機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 コウ達の目線スタートです。


第64話  教導隊参上

 地球連邦軍トリントン基地

 コウ・ウラキ

 トリントン基地の上空にペガサス級の強襲揚陸艦が飛来してきた。艦体に書かれたSCV-70とWBの文字。

 まさかホワイトベース!?第13独立戦隊の第1中隊、ユニコーン中隊の母艦にして、一年戦争の数々の戦場で常に最前線で戦い抜いた、あの伝説の艦がここに来るなんて。確かバニング少佐は、第13独立戦隊から出向してきたって言ってたな。

 「おい、コウ。あれってまさかホワイトベースじゃないか?」

 「そうだよキース。ホワイトベースだよ。まさか、俺達に教導してくれるんじゃないのかな?そうだとしたら凄いぞ。俺達エースまっしぐらだ!燃えてきたーっ!!」

 「何を言ってるんだよコウ。基地の守備隊全体の教導じゃないのか?俺達ヒヨッコには、バニング少佐だけでも特別過ぎる待遇だぜ?」

 「そうかな?バニング少佐が呼んでくれたんじゃないかな?近頃はジオンもおとなしいって言うし。」

 「無い無い。もしそうなら、俺達死んじゃうぜ?あそこには、鬼のように強い人たちがわんさか居るんだ。どんな訓練させられるやら・・・。」

 「でも、それに付いて行けたらエースも夢じゃないんだぜ?これで燃えなきゃ嘘だろ?あっ!着陸するよ。行ってみよう、キース!」

 「へいへい。俺達には関係無いと思うんだけどな~。」

 キースを連れて、屋外発着場に向かった。

 

 

 屋外発着場には、大勢の人が集まっていた。あっ!バニング少佐がホワイトベースに向かってる!

 「バニング少佐~!自分達もご一緒させてくださ~い。」

 大声で叫びながら、バニング少佐に駆け寄る。

 「おう、ウラキにキースか。いいぞ、紹介してやる。付いて来い。」

 「ありがとうございます!」

 まさか紹介してくれるなんて。俺はワクワクが止まらないよ!バニング少佐の後をウキウキしながら付いていく。あ、ホワイトベースから、若い士官が二人降りてきた。

 「バニング少佐、お久しぶりです。」

 「ブライト中佐、階級は君が上だ。そんなに畏まらんでくれ。カシマ少佐、久しぶりだな。」

 「はっ!バニング少佐もお元気そうで安心しました。彼等との合流は何時の予定で?」

 「モンシア達か。アイツ等は二ヶ月後の予定だったが、君達が来てくれることになったからな。新型と一緒に到着する予定に変更されたよ。と言う訳で、明日からは宜しく頼む。紹介しよう。コイツ等が俺が今鍛えている新人二人だ。まだまだヒヨッコだ。」

 「はじめまして!コウ・ウラキ少尉です!皆さんに鍛えて頂けるなんて感激です、宜しくお願いします!」

 「チャック・キース少尉です!宜しくお願いします!」

 俺達を鍛えてくれるのか!?やっぱりバニング少佐は凄い人だ。この人達を呼び出せるなんて!!

 「あ~、俺はキイチ・カシマ少佐だ。明日から君達の訓練を担当させて貰う。俺達は基地のMS隊全体の訓練を指導するが、君達は基本、全ての訓練に参加できる。嬉しいだろ?君達は今ザクに乗ってるんだってね。明日からは、ジムトレーナーに乗って貰う。」

 カシマ少佐だ。この人と一緒に訓練できるのか!

 「了解です!ジムトレーナーは、士官学校で使っていました!機体特性は把握しています!」

 「良し。今日はすること無いんだったら休め。ホワイトベースを見たいんなら、MSデッキまでは入っていいかな?どうだろう艦長?」

 「あぁ、そうしてくれ。メカニックに迷惑をかけさせないでくれたらそれで良い。」

 「分かった、ありがとう。そいじゃ、誰か一人付けてやる。オーイ、ジョブ~!」

 ジョブと呼ばれた人が、走ってやって来た。

 「呼びましたか、オヤブン?」

 金髪美形の人がオヤブンって・・・。どんな隊なんだ?

 「あぁ、明日から鍛える事になるコウ・ウラキ少尉とチャック・キース少尉だ。ホワイトベースのMSを見学したいらしい。案内してやってくれ。」

 「了解しました。二人とも、俺はジョブ・ジョン少尉だ。まぁジョブって呼んでくれ。じゃあ早速行くかい?」

 「お願いします!」

 「ははは、んじゃ行くか。付いて来いよ。」

 「宜しくお願いします!」

 なんだ、いい人達じゃないか。明日からの訓練が楽しみに成ってきた。

 

 ホワイトベースMSデッキ

 ジョブ・ジョン

 「ガンダム8号機、スプリガンだーっ!!」

 士官学校出の新米パイロット君がはしゃいでいる。まぁ、教科書にも載ってるそうだし?ちょっとした修学旅行気分かな?

 「オーイ、ジョン。誰だい?その新人さんは?」

 「あぁ、アニー。トリントン基地所属の新人パイロットだよ。」

 「あぁ、その子達だね、明日から鍛えられる新人さんは。頑張んなよ~!絶対良いパイロットに成れるからさ。」

 「「はい!ありがとうございます!」」

 「ははは、そんじゃ楽しんどいで。」

 手をヒラヒラさせて移動するアニー。う~ん良い女だな。俺も手を振り返しながら、

 「またね~。」

 と声をかえす。ウラキ君はMSに夢中だ。オヤブンと似たような人種か?

 「ジム改2機がホワイトベースの直掩機で、スプリガンとジム・ストライカー+がツートップでその後ろにジムスナイパー2でその後ろにガンキャノンですか?」

 おっ?鋭い。

 「正解だ。本来は後2機が配属されてたんだけど、1機が出向中で、1機はパイロットが退役したんで載せてないんだよ。もしかしたら、君達の内どちらかが配属されるかもね?」

 サービストークもたまには良いだろう。ウラキ君は目をきらきらさせているな。その目が何時まで持つやら。まぁ明日からの訓練次第だな。キース君は顔を真っ青にしている。う~ん対照的な二人だな。

 「まぁ、そのうちの一人は数日後に合流予定だ。」

 「もしかして、あのアムロさんですか?」

 「ん?知ってるの?」

 「士官育成コースにサマナ教官が助っ人で行ったんですが、あれは別物だって言ってました。ジム・トレーナー1機でジム・コマンドの教官達3機を撃破判定取ったって噂が有りました。」

 「あぁ、やるね彼は、確実に。それぐらいは朝飯前に。」

 やっぱり、噂になってたか~。あんな化物作り出したオヤブンが悪いのか、彼を実戦に投入せざるを得なかった連邦軍が悪いのか。あそこで連邦軍の守備隊がちゃんと対応しなかったのがまぁ悪いんだろうけどね。でも、お蔭でスーパーエースを発掘できたのは不幸中の幸いなのかな?

 「やっぱり一年戦争の時も凄かったんですか?」

 「あ~、どんな噂が立ってるかは知らないけど、凄まじかったよ。ジオンにとっては悪魔のような相手だったろうけど、俺達にとってはかけがえのない頼れる味方だったな。アムロを育てたのはうちのオヤブンだ。君達も頑張れば、エースに成れるかもよ。明日からの訓練頑張れよ。一応俺達も参加するからさ。」

 「「はい!」」

 うん、初々しいね。明日から地獄を見るだろうけど頑張れよ。明日からの訓練を想像し、気分が萎えていく俺だった。

 俺は何時まで最前線部隊に居るんだろうな?

 




 次回から訓練+アムロ参戦です。

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