機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 ブライト休暇を取得するの巻


第26話  カリフォルニアの休日

 カリフォルニアビーチ

 キイチ・カシマ

 ホワイトベースは無事にカリフォルニアベースに帰還した。現在デトロイトは、我々の強襲のせいでMS製造は不可能となり、ジオンはニューヤーク近辺でしかMSを製造出来なくなった。ガルマ君はさぞ臍を噛んでいる事だろう。正しく《ざまあ》である。

 ところで何故俺達がビーチに来ているかというと、来るべきニューヤーク攻略作戦に向けてホワイトベースを最終メンテするからである。ぶっちゃけ、俺達はジャマだと言うことで、乗組員及びMSパイロットは今日から明日の夕方まで暇なのである。

 じゃあ一丁、全員で親睦も兼ねてビーチで海水浴+バーベキューでもやりますか。ってな事で全員ビーチに来ている。アムロはコアファイターで母親に会いに行くのかな~なんて、何となく聞いてみると、

 「遠すぎです。」

 の一言で却下していました。やっぱり鳥取?

 当のアムロは、ハヤト、カイ、フラゥ達と海水浴中。何だかんだで、仲良いよな。ハヤト君、フラゥのビキニをチラ見し過ぎ。まあまあ、落ち着け。

 ジョブとリュウは、パラソルの下で女性陣の水着観賞に夢中だ。女性陣がビキニ率高くて良かったな。休暇を満喫してるみたいで何よりだよ。

 カツ、レツ、キッカは、ジャブローの孤児施設入りしてるから青少年ばかりだ。俺は、何してるかだって?タムラさんと一緒にバーベキューだ。腹ペコ小僧どもに、たまには旨い肉を食わせてあげなきゃな。俺は、焼きそばと、トウモロコシだ。殺人的なソースの焦げる匂いを嗅ぎやがれ!

 「おーい!焼きそば焼けたぞ~!」

 ハヤト達日系人が群がってくる。カイや、ジョブ達はおそるおそる見ていたが、ハヤト達が旨そうに食ってると、物は試しと手を伸ばしてきた。フッフッフ、PXで見つけたオタフクソースの中毒性に参ってしまいな。簡単で旨い。焼きそばは良いよね~。まぁ、タムラさんが作る、スペアリブが出来るまでの天下ですな。所詮前座ですよ。焼きそばを取り分けていると、ブライトがやって来た。

 「キイチさん、何やってんですか?」

 「ん?バーベキューで焼きそば焼いてんのよ。まぁ、ちょっとした趣味だよ趣味。隣の本職には敵わんよ。」

 「趣味ですか。自分はそう言うのとは無縁なもので。」

 「そうか、そんなら午後から魚でも釣ってみないか?竿も二本持って来てるぞ?」

 「凄く準備が良いですね。」

 「休暇は全力で楽しむ主義でね。こんな世の中だ、いつ何があるか分からんからな。」

 「そうですね。初めてなんですが、出来ますかね?」

 「釣れなきゃ釣れないでも良いのさ。ゆったりとした時間を楽しむだけでも良いもんさ。」

 「そうですね。じゃあ、ご一緒させて頂きます。」

 「おう。その辺に居るんだろ?準備が出来次第、呼びに行くよ。」

 「分かりました。」

 午後からの釣りは、ブライトが爆釣だった。俺も釣れたよ、2~3匹・・・。何とかボーズは免れた。

 

 明けて次の日、朝も早くからMS隊は走り込み及び格闘訓練だ。MSの動きを自分のイメージ通りにするには、やはりある程度自分でも動けないと。リュウ、カイのガンキャノンチームは、格闘訓練はそこそこに、射撃訓練に行った。リュウは、したそうだったが、カイが射撃をしたそうにしており、リュウを引っ張って行った。

 俺達はビーチで格闘訓練だ。まぁ、あくまでも軽くだ。

 「よおし!この辺にしよう。」

 皆強くなったな~。アムロは始めて1ヶ月だから、筋肉はまだ付いてないけど、それなりに付いて来るようになった。ハヤトは、元から柔道してただけあって、徒手格闘は、ジョブより上手い。隙をみて、投げに来るからな。ジョブは頑張りましょうだな。

 「この後は、本日1700まで自由だ。1700にホワイトベースパイロット待機室に集合。明日からのスケジュールを説明する。では解散。ジョブはリュウ達にも解散するように伝えてくれ。夕方の件もだ。」

 皆、三々五々に散って行く。俺は、夕方のミーティングまでに、ブライトと打ち合わせだな。北米攻略の本隊は今どの辺りを攻略してるんだろう?オデッサは間に合うのか?

 

 ニューヤーク基地 ガルマ・ザビ

 先日デトロイトを急襲された。警戒していたにも関わらずだ。木馬のMS隊め、さらに出来るようになっていた。ラル大尉曰く、あれは大隊規模の戦力でも無ければ止められないとのことだ。

 確かに、2中隊分のMSが僅かな時間で撃破された。アッザムが、もう少し早く戦場にたどり着けていれば何とかなったと思うのだが・・・。大尉曰く、MAは実験的な部分が多く、それなりに大きいため、クラスターミサイルの直撃を受ければ、大破する可能性が高いと言うことだった。そのため、基地から離れた場所に駐機させるしかなく、パイロットも未熟なため、エマージェンシーに手間取ったのではないか。とのことだった。エマージェンシーコールに手間取るなど、それでも軍人かと思ったが、ミノフスキークラフトもついており、元々MS乗りが乗っていたため、出力調整に手間取ったそうだ。死者に鞭打っても仕方ないな。今後の戦訓としよう。

 現在、我が北米方面軍は危機的状況にある。じわりじわりとにじり寄る連邦の北米攻略隊。二本角の指揮官機がまた1機増えた。蒼鬼の部隊にだ。ヘボだったら良かったが、あれはエースだ。まさに死神。後ろを振り返らずに、左脇の下からビームライフルを撃って、直撃させるなんてドンだけだ!

 しかし、これで分かった。どうやら二本角は指揮官機ではなく、エース専用機のようだ。連邦は、なんという高性能MSを造ったんだ!

 それに比べて、こちらは酷い有り様だ。ニューヤークでは無く、デトロイトにMS製造工場を集中させていたから、MS増産もままならない。後方撹乱のため残ってくれた部隊に対して、補給も追い付かない状態だ。彼らは命懸けで奮戦しているが、孤立し各個撃破にあっている部隊も増えてきた。何とか回収して、来るべき決戦に参加してもらいたいが。もうそろそろニューヤークも危ないだろう。この頃は、ラル大尉のこちらを見る目が怪しくなってきた。言うことは聞くから、問答無用で暴力を振るうのはやめてくれないかな?

 

 

 

 

 

 

 




 アメリカ西海岸は、この時期海水浴出来るのかは不明です。作者のノリだと思って頂ければ幸いです。

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