機動戦士ガンダム 白と黒のエース<完結> 作:水冷山賊1250F
サイド1シャングリラ 住宅街
アーシタ家
「ただいま~っと。リィナ~?」
「なあに~?お兄ちゃん?ってどうしたのその娘!?それに、その格好。まるでノーマルスーツみたいね?」
後ろから入ってきた少女を見て、リィナが驚く。まぁ、そのまんまノーマルスーツなんだけどね?
「あぁ、この娘はエルピー・プル。今日仕事でちょっとしたことで知り合ってな?この通り、服が無いんだよ。お前の服貸してくれない?」
「お兄ちゃん!またデブリ拾いに行ったの!?危ないから止めてって言ったよね!」
「良いじゃないか。資格も取ってるし、実際に儲けも出している。コロニーの保全にも役立っている。良いことばかりじゃないか?」
「それを学校休んでまですることが問題なのよ。先生から電話が有ったわよ。昼休みから居なくなったって!そんなにお金貯めてどうする積もりよ!?」
「お前をロンデニオンの学校に入れてやりたいんだよ。あそこは、しっかりセキュリティもしてるし、この辺の学校じゃあ、一番だからな。」
「誰もそんなこと頼んでない!」
「それよりさ、服だよ服。この娘、ノーマルスーツしか無くってさ、これじゃ目立って仕方ないよ。」
「どうしたのよ。」
「込み入った話は聞かないでくれ。お前ぐらいの娘が助けを求めてるんだ。力を貸してやりたいんだ。」
「どうする積もりなの?」
「宇宙港にラー・カイラムが入港してるだろ?あの人達に保護を求めるんだよ。」
「成るほどね。じゃあ分かったわ。私も行く。プルさん、こっちに来て。洋服を選びましょう?」
「何でだよ!?」
「私もいた方が、姉妹と間違われるでしょ?それにお兄ちゃん達だけじゃ心配だし。」
「イーノも一緒に行くんだよ!」
「じゃあ尚更ね。」
イーノお前何したんだよ?リィナの評価が低いぞ?
「リィナちゃん、それはないよ。」
「だってイーノさん、なんか頼りないんだよねぇ。さ、プルさん行こう。」
プルを連れて、さっさと自室に消えていった。
「なんか悪いな、イーノ。うちの妹が生意気言っちまって。」
「良いよ、ジュドー。荒事が苦手なのは当たってるからさ。それにリィナちゃんとプルが一緒に居れば、ジュドーは二人妹を連れて来たお兄ちゃんって感じに成って、プルを追いかけてくる奴等の目隠しに成るかもしれない。僕は、今回運転手として宇宙港まで送って、駐車場の近くで待ってるよ。何か不審な人がいたら、携帯電話で知らせるからさ。」
「分かった、それで行こう。」
簡単な作戦を立て、二人を待った。30分後、プルは動きやすい格好でそれなりによそ行きの可愛らしい服、リィナはスカートでよそ行きの服を着て現れた。さあて、宇宙港に突入だ!
シャングリラ宇宙港
アムロ・レイ
その日、俺は宇宙港近くの展望デッキで時間を潰していた。展望デッキからみえる母艦と、宇宙空間を見るのが好きだった。シミュレーターも良いけど、たまにこうしてコーヒーを飲みながらマッタリした時間を過ごすのも悪くない。師匠達はなんだか慌ただしくしてたけど、俺に何かをするよう指示は出ていない。あんまりラー・カイラムから離れないようには言われたけど。
この広いスペースで無重量感覚を味わいながら、マッタリするのが良い気分転換で、お気に入りだ。カフェオレを啜りながらマッタリしていると、若い男女が3人入ってきた。兄妹だろうか?
「有った。ラー・カイラムだ。さあて、ここからどうやってあそこに行くか。」
ん?ラー・カイラムに用でも有るのかな?
「もう、お兄ちゃん。声が大きいよ。誰かに聞かれたらどうするの。」
うん、君もね。何か悪いことをしようとしてる感じではない。悪意が感じられないからね。どちらかと言うと、助けを求めている感じがする。すると、黒服を着た軍人っぽい男が二人現れた。男の子がいち早く気付き、女の子二人を背後に庇う。
「コロニー監理局の者だが、身分証を見せてくれるかな?」
「すいません、家に忘れて来たみたいです。後日提出で構いませんか?」
「すまないね、どうやら不法入国が有ったみたいなんだ。付いてきてくれるかな?」
もう一人の男は無線で応援を呼んでいるようだ。何やら怪しい。この二人の男からは、悪意しか感じない。助けた方が良いな。
「あぁ、すまないが俺の連れが何か迷惑をかけたのかな?」
堂々と男達の前に歩いて近づいた。
「貴方は?」
「あぁ、申し遅れた。地球連邦軍第13独立機動艦隊ロンド・ベルのアムロ・レイ大尉だ。クルーの子息達をラー・カイラムに案内するように頼まれてるんだよ。えっと、君は。」
「ジュドーです。ジュドー・アーシタ。」
「あぁ、じゃあ間違いないね。事前に3人で来ると聞いてたからそうじゃないかと思ってたんだよ。」
「すいません、お待たせしたみたいで。」
ジュドーと名乗った少年が手を差し出して来た。此方も合わせて握手をした。するとどうだろう。彼の後に宇宙が見える。彼も驚いているようだ。間違いない、彼もニュータイプだ。
「じゃあ案内するよ。僕に付いてきてくれるかな?」
「「「はい!」」」
男達は憮然としていたが、俺の名前を聞いて動けないようだ。やはり、何処かの軍関係者なのだろう。俺に向けて殺意とは行かないまでも、悪意を向けている。俺は3人を連れて、展望デッキから移動するため扉の方に向かった。背後の悪意が増し、殺意に変わった!
俺はホルスターから拳銃を取りだし、殺意の方に向け、顔を向ける。
「何のつもりだ?」
男は懐に手を入れた体勢から動かない。
「貴官等が何故コロニー監理局の人間を名乗ったかは知らないが、動くと撃つ。君達、こっちだ。」
それから俺はポケットからリモコンのような物を取り出した。
「これが何か分かるか?ラー・カイラムの方を見てみな。」
ラー・カイラムから、陸戦隊がワラワラと出てきている所だった。
「各パイロットに渡されているエマージェンシーコールだ。捕まりたくなかったら、さっさと引くんだな。」
「おい、ここは一旦引くぞ。」
「あぁ、仕方ない。」
男達が、エレベーターに向かう。だが、悪意は消えてない。何か仕掛けてくるな。エレベーターが閉まる寸前に手榴弾を投げようとしたため、腕を撃ち抜く。
「伏せろぉっ!」
エレベーターが閉まった状態で爆発が起こる。軽い振動と、激しい音の後に警報が鳴り響く。
「あの人達、死んだのか?」
「さあ?エレベーターの天井を抜けて脱出してたら生きてるかもね。それよりさ、彼等は君達を殺しに来てたよ?いったい何したの?」
半分以上は俺を殺しに来てたけど、間違いじゃないよね?
「え?アムロさんを殺しに行ってたんじゃ?」
「いやいや、僕があれくらいで殺される訳無いじゃないか。君達だけでもって感じだったんじゃないかな?」
「「「え~~?」」」
無理っぽかったかな。でも、君達にも殺意は向いてたからね?
「君達にも、あいつ等は殺意を向けてたよ。っと!」
通路の先から、黒い服を着た男達が銃を撃って来た。3人を庇って扉から離れる。反撃に2発撃ち込む。悲鳴が上がったが、まだ大勢いるようだ。陸戦隊は間に合いそうにないな。
「大丈夫なのかよ!?」
「大丈夫だ。今からMSを呼ぶ。壁際に寄って身を伏せててくれ。ガンダーームッ!!」
3人はポカンとした顔で、俺を見ている。暫く固まっていたジュドー君が叫ぶ。
「何やってんだ、こんな時にっ!」
まぁ、端から見てたらそうだよね。だけど展望デッキにガンダムが顔を見せたことで、ジュドー君が再度固まった。
「え??」
「通路の奥に向けて、頭部バルカンを一斉射。撃て!」
激しい爆音が2秒間続いた。
「よし!コックピット開放!展望デッキに高さを合わせてくれ。」
ガンダムが上昇し、空のコックピットが現れた。直ぐにコックピットに乗り込む。
「君達も来るんだ!」
3人は、素直に乗り込んだ。
「じゃあ、今から最短距離でラー・カイラムに招待するよ。話はそこで聞かせてくれ。」
3人を連れてラー・カイラムに向かう。この3人の中の誰かが、あのMSのパイロットなのかな?
アムロとジュドーの邂逅です。もちろん原作では起こってません。小説では有ったんですけどねww。