機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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ホワイトベースMS隊待望の休暇回です。


第42話  ジャブローでの休暇と

 地球連邦軍本部基地内PX ヤキトリ トリゲン

 リュウ・ホセイ

 オヤブンとブライトに連れられ、MS隊とブリッジ要員でこの店に来た。ジャパニーズヤキトリの専門店のようで、ただのチキンでは無く、サツマジドリを出すそうだ。同じチキンだろう?たいして違いなんか有るのかよ。と思ってた時期が俺にもあった。

 「旨い!!なんだこれ!?」

 噛めば噛むほど、チキンの旨味が溢れ出る。焼き方もベリーグッドだ。タレと塩の串があり、タレの旨味とマッチしている。うむ、やはりこの料理はタレで食うものだな。何?塩を試して見ろだと?タレ串が無くなるのを警戒したのか、カイが塩を勧めてくる。

 ふん、タレに比べればただの塩など、原始的な調味料が叶うものか・・・。

 「旨い!何故だ!?」

 声が出てしまった。なんだこれは???あのタレの芸術的な完成度に比べ、ただの塩だぞ??

 「ね?言ったでしょ?これなんでしょうね?兎に角旨いんですよ。」

 カイめ、タレを食べた後に塩に手を出すなどなんと言うチャレンジャーだ。しかしそのチャレンジのお蔭で塩串の旨さが判明した。ナイスチャレンジと褒め称えるべきだろう。

 それにしても、流石レビル将軍の行き付けだ。噂に違わぬ旨さ。まさに食の芸術!串の肉を一つ食う。冷えたビールで流し込む。うむ!止まらぬ。無限ループだ!ジャパニーズヤキトリ恐るべし!

 ジャパニーズヤキトリは、チキンの色々な部位を焼いて出してくれる。今までは、胸肉とモモ肉、後はレバーしか食べた事が無かったが、ネックのセセリ。テールのボンジリなど今まで食べた事が無いような部位も出してくる。そしてその全てが旨い!今まで俺はチキンの何を知ったつもりでいたのだろう。ハヤト!お前それは何を食べている?何?軟骨唐揚げ?フム、一口貰うぞ。旨い~!軟骨だぞこれ~?ビールに合う~!!ビールが足りない、

 「店員さ~ん、ビールおかわり~!」

 カイ?それは何を付けて食べている?レッドホットチリペッパーでは無く、その緑のペーストだ。何?ユズゴショウ?フム、一口試して見るか・・・でかした、カイ!お前はすばらしいチャレンジャーだな!よし、ビールが来たようだ。これでまだ戦える!

 

 同場所

 キイチ・カシマ

 あ~、あ~、あ~。もうネコまっしぐら状態だな。欠食児童よろしく、パイロットどもは焼鳥に食らい付いて離れない。まぁ、喜んで貰えて何よりだよ。ホント、ここの大将のリョウちゃんは転生者じゃないのと疑ってたけど、どうやら違うらしい。ブラジルの日系移民の子孫で、日本に留学した時に焼鳥に感動したらしい。そのまま弟子入りし、暖簾分けを受け帰国。ジャブローで開店ということだった。薩摩地鶏は、日本から取り寄せているらしい。なんか、ジャブローで今地鶏料理が流行しているらしい。レビル将軍がこの店を発見し、色々な人に勧めたらしい。そしたら一気に人気が爆発。食通のゴップ中将も認める旨さ。ビールもキリ○や、アサ○がこっちに工場を建設したらしい。今、戦争中だよね?民間は逞しいな~。

 俺は、地鶏のタタキをチビチビ摘まんでいる。これ旨いのよね~。西洋人は見向きもしないけど。ハヤト君は遠慮してるのか、一切れづつ食べて顔をほっこりさせている。

 「カシマ大尉は、ジャパン出身なんですか?」

 ミライさんが聞いてきた。

 「そうだな。幼少期まではいたよ。後は、各サイドを転々だな。親父も連邦軍の軍人でね。サラミス級の砲雷長だった。」

 「では、お父様は・・・」

 「あぁ、ルウム戦役でな。一家で生き残ったのは、どうやら俺だけに成ったらしい。」

 「では、お母様も・・・」

 「いや、戦争とは関係無く病気でな。俺が軍に入る前の事だよ。」

 「すみません、お辛い事をお聞きしました。」

 「いや、良いんだよ。それよりも食べてくれ。ヤシマ君は、地鶏のタタキもいけるんじゃないか?」

 「えぇ、いただきますわ。」

 うん、やはり日系人は判るよな、この旨さ。醤油最高だぜ。俺はタタキを飲み込んだあと、芋焼酎の水割りに口を付けた。

 

 同場所

 セイラ・マス

 ミライがカシマ大尉に家族の事をお聞きしている。集中して聞いていたら、ミライが私の隣に移動してきて話しかけてきた。

 「セイラ、カシマ大尉と話さないの?先程から、こちらの事を気にしてたみたいだけど。」

 「そ、そんな。」

 「分かってるわよ、貴女が大尉を気にしていることを。大丈夫よ。私は彼に気は無いから。」

 「そうなの?」

 確かに彼女は、MS部隊に特別な感情は見られなかった。ではなぜ?

 「貴女がMS部隊の誰かに想いを寄せているのは分かってたんだけど、まさか大尉とはね。今まで気が気じゃ無かったでしょうに・・・。」

 ふう、と息を吐く彼女。まるで、お姉さんか、ママンのように心配気に私を見てくる。

 「あの人を想い続けるのなら覚悟が必要よセイラ。常に最前線に立っているような人だもの。今までもそうだし、恐らくこれからもね。友人として言わせて頂くと、決してお薦めはしないわ。辛い事を言うようだけど。優秀なパイロットだけど、流れ弾1つで命を落とす場所に、自分から進んで飛び込んで行く人よ?」

 分かっている。それは十分に。

 「分かってるわ。でも、止められないのよ・・。」

 「しょうがない娘ねぇ、貴女も。良いわ、私も協力してあげる。あの人に生き残る理由を1つでも多く作ってあげなきゃね。」

 「ありがとう、ミライ。」

 おっとりしたこの友人は、任せなさいと胸を叩き、ビールに口をつけるのだった。まさしくママン。少し涙が出そうになった。

 

 アマゾン川河口都市ベレン近海マッドアングラー

 シャア・アズナブル

 「よし、ジャブローの宇宙船ドックとアマゾン川からの入口は確認できたな。所定のポイントに移動し通信だ。ここからが本番だ。」

 「了解。よし、ここを離れるぞ。ダウントリム20、深度200mで固定。ポイントデルタに移動する。」

 マッドアングラーは静かに現場を後にする。連邦の木馬のお蔭で宇宙船ドックは判明した。運良く、アマゾン川からの進入路もな。今までは、攻められて来たが今度はこちらから王手だ。逆転の手を伝えるべく、艦は南米から離れて行くのだった。

 

 




 同名の焼鳥屋が有っても本作品とは一切関係有りません。焼鳥旨いですよね~。自粛のせいで、焼鳥に行けてませんけど。ホント、コロナのバーカ(泣)!
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