機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結> 作:水冷山賊1250F
ガンダム試作2号機 コックピット
フリッツ・バウアー
どうしてバレた?ジオン訛りも解消していたし、制服もさっき殺したパイロットの物だ。アナハイムに潜り込んでいたオービル中尉も上手く潜り込めていたのに。
まぁ良い。この機体は頂いて行く。ジェネレーターに火が入る。よし、行けるぞ!バーニアを吹かそうとして、問題が発生。バーニアが反応しない。いかん!ここから離脱しなければ!
ん?隣のガンダムが動き出した。さっきのヒヨッコか!ビームサーベルで切り裂いてやるよ!
機体の向きを変え、ビームサーベルに手を伸ばした所で背後から攻撃を受ける。なんだ!?基地のMSが動き出している。
「飛んで~火に入る夏のムシ~。お前ら明日は墓の中~っとくらーっ!」
ふざけた奴だ。舐めるな!このガンダムは動きは遅いが、パワーは有る!貴様も一緒に切り裂いて・・・。何故だ?サーベルのパワーが落ちていく?目の前にガンダム現れた。ビームサーベルで手足を一瞬で切断された!この俺がダルマだと!?
「何故だ?何故バレたのだ?そして何故パワーが出ない?」
「それは、あなたがノーマルスーツを着ていないからですよ。」
「ノーマルスーツだと!?」
「連邦軍のMSパイロットは、MSハンガーや、デッキでは例え非番でもノーマルスーツの着用義務が有るんです。そして、ノーマルスーツを着ていなければ、MSは本来の出力を出しませんし、バーニアも吹きません。MSの整備にそれは必要無いですからね。つまり、それを知らなかった貴方は、我々に直ぐに怪しまれてしまったんですよ。」
「だから貴様等は見学だけでノーマルスーツを着用してたのか・・・。調査不足だったな。」
「悪いことは言いません。投降してください。」
「ふん、お前等腐った連邦の虜囚と為るくらいなら、貴様等ごと自爆してやるわ!この核がスペースノイドに向けられる前にな!」
核弾頭の自爆を試みるが反応なしか。自爆装置も作動しない。
「あー、その核弾頭は偽物ですよ。本物をこんなとこに持ってくるわけ無いじゃ無いですか。それに、もしその核が向けられるとしたら、スペースノイドでは無く、大量虐殺者のテロリストである、あなた方ですよ。心配は無用です。」
くそ!流石は連邦、あんな若い奴まで汚ない!アナハイムを使い、俺達を誘き出したんだな!だがまだ襲撃部隊が気付いてくれれば!屋外の戦闘が止んだ?
「おーい、話は済んだかヒヨッコ。」
「はい!今投降を呼び掛けています。」
「良いよ、もう。どうせコイツら同じスペースノイドを虐殺しても、何とも思っていない口だろう?説得なんて無理だ。一思いに殺してやりな。それがそいつのためだ。」
「しかし、勝負は付きました。何も殺すことは。」
「アイランドイフィッシュにいた奴等も、何も殺すことはなかっただろうよ。なあ、誇り高き、自称スペースノイドの代表者さんよ?」
「何を!ジオン公国軍はそのような卑劣な真似はしていない!貴様等腐った連邦のでっち上げだ!」
「ホラな?悪いのは全部連邦政府のせい。自分達のしたことさえ、認めようとはしない。都合の良い現実だけを見て真実を見ようともしない。いっそ清々しい程のクズだな。」
「これで誇りだの大義だの叫ばれてもな。正直引きますね。」
「貴様等愚劣な地球市民には分かるまい!我々の大義も誇りも!」
「狂信者の誇りや大義なんて知りたくもない。もう黙れテロリスト!」
若造の分際で!数に物を言わせて戦う事しか出来ない連邦のクズ共に囚われるくらいなら死を選ばせて貰う!エリク済まない!俺はここまでだ。ピストルの銃口をこめかみに付ける。
「スペースノイドに真の自由と栄光を!ジーク、ジオン!!」
引き金を引いた。弾は出なかった。ここに入るまでに使いきっていたらしい。
「はいはい、気はすんだかい?さっさとコックピットから出てくれないかな?」
「ギャハハハハ!お前おもしれ~な!良いぞヒヨッコ!保安員も来たことだし、そのまま周囲の警戒に当たる。着いてこい。」
もう奴等の眼中にも入らないか。目の前が真っ暗になった所でコックピットのハッチが開放され、拳が飛んできた。
ガンダム試作1号機コックピット
コウ・ウラキ
「了解です。自分はコウ・ウラキ少尉です。よろしくお願いします!」
「ベルナルド・モンシア中尉だ。カシマの旦那に散々鍛えられたらしいな。動きを見れば解る。モンシアで良い。」
「はい、モンシア中尉。」
結構気安い人だな。モンシア中尉の後を追い格納庫から外に出た。外には2機の零式が周囲を警戒している。
「アムロ、基地の外から砲撃してきた奴を追うぞ。ホワイトベースからゾーリを射出して貰う。できるか?」
「了解です。大丈夫です。」
「よし。リュウ、ついて来い。ジョブとハヤトは引き続き基地の警戒だ。後の指示はブライト中佐に従え。」
「「了解!」」
オヤブン達は基地の外から砲撃してきた機体を追うみたいだ。
「カシマ少佐、自分も連れて行って下さい。」
「ウラキ少尉か。その機体で空中のゾーリを確保した事は無いだろ?ダメだ。なに、直に追撃隊が編成される、その時その機体でついて来たら良い。」
「了解です。」
2機の零式とガンキャノンがゾーリに乗って飛んでいった。
「ウ~ラ~キ、基地の外縁部を警戒するぞ、ボサッとしてないでついて来い。」
「了解です!」
いけない、気を引き締めなくては。モンシア中尉を追い周囲を警戒する。ミノフスキー粒子が散布されているようだ、濃度は徐々に下がってきている、これ以上の攻撃は無いのか?
「ザザッ、、こちらアルビオン艦長のエイパー・シナプス大佐だ。現在警戒中のMS隊に告ぐ、只今から追撃隊の編成を行う、トリントン基地所属のMS試験小隊及びアンデッド小隊はアルビオンに集結。ユニコーン隊は、ホワイトベースに集結せよ。現在、ユニコーン隊の3機が敵MSを追跡中。合流して奴等のアジト、若しくは母艦を叩く。戦争が終わった事を認めないテロリスト共に思い知らせてやれ!」
「おい、ウラキ少尉。俺達は同じ艦だ、急ぐぞ!」
「了解です!」
オヤブン達はもうアジトを見付けたのかな?そんなことをボンヤリ思いながらアルビオンに向かった。
今から追撃戦が始まる。
今回は少なめです。この世界線ではジュドーはZガンダムを盗めませんww。