機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 サイド6に到着です。修羅場?


第50話  ブライと・・・・?

 ホワイトベースブリッジ

 ブライト・ノア

 「サイド6からの入港許可が降りました。」

 「了解だ。監察官が到着するまで、この空域で待機だ。」

 「了解。」

 なんかスムーズに手続きが終わったな。やはり戦況は連邦軍が有利に働いているからだろうか?仕方がないとは言え、ここまであからさまに日和見主義とはな。

 「うん?艦長、どうしたね?」

 クワトロ大尉が心配したのだろうか、話しかけてきた。この頃はキイチ大尉よりもクワトロ大尉の方がブリッジにいる時間が長い。まぁ直掩MS隊の隊長だからな。

 「いえ、サイド6の入港手続きがスムーズに行きすぎたので。」

 「ははーん。このサイドの日和見主義に少々呆れたか?」

 「まあ、そんなとこです。」

 「ははははは、そう言ってやるな。1億人単位の命が掛かっているんだ、中立を勝ち取っただけでも政治家としては優秀だ。この戦乱の中、民を危険に晒さずに済んだだけでも優秀だよ。まあ、思うところは有るがな。それもこれも連邦がもっとしっかりしていれば起こらなかった事だ、我々にも責任が有る。」

 「そ、そんな。」

 「ははははは。何、君は何も責任を感じることは無い。悪いのは大人だよ、我々のような、な。」

 肩にポンと手を置かれた。

 「まあ、そんな鯱鉾張るな、もう少し気を抜いていけ、ここは前線じゃない。」

 「そうですね。」

 この人は、なんか頼りになると言うか親父さんと言うか不思議な人だな。笑い方も豪快だし、なんか大人の男って感じだ。

 「そう言えば、MS隊の方はどうですか?うちの連中は大尉にとって良い刺激に成ったんじゃないかと?」

 「わははははは!!刺激的過ぎてこの年寄りには堪えたわ!やはり、キイチ大尉とアムロ准尉は飛び抜けてるな。もはや、俺では相手に成らんよ。その点、ジョブや、ハヤト辺りはまだかわいいもんだ。クリスの嬢ちゃんもな。カイとリュウは狙撃手としては、もう一息だな。」

 「やはり違いますか、彼等は?」

 「あぁ、別格だな。そして何よりも、キイチ大尉がアムロ准尉を上手に導いている。良くできた師弟関係だよ。この船が生き延びられたのもよく分かる。」

 「そうでしたか。」

 やはり、この人の目から見てもあの二人は段違いのようだな。それにしても、この人、、、何歳なのだろう?

 「クワトロ大尉ったら、ご自分を年寄扱いなさって。まだお若いでしょうに。」

 「ん?俺はもう35だ。君達からすれば、十分年寄だよ。まだまだ君達に負ける気は無いがな。」

 ナイスだミライ!!

 「いやいやいや、そんな事有りませんよ、頼りにしてますよクワトロ大尉。」

 「そうか?まぁ直掩MS隊だ、頼ってくれて構わんよ。」

 ミライが此方にウィンクをしている。俺の考えてることが分かったんだろうな。小さく礼をし、微笑み返した。こんな女性を妻に出来たら、男は幸せなんだろうな。

 「サイド6の監察官がお見栄になりました。ブリッジに通します。」

 「よし、通せ。」

 「サイド6監察官のカムラン・ブルームです。この艦の艦長はどなたですか?」

 「カムラン監察官、私が艦長のブライト・ノアです。」

 「そうですか、ようこそサイド6へ。それでは早速、注意事項の説明に入ります。このテープを各砲門に、」

 「分かっています。破れば恐ろしい額の賠償金が掛かるんですね?」

 「そうです。説明が早くて助かります。此方にサインをお願いしても?」

 「えぇ、良いですよ。」

 サインをさらさらと記入する。ん?カムランさん?

 「ミライ!ミライじゃないか!」

 「カムラン!貴方どうして?」

 「探したんだよミライ、この船に乗っているなんて。」

 「ゴホン!監察官殿、入港中ですよ!」

 カムランさんの肩に手を置き、ミライから少し離す。

 「彼女は(我々にとって)大切な女性です。手を出して貰っては困りますな。」

 ミライの顔が真っ赤に成って、目が潤んでいる。ん?ブリッジの全員が此方を見て動きを止めている。セイラが俺とミライを微笑ましい物を見たような顔で見つめている。ん~~~??

 「女性を口説くには、強引過ぎると言うんですね。」

 「まあ、それにTPOもだな。まぁ横恋慕はやめた方がいい。馬に蹴られて死なん内にな。」

 クワトロ大尉???今更ながら、自分が発した言葉の意味に気付いてしまった。

 「いやはや、艦長には畏れ入ったよ。ただの朴念仁と思っていたが、こんなに情熱的であるとはな。」

 「ブライト・・・。」

 ミライ!?ええい!ミライとカムランさんの間に体を入れ、カムランさんと向き合う。

 「・・・そう言うことか。私は遅すぎたんだな。所詮は親が決めた許嫁か。悪かったな、艦長。」

 「カムラン・・・。」

 「いや、分かって頂けたら・・・。」

 よく見るとブリッジの中にパイロット連中が入って来ている。クリス中尉も顔を真っ赤にして口許を押さえている。あっ!ハヤト!フラウの手を握りやがった!フラウも顔を真っ赤にして握り返しやがった。この雰囲気を旨く利用しやがったな。セイラは微笑んで、ミライに小さく拍手を送ってる。君そういう人だったっけ?

 「ゴホン!入港準備中だ。総員持ち場に付け。カムラン監察官、彼方の椅子にお掛け下さい。ミライ、サイド6からのガイドビーコンはまだか?」

 「え?えぇ、こちらからガイドビーコンを射出します。セイラ、サイド6の方は?」

 「えぇ、確認します。サイド6管制官。此方はホワイトベースです。今からガイドビーコンを射出します。準備はよろしいですか?」

 「ザザッ、、こちらサイド6管制官。少し待ってくれ。よし、準備OKだ。ガイドビーコンを射出してくれ。」

 「了解。ガイドビーコンを射出します。」

 「よろしいですね、艦長?」

 「あぁ、頼む。」

 「ガイドビーコン射出。」

 「ザザッ、、そちらのガイドビーコンをキャッチした。こちらもガイドビーコンを射出する。」

 「了解。・・・ガイドビーコンをキャッチしました。」

 「自動操縦に切り替えます。」

 少し頬を染めて報告するミライ。ま、まあ、結果オーライだよ・・な?

 「分かった。各員入港に備えろ、補給物資はリストを作って置け。」

 俺の顔も赤く成っているのだろうか?まぁ良い、今は入港の準備だ。

 

 ホワイトベース パイロット待機室

 アムロ・レイ

 凄い物を見てしまった。なんだあれ?ブライトさんってあんな人だったんだ、キイチ大尉とよく話してるし話も合っているみたいだからそれなりに優秀な人だとは思ってたけど、凄いな~僕もクリス中尉と、、。

 ボンヤリそんな事を考えていたら、ハヤトとカイさんが入って来た。

 「ハヤト!お前もちゃっかりやるね~~?もう、決定的じゃないか!え~?先生!」

 「もう、止めて下さいよカイさ~ん。」

 ハヤトもなんだか嬉しそうだ。

 「何かあったんですか?カイさん?」

 「ん?お~~、アムロ!お前一人さっさと戻りやがって~。お前もブライトさん見たよな?」

 「はい、それはもうバッチリ。凄かったですね!やる時は、やる人だったんですね!」

 「チッチッチ、甘い、甘いよアムロ君。このハヤト先生はな、そんな空気の中!なんと!意中の女性の手を握り!そして握り返して貰いやがったんだ~~!!」

 「カイさん!それ、本当ですか!!」 

 「本当だよ。俺はば~っちり見ちゃったもんね。」

 「ハヤト・・・、凄い!」

 「そんな、アムロまで。」

 「そう言う所だよアムロ君。君もあの中尉さんの気を引けるよう、精々頑張りたまえ。」

 「ありがとうございますカイさん!ハヤト、どうしたら良いかおしえてくれ!」

 「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

 

 

 

 

 

 

 ホワイトベースMSパイロット待機室前廊下

 キイチ・カシマ

 何をやっているんだか、うちの連中は。

 「あ~~すまんね、うちの若い奴等が。」

 「いえ、大丈夫です。少し外して来ます。」

 あらま、顔が赤くなっちゃって。クリスさんもまんざらじゃ無いのか?まぁ、セイラさんとのあのバッドエンドよりはマシか。頑張れよ、アムロ君。となると、ララァさんはどうなんのかね?まぁ、良いか。他人の恋路など知った事じゃない。アムロには姉さん女房で丁度良さそうだしな。

 やれやれだ。

 




 なんだか、長く成ってしまいました。ブライトさんの胃に優しい展開ですww。

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