機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 工業地帯攻略です


第25話  デトロイトの激戦

 北米大陸上空成層圏 ホワイトベースMSデッキ

 キイチ・カシマ

 さて、吉と出るか凶と出るか?ジオンの奴等もバカじゃない。何らかの対策をしている筈だ。ブリッジから通信が入る。

 「ガンダム1号機カシマ中尉、準備はよろしい?」

 「あぁ、いつでもOKだ。」

 「前回同様、ミサイル一斉射直後にアサルトチームは出撃してください。2分後にブラボーチームが出撃します。」

 「了解だ。」

 「カシマ中尉ならできるはずです。ご武運を。」

 「ありがとう。」

 いつもの如く、小悪魔っぷり全開だ。こりゃアムロ達が心配になるな~。

 「セイラ一等兵、戦場に行く男を笑顔で送り出せれば、今より良い女になるな。」

 「良い女?」

 「そりゃ、しかめっ面で送り出されるよりゃ、生きて帰りたいと思うだろうよ。とくにバカな男はな。」

 「中尉もバカな男で?」

 「男なんて、皆バカ野郎だよ。じゃなけりゃこんな戦争起こりゃしない。それに、俺はアムロ達を軍に引きずり込んだ悪い大人と来た。せめて、アイツ等は生き残らせなきゃな。」

 「中尉・・・。」

 「すまんな、少し愚痴っちまった。アサルトチームはいつでも出れる。以上だ。」

 「了解です。ご武運を。」

 今度は笑顔で通信が切れた。う~ん。小悪魔度が上がったかな?まぁ、良い。ミサイルの一斉射をゾーリに乗り静かに待った。

 

 ホワイトベースブリッジ ブライト・ノア

 クラスターミサイルが射出されて直ぐ、アサルトチームがホワイトベースから飛び出して行った。

 いつもながら見事に編隊を取りながらかっ飛んで行く。

 「セイラ、あと90秒後にブラボーチーム出撃だ。準備はどうか?」

 返事がない。

 「セイラ!」

 「は、はい!ブラボーチーム準備完了です。30秒前からカウントダウン始めます。」

 「了解だ。疲れてるだろうが、気を張ってくれよ?」

 「了解です。すみませんでした。カウントダウン始めます。30.29.・・・」

 MS隊に吊られるように、訓練し過ぎたかな?少し訓練メニューを見直すか。カウントダウンを聞きながら、そんな事を考えていた。

 

 デトロイト上空 ジョブ・ジョン

 デトロイト基地の対空防衛陣地をリュウさんのデータで潰して行く。基地からワラワラと敵MSが出てきた。ミサイルあんまり命中しなかったのか?やっぱり警戒されてたんだな。

 「プランBで行く。」

 オヤブンの判断は流石に早い。

 「了解!」

 オヤブンのゾーリに、俺のゾーリを繋ぐ。

 「ユーハブコントロール!」

 「アイハブコントロール。」

 次は、オヤブンがリュウさんのゾーリに繋ぐ。そう、今回はオヤブンと俺が地上部隊制圧だ。

 「ユーハブコントロール。」

 「アイハブコントロール!」

 「リュウ、任せたぞ!ジョブ、付いて来い!」

 「「了解!」」

 オヤブンは俺達より早くゾーリから飛び出す。ガンダムじゃなきゃこの高さは無理だよね。

 オヤブンは俺達から離れると、地上のMSに向けてビームライフルで攻撃していく。接近戦バカじゃないのが、この人の怖いとこだよな。良かったよ俺、連邦軍で。一緒の隊じゃ無ければ、もっと良かったけど。

 「ジョブ・ジョン行きまーす!怖えええええ!!」

 両手のブルバップマシンガンをばら蒔きながら、回避行動を取りつつ降下する。

 着地後直ぐに周囲にマシンガンをばら蒔きながら、オヤブンの後を追う。

 「上空からザク12機、ドム9機を確認。ドム3、ザク2を撃破した。そっちは?」

 「ザク2です。」

 「でかした。突っ込むぞ、付いて来い!」

 「了解!」

 マシンガンでオヤブンの援護射撃をする。オヤブンはビームサーベル片手にドム2機を次々に切り捨てた。

 「今だ!左手のザクの3機小隊に突っ込め!」

 「了解!!」

 ザクの3機小隊にブーストをかけ突っ込む。ドムが2機近付いてきたが、オヤブンがビームライフルで牽制し足止めする。

 左肩のスプレーミサイルランチャーを一斉射。

 「3機まとめて持って行けー!」

 3機とも直撃を受け撃破!空のランチャーをパージ。さっさとオヤブンと合流する。オヤブンは牽制していたドムを2機とも切り捨てていた。

 「残りドム2、ザク5」

 「いいえ、ザク3です。」

 上空からリュウさんが報告する。

 「ブラボーチーム到着!」

 「そっちのドムの相手を頼む!直ぐに駆けつける!」

 「「了解!」」

 アムロ達も気合いが入ってるな。今回はMS隊が中心で基地の無力化を行い、ホワイトベースはMS生産工場の徹底的な破壊が主任務だ。ホワイトベースから援護は無理だろう。

 ザク3機がこちらに突っ込んで来る。飛んで火に入るとは、この事だ。上空背面からリュウさんとカイがコックピットを撃ち抜き、オヤブンが切り捨てて終わった。

 「カイ、アムロ達は?」

 「終わりましたぜ、オヤブンさん。」

 「よし、全機警戒!何か嫌な感じがする!!」

 「了解!」

 やめてよね、オヤブン。周囲を警戒していると、

 「2時の方向、上空からプレッシャー・・・?」

 「でかしたアムロ!2時の方向、上空を全機警戒!」

 「了解!」

 本気かよ、オヤブンもアムロも。予感?プレッシャー?そんな物は戦場じゃなんの足しにも!・・・来たよ、

来ちゃったよ!オイ!!仕事しろよ、ミノフスキー粒子!なんなんこの人達!もうヤダ!!

 

 デトロイト基地 ガンダム1号機

 キイチ・カシマ

 「なんだ?あのでっかい紫色の玉ねぎみたいな奴は?」

 あ、リュウもそう思うよね。

 「全機集中!あの紫色を墜とすぞ!」

 くそっ!アッザムの3機編隊かよ!正史では2機のみの生産じゃなかった?しかも早くないか?出てくるのが!

 まずい、アッザムリーダー射出しやがった!

 「地上MS全機、今射出された奴を撃ち落とせ!間違っても奴の下に潜るなよ!リュウ、カイはあのMAを墜とせ!」

 次々にアッザムリーダーを墜としていく。リュウとカイは、奴のメガ粒子砲に阻まれ上手く攻撃できない。ゾーリ2機分引いてりゃそりゃ無理か。

 リュウとカイに気を取られたのだろう。奴等油断して近付きすぎだ。

 「ジョブ!先頭の奴だ!行け!」

 「吶喊!うおーーー!」

 勢いよくかっ飛んで行く。

 「釣りは要らん!全弾持ってけーー!!」

 スプレーミサイルランチャーが全弾アッザムに突き刺さり火の玉になる。怖じ気づいた残りの2機にビームライフルを連射。戦場で止まるとは、よほど死にたかったらしい。アムロと俺で1機づつ墜とした。

 「カイ、リュウ、ゾーリは無事か?」

 「アサルトチーム分無事です。」

 「ブラボーチーム分も無事でーす。」

 帰りの足は大丈夫だな。

 「よし、全機ゾーリに乗り移れ!」

 今回も無事に帰路に着くことができそうだ。

 「アサルトチーム全機ゾーリのコントロールを取った。ブラボーチームはどうか?」

 「ブラボーチームも全機コントロール出来ました。」

 「よし、全機周囲の索敵を怠るな。これより指定されたルートでホワイトベースと合流する。」

 「「「「「了解!」」」」」

 全員まだ集中力を保ってるな。俺も索敵に集中するか。って言うかさっきの嫌な感じ・・・。俺もニュータイプ??

 

 ホワイトベースブリッジ

 ミライ・ヤシマ

 MS隊全機、今回も無傷で帰還しました。セイラったら、あからさまに安心したため息吐いちゃって。MS隊の中に意中の人でもいるようね。誰かしら?ジョブ?リュウ?アムロ?キイチ?

 「セイラ、MS隊の補給が完了したか確認したか?」

 「い、いいえ、まだです。直ぐに確認します。」

 「分かった。補給後は、暫くコックピットで待機するよう言ってくれ。」

 「了解です。」

 ブライトがこちらを見て何か言いたそうな顔をしている。

 「なに?ブライト。」

 「い、いや、ジャブローから出てこっち、実戦と訓練で休みが取れてなかったと思ってな。皆には、無理をさせたと反省していたところだ。今日のセイラは精彩を欠いていたからな。今回の作戦が終わったら、少し休暇を申請してみよう。」

 あらら、全然分かってないみたいね。ま、休みが増えるのは良いことよね。

 「そうね。取れると良いのだけど。」

 「うむ、なんとか捩じ込んでもらう。」

 あらあら、決意に満ちてるわね。本当に取れるかも。

 「がんばってね、ブライト。期待してるわ。」

 「ああ、任せろ。」

 良い笑顔で答えるブライトをみて、何となく憎めない人だなと思ったミライだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ここにスレッガーを入れるほど、ブライトを追い込めない作者です。スレッガーさんは、どこか別の隊に編成し登場予定です。

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