機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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前回、タイトルが思い付きませんでした。


第22話  ユーグの参戦

 アリゾナ州連邦軍集結場所 臨時MS訓練場

 キイチ・カシマ

 内心勘弁してよと思いながら訓練場へMSで移動していた。だって今更ながら言うけど、全員俺より年上なんだぜ?ユウは、階級が下だったからタメ口で話せたけど。

 フォルドとか俺の言うことを聞くのかな?そんなことを思いながら訓練場に向かったが、蓋を開けてみるととんでも無いことになっていた。チーム戦のため、5機対3機とは言え、ジムコマンドがガンダム4号機を墜としたのである。

 「まぐれだ!もう1回させてくれ‼」

 「まぐれ?違うな。」

 「なに!?」

 「フォルド落ち着け。クーロ中尉、教えてくれないか?なぜガンダムを落とせたのかを。」

 「自分のことは、ユーグで結構です、カッセル中尉。」

 「じゃ、俺のことは、ルースで良い。タメ口で結構だ。あぁ、聞こえてるなカシマ中尉。ここでは、階級呼びも敬語も要らん。ファーストネームでタメ口でいこう。ではユーグ、聞かせてくれ。」

 「あぁ、フォルドは、腕は良いんだが振り回そうとする嫌いがある。恐らく、テストパイロットだった癖だな。テストパイロットなら、最大加速やら限界出せたらそれで良かろうが、MSでの戦闘は違う。」

 「そうだな。前の3チームとの模擬戦はやられても仕方ない面は有ったが、流石に今回はな。」

 「いや、チーム全体で嵌めたようなもんだ。」

 いや、違う。ユーグだけは、まるで歴戦の勇士、いや、古強者って感じだ。違和感がある。

 「それにフォルド、お前キイチの格闘モーションパターン入れてないだろ?」

 「やっば分かる?内に入れなきゃ格闘戦すること無いかな、なんて思って断ったんだ。」

 「いや、あれは画期的なものだぞ!?今体験した通りジムコマンドでガンダムを墜とせるんだ。コツを掴む必要は有るが、物にするべきだ。」

 「ほう、そんなに凄いのか。じゃあ俺も一度断ったけど、入れてもらおうかな?元戦闘機乗りだから、格闘戦は苦手でな。」

 サラブレッド隊の二人もモーションパターンに興味を持ったか。良かったよ、今回の訓練が無駄にならないですみそうだ。

 「元戦闘機乗りって言ったら、隊長とユウさんもでしたよね?」

 アムロがフォロー?を入れる。

 「あぁそうだな。MSに乗ってるんだ、さっきみたいに連携されたら敵を懐に入れてしまう場合もある。格闘戦はMSの性能より、操縦技術がモノをいう場合が殆んどだ。このモーションは、ビームサーベルを使用する場合最適と言う自信がある。身につけて損はないだろうな。ユウは半時間ほどでコツを掴んだから、ルース達でも出来るんじゃないか?」

 「蒼い稲妻と一緒にしないでくれ。そんじゃこの後の休憩中にでも入れてくれ。」

 「分かった。って言うか何?蒼い稲妻って??」

 「ユウの事だよ。蒼いジムと、イフリートだったかな?そいつとの戦いを目撃した奴等が言い始めたんだ。」

 「マジですか。か~っ、ユウ、二つ名持ちになったか~。すげえな。」

 「何言ってやがる。お前さんはソードマスター若しくは黒い剣豪で三つ名があるぜ?」

 「それはやめて。」

 弛い空気になったので、20分の休憩をいれる。その後、模擬戦と、小隊の陣形、戦術等々のミーティング等を日没まで繰り返し解散となった。

 「ユーグ中尉、この後で少し飲みませんか?」

 「あぁ、こちらは構わんが?」

 「ホワイトベースの食堂でどうです?コック長のタムラさんが良い肴作ってくれるんですよ。」

 「せっかくだから、ご馳走になるか。二人だけなのか?」

 「えぇ。」

 「分かった。では、1930時頃そちらに行こう。」

 「お待ちしてます。」

 よし、ユーグ・クーロ中尉。あなたが転生者かどうか確認させてもらう。

 

 ホワイトベース食堂 ユーグ・クーロ

 キイチ・カシマ中尉、現ホワイトベースMS隊の隊長にしてスーパーエース。俺の知る限り、そのような人間は居なかった。伝説のエース、アムロ・レイ。彼が乗った艦、それがホワイトベースのはずだ。

 ビームサーベルを使用した格闘戦のモーションパターンなんて、宇宙世紀90年代でも無かった。その後の時代は知らないが。時間が逆行したのかとも思ったが、俺の知っている歴史通りになっていない。どうなっているのだろうか。

 「ユーグさん、今日はお疲れさまでした。」

 「いや、君の方こそ疲れたんじゃないか?年上の者に操縦技術のレクチャーは。」

 「いえいえ、そんな事言ってられませんからね。少しでも優秀なパイロットは、生き残って貰わなければ。」

 「そうだな、これからも戦争は続くんだ。」

 「えぇ、一年戦争だけでは終わりませんからね。」

 「そうだな・・・ッ!!」

 一年戦争だと!?この時期はまだこの呼び名は無いはずだ!

 

 同場所 キイチ・カシマ

 「君は・・・何者なんだ?」

 警戒されたかな?やっぱり転生者みたいだ・・・と思っていると、

 「俺は、宇宙世紀0092にMSを降りたんだ。いや、降りるつもりだった。」

 ん??どういう事なの?

 「最後の警戒任務に就く前日、就寝し目が覚めたら0079の隊舎だったんだ。」

 逆行??転生じゃ無かったんだ。

 「だから、あんなに操縦技術が高かったんですね。グリプス戦役と第1次ネオジオン戦争ですか。」

 「第1次??その言い方だと第2次以降も有ったような言い方だが。」

 「はい、第2次までしか私は知りませんが。」

 さあ、どう説明するか。後でレビルさんと口裏合わせするか。

 「私は、宇宙世紀0120でサイド6の警察官でした。」

 「警察官?」

 「えぇ、MSは操縦したことも有りませんでした。」

 それから、転生した時の状況や、いままでの事を話した。この世界が、物語の中のものだったなんて言ったら、どうなるか分からんからね。

 「レビル将軍もそうだったとは・・・。」

 「えぇ、この戦乱の歴史を私達は止めたいんです。ユーグさん、協力して頂けませんか?」

 「まるでコミックだな。だが、俺達が壊滅したキャリフォルニアベースを落としてくれた借りがある。どこまで協力出来るか分からんが、協力させて貰う。」

 「ありがとうございます!」

 こうして、ユーグ・クーロ中尉の協力を得ることができた。この先どんな状況に成るか分からんが、俺達には協力者が必要だ。早速レビルさんに連絡だ!

 

 地球連邦軍本部ジャブロー レビル執務室

 転生者じゃなくて、逆行者?でも、ユーグ・クーロさんか、戦記の連邦軍側主人公だったな。

 約20年分の操縦経験そのままだったらいけるか?フルアーマー計画の分はまだ出来て無いけど、ノーマル状態でもいいよね?

 キープしてたんだけどミデアで送るか。さよならワシの7号機。もう絶対フルアーマーガンダム貰うからね!でもテムおじさんフルアーマーに難色示してるんだよな。NT-1のチョバムアーマーにも難色示してる。ガンダムでわざわざ機動力を落とすような装備はナンセンスだって聞かないんだあの人。優秀だから無茶は言えないんだよな。

 仕方ない、技術部にガンダム作らせて、フルアーマー化させるしかないか!

 

 

 

 

 




 

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