機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 ベルファストに到着です。


第32話  オデッサに向けて 

 ベルファスト基地 宇宙船ドック

 キイチ・カシマ

 予定よりも繰り上げて、ベルファストに着いてしまった。今、ホワイトベースは軽いメンテナンスを受けている。カリフォルニアベースから北極基地、そしてベルファストとほぼ休みなしで移動したのだ。空を飛ぶ戦艦であるため、やはりこまめなメンテナンスは必要だろう。原作では、結構メンテ抜きで使い回してたよな~。よく、修理とかしてたけど。修理中に襲撃とか受けていたイメージがある。

 「到着直後で悪いが、総員基地内の会議室に移動する。10分以内に左舷MSデッキに集合。」

 とアナウンスが流れる。それじゃ、移動しますかね。

 「聞いたな?手荷物だけ持って移動だ。今日は訓練は中止だ。式典が終わったら、各自自由にしてよし。まぁ、昨日はあんまり休めてないからな。じゃあ移動だ。」

 パイロット待機室から、ぞろぞろと移動する。この後は、昇任式か。俺とブライトは、今後の作戦説明も有るのかな?あんまり寝てないんで、明日以降にしてくんないかな~?

 

 ベルファスト基地 PX喫茶店

 カイ・シデン

 「いや~、あれよあれよと出世しましたね~、リュウ少尉。」

 「流石レビル将軍麾下の部隊だな、正直驚いたよ。隊長達だけかなと思っていたんだがな。カイとハヤト達も上がったからな。やはり、お前らも戦力として期待されてたんだろうな。」

 「ですね~、ますますホワイトベースを降りられなくなっちゃいますよ。」

 「何だカイ?艦を降りるつもりだったのか?もったいない。」

 「そうですよ。MSの操縦も、慣れてきた所じゃないですか。」

 「あ~、ハヤト。お前は良いカッコ見せたい娘が近くにいるからな~。おりゃそういうのもいないもんで。」

 「そうなの?ハヤト。」

 カーッ!アムロはやっぱり分かって無かったか~。

 「居るんだよ、アムロ君。」

 「ワーー!!カイさ~ん!!」

 「ま、アムロ君は、例の中尉さんにご執心かね?」

 「そ、そんなんじゃ無いですよ。」

 ま、アムロにゃ荷が重いかな?あんな、上玉。ま、頑張れアムロ君。

 「そう言うカイさんは、どうなんですか?」

 「あぁ?俺はPX喫茶店のお姉ちゃんで十分よ。ねぇ、なに子ちゃん?」

 「あら、軍人さん。養ってくれるの?」

 「良いよ良いよ~。」

 「私、弟と妹を養ってるから、漏れなく付いて来るけど?」

 「ありゃま、そりゃ残念。でも基地で働いてて危なくねえの?」

 「弟達を食わせなきゃだからね~。ここは結構多いよ、そう言う娘。将軍さんの、梃子入れだってさ。偉いよね~。アタシ達の苦労を分かってくれてるんだね~。」

 フ~ン。戦災孤児とかを労働力にして、雇用を産み出してるんだな。あの髭ジイサン、ただの軍人じゃあねえな。

 「じゃあ、売り上げに貢献しなくちゃな。コーヒーおかわり、ミハルちゃん。」

 「全然貢献になってないよ。それに、どうして名前を?」

 「そりゃ、ネームプレート見りゃな。」

 「目敏いね~。コーヒー一杯だね?マスターコーヒーおかわりで~す。」

 元気よく追加オーダーを伝える女の子。良いね~。あの子達のためにも、少しは頑張らなきゃな。柄にもなくそんなことを考えてしまった。

 

 ベルファスト基地 会議室

 キイチ・カシマ

 「オデッサ作戦ですか?」

 ブライトが驚いて聞いてくる。

 「あぁ、君達は中東方面からオデッサへ向かってくれ。なに、オデッサ作戦まで間に合わなくても良い。あくまでも後方攪乱だ。」

 「我々一隻でですか?」

 「すまないが、初めの内はそうなる。マドラス基地からミデア輸送機1機及びMS3機が合流する予定だ。MS隊は、カシマ君なら知っているだろう。アグレッサーを務めていた彼等だ。」

 「チェイス教官ですか?」

 「あぁ、チェイス・スカルガード少尉と、ハインツ・ハイウェイ中尉だ。少尉はRX-80PRペイルライダーの派生型レッドライダー、中尉は、RGM-79SCジム・スナイパーカスタムだ。後、ロッコ軍曹のガンタンクの3機だな。」

 「では、・・・・。」

 「あぁ、ここからは機密情報になる。と言っても今まで話していた内容も機密だがな。ただ、全てカタを付けたとだけ言っておこう。私の名前まで使われたんだ、決して許さんよ。黒い連中は漏れなく処分した。」

 「了解しました。」

 前々から思っていたが、レビルさんやるな~。グレイブ(ヴ?)まで潰したのか~。じゃあ、あの部隊も?疑問に思っていると、レビルさんと目があった。ニヤリと薄く笑っている。

 「まぁ、言いたい事は両名とも多々あろう。だが一つ言わせてくれ。彼等は元ジオン軍人ではある。しかし、ジオンによるスペースノイドの虐殺及びコロニー落としに反対し亡命した者達だ。つまり、真っ当な精神の持ち主である。彼等を偏見を持った目で見ないように部下達にも指導してくれんか?彼等は、赤心には赤心を持って答えてくれる。我々が相応な対応をしていれば裏切ることはないはずだ。」

 「「了解です。」」

 ブライトは思うところが有ったようだが、レビル将軍のたっての願いに気持ちを切り替えてくれたようだ。

 レビル将軍一人でこの戦争勝てそうじゃね?とも思ったが、いやいや我々も精進しなくてはと思い直した。この人に命を救われたのだ。なんとしても恩返ししなくちゃな。

 「では、我々の作戦開始はいつ頃ですか?」

 「あぁ、一週間後にICBMSで、テヘランを攻略してくれ。その時間に合わせるようにマドラスからも部隊を出し西アジアの制圧に動く。君達は、アグレッサー部隊と合流出来次第、カスピ海を北上。後方攪乱をお願いする。もちろん、現場の判断で、別に動いてくれても良い。」

 「「了解です。」」

 「よし、私からは以上だ。ブライト君は、少しここで待ってくれ。ペガサス級の運用に付いて聞きたいことが多々あるらしい。疲れてると思うが良いかな?」

 「大丈夫です。」

 御愁傷様。俺は、休ませてもらうか。

 「あぁ、カシマ君は、私に付いてきてくれ。」

 俺もかい!?

 「了解です。」

 レビル将軍にドナドナされて、彼の愚痴に付き合う事になった。休ませて貰えませんかね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 レビルさん、真っ黒な軍の内情にうんざりするの回でした。

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