未知との遭遇〜アルトリウムを添えて〜   作:ゴランド

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 熱暑の中でおかしくなった頭とFGOのイベントが掛け合わさって思い付いてしまったナニカ。
頭空っぽにして読む事をオススメします。



EP1 ファントム・メナス(亡霊の脅威)
1話 装者達の夜明け


 

 俺は空を眺めるのが好きだ。蒼穹、黄昏、唐紅、漆黒へと様々な表情に変わる。

そんな大空を見上げていると俺は、世界の誰もが国境、言語の壁を乗り越えて"空"を眺めていると感じられるんだ。

 

そう思えるようになったのは数年前に死んだ両親の影響なのだろう。親に連れられ様々な国を渡り歩いていたのは今でも覚えてる……と、言っても一部は記憶から抜け落ちている所もあるけど。

正直言って昔は外国語なんてさっぱりな上、意志も伝わらず紛争地帯も多いから両親に連れられるのは勘弁して欲しかった。

日本在住の俺にとって両手一杯に抱えきれない程に世界は広い。

 

そんな両親の"世界に眠る遺産を後世に残す"と言う夢は俺にとって広大で、眩し過ぎたのだ。

 

 

………そんな俺にとって眩しい両親が亡くなって数年。一人暮らしも大分慣れて来た頃、俺は衝撃の出会いを果たす。

 

「……ん?なんだあれ」

 

 現在、午後の8時。綺羅星がポツポツと空に浮かび上がって来る時刻だが強く眩い光が夜空を駆けていた。

 

流星…それとも彗星かな?

いや違うな、彗星はもっとこう… バァーッて動くもんな。

 

それじゃあ、こっちに向かって来てる光は一体

……え?()()()()()()()()()()()

 

「え、ちょっと⁉︎ うお、なんの光ィ!?」

 

 直後、夥しい程の光量と衝撃が俺を襲い掛かった。

 

「…あれ?」

 

……と思ったけど幾ら経っても衝撃が来ない。恐る恐る目蓋をゆっくりと開くとそこには────ロケットがあった。

 

「は?」

 

 もう一度言おうロケットだ。しかも卵形状にウイング(小)とデカイロケットエンジンが付いたひと昔前のミニチュア模型っぽい感じのヤツ。

 

それがウチの庭に突き刺さっているのだ。

 

……何故ウチの庭に?何故壊れてないの?そもそも何故ロケット?何故に自宅周辺に影響が出ないでそのような不時着を?そんな埒外物理法則に驚いている僕へ的確な追い討ちブローをかますボクサーの如く宇宙船の扉をこじ開け、何者かが外に出て来る。

 

「夜分に失礼、私は訳あって本名は明かせませんがコードネーム【謎のヒロインX】と言う者です。実はコスモリアクターの調子が悪く墜落してしまいました!急に押し入ってなんですが泊めさせていただけないでしょうか!」

「……えぇ…」

 

これが俺と宇宙からの使者(自称)とのファーストコンタクトである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───と、言う感じで俺とXは出会った訳だよ」

すみません、頭大丈夫ですか?

 

 お好み焼き屋ふらわーでバイトをしている最中、常連のリディアン女子高生達に居候との馴れ初め話をしたらそんな反応を返された。

 

うん、そりゃそんな反応になるよね。俺だって今でも良く分かってないし。

そんな事を考えながらキャベツを刻んでいるとバン、とテーブルを叩きながら明るく今を生きる女子高生一年の立花さんは声を上げる。

 

「違う!違うんですよ!私が聴きたいのはそんなSFチックなものじゃなくて甘酸っぱい色恋物語のような馴れ初めを聞きたいんですよ!」

「甘酸っぱい?ハハッ、ナイナイ」

 

 あんなコズミックホラー1歩手前の出会い(コンタクト)にトキメキを覚える程 俺は逸般人の域に達するつもりはないので。

と言うか今更だけど、なんで俺はあの時に居候させる事を了承してしまったのか……まさか宇宙パワーによって洗脳されてないよね?

 

「モキュモキュ……ゴクン 一体私を何だと思ってるんだキミは。それに私自身まさかこのような東方の地にてドゥ・スタリオンIIにエンジントラブルが発生するとは思ってませんでしたよ」

「それに加えてX自身、船を直す技術が無いしね」

「ええ、それは盲点でした。そんな事より豚玉おかわりお願いします」

「あ、それなら私もお願いしまーす!」

 

 うん、別にお代わりは構わないけどさ。お金ちゃんとあるの?このまま僕のバイト代から天引きって言う展開は嫌だからね?

と言うかツケ払いするようなら家から追い出すよ?

 

「むむっ、聞き捨てなりませんね!キミは私の事を何だと思ってるんだ!」

「家に上がり込んで来た住所不特定の謎知的生命体」

「せめて最後の方に"唯一のセイバー"と付けて貰ってよろしいでしょうか!あとお金の事なら問題ありません!」

 

 問題無いって……まさかバイトでも始めたの?最近学校に通うようになったけど、今の今までニート同等の生活を送って来たXが働くようになったの!?

 

「ふふん、そう言うわけです。訳あって仕事内容は明かせませんが給料もちゃんと貰っていますので!」

「……Xさぁ、金欲しさの為に身売りするのはちょっと」

「誤解ですからねッ!その証拠にミス立花も一緒に働いてますからッ!」

 

 ふむふむ、成る程。立花さんもXと同じ職場で働いているのか……。

 

「……うん、とりあえずコレは僕からのサービスだから辛い時はいつでも言ってね立花さん。ほら小日向さんに相談するって手もあるから」

「なんかますます誤解が加速してないですか⁉︎」

 

 いやだってさ、言っちゃ悪いけど二人とも騙されそうな性格してるし……。

 

「いやいやいや、そんなのじゃなくて私達人助けみたいなお仕事してるのでそこら辺は安心してくださいッ!」

「えぇ、私としては職場のセイバー暗殺の機会を狙ってはいますが給料が良いのでしばらくは大人しく働いているので安心してください」

 

「うん。立花さんはともかくXの何処に安心しろと?」

「そんな、私の何処に落ち度が⁉︎」

「落ち度しか無いよ……はい、2人とも豚玉お待ち」

 

 コトンとお好み焼きが乗った皿を差し出すと腹を空かせた犬の如く2人はがっつき始める。うん、なんかペット相手に餌付けしてるみたいだなぁ(小並感)

 

「……そう言えば最近、ノイズの出現率がドチャクソ高くなってると噂になってるけど大丈夫?」

 

「言われてみれば…ここら辺って、ノイズが出て来る頻度高いですよね」

「あー……確かに、アレって何処から来るんですかね?何度も何度もカリバーをぶっ放してもワラワラと湧いてきます。もしかしてジャパニーズコックローチの1匹いれば100匹居る現象を真似してるのでしょうか?セイバーでも無い癖して増えるのはNGですよ!無論セイバーも増殖するのはNGですけど!」

 

 特異災害ノイズ。それは昔から時間、場所を問わず人のみを殺す存在として伝えられていたもの。何処から現れて来るか分からないソレはF91のバグの如く理不尽に徹底的に人を炭へ変えるやべーヤツだ。

 

ちなみに本来であればノイズに遭遇する確率は人生に通り魔と鉢合わす確率より下なのでそこまで気にする必要は無い。

まぁ、この街に居る間にノイズとは4回くらい遭遇したんだけどね。

……もう訳分かんねぇなこれ。

 

「……む、これはバイト先からの着信音ッ!これからカリバーをぶっ放すお仕事をしてくるのでこれにて失礼します」

「あぁ、そう…気を付けて」

 

「あはは、すみません。私もちょっと……」

「いいよ気にしないで。また来てくれると俺とおばちゃんは嬉しいからね。……それと、何かあったらちゃんと話すんだよ。特に仲の良い友達とかにはね?」

「勿論、分かっていますよ!」

 

 うん、分かってるか〜〜、分かってるならちゃんと伝えて欲しいんだよなぁ……。

 

「……あの、ちょっと?なんですかこの扱いの差は⁉︎」

「え、何が?」

「いやいや待て待て待ちなさい。もっとこう…居候の私に掛かる言葉があるでしょうが!『Xこそ俺にとって唯一のセイバーだ』とか『よっ、セイバー・the・セイバー!』とか色々と!」

 

 ごめん。ちょっと、何言ってるか分からない。とりあえず仕事行って来たら?

 

「むむむ、何やらはぐらかされた気がしますが……仕方ありません。帰って来たらちゃんとしっかり話して貰いますからね!」

「分かったよ……ちなみに夕飯の要望は?」

「ハンバーグ丼でお願いします!朝のグルメ特集でやってたおろしポン酢をかけたヤツで!」

「分かった、それじゃ作って待ってるかr「わああああああああい やたあああああああああああ!!」テンション高っ」

 

 アホ毛をピョコンと立てたXはそのまま立花さんを連れて行ってしまった……あ、そういえばお代払ってないじゃん 後で請求しなきゃ。

 

……まぁ、そんな話はさておき。僕の目の前にあるカウンター席に1人の女子生徒が座る。

黒髪の謎のグラビティオーラを放つ彼女の名前は小日向未来。立花さんとルームシェアをしている彼女が何故ここに居るのかと言うと────

 

 

「間違いない…響はXと付き合ってます!

「とりあえず落ち着こうか」

 

 そう言いながら俺は水を差し出すと、小日向さんはグビグビとコップ容器の水を体の中に流し込み、一気に空にしてしまう。

 

「とりあえずさ昨日の迫真の勢いで『響とXは付き合ってるんじゃないでしょうかッ!』って言われても良く分からないんだけど」

「言葉の通りです!最近の響はXと同じタイミングで何処かにフラッと出かけてしまう!これはどう考えてもお忍びデートと言う名の淫行に違いないです!」

「大丈夫?小日向さん(特に頭の方は)大丈夫なの?」

 

 小日向さん基本はいい娘なんだけどなぁ…立花さんが絡むと一気に思考回路がピンク一色になるのどうにかなりません?え、ならない?そんなー。

 

「何をそんな呑気にしてるんですかッ!もしも2人の間に子供が出来ちゃってもいいんですか⁉︎」

「…小日向さんは女性同士で子を成す事が不可能と言うのをご存知でない?」

 

 おかしいなぁ…中学保健体育のカリキュラムに妊娠に至るまでの過程を授業で受けなかったのかな?

 

「響とXの子供なんて……私を放って別の女と遊ぶなんて酷いよ響ィ!!」

「言いたい事は分かったけど言い方ァ!」

 

 

 この後、無茶苦茶愚痴を聞いた。

……だけど、お好み焼きを一切口にしないのは飲食店として結構心に来るぞ小日向さん。そして立花さんにはこれ以上彼女が拗れる前に何とかして欲しい。いやホント、マジで。

 

 

 

 

 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

 

「うわっ!わわわわ⁉︎」

 

 唐突だが立花響は特異災害ノイズから逃げていた。彼女はとある出来事をきっかけにシンフォギアと言うノイズに対抗する力を手に入れ、特異災害に対処する事となった。

 

 しかし響は数日前までは普通の女子高生。ノイズに触れても炭素化を防ぐバリアコーティングがされている鎧を身に纏ったところで戦闘の「せ」の字すら知らない彼女が易々とノイズ相手に戦うのは無理があるだろう。

 

「た、助けてエックスちゃ────

「セイバーーーーーッ!!(掛け声)」

 

 直後、背後に居たノイズの群集が横一閃により上下に分割される。

黄金の剣から真っ直ぐ伸びたビームがスパッとノイズ達を斬ったのである。

しかしそこから再び現れる第二群。さすがのヒロインXと言えどもそう簡単にこの数を相手にするのは骨が折れるだろう。

 

「呼ばれて参上しました謎のヒロインXです!と、言うわけでお役御免だよノイズ共カリバーーーーーーーッ!!」

 

 否、余裕であった。ビームでブッパするだけの簡単な仕事にXは剣をクルクルと回しまだ行けますよアピールを行う。

 

「立てますかミス立花。ランサークラスと言えども私は一切の差別を行いませんから」

「あ、ありがとう…」

 

「ただしセイバーは殺す」と最後に呟いたが、ヒロインXは基本的に善人だ。脳内優先事項がセイバー抹殺と言う点を除けば基本的に善人なのだ(2回目)

 

「さて、さっさと移動しましょう。私が各場所に仕掛けたトラップ(地雷)によって他のノイズ共は爆破しましたのでもう安心でしょう」

「そうなんだ……あれ?ノイズにそんな古典的な罠が通用するn」

 

 突如として、後方に響く轟音。彼女達が振り返った先には10mを越す程の巨体を持つノイズ達が居た。

 

「で、でか……ッ⁉︎」

「おのれノイズ、こうポカジャカ増やしてキリがない!ミス立花!何かこうとっておきの必殺技的なのは無いんですか!」

「ごめん、そもそもアームドギア自体使えないッ!」

「そう言えばそうでしたね、私は真面目に修行(と言う名の栄養供給)して新開発したと言うのに…!」

「新技⁉︎」

 

 うおおおおお!と叫びながら剣先にエネルギーを収束させるヒロインXは側にいる響に声を掛ける。

 

「しかし、この技はパワーを溜めるのに時間がかかります…ミス立花はその間に囮に……ノイズ達の注意を引き付けてください!」

「今囮って言ったよね⁉︎完全に私の事囮にするつもりだよね⁉︎」

「ええい、ごちゃごちゃ言ってないで早くしてください!ゴー!ランサー ゴー!」

「そんなぁ!?」

 

 巨大なノイズ達はワチャワチャと口論を繰り広げる2人との距離を詰めていく。

気づけば既に相手の攻撃範囲内にまで接近され もはや万事休すか…と諦めかけたその時、

 

 

ブオオオオオオオオ!

 

 

「この音は…!」

 

 響達が振り返った先にはもう一人、彼女等と共に戦うシンフォギア装者の『風鳴翼』が青のバイクに跨り駆けて来たのである。

 

「いざッ!」

 

 その掛け声と共にノイズを斬り裂く剣、アームドギアを手に取るとバイクを踏み台に大きく跳ぶ。

……ついでにバイクはそのまま巨大ノイズに衝突し爆発した。

ナムアミダブツ。

 

「バイクが死んだ!」

「この人でなし!…じゃ、なくて翼さん!」

 

「ハァーーーッ!!」

 

 

蒼ノ一閃

 

 

 翼の持つアームドギアが二尺三寸程の太刀から己の身長を越す大剣へ変化、そのまま空中で振り下ろすと刃状の青いエネルギー波が巨大ノイズを一体、二体、三体と全てを切り裂き炭に帰した。

 

「さすが翼さんだ、やっぱり翼さんは一流だなー!」

「ぐぅっ、私の新技披露の見せ場を奪うとはおのれセイバーめ汚い!防人のセイバー汚い!」

 

 綺麗に2人の前に着地した翼は剣を鞘に仕舞うかの如くアームドギアを収納し彼女達に向き直る。

 

「全く…この程度の相手に何を──"カチッ"──え?何この音h」

 

 

ボグォオオオオン!!

 

「「あっ」」

 

 瞬間、風鳴翼の足元が爆ぜた。

そしてヒロインXは思い出した。対ノイズ用に地雷を埋めておいた事を……、その地雷がノイズに全く通用せずそのまま放置されていた事を……。

爆煙が晴れる頃には、真っ黒に焦げたトップアーティストがそこに居た。化粧やセットした髪型が色々と台無しとなった防人が彼女等の目の前に現れたのである。

 

「………」(ニコッ)

 

 すると不気味な笑顔を浮かべた翼はノコギリめいた剣を抜き、ヒロインXに告げる。

 

屍山血河と死屍累々。好きな方答えて貰おう

 

「おっと定時になったので帰らせていただきます、さらば!」

「影縫い」

「あっ、ちょっと拘束技は反則じゃないですか!おのれセイバーの皮を被ったアサシンめ、汚い。さすが忍者汚い…あ、すみません、ほんと謝るので刀持った状態でにじり寄って来るのはやめ…グワーーーーーッ!」

「エックスちゃーーーーん!?」

 

 

 





『主人公』
ふらわーで働く高校生バイト。夢はお好み焼き屋"ふらわー"の世界進出だったりする。

『謎のヒロインX』
空から降って来た居候。主人公の知らぬ間に二課に所属していた。
今日もまた人類の敵であるノイズをぶっ殺すお仕事に励む。あとついでにセイバーも殺す。

『立花響』
基本的にツッコミ役。しかしブレーキが壊れると……

『風鳴翼』
SAKIMORI。この時点でSAKIMORI。基本的にバイクを生贄に召喚される。

『小日向未来』
多分1番キャラ崩壊起こしているキャラ。
こんな事になってしまって本当に申し訳ない。
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