機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 あの人が、ホワイトベースに着任します。


第48話  宇宙へ

 ジャブロー宇宙船ドック ホワイトベース前

 クワトロ・バナージ

 フム、これが例の艦か。連邦軍のエースが配属されている部隊。

 「どちらさ~ん?」

 若いやせ形の男性士官が気安く声をかけてくる。

 「今度、此方に配属されるクワトロ・バナージ大尉だ。艦長に着任の挨拶をしたい。どちらかな?」

 「失礼しました!私は、カイ・シデン軍曹です!艦長はブリッジにいらっしゃいます。ご案内させて頂きます!」

 すぐさま姿勢を正し、敬礼してきた。

 「フム、硬く成らんでも良い。楽にしてくれ。そうだな、頼めるか?」

 「はっ!こちらです。」

 「フム、君は避難民からパイロットに成った口かい?無理に敬語は使わなくて良い。これから一緒に戦うんだ。丁寧に話してくれたらな。」

 「へへへ。すいませんね。そうですよ、元サイド7の避難民です。パイロットで言えば、後ハヤトとアムロもそうです。今度、紹介させますよ。」

 「いや、それには及ばん。私もパイロットだ。この後パイロット待機室にも案内してくれ。」

 「分かりました。」

 エレベーターに乗り、ブリッジに到着する。

 「今回、ホワイトベースMS隊に配属に成ったクワトロ・バナージ大尉です。ジム・ドミナンスを任されることになりました。辞令書の確認をお願いします。」

 艦長と思われる若い士官が敬礼し、直ぐに敬礼を解く。此方もその後に敬礼を解いた。

 「お話は伺ってます。クワトロ・バナージ大尉ですね?紹介します。此方が現在MS隊の隊長を勤めているキイチ・カシマ大尉です。バナージ大尉は今後、カシマ大尉の元で戦う事になるんですが、「構わん!」・・。そうですか。」

 「噂に名高いソードマスター殿と共に戦えるのだ。私に異存は無いよ。」

 「そう言って頂けるのは光栄だが、それは止めてくれバナージ大尉。私はキイチ・カシマ大尉だ。」

 「フム、それならばキイチ殿とお呼びしよう。」

 「いや、キイチ大尉で結構です、クワトロ大尉。」

 「そうか、それならばそうさせて頂く。どうだね?お近づきの験に今夜辺りMS隊で飲みに行かないかね?色々話を聞かせて頂きたい。よかったら艦長達ブリッジ要員共一緒に。」

 「そうだな、MS隊はOKだ。艦長達はどうする?」

 「そうだな、出港は明日の1300だ。飲みすぎなければ問題無い。ブリッジ要員は希望者のみだが参加させて頂くよ。」

 「フム、急に言い出してすまんね。私は、今回ホワイトベース直掩MS隊の指揮を取ることになっている。ホワイトベースMS隊のツートップによる攻撃、いわゆるY字フォーメーション時等だな。この時のホワイトベースの防衛MS隊だ。その辺りの話を艦長やキイチ大尉と詰めて行きたい。」

 「そうだな、それじゃパイロットを全員ブリッジに呼び出すか。カイ、頼まれてくれるか?」

 「了解。そんじゃ呼んで来ます。」

 カイが出ていって直ぐに女性士官が敬礼してブリッジに入って来た。

 「クリスチーナ・マッケンジー中尉です。着任の挨拶に参りました。ジムスナイパーⅡを任されることになりました。辞令書の確認をお願いします!」

 もう一人のパイロットか。まさか、女性とはな。その後パイロット全員がブリッジに集合した。約1名、心ここに有らずなんだが大丈夫か彼は?キイチ大尉に目を向けたらため息を吐き、天パの少年に軽く拳骨を落とした。

 直ぐにミーティングが始まった。

 「そんじゃ、アサルトチームとブラボーチームに別れた時、クワトロ大尉達はどっちに着くわけ?」

 「基本的にはどちらにも着かず、ホワイトベースの防衛に当たる。もし、全戦力で打って出なければ成らなくなった場合はキイチ大尉の指示に従う。」

 「MS2機で守れんの?」

 「時間稼ぎぐらいはやって見せよう。と言うか、MSの1機も置かずに出ていく方も問題なんだがな?」

 「言われてみればそうですね。」

 等々実の有るミーティングが出来たと思う。その後、シミュレーションルームとブリッジを繋ぎ、模擬戦を数回行った所、パイロット達の信用も勝ち取れたようだ。アムロ君は不思議そうな顔をしてたけどな。新米がかかる例の病気か?

 

 ホワイトベースシミュレータールーム

 キイチ・カシマ

 うん、流石だな。例のビームサーベルのモーションも直ぐに適応した。流石はランバ・ラルだ。ジムとは違うのだよとか言うのかな?っと思っていたけど言わなかった。しかし、これでホワイトベース隊は満杯だな。後は、救命ランチしか乗せられない。

 ホワイトベースMS隊は、元パイロット候補生、元民間人、元テストパイロット、元敵国人と多彩な顔ぶれになっている。願わくば、クワトロ大尉とは袂を別つこと無く関係を築いていきたい。

 「今日のアムロ、なんだか調子が良すぎないか?動きのキレがこの前のジャブロー戦以上だぞ?」

 うん、ジョブ君分かってるね。いつだって男はバカな生き物って事だよ。バーニィ君下手に彼女に近付こうもんなら、原子に変えられるなこりゃ。触らぬ神に祟りなしだ。その日は、トリゲンで軽めに飲んで次の日に備えることに成った。MS乗りの野郎共がはっちゃけたのは言うまでもない。アムロ、カイ、ハヤトはアルコール抜きでよくあそこまではっちゃけるもんだ。恋は盲目って奴かな?俺しーらないっと。

 

 ホワイトベースブリッジ

 ブライト・ノア

 かつて今までここまで心強く思った出港はあっただろうか?充実したMS隊。天才パイロット2名に、ベテランの直掩機付き。しかも、僚艦として、グレイファントムがついてくる。途中別行動に成るらしいが、心強いことこの上ない。ブリッジスタッフの顔色も良好だ。

 「艦長、フラミンゴの群れです。」

 「よし、総員に連絡しろ。左舷にフラミンゴの群れだ。手の空いてる者は撮影を許可する。」

 ホワイトベースは宇宙に上がって行く。最後の戦いも近いのだろう。気を引き締めて、前方を睨み付けるのだった。

 

 




 スレッガーさんは、きっとどこかのMS隊に配属されてますw。アフリカ戦線とかw。
 この回で第二部終了です。

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