機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結>   作:水冷山賊1250F

95 / 120
 宇宙世紀でアムロの次に筆者のお気に入りの主人公の登場ですww。


第3章  アクシズ
第91話  デブリ拾いの少年


 サイド1コロニー シャングリラ

 ジュドー・アーシタ

 一年戦争からこっち、5年位前まではちょくちょく戦いが有ったらしいが、最近はとんと話を聞かない。お蔭で、流れて来るデブリはろくなものが無い。仲間内でレンタルしているプチモビで宇宙に出てきて、今日もせっせとゴミ拾いだ。これが結構金に成るのよね。

 「イーノ、ビーチャ達はまだ来ないのか?」

 「あぁ、今日はパスだってさ。モンドと二人でナンパに行くんだって張り切ってたよ。」

 「最近はそればっかだな。共同出資で借りてるから、拾った物は山分けだけど、な~んかしっくり来ないんだよな。まぁ、MS操縦する俺達がその分多く貰ってるけどさ。」

 「仕方ないよ。まぁビーチャ達は株主に成った積もりで居るんじゃないの?僕達は作業員ってところさ。」

 「それで良いのかよ、イーノ。」

 「良くは無いけど、僕等もいつまでもこんな事出来ないからね。いつか、他の道を探すにしろ、先立つ物は多い方が良いし。ま、バイト感覚だね。」

 「そうか、そうだな。俺は両親が共働きでコロニーに居ないからさ、今の内に色んなスキルを手にしたいんだ。将来何をするにしても、手に職を持ってた方が潰しが効くしね。」

 「ま、お互い頑張ろう。」

 「そうだな。ん?なんだあれ?」

 「どうしたのさ、ジュドー。」

 「2時の方向、なんか丸い物が流れて来る。」

 「え?えーと、あれか。ああぁぁっ!あれ、MSのコックピットブロックじゃないか!?」

 「マジか!?大物じゃないか!」

 「そんなこと言ってる場合じゃないよ!中の人に早く酸素を与えなきゃ死んじゃうよ!」

 「そりゃあ、大変だ!早くコロニーに入れよう!軍の方にも通報した方が良いかな?」

 「デブリ管理事務所に通報すれば、軍の方にも連絡が行くんじゃないかな?」

 「よし。回収後、コロニーに戻りながら、無線で管理事務所に連絡だ。イーノは俺のフォローと無線を頼むよ。俺はコックピットブロックを確保して移動する。両手が塞がるから、ナビゲートよろしく。」

 「分かったよ。」

 こうして俺達は、久しぶりの大物と格闘しながらコロニーに戻った。大物の情報はビーチャ達にも連絡した。後から知ったりすると五月蝿いのよ。独り占めするつもりだろうとか、本当がめついんだよな、あいつら。そのくせプチモビに飽きたんだろう、最近は顔も出しゃしない。ま、良いけどさ。

 とにかく急いで与圧エリアに入った。いつもの駐機エリアに到着し、コックピットハッチを開く。プシューという排気音の後に、コックピットが開いた。中には黒いノーマルスーツを着た女性が、ぐったりしていた。

 「おい!あんた!大丈夫か!?」

 ヘルメットのバイザーをペシペシと叩いたところ、身動ぎした。

 「バイザーを開けるぞ!外は大丈夫だ!」

 ヘルメットのバイザーを開けたところ、妹のリイナと変わらない年の女の子の顔が有った。何でこんな娘がMSのコックピットブロックに?とにかく起きてもらおう。

 「おい!分かるか!?ここはもうコロニーの中だぞ。」

 「・・・誰?」

 「俺はジュドー。ジュドー・アーシタだ。コロニーの外壁でデブリ拾いをしていたら、君の乗っていたMSのコックピットブロックを拾ったんだよ。」

 「私・・・、生きてるの?」

 「そうだ。君は生きてるよ。」

 答えた途端、激しく泣き出した。いったい何が有ったんだ??

 

 

 コロニー管理事務所の人が15分後に現れた。女の子は、自分の事をエルピー・プルと名乗り、俺達に匿ってくれと頼み込んで来たため、トレーラーの荷台に隠れて貰った。

 「君達かね。このコックピットブロックを拾ったのは?」

 「そうです。二人掛かりで大変だったんですよ。でも、中に人は居ませんでした。お騒がせしてすいません。」

 「あぁ、構わんよ。このコックピットブロックの所有権は拾った君達に有る。お手柄だったな、結構な額になるぞ。このまま、俺達が持って帰って査定に入ろうか?入金はいつもの口座なんだろう?」

 「ええ。お願いします。中の状態は良いようです。」

 イーノが主に、コロニー管理事務所の人と交渉をしている。コロニー管理事務所は、デブリの買い取りもしてくれるんだ。町のジャンク屋よりもよっぽど良い値で買ってくれるため、俺達は重宝していた。何でもコロニーの維持管理に関わる事なんで、デブリ屋を助成し活性化させるのが目的らしい。デブリ屋は、金の為に一生懸命働く。コロニーは、デブリで破損すること無く、正常に運転される。ウィンウィンの関係だってさ。

 「ジュドー、終わったよ~。帰ろうか。」

 「お~。」

 管理事務所の人達と別れて、イーノが歩いてくる。助手席に乗り込んで来たので、直ぐに移動を始めた。

 「それじゃ、ヨロシクお願いしま~す!」

 俺達は管理事務所の人達に声をかけ、住宅街へ向かった。

 「ジュドー、あの子どうするつもりさ?」

 「一度、うちに連れていくよ。そこで話を聞こう。」

 「分かった。でも、なんか面倒な事に巻き込まれそうなんだよな~。」

 「確かにな。でも、あんな小さい娘が助けを求めてるんだ。なんとかしてやんなくちゃな。」

 「そうだけどさ。ん?ありゃあエルか?」

 「お~い、ジュドー、イーノ~。」

 前から同じデブリ拾いの仲間のエル・ビアンノがスクーターに乗ってUターンして止まった。こちらも道路の端に寄せて停める。

 「大変だよ~。」

 「どうしたんだよ、エル?そんなに慌てて?」

 「ラー・カイラムだよ、ラー・カイラムが入港して来たんだよ。」

 「なんだって?それじゃ、ようやくこのコロニーにも監査が入ったのか。やったな!」

 「あぁ、コロニー管理局と自治政府の専横もここまでだな。下の事務所の人達のタレコミかな?」

 「まぁ、あの人達は真面目にやってたからな。おそらく、デブリ回収の予算を減らされそうだって言ってたから、行動を起こしたんだろうな。コロニーが破損すれば、修理代の方が高く付くって分かんないのかな、あの人達は。」

 「それも俺達から取ろうと考えていたんだろうぜ?本当、立場が上に行くほど役立たずが多くなるよな。何でだろ?」

 「どうでも良いじゃん、そんなこと。たぶん、これで少しはマシになるよ。それよりさ、見に行かない?もしかしたら、あの人達に会えるかもよ?」

 「あの人達?」

 「キイチ・カシマや、アムロ・レイさ。」

 「エルもミーハーだな。」

 「悪い?」

 「ま、良いか。明日で良いか?今日は疲れてさ。」

 「明日だね?良いよ。じゃ、明日で~。」

 エルがスクーターで離れていく。

 「じゃ、俺達も帰るか。」

 「そうだね。」

 動き出そうとした時、後の荷台から隠れていた女の子が動き出した。

 「ねえ、今の話ほんとう?」

 「何が?」

 「ラー・カイラムよ。サイド1のロンデニオンに行かなくても、あの人達に会えるの?」

 「まぁ、今なら会えるかもな。」

 「私をそこに連れて行って。お願い!」

 ジオン系のパイロットスーツを着た女の子が、あの部隊に助けを求める?何かキナ臭い予感がして、イーノと顔を合わせた。

 




 ジュドーさんから始まりました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。