機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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いよいよ赤い彗星と戦闘です。


第4話  赤い彗星との邂逅

 サイド7宙域 シャア・アズナブル

 あの黒いMS何者だ?奴のせいで宇宙港への侵入は防がれてしまった。だがまあいい。それなりの画像データを持ち帰ることはできた。後は、MSをぶつけてみるだけだ。新兵とベテランのザクを1機ずつ倒しているが、私はどうかな?

 「ドレン、ザクをこちらに射出してくれ。MS戦を仕掛ける。」

 次々にドレンに指示を出していく。連邦のMS、精々楽しませてくれよ?

 

 サイド7宇宙港 キイチ・カシマ

 宇宙港でリュウを待つ間、ガンダム1号機のモーションパターンを確認していく。それなりに良くできているが、ビームサーベルを使った格闘パターンはいただけない。まるで、時代劇の殺陣の様だ。当たれば切れる質量の無い高エネルギーの剣なんだから、こんなに振りかぶる必要は無い。ザクのヒートホークのパターンの丸コピーかな?今後は要改善だな。それにしても若い身体になったからか身体が軽い。反射神経も良くなったような気がする。

 「アムロ君、そちらの方はどうだ?何かわからない事があれば、答えられる範囲で答えるぞ?」

 『今のところは大丈夫です。』

 「分かった。操縦の事でわからない事が有ったらその都度聞いてくれ。」

 それにしてもアムロは理解も早い。触った事もないマシンに乗って初出撃でザクを1機撃墜するのもうなずける。まあ今は内心ブツブツ文句言ってんのかもしれないが。少しでもコミュニケーションを取ろうと小まめに話しかけながらリュウを待つ。

 『待たせました。ガンキャノン、リュウ曹長です。』

 「来たか、宜しくな。どうだ?出来そうか?」

 『最低限、動いて撃つぐらいは出来ますが、あんまり期待せんで下さい。』

 「了解だ。リュウ曹長は、ホワイトベース正面前方500m の位置をキープしてそこからアムロ君のフォローを頼む。アムロ君は、俺の左側に就いてリュウ曹長を上層とした二等辺三角形を形作るように位置してくれ。ホワイトベース、こちらMS隊隊長カシマ少尉だ、MS隊が先行する。広域索敵は任せるから情報は逐次こちらに送ってくれ。」

 『了解しました!MS隊先行してください。』

 「了解、出るぞ!」アムロとタイミングを合わせ、ガンダム1号機を宇宙港から発進させる。リュウはホワイトベースとタイミングを合わせて発進する。アムロは、言うだけあってスムーズに隊列を組んできた。感心しながらも、もう少しで原作通りなら、ミサイルが来るはずだ。ホワイトベースが宇宙港を出てすぐ通信が入る。

 『前方から飛来する熱源が3つ。大きさから言ってミサイルです!!』

 「了解、MS隊で迎撃する!アムロ君、左側の奴を頼む。リュウ曹長はフォローの準備だ!」

『『了解。』』

息の合った返事が帰って来る。言った手前2発のミサイルは迎撃しなきゃな。何故か俺には自信が有った。落ち着いてスコープを覗き、まずは1つ目。続いて2発目。良し、どんなもんだ!お次は有名なあの台詞だ。

 「さらに接近する熱源あり!は、速い!?MSと思われますが、通常の3倍のスピードです!!?」

 『シャ、シャアだ!赤い彗星のシャアだ!!ルウム戦役で奴1機に3隻の戦艦が落とされた!に、逃げろー!!!』

 (゚∀゚ 三 ゚∀゚)キター。よし、やってやる!

 「アムロ君、通常のザクを頼む。リュウ曹長は引続きアムロ君のフォローだ。俺は赤い奴を抑える!」

 『『了解!』』

 二人の返事を聞き、俺はシャアのザクに向かう。ビームライフルの銃口を奴に向ける。横にスライドすると思ったよ、銃口を横にずらし1発!惜しい、避けやがった。無理な機動で慌てている内に俺の横を抜けようとしているザク3機の内の1機に素早くビームライフルで攻撃。結果を見ることなく、回避行動。

 先程までいた場所にザクマシンガンの弾丸が通り過ぎる。すぐに眼を赤い彗星に向ける。一際明るい閃光が走ったので直撃だったのだろう。動揺しているのか?ビームライフルをビームサーベルに持ち換え接近戦を仕掛ける!小さく素早い挙動を選択し、すぐに回避行動とリンクし頭部のバルカンを一射!反撃しようとした奴の行動を制限する!

 ヒット&アウェイをランダムに繰り返し奴と対峙する!気を抜くな、奴の一挙一動を見逃さず集中しろ!まるで剣道の試合をしているようだ。正直、もう後を気にする余裕は無い!お互い有効打を打てず、接近戦を繰り返す!

 すると、後方で再び眩しい閃光が走った。アムロとリュウがやってくれたみたいだ。良いぞ!さぁどうする?赤い彗星!!数の上では此方が有利になったぞ。

 この場での不利を悟ったのかこちらへ仕掛けてくることはなく、生き残った僚機のザクと共に引いて行った。疲れた・・・。奴も様子見のつもりで出てきてこのカウンターは効いただろう。しばらく警戒体制を取っていたが、ホワイトベースから帰還指示が出たため、リュウから順に前方のハッチから帰還する。

 ロッカールームでノーマルスーツから着替え、3人でブリッジに向かう。ブリッジにはブライトさんがいた。あ~、ブライトって年下だっけ。ま、いいや。報告をしようかね。パオロ艦長は居ないな。

 「MS隊、敵MSの撃退を完了した。パオロ艦長はどちらに?」

 「お疲れ様です。パオロ艦長は、現在医務室で治療中です。現在は私が臨時で艦長を代行中です。」

 「そうか。MSドックにレイ大尉が居たからそうではないかと思っていた。士官学校を出たばかりだろうが、君しかいないみたいだな。出来るだけフォローするからがんばってくれ。」

 「ありがとうございます。では、少尉には引続きMS隊をお願いします。」

 「了解した。あと、MSの操縦士を募集出来ないか?このまま黙って見逃してくれるとは思えない。失った戦力を補充したら仕掛けて来る可能性がある。時間のある内にシミュレーターで訓練をしてもらい、こちらの戦力を少しでも増強したい。打てる手は全て打っておきたい。」

 「分かりました。後ほどメンバーを選定します。少尉は今から何を?」

 「あぁ、3人で先程の戦闘の検証とモーションパターンの見直し、設定をな。整備の方はレイ大尉が中心になってやってくれてるから一言かけて甘えさせてもらう。」

 「分かりました。MS隊の方はお任せします。」

 う~~ん、目上の者が居ればアムロに当たることも無いのね。まあ、一人で抱え込まなくてもいい分、気持ちに余裕が出来たのかも知れない。さぁ、戦闘の検証とモーションパターンの改善だ!!やるぞ~~!




 正史以上の戦果にどう歴史が変わるのか?がんばれチーター・ゾンボルト。格闘特化へ一歩前進です。

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