機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結> 作:水冷山賊1250F
アクシズ司令室
エンツォ・ベルニーニ
な、何故だ!手塩にかけて育てたマフティーまで奴等とマトモに戦闘する事なく抑えられた!?あの緑色の光が出るまでは、黒の悪鬼と戦っていたというのに!
「ガンダム・スコルとハティ、共に沈黙!ハティの自爆装置も反応しません!」
「何だと!?では、あの緑色の光は、MSやMAの電装系に直接ダメージを与えるというのか!連邦軍め、小癪な真似を!」
奴等め、次から次へと新兵器を開発しやがって!その資金が有るのなら、もっと他のものに使えば良いものを!そこまでしてスペースノイドを弾圧したいのか、レビルの狗共め!
しかし、私達は飼いならされた共和国軍とは違う!我々は最期まで徹底的に戦うのだ。次に続く者達のためにも!
「アクシズ、核パルスエンジン起動!進路地球!我々スペースノイドの意地を、アースノイド共に見せ付けるのだ!」
「了解!核パルスエンジン起動。点火まで5分かかります!」
「防衛隊に核パルスエンジンを死守するよう伝えろ!落下地点は地球上であればどこでも良い!これだけの質量を持った物が落ちれば、地球には核の冬が来る!」
「了解です!防衛MS隊に告ぐ。アクシズ後方、核パルスエンジンを死守せよ。繰り返す!アクシズ後方、核パルスエンジンを死守せよ!アクシズはこれより地球に向けて進撃する!」
そうだ。これで良い。我等はここで死ぬだろうが、全てのスペースノイドの為だ。これから地球圏は、スペースノイドが運営して行く事になる。これが地球圏の1番自然な形だろう。アースノイドとスペースノイドの戦いへの終止符は、これで打たれた事になる。それを成したのは、ダイクンの血でも、ザビ家の血でも無い。我等、一般のスペースノイドの血だ。これから始まるであろう、新しい時代に思いを馳せ目を閉じた。
アクシズ周辺宙域 ガンダム・スプリガンⅡ
キイチ・カシマ
敵MS隊の動きが変わった!奴等アクシズに火を入れるつもりか!
「各機、アクシズ後方のエンジンの破壊に向かえ!奴等アクシズごと地球に墜ちる気だ!!」
「「了解!」」
宇宙船ドック周辺の掃討戦に入ろうとしていたMS隊を率い、アクシズ後方へ急ぐ。
アクシズ守備隊の抵抗が強く成ったが、奴等結構一塊になっている。そんなんじゃ、カモだ。
「ジョブ!ぶち咬ませ!」
「了解!」
一塊になっているMS部隊に向けて、クラスターミサイルを2本打ち込む。クラスターミサイルに続くように機体を走らせ、生き残ったMSを蹂躙していく。
ほらほら、ミサイルを避けて安心している場合か!次々にビームサーベルでコックピット付近を切り裂いていく。無人と成ったMSが周辺を漂って行く。これで兵の質を自慢するとは、アイツ等は何を考えていたのか。本当にクローン兵頼りの軍隊だったのか?
守備隊を蹴散らして進むと、アクシズ後方のドでかいブースターに辿り着いた。これが核パルスエンジンか。
「良し、各隊に別れて核パルスエンジンの根本を徹底的に破壊しろ!間違っても噴射口には近付くなよ!」
「「「了解!」」」
次々に核パルスエンジンに襲いかかり、次々に無力化されていく。誰を敵にしたのか思い知ってもらうぞ、エンツォ大佐。貴様の策は、尽く潰してみせる。
しかし、貴様の悪あがきもそろそろ終わりだな。もう逃げ場は無い。
「宇宙船ドックの制圧に向かうぞ。奴等は一匹たりとも逃さん。奴等のしでかした事、奴等に協力した者。全て白日の下にさらけ出す!」
「「「了解!」」」
瞬く間に宇宙船ドックとMSドックを制圧していく。陸戦隊も次々に突入して行った。奴等の最後も近い。
「これでこの戦いも終わりだが気を抜くな。各機、周囲の警戒を厳に。悪あがきをする奴が居るかもしれん。」
これからは、アクシズに援助した組織を潰していく作業になるだろうが、ここまでの戦闘は暫く無いだろう。修羅の世紀と呼ばれた宇宙世紀も穏やかになる筈だ。
そして、俺達の意志を受け継がせて行かなければ。
後にアクシズの乱と呼ばれたこの事件は、彼等の行なった非人道的な実験の数々と共に、地球圏に広く知れ渡る事になる。
戦後に行われた公開裁判により、エンツォ大佐を始めとしたアクシズ上層部及びクローンに関わった科学者の大半は極刑となった。
権力者による横暴だと一部の議員達が騒いだが、世論はこの判決を支持。また、騒いでいた議員の半数以上がレビル派の足を引っ張るためにアクシズに加担していたことが判明。連邦政府内の一大スキャンダルとなり、処分は厳しいものになった。
また、アクシズを支援した組織が一斉に摘発若しくは軍事介入された事により地球圏は勿論、火星圏、いや、太陽系からジオンを名乗る武装勢力及び、過激派アースノイドも一掃される事になる。
宇宙世紀0090。ジオンマーズの降伏により、表立った武装組織は地球圏から消失する。一年戦争から始まった数々の戦乱はここに終止符を打たれる事になる。
そして時は流れ、宇宙世紀126年。二人の新人パイロットが第13独立機動艦隊ロンド・ベルに配属される事になる。
「アーシタ大佐、パイロット養成所上がりの新人が本当に使えるんですかね?」
「なんだビルギット、不服か?」
「不服って訳じゃ無いですけどね?この部隊のパイロットは、新人に務まるのか不安は有りますよ、そりゃあ。」
「ククク、心配するな。あの親分が太鼓判を押して送り出したんだ。お前、あの人にシミュレーターで一度でも勝てたか?」
「無理ですよ。親分って、養成所の校長でしょ?あの生きた伝説に勝てる訳無いじゃないですか。ありゃあ本物の化け物ですよ。一年戦争の機体で、なんであんなに動けるんでしょうね?あれに勝てるのは、現役だと大佐位のものですよ。」
「俺でも勝率は最近になってやっと7割だな。一応、俺の相手をする時は最新機種だがな。最近は実機のGが辛くてシミュレーターしかしてないそうだが。」
「それでも大概ですよ。」
ビルギットとパイロット待機室で雑談をしていると、堅物のエースが現れた。
「大佐、仕事放り出して、何を油売ってるんですか?デスクに書類溜めっぱなしじゃないですか。」
「一人じゃ終わんねえよ。ハサウェイ手伝えよ〜。」
「またですか?もう勘弁してくださいよ、サインするだけじゃないですか。はいはい、大佐はさっさと仕事仕事。書類はキチンと目を通してくださいね?盲サインは駄目ですよ!新人も挨拶に寄越しますから、仕事をしてください。少尉、君も早く報告書を上げろ。この前の合同演習で上げてないの、お前だけだぞ?」
「は、はい!明日には提出します!」
「今日までだ!」
「は、はい!」
二人してノア少佐に駆り立てられるようにデスクへ向かう。この年に成ってもやっぱりデスク仕事は馴れないとボヤいていると、新人パイロットが現れた。
初々しい敬礼をし、ジュドーに挨拶する。
「本日付けで、こちらに配属となりましたシーブック・アノー准尉です。」
「同じく、セシリー・フェアチャイルド准尉です。」
「よく来たな、二人とも。親分の直弟子の力、見せて貰うぞ。」
「「はい!」」
親分が送り出してくるパイロットは優秀な奴ばかりだ。一癖ある奴も多いけど。だけど、激動のあの時代を知ってる俺達が踏ん張らなきゃな。この平和な時代を一日でも長く続けるために。
宇宙世紀126年、人類はかつてない繁栄を享受していた。人類の全てはスペースコロニーで生活し、一部の技術者や科学者のみが地球で生活をする時代となったのだ。地球は徐々にその環境を回復させ、緑豊かな星へとその姿を変えていった。
連邦政府は、その拠点をスペースコロニーに移転した事により、アースノイドや、スペースノイドと言う言葉も使われなくなったのだ。
火星のテラフォーミングも順調に進み、宇宙世紀200年には、本格的な火星移住もスタートするかもしれない。
宇宙世紀の初めに起こった戦乱は、人類の約半数を失うことになったが、人類はその戦乱を教訓としてまた一つ宇宙に適応出来るようになったのかもしれない。
皆さん今までこの駄文を読んで頂きありがとうございました。誤字報告をしてくださった方々、いつもありがとうございます。
初めての投稿でしたが、終わらせるのがこんなに難しいとは(汗)。
取り敢えずこれでこの小説はお終いです。感想をくださった皆様には感謝しか有りません。本当にありがとうございました。