機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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第9話  大気圏突入

 ホワイトベースMSデッキ キイチ・カシマ

 現在、敵艦隊は大気圏突入ポイントへ向け進行中。後、30分程で交戦距離となる。

 「ガンダム各機、あと数分で出撃です。準備はよろしくて?」

 セイラさんが、状況の確認を入れてくる。モニターに映るセイラさんを見て、一年戦争なんだなとしみじみ思ってしまう。

 「少尉?」

 「いや、大丈夫だ。少し集中しすぎたみたいだ。1号機、準備完了。出撃のタイミングはブリッジに任せる。」

 「了解しました。貴方だけが頼りです。頑張ってください。」

 お~、男をノセルね~。美人の金髪さんにこんなこと言われたら、思春期の少年は頑張るだろ。

 「いや、この作戦は全員が全力を尽くす必要がある。全員で勝ちに行くんだ。そちらも落ち着いてな?」

 「ありがとうございます。」

 と言ってモニターが切れる。ありゃあ無自覚でやってんな、とんだ小悪魔だ。苦笑しながら精神を統一する。やるべき事はやった、あとは結果を待つだけだ。暫くしたらホワイトベースが加速を始めた。この加速を利用しMSを射出する。ミノフスキー粒子が散布されたこの状況下ならではの作戦だ。母艦の加速及びカタパルトの推力だけを推進力に、ビームライフルの射程ギリギリまで移動。全機射程距離に入り次第一斉攻撃をかける。更にルナツーからの移動中拾ったデブリを適当に繋ぎカモフラージュさせることも忘れない。まあ、この条件では、MS射出が捕捉される確率は半々だ。やらないよりはマシからやってみた方がいい的なレベルの話だろう。ダミーバルーンがあればな~と思いテム大尉に相談したところ、

 「良いアイデアだ‼何でサイド7の時言ってくれなかったのかね!?」

 と怒られた、解せん。まあ、ジャブロー降下後に開発されるだろう。星1号作戦にも使われるかも知れないな。

 モニターを睨みながらそんなことを考えていると戦闘宙域に近付いてきた。敵MSは既に全機放出されている。直掩のザクが2機であとは全てルナツー方面を警戒している。ザクは全機ザクバズーカを装備してやがる。情報が既に回っているらしい、シャアめ!ザクはホワイトベースの方しか警戒していない?見付かって無いのか?思わず生唾を飲み込む。リュウのガンキャノンが射程に入った!!指定されたチャンネルに設定した無線に静かに命令を囁く。

 「目標敵MS。全機攻撃開始。」

 4機のMSから一斉に攻撃が開始された。ビームライフルを数射したところでブースターに火を入れ突っ込む。ビームライフルをビームサーベルに持ち換えスレ違いざまにザクを切り捨てる。よし!ジョブも付いてきてるな。俺を先頭にアムロ、ジョブと続いて行く。アムロはこの高機動下でバズーカを避けてビームライフルで反撃している。言われたとおりダブルタップしているな。みるみるザクを墜としていく。

 「今だ‼突っ込め‼」

 タイミングを見計らっていたジョブが全力で突っ込む。行け‼と思っていたところ、チベとムサイが全速で前進してきた!不穏に思い周囲を確認したところ、チベの上部後方から猛スピードのムサイと赤いザクが‼チイ、突入のタイミングを計ってやがったのか!

 「ジョブ!ミサイル全弾射出後離脱!俺は頭上のシャアを抑える‼」

 方向転換し、シャアに向かう。ヤツもかなりのスピードだ。バズーカを連続で撃ってそのままブーストし加速してやがる。ビームライフルはこのスピードじゃ無理かな?ヤツもヒートホークを加速しながら構える。チャンスは一回、ヤツのタイミングで切らせてなんかやらん‼間合いに入る寸前にバーニア全開!

 「一意専心!!」

 ビームサーベルを振り抜く‼ヤツの右手首から先がヒートホークを持ったまま飛んでいく。そのままビームサーベルはザクの両膝を切断し振り抜いた。巧いな~!!タイミングがずらされたと判断し咄嗟に機動変更かけやがった。殺れるタイミングだと思ったんだがな。振り向いてビームライフルで追撃をしようとしたところ、ランダムにジグザグを繰返し全開で逃げに徹している。これは無理だな。コンスコン艦隊も戦闘宙域を離脱している。ホワイトベースとサラミスでどれだけ攻撃を当てられるか・・・。MS隊を呼び出したところ、全機損害なしであった。上手く行き過ぎた様な気がするが、まあ良いだろう。そのまま現宙域での警戒態勢に移行した。

 因みに今回のスコアは、俺がザク3機撃墜、1機中破。アムロがザク4機撃墜。ジョブがザク2機撃墜、ムサイ及びチベにダメージ少々?リュウがザク2機撃墜。ジョブはファーストアタックとラストのスプレーミサイルランチャーでザクを1機ずつ墜としたようだ。つまり、コンスコン艦隊はザク1機しか残って無いようだな。MS隊の補充及び連携訓練のため、暫くは艦隊行動が出来ないだろう。俺達はそのままホワイトベースに合流し大気圏へ突入するのだった。

 

 コンスコン艦隊旗艦チベブリッジ

 「シャア少佐、正直助かった。まさかデブリに偽装して近付いて来るとは。」

 「いえ、別々の角度だったから気付けたのでしょう。ヤツは知恵も回るようです。こちらも手痛くやられました。」

 「少佐のザクだな。正直頭が痛いな。作戦立案も出来て、部下を短期間で育て上げることが出来るエースパイロットか。」

 「ええ、おそらくMSのテストパイロットとして開発当初から開発チームについていたのでしょう、おかげでルウムに出撃せずにすんだ。連邦で数少ない優秀なパイロットでしょう。」

 「うむ、此れからは辛い戦いに成りそうだな。」

 コンスコンは連邦軍が開発に成功したMSについて頭を悩ませる。今回の戦闘で12機のザクが1機残して全滅。僚艦のムサイは少なくない損害を受けた。今時大戦の雲行きがはっきりと怪しくなったのを肌で感じるのだった。




 如何でしたか?コンスコンは生き残り、連邦のMSに対する油断は無くなりました。この事が以降どう影響するのか?作者にも分かりません。次回はジャブローです。お楽しみにf(^^;

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