機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結> 作:水冷山賊1250F
ジャブロー内MS訓練所 ジムトレーナー内
ジョブ・ジョン
いや~、昨日は午後イチの辞令交付から突然の休暇になったため、羽根を伸ばさせて貰いました。オヤブンを除いたパイロット連中で喫茶店行って、かわいいウェイトレス相手にお話しして楽しかったな~。あそこの喫茶店、ウェイトレスの制服がメイドさんみたいで可愛いのよ‼何でもジャブローのお偉いさんが、売上が悪かった店主に相談されたところ、ウェイトレスさんのコスチュームをこんな風にしたらと答えたらしい。試しに変えたところ大繁盛って‼誰よそのお偉いさん、グッジョブだよ。
初めは嫌がってたアムロも楽しそうにしてたし、こう言うのもたまには良いよね?明日からは暫く訓練もなさそうだしって思ってた時期も僕には有りました。僕たちの休息は次の日の午前中、身体検査まででした。
「踏み込みが甘い‼間合いをちゃんと把握するんだ‼宇宙空間とは違う‼」
練習用のサーベルで斬りかかった僕をいなし、半歩横にずれてジムトレーナーの胴体を横一文字に薙ぎ払われた。僕のジムトレーナーは既に全身ピンクのペイントがべったり付いてます。
リュウさん、カイ、ハヤトとアムロを除いてみんな同じ感じです。アムロでさえ所々にペイントが付いている。
ジャブロー防衛隊のMSパイロットがチラホラこっちを見てる。暇なんだろうか?
「ほう、ジョブ軍曹。周囲を気にする余裕がまだ有るようだな?」
怖いよオヤブン!!
「申し訳ありません!!」
「まぁ良い。もうそろそろ集中力も途切れる時間だ、今日の訓練はここまでとする。各自明日の午後からの訓練までに、重力下でのモーションパターンを一つ提出するように。あと、ジムトレーナーは全身自動洗浄機にかけるが、メカニックの皆さんにお礼を言うのを忘れるな。では解散。」
やっと終わった~~。ジムトレーナーをMS格納庫前に停め、MSから降りる。メカニックの皆さんにお礼を言い、ロッカールームへ移動した。
「いくら軍事機密に触れたからって、俺達まだパイロットなのかよ~。」
「仕方ないですよカイさん。」
「そうだよカイ君。宇宙用戦闘ポットに乗せられるよりましだよ。」
ハヤトと一緒にカイを宥める。
「俺達志願しなきゃ良かったな~。パイロットになれば、食事もパイロット用になって食える量が増えるってブライトさんに言われたから志願しただけなのに。」
「実際、大気圏突入戦の時、ホワイトベースのMSカタパルトハッチに固定したガンタンクでチベとムサイを狙い打ちしただけですからね。」
「後は、シミュレーターで訓練ばっかしよ。」
「だが、そのおかげでジムトレーナーはちゃんと動かせてたじゃないか?」
「そりゃ、あれだけシミュレーションでも訓練したら、誰だって動かせるでしょうよ。」
「そうとも限らんぞ?俺がルナツーで数回シミュレーション訓練したのは知ってるよな?俺より早い時期から訓練していた奴でも、今のお前らほど動かせていた奴は何人いたかな?実際今のお前らと俺は、実力的に余り変わらんぞ?アムロとジョブ以外はな。」
「そんな~、おだてたって何も出ませんよ~リュウさ~ん。ってジョブさんやっぱり強いの?」
「そりゃあれだけしごかれたら腕も上がるさ。オヤブンあれで、ジョブには期待してんのかもな。」
「やめてくださいよ~、リュウさ~ん。」
本当に止めて欲しい。僕のモットーは仕事はそこそこ適当に、ベッドの上で大往生なんだから。ガラじゃないのよねホント。なんか、凄い人に目をつけられるし。トホホホホ。
な~んて、ブルーな気持ちで着替えていると、ロッカールームのドアが勢いよく開いた。
「よお!何時からここはハイスクールのクラブハウスになったんだジョニー?」
「俺達の機体はオモチャじゃ無いんだよボウヤ達?誰に断って使ってるんだ?ア~~ン?」
「私は、ここの最上位者のリュウ准尉です。基地指令に話は通っているはずですが?貴君等の所属を示して頂きたい。」
「ジャブロー基地防衛MS隊よ~!貴様が准尉~?何かの間違いだろ?機体をピンクに染めてたよな~?オイ!」
リュウさんのコメカミがピクリと動く。ヤバイ‼と思ったら、後方のドアから良い笑顔のオヤブンが現れた。
「ほ~っ、噂に名高いジャブロー基地防衛隊は、流石にレベルが高いのですな。」
「ちゅ、中尉!?」
リュウさんもびっくりである。
「どうかな?私を除いた5機同士で模擬戦でも?うちの若いのを徹底的に扱いてくれんかね?なに、コイツらも良い勉強になる。」
「良いでしょう。場所は、ジャブロー基地屋外MS演習場で宜しかったですか?」
「えぇ、良いですね~。上の許可はこちらで今日中に取りますんで。明日の1300時にMS格納庫集合でよろしくお願いします。」
「分かりました。こちらこそよろしくお願いします中尉。」
ジャブロー基地防衛隊のパイロットがロッカールームを出ていった。
「カシマ中尉!どう言うことです!?」
リュウさんが珍しくオヤブンに食い付く。
「ン?何時もどおりオヤブンでもいいぞ?」
「い、いや、それより、あんなこと言ってどうするんですか?」
「??まさか、お前ら負けるとでも思ってんのか?あり得んよ、今の訓練を見てお遊びだと感じたならそいつはこの先生き残れんよ。お前ら明日は徹底的にやれ‼それが奴等のためだ。あ~、アムロ。お前は明日1機しか墜とすな。コイツらの訓練にならん。」
「分かりました。」
「じゃあな、今日はゆっくり休め。」
オヤブンはそそくさと先に帰って行った。ホント明日どうすんの?
話があんまり進みません。しばらくお付き合いください。