機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結> 作:水冷山賊1250F
地球連邦軍本部ジャブロー ペガサス級ドック
キイチ・カシマ
いよいよ第13独立戦隊として北米への参戦を拝命した。昨日はレビル将軍に呼ばれてお礼言われちゃったよ。ジャブローMS隊のレベルが上がったって。まぁ、エース級のパイロットを遊ばせる余裕は無いからな。ジャブローのMS隊も、それなりのパイロットがいままで教導してたんだろう。
そういえばユウのピクシー、肩のハートマーク消して、脇差しと太刀を二本立てて並べたようなマークに変わっていた。第11独立機械化混成部隊の隊章だと。あんなマークだったかな~?あんまり覚えてないや。まぁ、今のユウとピクシー改なら、イフリート改にもひけは取らないだろう。って言うか墜とすんじゃないの?ジオンの格闘モーションってヒートサーベル使っているから、基本的に大振りだし。まず、負けないよね?ジオンの騎士さん、引き際間違えたら確実に死ぬな。
ユウ達のお陰でアムロ達のレベルが上がって凄い事になってる。フィリップさんもなかなか面白い攻撃してくるし、ウチの連中も良い刺激になっただろう。さあ、目指すはキャリフォルニアベース!出来ればガルマを生かして攻略だ!
ジャブロー基地レビル将軍執務室
あぁ、行っちゃったな~。キイチ君にはジャブローに残って、色々MSの新武装やらなんやら開発案を出してほしかったな~。あの格闘モーションも素晴らしかったし。キイチ君が言うには、使いこなせなければ余り意味がないって事だったんだけど、MSを使いこなせているMSパイロットには指導も込みでインストールさせてたな~。後で戦闘データをコピーして検証させよう。オラ、なんかワクワクすっぞ。
でも、ユウ君達どうなるのかな~?クルスト博士には、ブルーを1機しか作らないよう指示を出してるからな。《蒼を継ぐ者》編で自由になるのかな?取り合えず、あっちにもEXAMシステム持ちがいるから開発させたけど、ある程度のところであのおっさんは拘束だな。
自分も殺させてでも、EXAMを広めようなんて狂ってるわ!本当、ニュータイプ研究者ってMADしか居ないのかよ!もう、EXAMとかHADESとか俺の目の黒い内は絶対作らせません‼この戦争が終わったら、フラナガン機関も絶対潰す!マリオン・ウェルチは、絶対に保護だ!行方不明なんて悲しい最後で終わらせるか!
何度でも言おう!イエス!ロリータノータッチだ!
ホワイトベースブリッジ ブライト・ノア
史上初めての作戦かもしれない。オペレーションICBMS。大陸間弾道MS部隊急襲作戦。大気圏離脱能力を持つホワイトベースの能力及び今回新開発された連邦製ドダイ《ゾーリ》を活かした電撃作戦だ。
目標はジオン軍地上拠点キャリフォルニアベースMS格納庫群及び周辺のMS製造工場!一撃離脱の時間との勝負だ・・・。これ、本当に俺が指揮執るの?この一週間、ブリッジクルーと一緒に仕込まれたが果して大丈夫なのか?司令部はいったい何を考えているのか?
「ブライト、緊張してるの?」
なぜか正操舵手に就任したミライが声をかけて来た。
「あぁ、少しな・・・。俺達のような若造に、こんな重大な作戦を任せるとは。俺は、艦長を任されるのは分かっていたが、まさか作戦司令部から誰も乗って来ないとは思わなかった。」
「それだけ、私達の力が認められているのよ、きっと。」
「それは、そうだが・・・。」
「それに、キイチ中尉がホワイトベースに乗艦してるのも、この作戦が上手く行く証拠かもね。」
「どうしてです?セイラさん。」
通信員のセイラさんが、話に加わる。
「セイラ、どういうこと?」
セイラさんはクスクス笑って言った。
「ジャブローにいる間ね、女性士官の間で噂されてましたよ?カシマ中尉と、レビル将軍をジャブローの居酒屋で見かけたって。二人してジャパニーズヤキトリを美味しそうに頬張ってたんですって。」
「中尉と大将が??」
「ええ。司令部の方も助かったとか言ってましたよ。」
「助かった!?」
「何でも、レビル将軍MS操縦技術も有るそうですよ。で、自分専用のMSを確保しようとしてたそうなんですけどね。」
「それは・・・、頭の痛い問題だな。」
「それが、中尉と飲んだ次の日にカジマ少尉に引き渡されたんですって。」
ミライは大きく目を開けて驚いた。
「その話、本当なの?」
「さあ、もっぱら本当だって噂よ?あと、ホワイトベースのMS隊の若い子達が、ある喫茶店に入り浸ってたそうよ?」
「なに!?い、いやそれはどうでも良い情報だな。」
噂では聞いたことがあったが、どんな所だろう?別に如何わしい店と言うわけではないらしいのだが・・・。気になる。
「兎に角、レビル将軍の懐刀が作戦に参加するのよ?大丈夫なんじゃないの?」
「そうだな、気を抜く訳には行かないが、自分達の力を信じて行くしかないか。」
「ええ、そうね。」
気を引き締め直し、出港準備を進める。ブリッジクルーのチームワークは、悪くない。そうだな。行けるはずだ!決心を新たにしていると、噂の人物がブリッジに入って来た。
「やあブライト、ひさしぶりだな。これから正式に一緒にやるんだ。よろしくな、ブライト艦長。」
「やめてくださいよ、カシマ中尉。それともソードマスターとでも?」
「それこそ止めてくれ。まぁ良い、ホワイトベースMS部隊パイロット全員乗艦完了した。」
「了解しました。MSパイロットは所定の位置で待機、カシマ中尉はこのままブリッジで待機してください。本艦は後30分後に発進する。」
「了解。」
様になってきたなとブライトの成長を頼もしく思い、ブリッジ内の指定席にゆっくりと腰を下ろすキイチだった。
本日はここまでです。次回、カリフォルニア電撃作戦。ガルマは生き残ることができるか?