機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 酷い状態です(ジオン軍が)。


第55話  宇宙要塞ソロモン

 ホワイトベースブリッジ

 ブライト・ノア

 

 チェンバロ作戦が開始された。地球連邦軍が、本格的に宇宙空間での巻き返しを計る作戦だ。此方の士気は軒昂だ。まず、負ける気がしない。

 「左舷カタパルトデッキからアサルトチーム、右舷カタパルトデッキからブラボーチームの各MS発進しました。現在直掩MSが予定の配置についてます。」

 「よし、此方も前進する。主砲ソロモンの宇宙船ドックに固定。弾頭は、徹甲弾。主砲発射後、同場所にクラスターミサイル一斉発射。」

 「主砲徹甲弾装填完了。座標宇宙船ドックに固定。各ミサイル発射管、クラスターミサイル装填完了。」

 「主砲、撃てーっ!」

 主砲の一斉射の後に、ミサイルが発射される。少しはMS隊の援護になってくれてれば良いが。

 「MS隊、敵MSと接触!交戦開始しました!」

 「了解!各MS隊の動きをトレースしろ。見失うんじゃないぞ。」

 「了解!」

 皆生き残ってくれよ?前線に行ったMS隊の無事を祈るしかないか。皆を頼んだぞ二人とも!

 

 

 スプリガンコックピット

 キイチ・カシマ

 

 あらあら、まだ結構居るじゃないかジオン軍。ソロモンは、さっさと放棄した方が良かったんじゃ無いの?ファーストアタックで、2機をビームライフルで墜とし、すれ違い様に1機切り裂いた。ザクとリックドムが多いな。ゲルググはいないのか?ソロモンにいる奴は、学徒兵は少ない筈だ。と言うことは、機種変更に抵抗が無いエースだと言うことになる。そういう危険な奴は、今のうちに排除だ!

 ん?地味な配色で動きが良いゲルググ発見!もしかしたら、奴かな?

 「ジョブ、リュウ、あのゲルググを墜とす!二人は奴の僚機を押さえてくれ。可能であれば墜とせ。行くぞ!」

 ビームライフルの出力をビームスプレーガン程度に落とし、三点バースト。ちっ!盾で防ぎやがった。装備をビームサーベルに変更。ここからが本当の勝負だ!

 ビームナギナタを振り回すゲルググ。ふん、このモーションを使ってる事自体、素人臭い!回転の中心部を突き刺す。右のマニュピレーターが破損し、ナギナタが明後日の方に飛んでいく。貰った!奴の右側を抜けると同時にサーベルを振り抜く!ちっ!反応が速いじゃないか、上に飛び上がったせいで、奴の腰から下を切り裂く事になった。しかしもう死に体だな。

 「大義を持たぬ者達に敗れることになろうとはな。殺れば良い、連邦の腐ったクズどもめ!」

 通信が入って来た。なんだ?諦めたか。

 「大尉ーっ」

 僚機のリックドムが騒いでいるが、問題にならんな。

 「大義?大義ってなんだ?」

 「ふん、義の事も知らんのか、連邦のパイロット!」

 「知ってるさ。だから聞いている。お前らの大義ってなんだ?同じスペースノイドを毒ガスで虐殺することか?自らの大地を地球に落とす事か?そんな大義なんか知ったこっちゃねえな!お前が義によって立っているのなら、俺達は、五常によって立っている。貴様ら狂信者なんかに負ける訳が無いんだよ!あの世で同胞に懺悔しな!」

 「貴様!我等の義をバカに・ジュッ」

 最後まで聞かずに、コックピットをビームサーベルで突き刺した。あの様子じゃ改心する見込みは無いな。あんな奴生かしておく訳にはいかん。僚機のリックドムも殺られたようだな。

 「次の奴を探すぞ!動きの良い奴に狙いを定める。俺達は敵のエースを潰して回るぞ!」

 「「了解!」」

 本当頼もしくなったよ、ジョブ君にリュウさん。ソロモンも直に陥落するだろうな。こりゃ、レビルさんの言ったとおり、ソーラーシステム必要なさそうだ。

 

 

 アレックスコックピット

 アムロ・レイ

 

 キイチ大尉凄いな。あれ、確実にエースだろう。やっぱりキイチ大尉と戦う時は、懐に入れたらダメだな。でもアレックスクラスの機動力がないと難しいんだよな。おっと、リックドムの編隊がこっちに来た。

 「ハヤト、カイさん。僕がコイツらを引き付ける。二人はソロモンに行って下さい!」

 「おう、任せたぜ!」

 「アムロ、先に行ってるぞ!」

 二人はソロモンに向かった。

 その後を2機のリックドムが、二人を追いかけようとする。そこだ!編隊を外れた2機を撃ち抜く。2機は爆散したが、残り3機がバズーカを撃って来る。遅い!回避しながら反撃。3機のリックドムは忽ち火の玉に変わった。

 「さて、ハヤト達を追いかけなきゃな?」

 なんか殺気を放つ緑色のMAが隊長の方に突っ込んで行く。周りが見えて無いのか?ビームライフルを2射。両方命中し爆散。

 「お、悪いなアムロ。手伝ってもらって。」

 カシマ隊長から、礼を言われた。

 「いいえ、こっちが見えてないようで隙だらけでしたから。」

 隊長が倒したエースの関係者だろうか?まぁいいや。今度こそハヤト達を追いかけよう。

 

 

 宇宙要塞ソロモン指令室

 ドズル・ザビ

 こうも一方的な戦いに成るとはな。V作戦の成果を奪取出来なかったことがここまで響くとは。それにしても連邦の角付き、ガンダムと言ったか。凄まじいな、数えただけで10機はいるぞ?ゼナとミネバをコンスコンに命じて後方に逃がしておいて良かった。

 恐らく兄貴はここを捨て石にして、何かを仕掛けるのだろう。策にばかり走る悪い癖だ。恐らく策に溺れて、ジオンを潰すのだろうな。その兄貴を諌めきれなかった俺も同罪か。

 コンスコン艦隊を温存出来たのはせめてもの救いか?いや、焼け石に水だな。いざとなったら、ヤツも早々に降伏してくれるのを期待しよう。命を無駄にしてはいかん。

 「遺憾ながら、ソロモンを放棄するっ!撤退信号の準備!ビグザムの起動準備はどうか?」

 「はっ。準備は完了しております!」

 「よし!殿は俺がする。ビグザムの出撃と同時に撤退信号を打ち上げろ!」

 「中将、お止めください!」

 「ならん!ザビ家の将が真っ先に逃げ出すなど、末代までの笑い種となる!なに、死にはせんよ、お前らも打ち上げ次第撤退だ。ザク等に引いてもらえ。急げよ!」

 

 指令室を出て、ビグザムの元へ急ぐ。

 「ふん、このビグザムが量産された暁には、連邦など。」

 この巨体、パワーが有れば!コックピットに入ると、2名の乗組員がスタンバイしていた。

 「操縦を全て俺に回せ。お前らも撤退しろ!」

 「中将!私は正規のパイロットです!ご一緒させて下さい!」

 「すまんな、報いてやれぬかも知れんのだぞ?」

 「結構です!」

 「解った。お前らの命、この俺が預かる!ハッチ開放、ビグザム、出撃るぞ!!」

 「了解!」

 ビグザム前方のハッチが開放された。うん?連邦のジムと言ったか?量産機がパラパラと現れた。

 「蹴散らしてくれる!ん?なんだ?」

 奴等得意のビームを撃って来るかと思ったが、一目散に逃げて行く。どういう事だ?

 

 ドズルは知らなかった。

 連邦はアプサラスを解析し、ジオン軍の大型MAがどのような性能を有するのかおおよそ予測していたのである。その予測をレビル将軍が確認。全将兵に通達し対応策も講じさせたのだ。かくして、その対応は正解であった。

 現場を離脱したジム部隊は、近隣の対応が可能な部隊に応援を要請。それを知らないドズルは、軟弱者めと罵りながら、ソロモンから出て来た。

 そこに待ち受けていたのが、ブランリヴァルに搭載されていたMS隊であった。

 

 「大物だ。全賭けで行かせて貰う!」

 「おい、待て!そりゃ俺の獲物だ!色物MSは引っ込んでろ!」

 「ふっ。分の悪い賭けは嫌いじゃない!」

 「聞けよーっ!!」

 かくしてビグザムを駆るドズルは、若い二匹の獣に襲いかかられるのである。

 その援護には、何かを諦めたエイガー少尉のマドロックとガンキャノン2機。その光景を2機のジムコマンドが一歩引いて見ているのだった。

 「殺らせはせん、殺らせはせんぞ!」

 一人気を吐くドズルで有ったが、如何せん相性が最悪過ぎた。あっという間に至近距離に詰め寄られ、スプレーミサイルランチャーとビームサーベルを受け爆散するのであった。

 後に《ザ・ビースト》と呼ばれるヤザン・ゲーブルと、《鋼鉄の飢狼》と呼ばれるキョウスケ・ブローニングのコンビはこうして誕生したのだった。

 

 ジムコマンドコックピット

 ブラン・ブルターク

 「なあ、あっちの隊に入った新入り中尉さん、やばくないかい?完全にガンダムより敵を墜としてるよ?マドロック任せた方が良かったんじゃ無いのかい?」

 「俺に聞くなよライラ。だが、あの操縦じゃMSとの相性が合って無い。マドロックはエイガー少尉で正解だと思うよ俺は。」

 「ふーん、そうかね~?」

 「それより、終わったみたいだぞ。ヤザンもキョウスケ中尉と張り合って、張り切ってやがる。まだまだ忙しくなるぞ?」

 「了解、そんじゃまた、フォローに回るかね。大変だわこりゃ。」

 ぼやきながらも、的確に仕事をこなしていくライラ。お前もよっぽどだよ。とは言えないブランだった。

 

 一日にして、いや、数時間にしてソロモンは陥落した。この報は、ジオン本国に衝撃をもって伝えられる事になる。

 




 ドズルさんはここで殺してあげるのが正解かと。やはり、彼には戦士として死んでもらいたい。
 蛇足
 アムロが感じたキイチの感想は、作者がブルーディスティニーで感じたアムロの感想の反対ですww。懐に全然入れませんでした。有る意味キイチは、作者の弟のような感じと今更気付きました。
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