機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 さっくり一週間後です。


第34話  テヘランへの出撃

 ホワイトベースパイロット待機室

 ジョブ・ジョン

 ベルファスト基地での滞在は、あっと言う間に過ぎた。ジャックさんや、アダムさんと仲良くオヤブンにしごかれて友情が芽生えたのは単純にうれしい。

 一度ベルファスト基地に、ジオンの水陸両用MSが攻めてきたがオヤブン達と一緒にサクッと片付けた。俺達舐められてるんだろうか?あんな少数で強襲してきて。北極基地の時と同じく、アムロとオヤブンだけで終わらせてた。

 奴等が強襲してきた次の日は、ジャックさん達が地獄を見たらしい。エマージェンシーコールに対する、反応が遅すぎるって。

 いや、普通そんなに早く動けないからね?誰が基地に夜襲掛けると思うよ。ってアダムさんそんな感じの事言ったら、もう訓練水増し。言っちゃダメだよ。俺達は撃墜こそしてないけど、援護射撃とかは出来たからね?

 え?君達何時もどこにいるのって?だいたい、パイロット待機室かな。そこで夜間は交代で仮眠してますよ。って言ったら驚かれた。いつ休むのって、まぁ仮眠は出来たからね~?可愛そうな者を見る目で見られた。

 そう言えば、半舷休息っていつ取ったっけ?ホワイトベースの自室で寝たことってサイド7以来ほとんど無いわ・・・。あれ?目から汗が・・・?早く戦争終わんないかな~。そしたら自分のベッドでゆっくり寝るんだ~俺。

 オヤブンに毒されていることに気付かされて、涙してしまった。あぁ、テヘラン(最前線)か~。ホント、丸々1日の休暇が欲しいよ~。

 

 ホワイトベースブリッジ

 ブライト・ノア

 「カシマ大尉、MS隊のパイロットは疲れているようだが、大丈夫ですか?」

 ホワイトベースのMSパイロット隊は全然休めて無い。基地の守備隊より、守備してる感じだった。

 「休ませてあげたいのは山々なんだけどな。ホワイトベースは目立つから、よっぽどの場所じゃなきゃ休ませてあげられん。ベルファスト基地の守備MS隊のパイロットローテーションを聞いたらな。不寝の番は有るが、全MSが一編に稼働できる体制じゃなかった。つまり、パイロット不足なんだよな、あの基地も。」

 むう、MS隊が不憫で少し言って見たが、無理っぽい。済まないリュウ、力になれそうにない。

 「ま、その件はレビル将軍もご存じらしい。今パイロット育成に力を入れている見たいだしな。少なくとも、ジャブローは1つのMSをローテーションで回せるように成っている見たいだしな。休暇はジャブローに着いてからだな。なんだ?リュウにでも泣き付かれたか?」

 「いや、ブリッジ要員を含む艦内の隊員は交代で休めていたのでな。見ていて、隊員が不憫でな。」

 「そりゃそうだろう。艦の運用は旧世紀から出来上がっているシステムなんだ。MSはつい最近運用開始した兵器なんだ。パイロット不足は当然の帰結だよ。気にするな、そちらは十分休んでくれ。なあに、ジャブローに着けば旨い焼鳥をあいつ等にたらふく食わせてやるし、2~3日の休暇もやれるだろう。」

 「きついな、そちらの状況は。」

 「仕方ないさ。何なら焼鳥奢るのを手伝ってくれても良いぞ?」

 「あぁ、そうさせて貰おうか。次いでだ、ブリッジ要員達も呼んで良いかな?いつも俺がお世話になってるんだ。」

 「良いんじゃね?味は保証するぜ。なんたってレビル将軍御用達の店だ。」

 ブリッジ要員の歓声が揚がる。そんなに食いたかったのかヤキトリ・・・。なんだか楽しみになってきた。

 「よし、皆なんとしても生きてジャブローに戻るぞ!気合を入れていけ。そろそろ降下ポイントだ。なんとしてもオデッサ作戦を成功させるぞ。」

 「「「「「了解!」」」」」

 ヤキトリ・・・。一体どんな食べ物なんだ?

 

 テヘラン上空 ホワイトベースMSデッキ

 アムロ・レイ

 もうすぐ作戦開始だ。僕は、アレックスをゾーリに乗せ、機体のコントロールをチェックしていく。カイさんとハヤトもチェックを始めた。うん、大丈夫みたいだな。

 これに乗って戦場に出るのはこれで3度目か。カリフォルニア、デトロイト両方とも成功と言って良いだろう。今回は前回と違い、僕はアレックスだ。油断は出来ないけど、多分大丈夫な気がする。このMSのお蔭かな。シューフィッターのクリス中尉と父さんに感謝だな。

 「カイさん、ハヤト、準備は良い?」

 「こっちはOKだアムロ。」「こっちもOKよ~。」

 準備は出来たみたいだな。

 「アムロ曹長、ブラボーチームの準備はどうか?」

 カシマ大尉から通信が入った。

 「こちらはOKです。」 

 「了解だ。今回もプランBで行く。後詰め頼むぞ。」

 「了解です。」

 暫くしてミサイル攻撃が始まった。その後直ぐに左舷デッキからゾーリがすっ飛んで行く。今回は、地上と空からの同時攻撃だ。なんだかジオン軍が憐れに見えてくる。

 「ブラボーチーム発進どうぞ。」

 セイラさんが、アナウンスしてきた。

 「アレックス、アムロ・レイ行きます。」

 気合を入れ直さなくちゃな。ゾーリの出力を上げ、右舷デッキから飛び出して行った。

 直ぐに編隊を組んで目的地に向かう。対空砲火は沈黙しているみたいだ。対空砲火が無いから、スムーズにカシマ大尉(アサルトチーム)の近くまで進める。アサルトチームの4時方向から3機のドムが近づいている。

 「カイさん、ハヤト、あのドムを落とす!ついて来て。」

 「「了解!」」

 返事を聞き、ゾーリを、カイさんに繋ぐ。

 「ユーハブコントロール!」

 「アイハブコントロール。」

 ゾーリをカイさんに任せて飛び出した。真ん中のドムに降下しながらビームライフルを2射。命中!装備をビームサーベルに換えて先頭のドムに突っ込む。ハヤトとカイさんが援護射撃で後方のドムを墜とした。そのまま先頭のドムを袈裟斬りに切り裂き離脱する。

 次の標的は何処だ?ウジャウジャMSが出て来た。そこに側面から赤いジムのような機体が突っ込む。正面からは、カシマ大尉とジョブさんだ。ハヤトも地上に降りたな。

 「ハヤト、あの集団の左翼から突っ込む。ついて来て。」

 「了解!」

 ハヤトの陸戦型ジムと左翼に移動して突っ込んだ。陸戦型ガンダムとジムが、基地内の散らばっているザクや、グフを効率良く片付けている。上手いな~。隊長が好きそうな連携だ。ジムがちょっと突っ込み過ぎだけど。

 暫くして敵の基地は沈黙した。カシマ隊長の指示で、周囲の警戒に移った。上空からホワイトベースが降りてくる。作戦は次の段階に移行するんだな。

 

 テヘラン基地敷地内 レッドライダー

 チェイス・スカルガード

 なんだあれは?俺が知っているカシマ少尉の動きじゃない。少し見ない間に、どんだけレベルを上げたんだ?ビームサーベルの動きなんか、ありゃ自分で作ったモーションか?

 いや~、男子3日会わざればって奴か~。変わりすぎだろ。これは、こっちから御願いして一手御指南願いますかね。これは思っていた以上に凄い作戦に成りそうだ。少し悲しいが、ジオンは本当にダメかもしれないな。ハイウェイ中尉の言っていたことが現実を帯びてきた。

 

 




 ついにオデッサの前哨戦が始まりました。

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