機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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原作と大きくずれが生じ始めます。


第8話  決戦準備

 コンスコン機動艦隊旗艦 チベブリッジ

 「貴様ほどの男が一杯喰わされるとはな。」

 「はっ。面目の次第もありません。」

 メインモニターで赤い彗星から報告を受ける。奴は、補給中に木馬のMS部隊から強襲をうけ、僚機の全てを失ったばかりではなく、自身の駆るMSも小破。ムサイも手負いとなり這う這うの体で撤退した訳だ。しかしこれを持って奴を無能となじるのは酷だろう。ドズル中将から頂いた資料には無かった機体が確認できた。敵のエースに守られて進撃。その後一気に加速して、最大火力を一挙に射出。その後、止まることなく加速して離脱していく。強襲用MSか。敵も考えるものだ。そしてこのエースも厄介だ。赤い彗星に手傷を負わせる程の操縦技術もさることながら、おそらく、こいつがMS部隊を鍛えている。白い方の動きが格段に良くなっている。

 「いや、これは仕方無かろう。黒いMS、ガンダムと言ったかな?こいつは強すぎる。技量的には貴様と同じくらいなのだろうが、MSの性能が違いすぎる。それに白い方も動きが良い。サイド7での動きとは違っているように思われる。MS乗りではないから詳しい事は解らんがな、素人目にもそう見える。」

 流石は機動艦隊を任される強者、良い分析力だとシャアは思った。権力欲ばかりの小物ではなかったか。

 「はっ。御慧眼の通りかと。ですが白いMSですが、おそらくパイロットは同一人物だと思います。」

 「ふむ、実際に戦った貴様が言うのだからそうなのだろう。しかしそうなると、この短期間で、パイロットとしては著しいレベルアップをしたことになる。いったいどのようにして・・・、黒のパイロットか!!?」

 「私も同意見です。今回初めて出てきた赤いMSもヤツの仕込みでしょう。あいつは危険です。今の内に手を打たなければ。」

 「任せておけ。こちらはチベ級1隻、ムサイ2隻、ザク12機。倍の数で待ち伏せしてくれる!!そう易々とジャブローには降ろさんよ。貴様のMSは損傷しているし、S型の予備部品も少なかろう?一度ソロモンに戻りドズル閣下の指示を受けろ。MS隊の補充も必要であろうしな。」

 「はっ。了解です。」

 シャアが敬礼後にメインモニターが切れた。

 

 特務隊ムサイブリッジ シャア・アズナブル

 「よろしいのですか少佐?」

 ドレンが恐る恐る聞いてくる。

 「ふむ、見せて貰おうじゃないか、名にし負うコンスコン機動艦隊の実力をな。」

 一息着き、指示を出す。

 「これよりジャブロー降下予測地点をポイントアルファとする。ポイントアルファからソロモン方向に100㎞地点にて待機しポイントアルファを監視する。」

 「了解しました。流石ですな、少佐。コンスコン艦隊が木馬を落とせれば良し。危機に陥ったなら少佐のザクとムサイで高速で戦闘に突入。一撃しそのまま離脱。スイングバイでソロモンへ帰還と言うことですな?」

 「戦いとは二手、三手先を読んで行うものだよ。ムサイ旋回、目標ポイントに着き次第ポイントアルファに向け回頭。ミノフスキー粒子戦闘濃度散布する。急げよ?」

 「了解。聞いた通りだ!ムサイ旋回目標地点に向かう。各砲手は残彈確認、ミサイル発射要員はミサイル発射菅にミサイルを装填。この一撃で全彈撃ち尽くすつもりで用意をさせろ!」

 ドレンの指示でブリッジ要員が慌ただしく動いていく。優秀な指揮官だなと思いながら、

 「私は応急修理したザクの様子を確認してくる。後の指示はザクのコックピットから伝える。」

 と告げ、MSドックに移動するのだった。

 

 ホワイトベースブリッジ ブライト・ノア

 先程ルナツーから連絡があった。ジャブロー降下地点にジオンの艦隊が接近しているらしい。チベ1隻、ムサイ2隻の艦隊だ。カシマ少尉の言った通りとなっている。私は横にいるカシマ少尉をチラリと見た。悪い予想が当たったのだが、無表情で聞いている。若干余裕すら感じられる。さすがだ、指揮官とはこうでなければ兵に動揺を与えることになる。それに比べて今メインモニターに映っているサラミスの艦長、リード中尉と来たら・・・。

 「どうすれば良いんだ・・・。新造の戦艦とサラミス1隻で通用する戦力差じゃない。一度ルナツーに戻るべきだ‼」

 「しかし、ルナツーからの通信では、引き返すよう指示は出ておりませんが?」

 「我らに犬死にしろと言うのか!!」

 「中尉落ち着きたまえ。」

 レイ大尉が、モニターに向かい溜め息をこぼしながら語りかける。

 「大尉、貴方は技術士官だから分からないと思いますが、このまま進めば死にに行くようなものですよ!何故落ち着いていられるのです!?」

 「確かに私は、技術士官だ。艦隊戦の事は正直あまり分からん。しかし、カシマ少尉が最悪を想定して既に此方のMS隊ではシミュレーターで訓練している。ブリッジクルーもシミュレーターと繋ぎ、シミュレーションを複数想定実施済みだ。こちらのモニターを見てくれ。」

 サブモニターには戦艦3隻、ザク15機のシミュレーション映像が映った。

 「カシマ少尉とノア少尉が中心になって考えられる最悪を想定したものだ。ザク側は、ベテランが乗っていると設定している。結果を先に言えば7割の確率で作戦は成功すると出ている。ここに中尉のサラミスが加われば、確率は更に上がると思う。ジャブローからもルナツーからも計画の変更は指示されていない。中尉、協力してくれんかね?」

 リード中尉は暫くシミュレーションの様子を確認した後、ため息を吐き回答する。

 「少々ギャンブル要素の強い作戦ですが仕方無いですな。責任はとれませんよ?」

 「了解した。当初は貴官が大気圏突入ポットで道案内する予定だったがそれも難しそうだ。貴官はホワイトベースが大気圏突入後、サラミスで離脱してくれ。」

 「了解しました。」

 リード中尉の腹も決まったようだ。リード中尉と細部を詰めていく。カシマ少尉はMS隊の大まかな動きを伝えたあと、MSデッキに移動していった。

 

 ホワイトベースブリッジ通路 キイチ・カシマ

 ビビった。シャアじゃなくてコンスコンかよ‼思わず無表情になってしまったよ!でもシミュレーションしててよかった~。新しいモーションパターンも良い感じだし、上手く行けばジャブローに直行できるかも知れん。無理でも北米だ。余り気負わないよう、パイロット連中をなだめなきゃなと考えながら、MSデッキに急ぐのだった。

  




 次回は大気圏突入戦です。今回は、早期に敵艦隊を捕捉出来た為リードさんはポットに乗りません。ブライトさんの胃に優しい?展開です。
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