機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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オデッサへ向かいます。


第38話  集結する戦力

 カスピ海西側沿岸上空 ホワイトベース

 パイロット待機室

 ジョブ・ジョン

 こんにちは、ジョブです。今俺達はカスピ海西側沿岸のジオン軍基地を潰して回ってます。うちのオヤブンは、ワーカーホリック気味で、ジオンのドムを次々に破壊または鹵獲してます。俺のガンキャノンにドムの足を付けようと企んでいる見たいです。メカニックに聞いた時は気が遠くなりました。誰か止めてくれませんかね~?ジオンの技術と連邦系の技術って互換性有るの?無いよね?無いって言ってくれ~。誰か~。

 取り乱してしまった。この頃はよく精神が不安定に為っている気がする。せっかくの休憩時間だ。まったりとした時間でも過ごしますか。

 そう言えば、この前ニューヤーク攻略作戦でカジマ中尉が一騎討ちしてたな~。あれ凄まじかった~。アレックスのアムロとドッコイの感じがする。その日の夜のニュースでカジマ中尉がインタビュー受けててオヤブン大爆笑。カジマ中尉は顔が引きつっていて、少し笑えた。

 でも、良いよな~。イケメンで、エース。どこの主人公だよって聞きたい。モテるんだろうな~。あっちの作戦オペレーターのモーリンちゃんとか、完璧に惚れてるみたいだし。どこかうちのフラゥ嬢ちゃんとにてるんだよな~、彼女。

 「よし、パイロットは各自MSに乗り込め。」

 「「「「「了解。」」」」

 さあて、お仕事の時間だ。今回の現場(戦場)は、カスピ海沿岸の都市バクー。カスピ海のへそみたいなあそこだ。ここにジオン軍の物資集積基地がある。ここを叩きカスピ海周辺のジオン軍基地の補給線にダメージを与えるのが今回の目的だ。今回はICBMSじゃない。ミノ粉振り撒いて高高度からホワイトベース隊が突入。俺達が派手に暴れているときに、低空からアグレッサー部隊が突入という作戦だ。なんかいつも最前線にいる気がする。さっさとガンキャノンに火を入れ、状態をチェックする。うちのメカニックは憎い位優秀で、異常箇所が見当たらない。いや、ミスって1回位、出撃出来なくても良いのよ?なんて阿呆な事を考えてしまった。ガンキャノンをゾーリに乗せて、ゾーリもチェック。こちらも異常なし。うん、何としても戦って結果を出せって位全システムオールグリーンだ。ちくしょう、やってやる。

 「ガンキャノン、ジョブ・ジョン機オールグリーン。」

 「同じくリュウ・ホセイ機オールグリーン。」

 「よし、今回はパターンC。2小隊同時出撃だ。ブラボー小隊にお前らの力を見せてやれ。あとジョブ、お前もう少し集中しろ。今のお前なら、俺の指示無しで、突入のタイミングも分かってるはずだ。いいな。自分を信じろ。」

 「了解!」

 一瞬ビックリしたよ。ホント、オヤブン恐いな~。でも集中か。一丁乗せられて見ますか!

 

 バクー郊外荒野 ジムスナイパー

 ハインツ・ハイウェイ

 ホワイトベース隊が攻撃を開始した。チェイスも基地の方にすっ飛んで行った。それじゃ俺はこの位置から狙い撃ちますかね。しかし、あのゾーリっていうフライトユニット、便利だな。おっ、チェイスを狙っている奴を発見だ。早速狙い撃つ。撃破だ。仲間だろうザクが周囲を見回している。奴まで撃って移動だ。よし、

 「こちらチャーリー1、MSを2機殺った。ポイントを移動する。チャーリー3は、基地に向けて無反動砲を掃射後、そちらもポイントゴルフに移動し待機せよ。」

 「了解。」

 移動しながら指示を出す。チェイスはレッドライダーで基地に突入した。後は、ホワイトベース隊と合流するだけだな。

 それにしても凄まじいな、ホワイトベース隊は。ガンダム2機に目を奪われがちだが、強襲型ガンキャノンも良い仕事をしている。陸戦型ジムも、上手く支援しながら戦っている。後方のガンキャノン2機も空中から上手く援護射撃出来ている。しかし、後方のガンキャノン2機は、想像の範囲を出ない。あの若さで、上手くやれている時点で充分だとは思うが、ソードマスターは少々ご不満らしい。ま、白兵戦組の完成度に比べればね。ただの援護射撃から狙撃技術へスキルアップか。位置バレしてる状態でそれは難しいと思うんだがな?まぁ、教えられるだけ教えて見るか。敵にとっても同じ部隊の者にとってもホント鬼だな、彼は。強襲型ガンキャノンにまだまだ手を入れようとしているし。ジョブ君には強く生きて欲しいものだ。俺達には、君を救ってあげることができん。でも彼に付いていけば、そうそう殺られることは無いだろうから頑張れ。

 バクー基地の反撃は沈黙したようだ。あ、隊舎の建物の一つに白旗がたった。ここでの作戦も終了だな。基地の方に移動するか。

 「チャーリー1からチャーリー3。作戦終了だ。これよりバクー基地に移動する。」

 「了解、こちらはミデアと合流後に移動します。」

 「了解。」

 周囲を警戒しながらバクー基地に向かう。どうやら降伏を偽装してはいないようだ。あの一騎討ちのお蔭だろうか、明らかに汚い真似は双方出来ないでいる。しかし、それがいつまで続くかは分からない。だが、もうあんな虐殺はあれっきりにして欲しいものだ。

 

 大西洋上空 ミデア輸送機

 パイロット待機室 フィリップ・ヒューズ

 いやはや、ユウの奴はトントン拍子に出世していくな。この前中尉に昇進したと思ったら、今回の一騎討ちで大尉に昇進か~。しかも、何だかアイドルのような扱いになってきた。若い女性士官にチヤホヤされて、羨ましい限りだ。マサキの奴と二人で並んで居る時なんか女性士官の目があっちの世界に行ってやがる。恐らくおぞましい想像でもしてるんだろう。あの娘等の頭の中など知りたくも無いがな。

 んで、昨日まで北米戦線の最前線で明日からは、レビル将軍麾下の部隊としてオデッサの最前線かよ。休み位くれよ。新型の試作MSは有り難いが、あれ俺に乗れって事だよな~?ジムドミナンス?これからも最前線は決定ですか、そうですか。引退してパン屋でも開こうなんて夢はいつに成ることやら。ただ一つの救いは、第13独立戦隊と合流しなくてすみそうな件だな。あの部隊、滅茶苦茶な作戦に従事させられ過ぎだろう。結果を残し続けるのも考えものだな。

 「おーい、フィリップ少尉。隊長さんがお呼びだぜ~。シミュレーション訓練するんだってさ~。」

 メカニックの若い奴が俺を呼びに来た。まったく、ちっとは休憩位させてくれよ。

 「分かった~。5分後にMSデッキに行くと伝えてくれ~。」

 「了解で~す。あと、ドミナンスのセッティングに顔を出してくださ~い。」

 「分かった~。訓練の後でな~。」

 全然休憩できね~。いつまで続くのかね~?こんな状況。誰かなんとかしてくれ~。

 

 

 

 

 

 

 

 


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