機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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ジオン軍迷走中です。


第52話  ソロモンに向けて

 サイド6宙域 ホワイトベースMSデッキ

 スプリガンコックピット

 キイチ・カシマ

 サイド6で予定通り補給を終えて出港することに成った。原作なら、コンスコン艦隊が不可侵エリア外で待ち構えているはずなんだけど・・・姿形も有りません。というか、ジオン軍の気配すらしない。

 「おかしい。」

 「ん?キイチ大尉、どうしたね?」

 「あぁ、クワトロ大尉。いや、ジオン軍にとって絶好の襲撃チャンスですよね、このタイミング。なんで襲って来ないんですかね?」

 「フム、大尉得意の最悪を想定したのか、成る程な。まあ、こうやって警戒するだけでもパイロットの良い経験には成ろうよ。何を警戒し、この体制を維持してるのか等、一兵卒は余り考えんからな。そう言う意味では、大尉。君が指示したこの命令、見事と言って良い。今後も続けるべきだ。」

 「ありがとうございます。」

 「しかし、大尉は一つ思い違いをしている。」

 「え?」

 「確かに襲撃するなら、絶好のタイミングではあろう。しかし、我々を仕留めるのにどれ程の規模の戦力を出せる?まさか、機動艦隊1つで済むとは思うまい?」

 「ええ?」

 「やはりか。私の違和感がやっと分かったよ、君達は自分達の戦力を過小評価している。いや、し過ぎているかな?何処の世界に戦艦1隻で主要都市を攻略するような部隊が有るかね?その後の活躍も、まさに戦場の英雄譚だ。そのような部隊に対してどうすれば良いと思うね?」

 「さあ、時間稼ぎですかね?」

 「まあ、そうだろうな。こんな分かりきったタイミングではなく、暗礁宙域近辺や、廃コロニー周辺。この辺りは隠れる場所もない。ま、無駄ではないがね。どうだね?少しコロニーから離れたら、久しぶりに実機で訓練と行かんかね?折角待機してるんだ。どうだろう艦長。」

 「話は聞いていました。良いでしょう。ブリッジも含めて、対空火器管制の良い訓練にも成りますし。」

 「そうだな。各MSパイロットに告ぐ。ブリッジからの指示が有るまで現状の警戒体制で待機。連絡後、15分の休憩をする。その後直ちに待機室に集合。ミーティングの後に実機で2想定の訓練だ。」

 「「「「「了解!」」」」」

 「じゃあ、警戒解除のタイミングはそちらに任せる。良いか?艦長。」

 「了解だ。」

 原作とは違う出港となってしまった、カムランさんも乗って来なかったしな。そう言えばアムロの親父さんもこのタイミングで死んだっけ、ま、変わった方が良い事の方が多いから良いか、進路はL1宙域経由。サイド5、ルウムの暗礁宙域を抜けてソロモンに向かう!

 

 サイド6宇宙港 ザンジバルブリッジ

 シャア・アズナブル

 「木馬は行ったか。」

 ザンジバルのブリッジから、離れていく木馬を見つめて独り呟く。父の言っていた、ニュータイプとしての人のありよう、そんなことを吹き飛ばすかの様な素直な問いをかけられた。今まで必死になっていて気付かなかった、なぜ私はジオン軍に居るのかを、両親の復讐、それもある。しかし、私の人生それで良いのか?復讐と言っても結局何も成せていない、私は状況に流されていただけなのか?

 「グラナダへ向かう。」

 一か八かの賭けだ。シャリア・ブル、彼に会ってみよう。彼等と鉾を交えるか、それとも。

 まだ間に合うのだろうか?正しい道を歩くことが。

 「大佐。」

 ララァの気遣う声が聞こえた。

 「すまんなララァ。決めたよ。」

 「分かってましたよ。貴方は純粋な人だもの。」

 「ありがとう。」

 背中を押してくれる人がいる。目を覚まさせてくれた奴もいる。そうか、私はアイツに負けたく無いんだな。そう気付いた自分に今更ながらおかしくなった。

 「出港は予定通り明日の0600時だ、今日は早めに休まなければな。」

 自分の決断に自信を持ってブリッジから見える宙域を見る。何時もより宇宙が輝いて見えた。

 

 ホワイトベースが出港する二日前。

 旧サイド4サンダーボルト宙域リビング・デッド師団

 旗艦パプア級 ドライド・フィッシュブリッジ

 ジャック・バロウズ

 「ルウムに戦線を移動ですか?なんでまた・・・。」

 いけ好かない女、キシリア・ザビがこちらに突然モニター越しに連絡を入れてきた。

 「連邦軍の特殊部隊、通称《木馬》がな、どうやらルウムの暗礁宙域を通る可能性が高まった。目的はソロモンだと思われる。貴君等はルウムの残骸を利用し奴等を討て。貴君等の今までの戦法ならば、殺れる筈だ。」

 フム、確かに我々の戦法であれば・・・。

 「足留め位しか出来ぬかも知れませぬぞ?奴等は常識が通用しないように思いますが。」

 「うむ、流石に鋭いな。しかし、足留めだけでもできれば良い。奴等を本隊と合流させなければな。」

 「了解しました。では、直ちにリビング・デッド師団はルウムに移動し、奴等を待ち伏せします。」

 「よろしく頼む。」

 通信が切れた。ふん、何が木馬だ情けない!上層部があんな部隊に右往左往されおって!

 「作戦変更。目標はルウム暗礁宙域。木馬退治だ!総員気合いを入れていけ!MS隊を回収出来次第、移動開始だ。副長、私は少し離れる。」

 ブリッジから出て、この船の中心部へと向かう。木馬の、奴等の戦力が噂通りだとしたら、このMSが必要に成るかもしれん。

 「カーラ女史!カーラ女史はいるか!」

 「すいません、ただ今出ております。」

 「ふん、セクストンと言ったな。教授は今どこだ?」

 「恐らく、帰艦するパイロットの義肢のチェックだと。」

 「ふん、まぁ良い。それよりもセクストン、このMSが必要に成るぞ、今度の相手は噂の木馬だ、パイロットを誰か一人見繕って置け。」

 「分かりました。教授には?」

 「俺から話す、教授を呼んで来てくれ。」

 「了解しました~。」

 ふん、アイツもいけ好かない奴だ。しかし、我々が生き延びるにはこれしか手が無い。これが完成さえすれば木馬など!

 暗い野望を秘め、リビング・デッド師団の最終兵器を見詰めるのだった。

 

 




 彼等は生き残る事が出来るか?
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