機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結> 作:水冷山賊1250F
ホワイトベース シミュレータールーム
ジョブ・ジョン
オヤブンの予想は当たっていた。試作2号機は原型を留めつつ、全く違う機体に成っていた。頭部のアンテナの間になんか穴開いてるし。あれ何ですかレイ中佐?あ、ミーティングルームで説明会を開くと。はいはい、では移動しましょう。
そこで聞いた話で恐ろしい機体に成っていた事が判明した。設計者のニナさんは、自室で休んでいるそうだ。
いや、気絶したんじゃないかな?自分が作ったMSをこんな形にされて。まぁ多分、これからはこんな事は日常茶飯事になる筈だ。頑張れニナさん。なんたって、アムロの親父さん天才だからね。もう何なのあの親子?親父の作ったロボットで戦う息子。20世紀のジャパニメーションかよ!そのうち海から飛び出したり、プールから出て来ても俺は驚かないね。
で、1番バッターならぬ、1番最初のシミュレーターに俺が選ばれたと。相手はバニング少佐抜きのアンデッド隊とうちの直掩MS隊。俺の僚機はリュウさんだけ。つまり、5対2だ。しかし、曲がりなりにもこちらはガンダム。負けるわけには行かない。キョウスケさんには勝てないまでも、俺だって強襲型には自信がある。突っ込み上等、一撃離脱の特攻機には慣れてるんだ。やってやる!
「リュウさん!」
「おうよ!」
リュウさんが援護射撃をしている間にブースト全開で加速!うおっ!速すぎる!試作型ビームシールド展開!危機一髪で、ビームを防ぐ事に成功。アデルさんの狙撃を防いだ。そのまま突撃、これで!!マイクロ・ミサイル・コンテナセット。今だ、喰らえっ。アダムさんとベイトさんがここでダウン。あと3機。モンシアさんがジムライフルで弾幕を張っている。構わず突っ込む!左右にランダム回避。それと同時に左前腕の5連装チェーンガンをばら蒔く。モンシアさんはシールドで防御。そのまま突っ込めっ。ビームダガー付きの頭突きだっ。
《ドンッ》背部のウェポンラックに直撃?マイクロ・ミサイルに誘爆し撃墜判定。
「ふう~っ。上手く行ったみたいだな。」
ジャックさんかっ。目を離した隙に、上手く背後に回られた?
「すまん、ジョブ。射線を読まれた。」
「いや、仕方ないっすよ。」
「状況終了。直ぐにミーティングルームに移動してくれ。」
オヤブンの通信が入った。今回の点数は50点ぐらいだな。ミーティングルームに急ぐか。
同ミーティングルーム
アルファ・A・ベイト
先程のシミュレーション、良いところが無かった。あの突進力、破壊力。全てジム系列には無いものだ。ガンダム系列でも異質の物だろう。あの力を使いこなせたら、これからの戦い必ず役に立つ。
「じゃあ、次のシミュレーションは10分後で、」
「ちょっと待ってくれ。」
「ベイト中尉、何か?」
「シミュレーションなら、色々なパイロットを試せるだろう?俺にも乗せてくれないか?武装と操縦特性はだいたい把握した。俺も乗って見たいんだよ、ガンダムって機体に。ダメか?」
「いや、大丈夫だ。では次はアデル少尉と、ベイト中尉がチームを組んでみてくれ。ハヤト、ジョブ、リュウに、ジャックとアダムでディフェンスだ。」
「「「「了解!」」」」
よし、ここで結果を出してやる!
「よぉ、ベイト。どういう風の吹き回しだ?お前があんな機体に興味を持つなんて。」
「お前も乗って見たくないのかモンシア?あの突進力は、俺の小細工を吹き飛ばして良いとこ出せず仕舞いだった。逆にあれを乗りこなせれば、相手に良いところを出させずに、火力で押し潰せる。興味出ないか?」
「そ、そりゃぁ興味は有るけどよ。あのGに耐えられるのか?」
「なあに、シミュレーター訓練だ。実機では無い分、出せるものは全部出してやるさ。じゃあお先にガンダムを体験してくるぜ。」
「ちくしょう、次は俺が乗ってやるからな!」
「ハハッ、新型に二の足踏んでちゃテストパイロットになれないぜ、モンシア君?」
「なぁっ!?」
「まだ迷ってるんだろ?その気持ちは解るぜ?常に最前線では有るが、優秀な上司にだけは恵まれた部隊だ。命を預けるに足る部隊なんて、そうそう有るもんじゃない。次に移動するのがどんな部隊に成るのか分かったもんじゃ無いからな。」
「おめぇもかよ。」
「そりゃぁ第13独立戦隊の誰もが大なり小なり感じてるんじゃないか?特にファントムスレイヴにいたリーバー少尉なんて最たるものだろう。無実の罪を擦り付けられてたそうじゃないか。少なくとも、そんな心配はせずに済む。じゃあ、俺はこの部隊を守るために取れる戦力は全力で奪い取る。悪いか?」
「いや、お前の考えには賛成だ。次は俺にも試させろよな。お前より上手く使いこなして見せるぜ?」
「ぬかせ。」
笑いながら、シミュレータールームに移動する。伊達にアンデッドは名乗って無いぜ?しぶとくエースって奴に食らい付いてやる!
同シミュレータールーム
キイチ・カシマ
う~ん、ベイトさんとモンシアさんが試作2号機争奪戦に名乗りを上げた。やる気も充分だ。あの姿勢をジョブにも見習って欲しいんだがな。しかし、二人とも上手いな。自分の技術を、上手く機体特性に落とし込んでいる。本来の戦略思想では無いかも知れんが、中々面白い運用法だ。レイ中佐も目を充血させて、シミュレーションモニターを見詰めている。あんた寝てないんじゃないの?元気だなぁ。本当、MS作るの好きだなこの人。体大丈夫か?
「うむ、二人の運用方法も面白い。やはり、訓練に参加して良かった。次はキイチ君、君が乗ってくれないかね?」
「了解です。」
やれやれ、昼は大分遅くなるなこれは。小休憩を挟んで、シミュレーターに乗り込む。強襲型ガンキャノンの上位互換だと思ってやってみるか。
開始早々ブーストをかけ、ランダム回避。機体が流れるっ。なるほど、強引に立て直す感じでちょうど良いか。メチャクチャな機体だな。ガトーは良くこんな機体を一発で乗りこなせたもんだ。奴にやれて俺にやれない事はない!ブーストを調整しつつ、スムーズに機体を進ませる。まず一つっ。ビームライフルでジョブを墜とす。ハヤトは擦れ違い様に右前腕の固定式ビームサーベルで切り裂いた。モンシア、ベイトコンビは距離を取って連携してるな。この距離からミサイルを全弾射出。回避運動の隙に一気に突っ込む。モンシアさん、後ろは取らせんっ。チェーンガンで進路を塞ぐ。急制動したモンシアさんはミサイルの餌食になった。ベイトさんのコックピットに頭ごと突っ込み、ビームダガーで切り裂いた。後はアデルさんか。リュウが上手く牽制してくれたお蔭で仕事が出来なかったようだな。ん?増援?零式!?
「リュウ!新手だっ。アデル少尉は任せたっ。」
「了解!」
レイ中佐やってくれたな。んじゃ、アムロとどこまでやれるか試してみるか!出し惜しみは無しだっ。
同シミュレータールーム
テム・レイ
「素晴らしいな、少佐は。」
その前の二人のパイロットも面白いデータがとれた。しかし、あの二人をぶつけたところ、シミュレーターでは有るが、貴重なデータが次々に産み出されて行く。計算上は機体が耐えられるギリギリの線か。やはり、彼とアムロはうちの研究所に欲しい。あぁ、ジオンの残党共が大人しくしていれば、思う存分新型ガンダムを作れるものを、忌々しいっ。
「クリス君、データはちゃんと保存出来ているだろうな?」
「はい、レイ中佐。バッチリです。こんなデータ、勿体なくて一つも漏らせませんよ。」
「うむ。二人とも惜しいな。生きて帰って来て欲しいものだ。」
「大丈夫ですよ。中佐の零式が有れば、勝てますよ。」
「そうだな。だが、あれで完成ではない。あれは所詮試作機だ。彼等には私の最高傑作を預けたいのだよ。まだまだ道は長いがな。」
「そうですね。」
大型化するMSに対し、性能を向上しダウンサイジングされたガンダム!絶対にたどり着いて見せる!
モニターを睨みながら、夢物語と笑われようと完遂する覚悟を固めるのだった。
テムおじさんの技術チートは止まりませんww。
8月22日訂正しました。