機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

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 戦闘開始です。


第89話  アムロとデラーズ

 地球衛星軌道近海 ガンダムmarkⅡフルバーニアン

 ジョブ・ジョン

 アムロの誘導に従いひたすら飛ばして来た。本当にいたよ。あれはジオンのグワジンと、連邦軍の宇宙戦艦だ。って言うか、あれってアナンケじゃないのか?奴等アナンケに核融合炉を稼働状態で詰め込んでるのか?本当に基地外の考えることは分からん。ん?敵艦から大量のMSが出てきた。此方の接近に気付かれたか!

 「隊長!」

 「あぁ、分かっている。奴さん撃って来るぞ。全機回避だ。射程距離に入り次第全機反撃するぞ!」

 敵艦隊から大量の火線が伸びてきた。当たってたまるかよ!もう少し、もう少しで射程距離だ!今だ!

 「当たれぇぇっ!」

 アナンケに向けてビームライフルを撃つ。回避しながらだと上手く狙えなかったが、ドムモドキに当たり爆散した。アムロは一発でアナンケのエンジンを撃ち抜きやがった。君本当になんなの?オヤブンはグワジンに当たったけど、ダメージは少なそうだ。ジョニーさんも攻撃を開始。此方はアナンケに集中して当てている。だが、爆散する様子は無い。どこに核融合炉をおいてるんだ?

 迎撃が激しくなってきた。敵艦隊が此方に艦首を向けて来た。最低限の足留めには成功か?

 「ジョブ、ライドブースターをアナンケにぶつけろ!俺はグワジンにぶつける!アムロ、ジョブの援護を頼む!中佐、援護をお願いします。」

 「了解!」「任せろ!」

 「ジョブ!こいつはここでどうせオシャカだ。シールド全開で行くぞ!」

 「了解!」「「シールド全開!!」」

 ライドブースターの前面にビームシールドが展開される。これで此方から攻撃が出来なく成るが、彼方の攻撃も当たらない!アムロのダブルレイがMS形体に変形した。ここまで来れば!目標をアナンケに設定、突っ込めえぇぇっ!

 「行けぇぇっ!轢き逃げアタアアァック!」

 アナンケにぶつかりライドブースターが爆散した。どうだ!?確実にダメージは与えた。アナンケは沈黙。爆散する様子は無いが、もう自力航行は完全に無理だろう。オヤブンもグワジンにダメージを与えた。これで両艦ともに動けないな。後のムサイは無視だ。次はMS隊を叩く!回避行動を取りながら、敵MS隊に向けて、右腰部のクラスターミサイルを2発放つと同時にミサイルポッドをパージ。初見では避けるのは無理だ、墜ちろ!複数のMSが爆散する。しかし、大部分はほぼ無傷だ。やはり火力が足りないか。しかし、うじゃうじゃいやがるな!鬱陶しい!

 「アムロ、敵MS隊に突っ込む。誘導できる?」

 「OKです。ジョブさん!」

 「おうよ!」

 アムロの後を全力で付いていく。もう一度クラスターミサイルを一斉射する。この戦いの終りも近い。そんな気がした。

 

 同宙域 ガンダム零式

 キイチ・カシマ

 ジョブがやってくれた。これで足留めは確実だ!後は、落とし前だこの野郎!

 「行け!ブースター!忌まわしき記憶と共に!」

 「なんか嫌な事でも有ったのか?」

 「いや、気分です。」

 ライドブースターはグワジン後方のエンジン部付近に着弾し爆発した。

 「よっしゃぁあ!ジャストミート!」

 グワジンの後方ではスラスターの火が消えていた。裏でコソコソしやがって!もうテメエは逃げられねえ。年貢の納め時だ!落とし前の取り立てだあぁっ!

 「全機、ここからは独自の判断で戦闘継続だ!だが無理はするなよ!もう直ホワイトベースが到着する。なんとしても生き残れ!」

 「「「了解!!」」」

 俺はグワジンを沈めに行くか!行くぞ、零式!

 「殺らせるかよおぉぉっ!」

 2機の高機動型ゲルググが此方に襲い掛かって来た。奴等エースだな?

 此方に強い攻撃の意思を向けている。素早く回避行動を取る。先程まで居た場所をゲルググのビームが通りすぎていく。

 殺気が丸見えだ。回避しながら距離を詰める。ダミーバルーン射出!MS大に成ったダミーバルーンがランダムに動き出した。1機がダミーバルーンをビームサーベルで切り裂く。バカめ!ダミーバルーンが爆発し、切り裂いたゲルググにダメージを与えた。今だ!ダミーバルーンでダメージを受けたゲルググを擦れ違い様に、真っ二つに切り裂く。後方で火球が生まれた。

 「ロバートォォッ!!」

 もう1機のゲルググはショックを受けたのか、動きを止めている。死にたいようだから、ビームライフルでコックピットをダブルタップで撃ち抜いてやった。また一つ火球が生まれる。後はグワジンだと思ったが、奴等の時間稼ぎのお陰で、防御体制を構築している。ちょいと一当てしてみるが、手堅い。

 これは無理攻めは出来ないな。ジョブのクラスターミサイルも品切れしたようだし、どうしようかと、攻めあぐねていると、別々の方向から2隻のペガサス級が近づいて来た。ホワイトベースと・・・サラブレッド!ブルードラグーン隊か!

 「全機、騎兵隊のご到着だ!無理攻めはするな!俺達は左翼に移動しながら、敵を引き付けるぞ!」

 「「「了解!」」」

 ライデン中佐は帰りがけの駄賃とばかりに、マイクロミサイルを射出して此方に合流してきた。う~ん、流石だ。まさしく紅い通り魔って感じですな。いや、違う?

 

 同宙域 サラブレッドMSデッキ アレックス

 ユウ・カジマ

 流石はマスターだ。此方が敵の右翼側から接近していることに気付いた途端、攻撃を左翼に集中しだした。

 「各員見えているな。ソードマスター達は、左翼に攻撃を集中させている。俺達はこのまま右翼から攻めるぞ!」

 「「「了解!」」」

 「よし、俺に続け。アレックス、ユウ・カジマ出る!」

 ブルードラグーン隊で敵の右翼から襲い掛かる。敵のMS部隊は、ユニコーン隊により、左翼側に引き付けられ、引っ掻き回され此方に満足に対応出来ていない。2隻のムサイは瞬く間に大きな花火に変わり、爆散した。

 「後は、グワジンとザンジバルだけだ!」

 フィリップが、そう叫んだ瞬間ザンジバルが急に動き出した。

 「ユウ!奴を止めろ!おそらく、奴にも核融合炉が載せられている!」

 再び叫ぶフィリップ。言われる迄もない。

 「行くぞ、マサキ!」

 「了解!」

 アレックスとプロトタイプガンダムmarkⅡならば!一気にブーストをかける。ザンジバルのブースターに向けビームライフルを連射する。後部の核融合炉に直撃したのだろう。ザンジバルは一際大きな花火となり爆散した。やはり、余計に核融合炉を載せていたようだ。炉の破損による暴走からの爆散だろう。

 「カシマ隊長、後はグワジンとMS隊だけだ。」

 「了解、これから降伏勧告を行う。」

 「了解、お任せする。」

 なんとか成ったか。敵のMS隊も残り少ない。挟み撃ちされればそりゃそうなるだろう。この不毛な戦いもこれで終われば良いのだがな。エギーユ・デラーズ。狂信的なギレンの信俸者か。素直に降伏勧告を受けるとは思わないがさて。

 

 同宙域 零零ガンダム

 アムロ・レイ

 「デラーズフリートを名乗る者達に勧告する。もうこれ以上の抵抗は無意味だ。潔く武装解除して降服しろ。これ以上はただ無駄に死ぬだけだぞ。」

 「それを素直に受け入れると貴君は本気で思っているのかな?黒の悪鬼よ。連邦軍側の呼び名はソードマスターだったかな?我々は最後の一兵と成っても戦い抜く覚悟だよ。こうなれば一人でも多く、貴様等を黄泉路の道連れにさせてもらおう。」

 「そうやって自分の命さえ簡単に棄てられるから、他人の命さえ簡単に奪えるのか、あんたは。あんた達が今までしたことと、これからやろうとしていた事を冷静に考えた事が有るのか?あんた達が殺してきた人の大部分は、戦う意思さえ持たない一般人だったんだぞ!生まれたばかりの赤子や子供、母親、未来を誓い会う恋人達だっていたんだぞ。」

 「それがどうしたと言うのだ?彼等の死が、スペースノイドの真の自由への礎と成るのだ。尊い犠牲と言えるだろう。アースノイドの死など知った事では無いが、その死さえも我々の力と成るのだ。そして、私の死でさえもな!確かに私達はここで敗れ、おそらくは死ぬであろう。しかし、その志を継ぐ者、後に続く若者は必ずや現れる!」

 この人狂ってる。本気で言っているのが分かる。

 「そうやって、人を殺して、恨みを重ねて本気で素晴らしい世界が出来ると本気で思っているんですか?」

 「何を?」

 「今の世界をよく見てください。前の戦争で地球は荒れ果て、復興の真っ最中です。宇宙は宇宙で、貴方達が破壊したコロニーの再建や、老朽化したコロニーの再建で猫の手でも借りたい状況です。今は人類全体がやり直さなければならない時なんですよ。」

 「君はアムロ君と言ったかな?状況に流されて、武器を取っただけの子供が言うことか!大義を掲げ戦った若者を、ただ生き残りたいがためだけに殺してきた貴様が何を言うのか!何の主義主張も無く、人を殺し続けた貴様の方が私から言わせれば余程異常だよ!そんな貴様に我等の大義等理解出来よう筈もない!口を出すな!」

 何故だろう。激しく怒りが沸くが、頭の中は急速に冷めてくる。僕の体の中から言葉が溢れ出してくるようだ。

 「僕は間違いなく、身勝手な人の独善に対して、皆の意思を背負って戦っている!」

 「私の独善だと!?」

 「貴方は頭で考えている理屈を言っているだけだ。だけど理屈で人は動かないんだ。現に貴方達に家族が殺された人達が貴方達に協力しましたか?僕は、連邦軍で、貴方達に家族が、恋人が殺された人を何人も見てきたし、彼等と一緒に戦ってきた。話せば分かると言うが、見境なく人を殺しておいて、必要な犠牲であったと納得する訳が無い!誰でも彼でも巻き添えにして、悪戯に不幸を撒き散らして、何がスペースノイドの真の自由だ!人間の可能性を、貴方のちっぽけな自己満足の為に潰されてたまるか!憎しみは憎しみを産み出すだけだってなんで分からないんだ!?貴方に、いや、誰にだって地球を潰す権利なんて無いんだよ!人間は馬鹿じゃない、時間をかけて一歩ずつ過ちを正して行くことが出来るんだ。何故貴方は人間を信用出来ないんだ。そんなことだから、周りの人を道連れに死を選ぼうと出来るんだ。いい加減、目を覚ませ!」

 言ってしまって気付いた。隊長の話に口を出してしまった事に。でも隊長は何も気にせずに続けた。

 「分かるかい、エギーユ・デラーズ。あんたが馬鹿にした子供がこれだけの事を言えるんだ。その子供に納得のいく反論が出来るか?貴方はさ、初めから間違っていたんだよ。何故平気で一般人に手が出せるんだ?人の死に沿った指導者の何処に真実が有るんだよ。あんたはただ、ギレンと一緒に討ち死に出来なかったのが、悔しかっただけなんじゃないのか?あんたの壮大な自害に、どれだけの未来の有る若者を巻き込んだ?彼等はあんたの理想を信じて戦ったのだろうが、結局貴方は死にたいだけなんだろう?」

 「私が自殺志願者だと!?馬鹿にするな!」

 「アムロの話を聞いて、俺は分かってしまったよ。じゃあ聞くが、なんで貴方は簡単に命を棄てる選択をする?貴方と共に戦い、散って行った彼等の意志を本当に大事にしているのなら、あんたは生き残って、勝利を掴まなければならない。たとえ醜く命乞いをし、恥を忍んででもな。だがあんたはさっき言ったよな。後に続く若者達の為に俺達を巻き込んで死ぬのだと。突然あんたの理想を、見たこともない他人の子供に丸投げかい?いい加減にしろよ?この戦乱を起こし、多くの若者を巻き込んだ責任を取れ!それがあんたの言う立派な大人ってもんだろう!」

 そうだ。隊長の言う通りだ。それが出来ないから、自分でも分かってないから、簡単に死に逃げられるんだ。暫く沈黙が流れた。

 

 「まさか、君達のような若僧に論破されるとはな。そうか。私は間違っていたのか。しかし、連邦政府が腐っているのもまた事実。せめて私の命を使い、人類の為に最後の仕事をしなければな。」

 「まだ戦うつもりか?」

 「いや、投降しよう。責任は全て私に有る。彼等には、温情を持って頂きたい。」

 「分かった。それは裁判で訴えるんだな。」

 それからは、早かった。グワジンから武装解除したテロリストが全員ランチで投降し、生き残ったMS隊も抵抗すること無く投降した。

 あの件で、隊長に怒られることは無かった。ただ、俺が隊長でいる時以外でやっちゃいかんぞと軽い注意を受けただけだった。

 

 宇宙世紀0083、11月。エギーユ・デラーズが拘束された事により、デラーズフリートは消滅した。構成員は全て投降し、裁判を受けることになる。

 また、彼等の本拠地であった茨の園には、大量の文書や記録媒体が残されており、地球圏を巻き込んだ一大スキャンダルとなる。これが証拠となり、多くの連邦政府議員や、共和国議員又は経済人が拘束される事になり、倒産する大企業も出ることになった。

 一時的に経済が傾きかけたが、失業者は同業異社に速やかに吸収され、大きな混乱が起こることは無かった。

 一連の混乱が終息した頃、英雄レビル将軍は、周囲に惜しまれながら軍を退役することになる。

 




 なんとか、自分の思った通りの終わり方になりました。なんか御都合主義全開ですけどww。
 アムロ君、未来のジュドーさんのセリフを横取りですww。
 次回デラーズフリート編エピローグです。
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