機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 レイ親子の再会&新型試験回です。


第28話  新しいガンダム

 北極基地周辺上空 ホワイトベースブリッジ

 ブライト・ノア

 現在、ホワイトベースの前を、TINコッドが編隊を組んで飛んでいる。北極基地までのエスコートだそうだ。

 「アルファ1からホワイトベース、感度どうぞ。」

 「こちらホワイトベース、感度良好。アルファ1どうぞ。」

 「そちらからも、基地の滑走路が確認出来ると思う。一番西側の滑走路奥に着陸して貰いたい。後は、管制からの指示に従ってくれ。ようこそ北極基地へ。歓迎する。以上だ。」

 「了解。誘導ありがとうございました。」

 セイラの返信でホワイトベースから離れていく。

 「オスカー、マーカー、こちらからもガイドビーコンを出せ。ミライ、低速で滑走路に進入。滑走路に入り次第微速前進。あちらからのガイドビーコンをキャッチ次第、自動操縦に切り替えろ。セイラは、基地から通信が入り次第、メインモニターに映せ。」

 「「「「了解。」」」」

 暫く進むと、滑走路手前で通信が入った。ただちにメインモニターに映る。

 「こちら北極基地管制棟。現在そちらからのガイドビーコンを確認した。今からこちらからもガイドビーコンを発信する。キャッチでき次第、自動操縦に切り替えてくれ。」

 「了解です。」

 「こちらの開発陣が、首を長くして待ってる。カシマ中尉とアムロ軍曹は、こちらから迎えの者を送る。ブリッジで待機していてくれ。」

 「了解です。」

 北極基地に無事に着いたようだな。これで少しは肩の荷が下りた。ここでの試験はどれ位かかるのだろうか?

 

 北極基地 MS格納庫

 アムロ・レイ

 「アムロ、よく来てくれた。」

 「父さん。」

 新型ガンダムの前で、父さんが手を振っている。僕も、父さんに手をふりかえした。今までのガンダムとは横に一幅ほど大きい機体だと感じた。

 「カシマ中尉、息子をよく生き残らせてくれた。ありがとう。あなたの指導のおかげだ。」

 「いえ、単に軍曹の才能の賜物です。私はそれを後押ししたに過ぎません。実際この頃は、一緒にシミュレーター訓練しかしてませんよ。それに最近は、三回の内一回は負けてしまいます。逆にこちらが良い訓練をさせて貰ってますよ。」

 「それほどに?」

 「えぇ、冗談抜きでです。」

 隊長から誉められると照れてしまうな。でも新型ガンダムは僕が乗りたい!このトライアルでは、絶対に勝たなきゃ。

 「それならば、君の案で良いと思うが?どうかね少佐。」

 「えぇ、私もそう思います博士。というか、すでにそのようにセッティングしましたからね。」

 「君も人の親と言うわけか。」

 「なんとでも言ってください。アムロ、お前の乗る機体は目の前のガンダムだ。RX-78 NT-1 アレックスだ。」

 「え?良いの?」

 「新型だからな。何かに特化した様なパイロットではなく、全てが高い水準に有るパイロットが必要なんだ。カシマ中尉も該当するが、カシマ中尉には別の機体を用意してある。カシマ中尉、付いて来てくれ。あぁ、アムロは、マッケンジー中尉に説明を聞きながらガンダムを立ち上げてくれ。」

 あぁ、行っちゃった。でも新型ガンダムは僕に任されたから良いか。わくわくしながらアレックス?を見ていると、

 「初めまして、私がクリスチーナ・マッケンジー中尉よ。クリスと呼んでくれて良いわ。」

 アシスタントと思っていた、綺麗なお姉さんが挨拶をしてきた。

 「は、初めまして。アムロ・レイ軍曹です。よろしくお願いします。」

 あわてて敬礼をした。こんな綺麗な人がMSを?

 「アシスタントか何かだと思ってたでしょ?」

 「い、いいえ。」

 ジト目で見つめてくる。何と答えるか迷っていたら、

 「まぁ、良いわ。私は、この機体アレックスのシューフィッターをしていたの。すでに新技術のマグネットコーティングも済んでいるわ。少しでも乱暴に扱えば振り回されるから注意してね?」

 「了解です。では、ノーマルスーツに着替えて早速コックピットに入ります。」

 「了解よ。専用のノーマルスーツはロッカールームに有るから。君の名前が入ってるロッカーを開ければ分かるわ。」

 「ありがとうございます。」

 ノーマルスーツも新しくなるのか。それだけ危険な機体なんだな。アレックスの性能に期待を膨らませロッカールームに急いだ。

 

 北極基地 屋外MS試験場管理棟

 クリスチーナ・マッケンジー

 「凄い・・・。簡単にここまでの数値を出せるなんて。」

 第一印象は、ボーッとした少年だなと思った。アレックスを見上げて、私が居ることにも気付かない。この子が、あの戦果を叩き出したと言うの?隊長さんが、よっぽど良い作戦を立てたんだろうなと思ってしまった。

 アレックスに火を入れて、格納庫からスムーズに出した時には驚いた。あんな、じゃじゃ馬を初めて操縦した者がおとなしくさせるなんて。

 でも、指定された通りに屋外試験場で、自由に動かせてみれば、とんでもない結果になった。ほぼ100%の能力を叩き出して動き回っている。1G下でのAMBACとか繊細な動きを何の苦もなく行っていく。私の今までの苦労は・・。これが天才かしら。

 「アムロ軍曹、何か異常は出てない?」

 「えぇ、大丈夫みたいですクリス中尉。凄いですねこの機体。思い通りに動くし、とっさの反応にも付いてきてくれます。クリス中尉のおかげですね。本当に凄い機体です。」

 いや、私それ、10%位の出力しか出せてませんから。ナチュラルに心を折りに来る子だわ。私も少しはMSの操縦に自信持ってたんだけどな~。これを見たら、粉々です。

 「今日はそれぐらいで戻って来て。」

 「了解です。これより帰投します。」

 アムロは、クリスの指示に従い格納庫へアレックスを移動させた。

 あれだけの操縦技術を見せつけたのだ、少しは天狗になり、反抗的な態度の一つも取るかなと、警戒していたが、従順な態度のアムロに内心感嘆していた。

 《カシマ中尉の教育かしら?でもあっちの機体は、正しくとんでもない機体だから、はたして動くのかしら?》

 そんなことを考えていると、アレックスが急に止まり、ある一点を警戒しだした。

 「どうしたの?アムロ軍曹。」

 「いえ、何もないみたいです。気のせいでした。」

 「そう。手早くお願いね。」

 「分かりました。」

 再びアレックスが動き出したのを見て、クリスは天然かしらと、後でカシマ中尉に聞いてみようかと、思い付いたのだった。

 

 北極基地周辺 岩陰

 ハーディ・シュタイナー

 「ガルシア、戻れ。ポイントデルタに移動するぞ。ここはばれた確率が高い。」

 「そうですね。あの不自然な動き、ここは撤退した方が無難ですね。」

 ガルシアの言う通りだが、何者だあのパイロット。この距離から俺達に気付くとは。あの新型の性能も問題だ。噂に聞く白い悪魔かもしれん。ジオンのMSに、あれほどの動きが出来るだろうか?

 「今夜の内に仕掛けるぞ。奴等の交代の隙を突く。」

 「「「了解。」」」

 果たして上手くいくか?今回の作戦はハードな事になりそうだと頭を悩ませるのだった。

 

 

 

 




 アムロ、アレックスに乗るの回でした。オリ主は??

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