機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 少し視点が変わります。


第110話  悩めるティアンム

 ジェネラルレビル艦橋

 マクファティ・ティアンム

 

 ラー・カイラムのブライト艦長から、作戦成功の遠距離通信が入った。流石は歴戦の艦長だ。詳細な内容はまだ分からないが、どうやらサイド7艦隊の大半は、メッチャー達上層部の命令に従わなかったらしい。少々問題は有るが、それだけ判断力の有る中級将校がいてくれたのだろう。正直助かった。こんな所で戦力を使い潰す訳にはいかんからな。

 しかし、その報告の約一時間後、ジオン共和国軍艦隊と合流し彼等をこちらに誘導しながら帰還するとの連絡が入った。

 それは、まぁ良い。時間的にも、作戦開始に間に合う時間帯だ。しかし、問題なのは共和国軍の中に例の人物が居ることだ。

 名前を変えては居るが、一発でバレバレのダイクン議長だ。彼は一体何を考えているのか。レビル将軍も、MSで出撃しようと画策していたが、我々が必死にお止めした。彼が居なくなれば、地球連邦にとって大きなダメージに成るのが分かりきっていたからだ。今に成って、その考えは間違っていなかったと断言できる。将軍は、軍を退役し政治の世界で数々の業績を上げている。スペースノイドとの融和政策に、軍事技術開発の一本化によるコスト削減。これには、サフリィの創設とレイ博士の登用により、質の高い機体が供給される事になった。あの天才を抱え込むことに成功したのは、何よりの業績かもしれない。

 空いた予算により、福祉政策の充実。もし彼が居なかったらと思うと、背筋が寒くなるほどだ。もしアースノイド至上主義者が政権を取っていたら、スペースノイドとアースノイドの確執は絶望的なものに成っていたかもしれない。冗談抜きで、百年続く戦乱と成っても可笑しくは無かったのだ。

 そして、平和は勝ち取るよりも、続けていくことが難しい。次代を担う者が必ず必要なのだ。その一人というか、次代の中心人物となる者が彼である。もし、彼が死ぬことになったら、スペースノイドの混乱は増すことに成るだろう。彼を本作戦に参加させるとは、一体共和国の連中は何を考えているのか?

 レビル将軍然り、時代の担い手となる者は、何故最前線へ行きたがるのか。ある程度、立場が分かっていた将軍は、我々の言葉に渋々ではあるが従ってはくれた。

 それに比べて、キャスバル議長は元エースパイロットだったな。元々、血の気はレビル将軍以上か、これは参ったな。そう考えると、共和国の連中に強くも言えんか?取り敢えず、コンスコン司令達と話してみるか。

 

 

 共和国軍艦隊が合流した為、レウルーラに私自ら赴く事にした。

 結論から言おう。行かなければ良かった。コンスコン司令以下数名が、病人のような顔色をしている。かつて我が軍を悩ませた白狼までもがだ。

 そして平気な顔をして、仮面を被っている人物、フル・フロンタル少佐を見て、私は頭痛がした。彼を除いて平気な顔をしているのは、共和国軍MS隊長のジョニー・ライデン大佐位のものだ。流石は肝が座った人物だ。

 

 私は一言、コンスコン司令に言うことが出来ただけだった。

 

 「司令、あなた方の苦労は分かります。今は、作戦の成功にのみ集中しましょう。この作戦が終われば、何処かのコロニーで一緒に酒でも酌み交わしましょう。諸君も作戦の成功のため力を貸してくれ。地球圏の平和を望む者達の力を、奴等に見せつけよう。以上だ。」

 

 コンスコン司令は、今にも泣き出しそうな顔をし、数名の将校も感極まっていた。大した事は言ってないのだが。

 空気を読んで、直ぐにジェネラルレビルに引き返した。

 

 「将軍、あれで良かったのですか?議長をお止めしなくても。」

 

 「私からは、もう何も言えんよ。取り敢えず、彼等が無事であることを祈るばかりだ。作戦が始まったら、今の悩みなど気にしている暇は無くなる筈だ。今までの分、思う存分に暴れて貰おう。」

 

 「そ、そうですね。自分は今日ほど連邦軍で良かったと思った事は有りません。」

 

 「言うな。彼等が哀れになる。」

 

 「はっ。失言でした。」 

 

 内心、私もそう思った事は内緒だ。おのれ、アクシズめ。奴等が、非人道的なクローン等作り出さなければ彼等の健康被害は無かったというのに。

 

 

 ラー・カイラム パイロット待機室

 アムロ・レイ

 

 ブライト艦長や、キイチ隊長が何やら悩んでいるようだ。う〜ん、サイド7艦隊が使えなく成ったからな。

 

 「どうしたんですか、アムロさん。」

 

 「ん?ジュドーか。いやな、艦内の雰囲気がピリピリ仕出したと思ってね。」

 

 「でも、決戦が近いんでしょう?それじゃないですか?」

 

 「そうだとは思うんだけどね。所でどうだ?サフリィから送られてきた強襲型零零ガンダムは?イマイチピンと来るパイロットが居ないんだよな。」

 

 「もう、ゴキゲンですよ。パワーも半端ないし。アレ使わないんですか?勿体ないな〜。」

 

 「う〜ん、キョウスケさん辺りはもしかしたらって思ったんだけどね。アレよりも今の機体が良いらしい。」

 

 「あのmark-Ⅳ改がですか!?あんなトンデモ機体と比べられて、しかも負けるなんて、強襲型零零ガンダムも可哀想に。こっちは、合体、変形、ハイパワーですよ!?」

 

 「いや、それはどっちもどっちな気がする。」

 

 「何言ってるんですか!男のロマンじゃないですか!きっとこれを作った人達は、ロマンを理解するナイスガイですよ!」

 

 う〜ん、違う気がする。頭部のハイメガキャノンに、面制圧を目的としたような、正確な射撃をバカにしたようなダブルビームライフル。他の機体では運用できそうにも無いハイパービームサーベル。ランドセルと一体化したミサイルランチャー。親父の理想とは正反対のような機体運用思想。これって、多分あのオネイサン達が作ってそうだよな。

 面白い機体では有ると思うんだよね、俺が乗らなければ。ジョブさんとか、あの機体を見て、あからさまに逃げている。アレに乗って敵に大ダメージを強いるとなれば、敵中に突っ込まなければならない。

 あの直線番長のような機体で、敵の攻撃を躱しながら突っ込めるのか?それが出来たらエースだな。最低でも、ジュドーレベルの技術とセンスが必要になる。

 ・・・・・・ん?いやいや、でもな〜。思いっきり未成年だしな〜。でも、本当、どうするんだろう、この機体。

 




 何かのフラグが立ちました。
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