたよ。艦内の不穏分子は制圧出来ましたし。後、僚艦のコロンブス級も保安部が制圧したそうです。でも、あっちの方は、なんか真っ黒みたいですよ?」

 

 「真っ黒??」

 

 「エリートMS隊の他に、秘密兵器の運用試験も兼ねていたらしくて、科学者が多数乗っていたそうですが、一人は自害。後の者は、何かに怯えていたそうです。後は臨検する方々に任せましょう。」

 

 「そ、そうですね。」

 

 何の事か正直分からなかったが、後に外道な実験をしていたと知ることになる。取り合えずマーカーにお礼を言わなきゃな。

 

 

 




 保安部と言ったら星野君しか思い浮かびませんでしたww。なお、筆者は2202は見ていません。
 なんか悲しい事になってるそうで、怖くて見れませんでした。ヘタレですww。

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